四宮の料理人兼白銀の親友は近侍さんに告りたい   作:トネッピー

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今回はオリジナル回です

会長と崇宮君が夏祭り用と旅行用の服を買いに行きます

それでは、どうぞ




崇宮誠は服がほしい

「誠、こんなんでどうだ?」

「ぜってぇ却下」

 

はぁ~、なんでだよ……

なんでそんなに壊滅的にセンスないんだよ……

頭痛くなってくるわ

昨日、早坂と場所決めてから御行にあんなこと言うんじゃなかった……

 

《~~前日の夜~~》

 

『早坂、場所はこことこことここのどれかになりそうなんだけど、どこがいい?』

『それじゃ、この◯◯温泉旅館がいいです』

『オッケー、それじゃ日にちはどうしようか?』

『それなんですけど、ちょっと8月前半は予定が立て込んでて……』

 

早坂も予定とかあるんだなぁ~

かぐや嬢の世話で手一杯だと思ってたわ

そらそうか、早坂だって花のJKだもんな……

それじゃ、今回は縁がなかったってことにするか

 

『そっか、じゃあまたの機会にするか』

『ちょ、ちょっと待って!!8月中旬位なら行けるんだけど、崇宮君は空いてない?』

『全然空いてるけど、それなら8月16日とかどう?』

『うん、そこなら大丈夫。ごめんね?崇宮君』

『お安い御用さ。それじゃ、予定空けとけよ?』

『わかってるよ。それじゃおやすみ、崇宮君』

『おやすみ、早坂』

 

そういえば、服どうしよ

折角だしオシャレな服装で行きたいよな、背伸びしたみたいなのはヤだけど

誰を誘うか……

優は、宿題と勉強、あとゲーム

翼くんは柏木さんと居るだろうし

残るわ御行だな

誘ってみるか、喰い付いてこなかったら一人で遠出して買いに行くか

 

『御行~、明日服買いに行かね?』

『どうした?急に』

『ちょっと服が欲しくなってね、御行もどうだ?ってね』

『あぁ、行かせてもらおう。俺もちょうど夏祭り用の服が欲しかったんだ』

『そっかそっか、それじゃタイミング良かったな』

『それじゃ、待ち合わせは明日の朝にモールの前に集合でいいか?』

『あいよ、リョーカイ』

 

それじゃ、寝るか

 

《その頃、早坂さんはというと……》

 

(うぅ~~///どうしよ、グイグイ行きすぎてなんだコイツとか思われてないかな?大丈夫だよね?でも、あのまま行けば多分旅行の話は無くなってたよね。それならオッケー、なのかな?それにしても、服どうしよう……。誰かと買いに行こうかな?でも、かぐや様は~……ダメ、絶対に誰と行くのとか聞いてくるもん。男の人は論外だし、学校の友達は~……あの子達から誘われた用事ほとんどキャンセルしちゃったから頼めないな……。となると……)

 

「………っよし!!」プルルルルル

『もしもし?』

『あ、ママ?ちょっといい?』

『どうしたの?愛』

『あのね、服を買いに行くのに付き合って欲しいんだけど……』

『あらあら、いきなり掛けてきたと思ったらそんなことで私に掛けてきたの?』

 

(やっぱり、ママは忙しいよね……。でも、だとしても!!絶対に引き下がれない!!)

 

『うん、忙しいのはわかってるけど、どうしても買いに行きたいの』

『どうして?好きな人でも出来たの?』

『………そうだって言ったら付いてきてくれるの?』

『当ててあげましょうか。誠君でしょ』

『うん……///でもなんでわかるの?』

『当たり前でしょ。あなたも誠君も気づいてなかったでしょうけど、出会ったその日からあなた、誠君をチラチラ見てたのよ?』

 

(………嘘ぉ!?え、なに?それじゃ私、今まで自分の気持ちに気づいてなかっただけで崇宮君に一目惚れしてたの!?え、なにそれめっちゃ恥ずかしいんだけど///)

 

『えっ、それ本当?』

『ホントホント、もしかして自覚なかった?』

『全然』

『あら、そうなの?まぁ、そんなことは置いておいて。いつ行くの?』

『うぇ!?あ、うん。明後日とかどう?』

『明後日ね、わかったわ。場所とかはまた連絡しておいてね』

『意外とあっさりオッケーなんだね』

『あら、どうして?』

『もっとこう、私は忙しいの、とか言うのかなって』

『……はぁ~、愛?』

『な、なに?』

 

(なんで溜め息?だって、そう言うのかなって思うじゃん。ママが私以上に忙しいのわかってるから尚更思っちゃうじゃん)

 

