四宮の料理人兼白銀の親友は近侍さんに告りたい   作:トネッピー

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お待たせしました!!

ようやく此処に着地できました!!

それでは、どうぞ


ようやく糸は紡がれる

ちっ、くそ!!

花火会場から帰る道ならそこまで混んでねぇと思ってたが、行き道ほどじゃねぇがまぁ、混んでるな

しゃあねぇ、車の間を通るか

 

「間に合えってくれよ……!!」

 

頼む、花火が終わるより早く

最短、最速で四宮別邸に向かう!!

だから、運命とやらがホントにあるんだったら

今だけは俺に味方してくれ………、頼む……

 

《~~崇宮君、四宮別邸着~~》

 

よし!!まだ花火は終わってないな

さて、覚悟を決めるか、もしかしたら人生で一番緊張するかもしれねぇからな

 

「っし、行くぞ」ガチャッ

「おや?崇宮様ですか。どうかなさいましたか?」

「ちょっとお嬢様に縁日の物でもと思いまして」

「そんなものお嬢様が欲しがるとお思いですか?」

 

あ?

 

「もう、こちらでお食事は用意しております。ですからお引き取りください」

「ざけんなよ?お前があいつの気持ちを解ってるとでも思ってんのか?」

「はい?」

「だから、お前はかぐや嬢の気持ちがホントにわかんのかって聞いてんだ」

「逆にあなたにはわかると言うんですか?お嬢様の気持ちが」

 

んだと、このアマ

俺がどんだけかぐや嬢と一緒にいると思ってんだ

 

「少なくとも、あんたよりはわかるよ。絶対な」

「そうですか………。でしたら、行ってあげてください。私から他の使用人に話は通しておきますから」

「そんな簡単に通していいのかよ」

「大丈夫でしょう?だってあなたはお嬢様が心を許している方の一人のようですし。それにあなたがお嬢様に変なことしないでしょう?」

 

なるほど、確かにかぐや嬢に俺がそんなこと出来る訳ないし

てか、そもそもやるわけねぇだろふざけんな

 

「当たり前だろ」

「でしょう?だから大丈夫です。だからお早く」

「おう、ありがとよ。優しい使用人さん」

 

ん~、あの人どっかで会ったか話した気がするんだよなぁ……

それも最近……

そんなことはどうでもいいか

さ、早くかぐや嬢の部屋に行かねぇと

俺の予想が正しかったら、きっと………

 

《崇宮君が通りすぎた後》

 

「あの子が海里さんの言ってたおもしろい子っぽいですね。ふふっ、中々すごい子ですね。本家の使用人の私にあそこまで食ってかかるなんて……。っと連絡しなないと」ピッ

 

「時崎です。今、崇宮様のご子息がお嬢様の部屋に向かいました。お二人だけにしてあげて欲しいのでお嬢様の部屋には誰も近づかないように」ピッ

 

「ふぅ、折角ここまでしたんです。頑張って下さいよ?崇宮誠くん?」

 

《そして場面は崇宮君へ戻り》

 

「はぁはぁ、ふぅ」

 

ようやく着いたな

それにしてもあの人ホントに話を通してくれてたんだな

他の使用人が誰も居ねぇや

さて、覚悟は決まった

後は、なるようになるだけだな

 

「さて、行くか」コンコン

「何ですか。食事なら後にしてと、さっき言いましたよ」

 

………やっぱりな、良かった

それじゃ、

 

「よう、()()。入るぜ?」ギィ

 

行くか!!

 

《崇宮君が到着したとき~~side早坂愛~~》

 

「あ……。バイクの音」

 

そういえば、崇宮君もバイクに乗ってたよね

バイクに乗ってる姿も見てみたかったなぁ……

って!!ダメダメそんなこと考えちゃ!!

 

それにしても、花火、きれいだなぁ………

崇宮君と見たかったなぁ………

 

はぁ、私ってダメダメだなぁ………

もう諦めるって決めたのに全然割り切れてない

 

「早くこの気持ちを忘れないと……」コンコン

 

っ!!誰か来た

もしかして、お嬢様がここから抜け出したのがバレた?

いや、そんな筈はない

だって、このボイスチェンジャーだって、こういうときのために完璧に仕上げたんだから

とりあえず、使用人だと思うからさっきと同じ要領で、ちょっと語気を強めれば向こうへ行く筈……

 

「何ですか。食事なら後にしてと、さっき言いましたよ」

 

お願い、早く向こうに行って!!

今入られたら困るしバレる訳にもいかないの!!

 

「よう、()()。入るぜ?」ギィ

 

え、今の声、もしかして、

でも、なんで私だって気づいてるの?

