四宮の料理人兼白銀の親友は近侍さんに告りたい   作:トネッピー

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今回は早坂さんサイドのお話です

各話のタイトルを変更しました

それではどうぞ


2人の糸は繋がらない~~side早坂愛~~

《崇宮君が本邸に向かうと伝えられる前と同時刻、四宮別邸にて……》

 

えっへへ~♪

楽しみだなぁ~♪

崇宮君との小旅行~♪

 

「早坂、今日は随分とご機嫌ね?」

「かぐや様だって書記ちゃんとの買い物でウキウキじゃないですか」

「そ、そんなことありませんっ!!」

「目一杯おめかししていきましょうね」

「もちろんです!!」

 

全く、ウキウキじゃん

今回に関しては私が言えた事じゃないけどさ~

……フフッ

楽しみだなぁ

 

「早坂、ありがとうね」

「それでは、私はこれで」

「そっちも楽しんでね」

「もちろんですよ」ガチャッ

「誰かしら?」

「かぐや様、早坂様、急ぎ正装にお着替えになられてください」

 

え?

 

「今、なんとおっしゃいましたか?」

「ですから、かぐや様と共に本邸に向かっていただきます」

「今からですか……」

「今からです」

「……っ!わかりました」

 

そんな………

こんなの、あんまりだよ………

もしかして、私と崇宮君って結ばれる運命じゃないのかな?

………いやいや!!そんなの告白してみないとわかんないよね!?

とにかく、崇宮君に連絡しないと……

 

『すみません。小旅行に行けなくなりました。』

 

『えっと、どうしてだ?』

 

そりゃ、そうだよね

とりあえず、説明しなくちゃ

 

『急に本邸に行く事が決まったんです』

 

これで、良いよね?

ごめんなさい………。崇宮君

 

『そうか、それじゃしゃーないな。んじゃ、今回のは、縁がなかったってことに』

 

え!?どうして?また別の日にでも……って、二回も予定をキャンセル。しかも一回はドタキャンする子となんか出掛けたい訳ないよね………

 

『そう………、だね……』

 

こんな返事しかできないよ……

私って、ダメダメなんだなぁ……

いつも本当の自分がバレないように仮面をつけてるのに、本当の自分は愛されないってわかってるのに、好きな人と連絡したりする時は自分を偽れないんだから……

 

『それじゃ、また始業式でな』

 

『うん、またね。崇宮君』

 

そっか、始業式まで会えないんだ

どうしてこうも上手くいかないんだろう?

やっぱり、崇宮君と私って………

いやいや、いくら昨日崇宮君と運命がどうのこうの話したからって考えすぎだよ

切り替えて、切り替えて

 

『またな。早坂』

 

ホントにごめん……。崇宮君……

 

「かぐや様、準備はできましたか?」

「そうね。行きましょうか、早坂」

「はい……」

 

また、あのクソジジイに予定を狂わされるんですね

なんなんですか!!あの人は

本当にかぐや様の父親何ですか?

親子なのに全っ然似てないし、かぐや様はあんなに冷たいお人じゃないから、父親は別に居たり………?

まぁ、そんな妄想は置いておいて

崇宮君、本邸に来てたりしないかなぁ………

後で連絡してみよ、っと

 

《早坂さんとかぐや様、本邸に移動中》

 

そだ、崇宮君にもし本邸に来てたらちょっと会えないか聞いてみよ

会えたら、色々と謝りたいし……

 

『崇宮君、もし本邸に来ていたら連絡をください』

 

これで良いよね?

しかし、本邸につい、この部屋に通されて少したつけど

あいつは一体何してるのかな?

忙しいのは解るけど……

って、きたきた

 

「お………、お父様………っ」

「あぁ、居たのか」

 

なんなんですか………

 

「ご苦労」ミシッ ミシッ

 

なんなんですか……

 

「こんな場所まで呼び出しておいて……」

 

自分の娘の予定を狂わせてまで来させておいて……

 

「それだけですか……」

 

あんた一体何様のつもりですか、娘の青春を、たった一度の高校生としての生活を潰してまで呼び出しておいて、ご苦労?それが娘に対しての親としての反応ですか

あぁ~~っ!!ホンットに!!

