東方スカートめくり   作:ゲルバナ

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プロローグ

 女は下半身にズボンの代わりにスカートを履く。なぜそのように衣服というものが進化したのかはわからない。だが、このスカートというものは不思議なことにめくれば下着が丸見えになるというデザインとなっている。意味が分からない、わざわざズボンよりも明らかにガードが薄く、無防備な服装を好んで着用する意味が分からない。

 だが、これは女に羞恥心がないという事ではない。例えば、スカートが風でめくれ上がったとしよう。すると女はどうするのか。

 

 そう、押さえる。

 

 周りからの視線を気にし、内から下着が覗かぬように必死に抵抗しながら悲鳴を上げる。スカートという明らかに防御力が不足した布を着用しておきながら、まるで意味不明の行為。

さらにそこに振り向く男は女から侮蔑と憐れみの視線を受ける。

 なんという理不尽。なんという不条理。千歩譲って、その光景を意図的に見たというならならまだわからなくもない、だが偶然その光景を目にしただけという男だっているだろう。しかし、女の侮蔑の視線はその場にいた男全員に向けられるのだ。

 だが、女はスカートを履くことを辞めない。下着を見られるのは嫌なくせにその原因を作る衣服は着用するという矛盾。

 

 だが、ここまで踏まえたうえで俺は思うのだ。

 

 スカートという衣服が、男の欲望を満たす最高の衣服なのだと。

 

 そう、例えばだ。海水浴へと行ったとしよう。海水浴ではデザインは違えど男女ともに水着と呼ばれる専用の衣服を着用する。水着と呼ばれる服は着水し、動く際の水の抵抗を考えほとんど肌の露出をガードしていない。防御力は下着とさして変わらないといってもいい。

 

 にもかかわらず。女は羞恥心一つ見せずに闊歩する。

 

 不思議には思わないか?スカートがめくれる際には顔を真っ赤にして羞恥心をあらわにするくせに、さらに上の防御まで紙同然の水着姿では顔色一つ変えないのだ。

これは水着姿でいることが当たり前になってしまっている海水浴場だからこそなのだ。周りがやっているからこそ、べつに恥ずかしくない。普通の、当然の恰好なのだと。皆がそう思い込んでいるのだ。

世の中には「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」という言葉があるが(※ありません)まさにこれはそれと同じ状態である。これを海がない内陸のものが見たらどうなると思う?それはもちろん発狂ものだ。なにせこんな状況はただの露出狂の集まりである(※そんなことはありません)。そのような光景に海を知らぬ大地の民は目を疑うだろう(※一個人の勝手な思い込みです)。

 

 さて、そこでだ。そんな集団を見て、男は興奮するのかどうかという話であるが。確かに、普段よりもはるかに多い肌面積に心躍らせない男はいないだろう。むしろそれが目当てで海水浴に行く男だって少なからずいる。

 

 だがしかし。

 

 スカートとは違う。全く、断じて。それはなぜなのか。そう、水着には決定的に欠けているものがある。

 

 それは前述したように羞恥心の有無だ。

 

 顔を真っ赤にし、恥ずかしがりながら下着をあらわにする女と、ただただ露出した服装を恥ずかしげもなく着ている女。どちらが見ていて興奮するかといえば断然前者だ。とんかつにレモン汁をかけるかかけないかくらいに差がある。それほどまでに、この差は歴然としている。

そもそも、もともとはだけているものに心なんて踊らない。隠されているからこそ、そこに神秘を感じ、除きたいという探求心がわくのだ。

 

 結論を言おう、スカートとは。

 

 神が男に与えるエデンであり、そしてこの俺の存在理由だったのだ。

 

 カッと眼を見開く男の背後には、漫画だったら「ドン!」というような効果が付きそうなほど迫力があった。

 

 

 

 ここ幻想郷には、普通では考えられないような人種や妖魔が数多く存在している。そして、ここに住む者たちには「異能」をもつものが多くいる。

 種類は様々、空間を裂くもの、時を操るもの、心を読むもの。

 その能力は、人によってさまざまであるが、これらの「異能」はこの幻想郷ではさして珍しくもない事であった。むしろ「異能」はその個人を象徴するものでもあるため、周りからの認識の低下が死につながる妖魔や神にとってはなくてはならない存在と言っても過言ではない。

さて、そんな異能であるが。

とある男に、そんな異能が芽吹いたのだ。

現実と幻想郷、そこをつなぐ境界にわずかに生じた罅。その隙間に吸い込まれ「幻想入り」を果たしてしまった彼は3年以上もの間、人里で現代とはかけ離れた不慣れな生活を送っていた。

今、能力に目覚めた彼から悲壮感は感じられない。むしろ歓喜に震えているようにも見えた。

 

 ずばり、その彼に目覚めた異能というのが。

 

「スカートを除く程度の能力」

 

 じつに、いや本当にしょうもない。欲望の塊の象徴とも呼べるこの文字列。実際、この男はそういう人間なのだ。

 

「ああ、そうか」

 

 男は呟く。そして(勝手に)悟った。これは神に課せられたシレンなのだと。正直、不慣れな生活が続いたせいで男の脳内は異常をきたしたのかもしれない。

 

「この広い幻想郷すべての少女たちの神秘(スカートの中)を暴け(のぞけ)、と!そう言いたいんだな神さまよぉ!」

 

 思わず震えそうになった。まるで、新しいゲームを買った時に武具屋で装備を整えいざ冒険へ出発するときのような、そんなわくわく感を男は覚えていた。正直、そんな子供が純心に抱く期待感とは全く真逆の、汚く汚れた欲望なのだが。

 

「最高だよ……俺は、この時の為に生まれてきたんだ……!」

 

 やってやるぞ、という意気込みと共に男は雄たけびを上げた。この時、幻想郷の少女全員に悪寒が走ったそうな。

 

 今ここに「薄布 捲」という男の、欲にまみれた汚い冒険がはじまる。

 




うわあ、くだらない。
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