それに……

 

「崇……、宮……、君……」

 

なんで、なんで………

 

「どうして、此処に居るんですか!!」

 

《そして、視点は戻り~~side崇宮くん~~》

 

「どうして此処に居るんですか!!」

 

おうおう待て待て

 

「そんな大声出すなって、誰かにバレるだろ?」

「それは、そうですけど……。そんなことより!!どうしてこんなとこに居るんですか!!崇宮君には今もっと居るべき場所があるでしょう!?早くそっちに行くべきです!!私の思いを無駄にしないでください!!」

 

私の思いを無駄にしないでください、ね

でもな、早坂がそう思ってようがな

 

「知るか、そんなもん」

「え?」

「だから、居るべき場所があるとか、知るかよ。俺は此処に来てぇから、他の誰でも、四宮かぐやでもない、()()()が居ると思ったから此処に来たんだ。文句あるか?」

「どう……、して……?」

 

え、どうしても何も今全部言ったじゃねぇかよ

他に何が聞きたいんだ?早坂の奴

 

「何がどうしてなんだよ?」

「どうして私なんかに会いに来たの?私の事はもう嫌いなんでしょ?」

 

は?いやいやちょっと待て

どういうことだ?一体どこでそんなこと早坂に感じさせた?

 

「ちょっと待て、どういう……」

「だって、連絡しても既読すらつかないし。本邸に来てても連絡くれなかったし。それに、いつもならどうやっても会いに来ようとするはずなのに本邸で別に会いたくないって言ってた。でも、かぐや様を嫌う事は絶対にないし、嫌われるようなことをかぐや様はしてない……」

「それは……」

「でも、かぐや様はしてなくても、私は折角崇宮君が立ててくれたキャンセルしたし、崇宮君が変われるチャンスをくれたけど、ずっと自分を偽り続けてるし、それに……、それに……」ポタッ、ポタッ

 

早坂……、泣いて……

 

「私は、誰かに、嫌われ、たく、ないから、自分を偽ってるし。そんな、軽い、理由で、自分を、偽ってる、のに、崇宮君を、勝手に、同族扱いして、解った気になって、同情したりした、最低の、女、だから、」ポロポロ

 

なに言ってやがる……

 

「だから、嫌いになっちゃっt「そこまでだ」ギュッふぇ?」

「ちょっと黙って聞いてろよ」

「う、うん……」

 

もう見てらんねぇ

これ以上好きな奴に自虐なんてさせられるか

 

「まず、俺はそう簡単に誰かを嫌ったりしねぇ。連絡出来なかったのはスマホがメモリごと踏み壊されたからだ」

「そう……、だったんだ……」

「おう、それで、次に勝手に同族扱いして、同情して何が悪い?それだったら俺だって同じだ、俺はお前を勝手に同族扱いしてたし同情もしてたからな」

「でも……」

「誰かに嫌われたくないから?それも真っ当な理由だよ。誰だって人から嫌われたくないしな。だから、お前のそれは軽い理由なんかじゃない。少なくとも、俺にとってはな」

「……うん」

「それで最後に、自分を最低だなんて絶対に言うな。これ以上自分を虐めるな。以上だ」

「……うして」

「なんだ?」

「どうして、私にそこまでしてくれるの?」

 

どうしてって、そんなの

 

「当たり前だろ?俺は好きな奴の自虐なんて見たくないからな」

「ふぇ?」

「だから、俺は近侍の時も、学校の時も、素も。全部含めた早坂愛が異性として好きだから」

「ほん……、と……?」

「誰がこんなタチの悪い嘘つくかよ。だったら、もう一回言うぞ。早坂、好きだ。お前が良いなら俺と付き合ってくれ」

「は、はい///こちらこそ、よろしく、お願い、します///」

 

オッ、ケー?

ってことは!!

 

「やったぁぁぁぁ!!ありがとう早坂!!大好きだ~~!!」ガバッ

「うわぁ!?た、崇宮君!?そんなおっきな声で言わないで!!他の使用人に聞かれちゃうし。それに、恥ずかしいから///」ドサッ

 

うはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

嬉しい~~~~♪

今までの人生で一番幸せかもしれねぇ♪

 

「……宮君?崇宮君!!」

「お、おう、悪い。ちょっと舞い上がってた。で、どうした?」

「崇宮君、覚えてる?私のお願いを何でも二個叶えてくれるって約束」

「覚えてるけど?」

「じゃ、二つ目のお願い。今すぐ、かぐや様の所に行ってあげて」

 

え?どうして?

 

「かぐや様は生徒会の皆と一緒に花火が見たいんだよ?そこには崇宮君も含まれてるから、ね?」

「わぁったよ。んじゃ、ちょっくら行ってくる」

「頑張ってね。誠君」チュッ♪

「えっ///」

 

い、いいいい今、チュッってほっぺでチュッって

それに、誠君って

 

「行ってらっしゃい///」

「お、おう///」

 

忘れられねぇけど今は急いで会場に戻らねぇと

 

「顔の赤み、向こうにつくまでに引いてりゃいいんだけど///」

 

《~~崇宮君、バイクで移動中~~》

 

くそっ、やっぱ混んでやがるな

それに人が増えてきた

まさか!!