 

「くたばれ、クソジジイ」

 

今、私がキレてもどうにもならないよね

落ち着いて、落ち着いて

かぐや様は、大丈夫な風を装っているけど、大丈夫な訳ないよね……

せめて、私だけでも側に居てあげないと……

 

「かぐや様、大丈夫ですか?」

「早坂……。えぇ、私は大丈夫よ?もう、慣れたから」ニコッ

 

やめてください……

 

「今までもそうだったんだから、今更変わるはずないじゃない?」

 

そんな、泣きそうな笑顔を見せないでください……

 

「ね?それに、今年はみんなで花火大会に行くのよ?だから、私は大丈夫」

 

いつもの会長の話をするような、綺麗でかわいい笑顔を見せてください

あなたの笑顔は、私の一番大切な物の一つなんですから

 

「かぐや様、ご無礼をお許しください」

「え?なに?かしこまっt」ぎゅっ

「かぐや様、本当に大丈夫な人はそんな笑顔を見せたりしませんよ」

「いっ、いきなり何ですか……」

「私には、あなたの側に居ることしか出来ません。でも、側に居ることは出来るんです。側に居て、話を聞けるんです。だからかぐや様はもっと、私に愚痴ってください」

「え?」

「私は、絶対に最後まであなたのそばにいます。それだけは絶対に誓えます。だから、不満があるならおっしゃってください。対応できるかは別として、話すだけでもスッキリしますから」

「う、うぅぅ」ポロポロ

「だから今は、静かに泣いてもいいんです」

「」ポロポロ

「よしよし」ナデナデ

 

かぐや様だって、悲しくないわけないよ………

いくら、生まれた頃からそうだったって言っても、友達との約束を破ってまで来たのに、謝罪の一言もないなんて、一度もおやすみとか、愛してるとか言ってもらってないなんて、そんなのあんまりだよ……

だから、今は私の胸の中で泣いて?かぐや様

 

《~~数分後~~》

 

「ありがとう、早坂」グスッ

「大丈夫ですよ。このくらい」

 

かぐや様がスッキリしたみたいで良かった

んーー

それにしても、ご飯遅いなぁ~~

 

「それでは、かぐや様。私は食事を貰ってきます」

「あ、えぇ。よろしくね、早坂」

「はい、それでは」

 

さて、調理場に行けばいいかな?

にしても、崇宮君珍しく連絡遅いなぁ……

何かあったのかな?

 

《~~早坂さん、移動中~~》

 

やっぱり、崇宮君から連絡が帰ってこない………

ホント、今日はツイてないなぁ………

こんなにツイてないってことは、やっぱり崇宮君と私って運命に嫌われてるのかなぁ………

 

「………はい」

 

あれ?崇宮君の声だ、やっぱり来てたんだ

どうして連絡くれなかったんだろう?

 

「お嬢様とその近侍の方に会いたかったですか?でしたらお通し致しますけど?」

 

会いに来てくれるの!?

だったら、謝りたいんだけど………

 

「いいえ、結構です。別に会いたいわけでもないんで」

 

え?どうして?

いつもだったら、言わなくても来てくれるのに

 

「それでは私はこれで……」

 

待って!!

って、そうだよね、こんな予定をドタキャンしたり、自分を演じるような奴に

 

「連絡、したい訳ないよね」グスッ

 

そんな奴になんか

 

「会いたくなんか、ないよね」ポロポロ

 

私の事なんて

 

「嫌いに、なっちゃうよね」ボロボロ

 

はは、哀しいな

どうしよう、これから崇宮君に、どんな顔出会えばいいか、わかんないや

それに、失恋って、こんなにも哀しいんだ………

そりゃ、かぐや様だって告白するのが怖いわけだよ……

 

「トイレ行ってから、かぐや様の元に戻ろう……」トボトボ

 

《……早坂さん、移動中……》

 

………着いた、ここなら、誰もいないよね?

 

「う、うぅぅぅぅ………」ボロボロボロボロ

 

そうだよ、元々私に崇宮君を好きになる資格なんかないんだよ……

崇宮君はトラウマのせいで自分仮面を被ってる

でも、私は、ホントの自分が愛されないと思ってるんじゃない、今日の事で解った

私は、ホントの自分が嫌われるのが堪らなく嫌なんだ

だから、私は仮面を被ってるんだ

 

私って、最低だ

動機も中身も崇宮君の方が重いのに勝手に似ていると感じて、勝手に自分と重ねて見て、勝手に自分と同じ人だと思い違いをして、出来るわけないのに、理解したつもりになって同情したりして………

 

ホンット私って、最低のクズだ………

誰かを好きになる資格なんかないんだ………

 

もう、崇宮君と会わない方がいいよね?

それに、崇宮君だってこんなクズに会いたくなんかないよね?

だからさ?もう、崇宮君には会わないようにしよう

今までありがとう、崇宮君

お陰で、誰かを好きになる事を解った気がするよ

 

「お陰、様で、かぐや、様の、恋を、応援、出来るよ」ボロボロボロボロボロボロボロボロ

 

でも、やっぱり哀しいや、涙が止まってくれないもん

崇宮君、君が嫌っても、好きになる資格なんかないけど、あなたの事が大好きです………




なんか、また訳がわからないことになりました

ここから、急展開が多くなる可能性がありますが、最後まで読んで行ってもらえると嬉しいです

それでは、また次回

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