『あのね、他でもない娘の頼みですよ?ちょっと無理してでも叶えてみせますよ。それに、』

『それに?』

『久しぶりに娘を見られる機会ですよ?母として逃すわけないじゃないですか。だから、晩御飯もそのまま食べに行きましょう?』

『ママ……』

『いつも一緒に居てあげられないから、これぐらいはさせてちょうだい?いいかしら?愛』

『うんっ!!大好き!!ママ』

『私も大好きよ、愛』

『それじゃ、また連絡するね。おやすみ、ママ』

『わかりました。おやすみなさい、愛』

 

(ママ、大好きだよ。それじゃ、寝よっか)

 

《電話の先では……》

 

「あらあら?奈央ちゃんどうしたの?なんだか嬉しそうだけど?」

「ちょっとね、娘が珍しくお願いしてきたから嬉しくって」

「そうなの?」

「そうなの、あの娘には色々我慢してもらってるから。これぐらいは聞いてあげないとね」

「そうね」

「というわけで玲香ちゃん、明後日の仕事よろしくね?」

「え?」

「だって、玲香ちゃん誠君が風邪のとき私に仕事押し付けて帰っちゃったじゃない?だからお返し」

「わかりましたよ。楽しんできてね、奈央ちゃん」

「当たり前でしょ」

 

《そんなことがあって会長と崇宮君は服を買いに来ています》

 

「どうしてこれがダメなんだ!!こんなんでいいじゃないか!!」

「絶対却下だこのバカ!!なんだその服のセンスは!!中学生で止まってんのか!!」

 

もうほんとやだ、なんでこれが学校で完璧超人みたいに呼ばれてんの?わっけわかんねぇ

 

「誠、そこまで言うか?俺は少し悲しいぞ」

「とりあえず、これとこれ。後は、これとか。試着室入って着る」

「お、おう。わかった」

 

《~~数分後~~》

 

「こんな感じか?」

「そうそう、御行もやればできるじゃん」

「そ、そうか」

 

《~~更に数分後~~》

 

「なぁ、俺が自分で選んでみてもいいか?」

「いいけど、俺が気に入らなかったら直ぐダメ出しするからな?」

「わかった」

 

《~~更に、更に数分後~~》

 

「誠、こんなのはどうだ?」

「お、いいの選んでんじゃん」

「そうか!!それじゃこれは……」

「却下だ!!」

 

《そんなことを繰り返しながら崇時間後……》

 

「こんなもんだな」

「そうだな、誠の服は?」

「俺の方ならこんな感じだが?」

「誠、すごいな」

「何が?」

「自分に似合うのばかり選んでいるように見える」

 

なに言ってんの?

そらそうだろ、だってそうじゃないとダサいじゃん

 

「御行もその内それを言われる側になるだろうよ」

「そ、そうか?」

「俺だって最初はお前と変わらなかったよ」

 

実際、今日御行に言ったこと全部

父さんや母さんに言われまくったし

それで、今日の俺になったんだから御行も大丈夫だろ

 

「そうか……」

「それに、好きな人とどっか行くのに制服は恥ずかしいもんな?」

「俺はそんなことしないぞ!!」

「ほんとか?」

「うぅ、まぁ実際、誠に色々教えてもらえて助かった。ありがとう」

「うんうん、素直で大変よろしい」

 

絶対制服で行ってたよ

反応でわかる、何年一緒にいると思ってんだよ

ま、御行とかぐや嬢の両方が喜ぶし別にいいけどさ

 

「所で誠、進路とかってどうするんだ?やっぱり、料理の道に進むのか?」

「あ~、料理作るのは好きだしそうしようかなとは思ってるけど、どうしようかな?って感じ。御行の方は?」

「俺は、まだわからんな」

 

なんだ、かぐや嬢と一緒の所に行きたいとか言ってくれたら尊敬したのに

ま、御行はプライドお化けだからな

全く、どっちかが折れれば楽になれるだろうに

 

「なぁ、御行?」

「どうかしたか?」

「今年も、頼んでいいか?」

「ん?あぁ、そういうことか。わかったよ。大丈夫だ」

「っしゃ!サンキューな、御行。日にちはいつだったらいける?」

「そうだな、別にいつでも構わんが?」

「それじゃ、8月始め位でいいか?」

「別に構わないぞ」

 

いや、ほんと助かるよ

俺一人じゃ厳しいとことかあるからさ

 

「お、そろそろバイトの時間だな」

「あ、そっか。頑張れな」

「おう、それじゃあな。誠」

「あ、御行?」

「どうした?」

「副会長とどっか行く位しとけよ」

「なんだそれは!?まるで俺が四宮と遊びたいみたいじゃないか!!」

「ま、どうでもいいけどさ。それじゃ、またな~」




毎度ですが、服装や買った服は読者様のご想像におまかせします

奈央さんの口調と仕事がわからない……
なので、奈央さんと崇宮君のお母さん、玲香さんが一緒に働いている、ということにしました

間違いがあったらご指摘下さい
直ぐに修正します

あと、二人の話しているときに関してですが、早坂さんがいろんなキャラを使い分けてるので母である奈央さんも人と場所によって話し方を変えている、と判断しました

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