 

『本日の花火大会は終了いたしました。繰り返します』

 

くっそ、間に合わなかった……

押して逆車線乗って帰るか

 

「あ、青になった。はぁ、かぐや嬢、皆と花火見れたかなぁ?見れてるといいなぁ……」

 

ん?タクシー?誰か用意周到な奴がいるんだな……

そういえば、御行がタクシー予約とか言ってたな……

もしかして……

 

「やっぱり!!」

 

乗ってるの御行達だ!!

だったら向かう先はわかる

木更津の花火大会だ

そうとわかれば

 

「やることは1つだ。ちょっと飛ばすぜ」

 

頼むぜ相棒!!

あのタクシーに追いつけぇぇぇ!!

そして花火に間に合えぇぇぇ!!

 

《~~崇宮君、タクシー追跡中~~》

 

よし!!かなり近付けたな

 

このまま右で追い越しさえしなけりゃ花火は見える

後は、間に合うかどうかだな……

お、海ほたるの表示か

もうすぐ出るな、頼む!!

 

「間に合ってくれぇぇぇぇ!!」

 

 

ドンッ!!

 

この音は

 

「花火だ」ドンッドンッドン

 

っしゃぁぁぁぁ!!間にあったぁぁぁ!!

 

《その後、生徒会メンバータクシー下車後》

 

「誠も来れたら良かったんだが……」

「そうっすね。折角なら生徒会メンバー全員で見たかったですね……」

「崇宮さん、結局戻ってきませんでしたね……」

「そうですね。崇宮君が居ないのが残念です……」

「お客さん達、ちょっと質問良いですか?」

「何ですか?」

「その崇宮って子、もしかしてバイクの免許持ってたりするかい?」

「えぇ、持ってますけど。それがどうかしましたか?」

「いや、バイクに乗れるんだったら……」キキィィィ

「俺もちゃんとお前らのすぐ隣で見てたっての」

「「「誠(先輩)(崇宮さん)!!」」」

 

ふぅ、なんか俺いなかったの残念みたいな雰囲気になってた感じか

ま、普通そうだろうな、一緒にタクシーに乗ってなかったわけだし

 

「やっぱり、君たちの知り合いだったか。ずっと後ろを追走してくるからちょっと怖くてね」

「それは、すんません。でも、約束だったんで。この五人で花火を見るって」

「まぁ、皆で見られて良かったね。それじゃ、僕はこれで」

「「「「「ありがとうございました!!」」」」」

 

で、正直こっからの方が大変な気がするんだよなぁ

 

「崇宮さん!!」

「なんだ?藤原」

「どうして私だけ仲間はずれにするんですか~!!わぁぁぁん!!」

「わー!!わー!!泣くな、泣くな!!別に仲間はずれにしてたんじゃねぇから!!」

 

なんでそんな結論に……

確かに、状況だけ見れば仲間はずれだわ、これ

 

「優、どんな風に説明したんだ?」

「え?どんな風にって、先輩はちょっと昔に思ってたのと違うって言われたのがトラウマになって人にそんなの言われるのが嫌だから学校では口調も変えて自分を偽ってるんすよって、伝えただけですよ?」

「だってぇ~、私以外は皆知ってるんですよ!?ひどくないですか!?みんなに教えて私にだけ教えないのってひどくないですか!?私そんなに信用できませんか!?」

 

お、おう

すげぇグイグイ来るなこの子……

 

「ちょっと待て、お前以外皆知ってる理由を言うから」

「はい」グスッ

「まず、俺と御行は小学校高学年から付き合いがあるから知ってて当然なんだ。石上とはゲームで仲良くなって現実でもちょくちょく会うようになってたから、ここまでは良いな?」

「はい。でもそれならどうしてかぐやさんはどうして知ってるんですか?」

「それは、家の関係だよ。崇宮って四宮家に取り込まれてるからな」

「なるほど、そういう訳ですか」

「でも、藤原とはプライベートで会う機会なかったからなだから話せなかったんだ」

「なるほど、納得です~~!!」

 

嘘は言ってない、嘘は言ってない

ちょっと濁して言ったけど嘘じゃないよな!!

さぁ、ボロ出さないうちにさっさと帰ろ

家で早く寝よ

 

「そういう訳だ。それじゃ、俺は明日も早いからじゃあな」

「「「あ、さようなら~~……」」」

 

あ、明日どんな顔して早坂に会えばいいんだ///

あの時は覚悟決めてたから良いけど明日改めて会うの恥ずかし~~

 

 




どうだったでしょうか

こんな色々、変な点がたくさんある作品をここまで読んで頂いてありがとうございました

それでは、また次回




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