白野ちゃんは叶えたい~凡才だけど頭脳労働~ 作:フロストエース(仮)
千花発案の宝探しゲームの勝敗は、千花とかぐやが三位、四位で敗北するという形で終了した。
いつの間にか勝負が決し、知らぬ間に四位となってしまったかぐやは悔しさを笑顔で押し隠しながら、罰ゲームとして三人にジュースを奢る事となり、そして白野の計画を物の見事に打ち砕いた千花は、三位の罰ゲームである命令を一位の白銀より下される事となった。
「お前、今日から三日間遊びもコイバナも禁止な」
───一日目。千花の精神崩壊まで48時間。
「ああぁぁぁあぁぁぁ………!!!!!」
地獄の底より這い出てきた悪鬼かのような唸り声が生徒会室に鳴り響く。無論、それは他ならぬ藤原千花による、言葉に成らぬ苦悶の叫びである。
「ええい! あの壊れたラジカセみたいな声はどうにかならんのか!?」
罰ゲーム内容の決定者である白銀でさえも、千花の絶望ぶりに頭を抱えたくなっていた。それなら、罰ゲームの撤回をすればいい話なのだが、
『罰ゲームは罰ゲーム。男に二言は無いよね? 生徒会たる者、会長も千花も、ルールはしっかり守らないと』
という、白野の(少しばかりの私怨が込められた)言葉により、千花は罰ゲームから逃れられない運命が決定付けられていたのだ。
ちなみに、かぐやも千花には日頃から計画を意図せずとも邪魔されているので、今回はお仕置きの意味も含めて白野に賛同している。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛………!!!!」
机に突っ伏しながら、絶えず呻きを上げる千花に、生徒会室の空気も引きずられるようにして重いものとなっていた。
千花の顔からは絶望、悲壮、辛苦といった負の感情しか読み取れず、その様は例えるなら、まさに生きた屍であるかの如し。
「さすがにずっとあの調子だと耳障り……もとい、心苦しくなってきますね」
「今ポロっと本音出てなかった、かぐや?」
何の事でしょうオホホホホ、と笑って誤魔化すかぐや。だが、彼女の言いたい事が分からないでもない白野と白銀。
白野はともかくとして、クラスが同じである白銀は朝から千花の様子を見続けており、さすがに授業中はボーッとしているだけだが、それ以外の時間はずっとあの調子なのだ。
今日一日の千花の姿に、教室内の雰囲気は最悪と言っても過言ではなかったのである!
そんな光景をずっと見ていて、気分が重くなるのも無理はないだろう。
ルールは絶対。しかし見ていられない。白銀は絶望に囚われた千花に、どうにか救いをもたらせないかを思案する。
(ルールは破らず、それでいて藤原書記の気を紛らわせる何か……。きょうだいの話とかはどうだ? 俺と藤原書記にはお互い妹がいる。家族の話ならばコイバナ禁止に抵触しないだろうし)
家族について友人と語る。親、きょうだい───それは誰よりも身近な存在であり、友人と過ごしたよりも長い時間を共にしているのが殆どと言える。
故に、エピソードも過ごした時間に比例して、豊富に存在していてもおかしくはない!
「藤原書記、気分転換に話でもどうだ? ほら、お前には姉妹が居ただろう。何か面白い思い出とかはないのか?」
ピクリ、と千花の肩と頭のリボンが小さく揺れる。顔に活気は無いが、のそっと体を起こすと、呻きだけを吐き出し続けていた口からようやく言葉が出てきた。
「……そうですね。私の家ってお父様が色々と厳しいんですけど、その原因となったのが私の姉でして。姉の教育方針を自由奔放にした結果、姉がなんというか残念な感じになっちゃいまして。それで私と妹の教育方針は改めようって事になったらしくて、私生活の締め付けが厳しくなったんですよ~……」
(……重い!!)
あははー、と力無く嗤う千花に、白銀は話題を振っておいて、いたたまれない気持ちになる。
「あ、もちろん姉の事は好きですよ~? 優しいお姉ちゃんですし。ただ、もっと自由に生活したいなぁ……って、たまに思っちゃうんですよね~……」
どことなく哀愁漂う千花の微笑みに、思わず女性陣はホロリと涙ぐんでいた。
白銀も、目頭を指で押さえ、涙を堪えている。若干小刻みに震えているが、幸い誰も気付いていなかった。
「なので、お父様の目が届かない学校は、私にとっての癒しというか、憩いの場でもあるんです。友達と他愛ない話をしたり遊んだり、あとコイバナ───コイ、バナ……ああぁぁぁぁぁ………!!!」
話していて自ら負の螺旋へと戻ってしまう千花。どう足掻いても、この悪循環からは逃れられないとでも言うかのように、取り戻されかけていた千花の活力は、真夏日のアスファルトに投げ出された氷が如く即座に霧散した。
白銀の家族話は残念だが失敗に終わった。むしろ今の千花にとっては、ある意味でその話題は地雷であったのかもしれない。
そして再び垂れ流される悲嘆の呻き。先程の白銀の失敗から、あまり下手に刺激するべきではないと判断した白野、並びにかぐや。
まだ罰ゲームの期日は二日も残っている。ここはひとまず傍観し、明日に何か対策を持ってくると決め、セミの鳴き声レベルの騒音の中、淡々と仕事を片付けるのであった。
───二日目。千花の精神崩壊まで24時間。
「コイバナコイバナコイバナコイバナコイバナナタベタイコイバナコイバナコイバナコイバナコイバナ」
壊れたラジカセ度は昨日よりも酷さを増しており、もはや千花の瞳には光が灯っていない。濁りに濁った底無し沼にも似た、虚無を映した瞳には、何かを見ているようで何も映してはいなかった。
精神状態が異常になりつつある千花に、現在生徒会室に居る全員が恐怖すら覚えている。
「なぁ……これは、流石にヤバくないか?」
「奇遇ですね……私も同じ事を思ってました」
白銀、かぐやの二人も、戦々恐々と千花の様子を眺めており、罰ゲーム続行は不可能ではないかと考え始めていた。が、
「でも、今日とあと一日だけだし。千花は普段からイタズラが過ぎるところがあるからね。たまには灸を据えてやらないと」
白野は断固として罰ゲーム中止反対の姿勢を崩さなかった!
白野にとって千花は大切な友人であるが、今回の罰ゲームは、これまでの積もりに積もった恨みを晴らすまたとない好機。何もずっとというワケではなく、三日間という短い期間を設けられているのだ。ならば、きっちり三日間は罰ゲームを甘んじて受けてもらいたい───そんな、白野のちょっとした仕返しでもあった。
「そうは言うがな岸波庶務。藤原書記の昨日と今日の様子を見れば、もう十分な罰となっているのは明らかだろう。俺とて嗜虐の嗜好は持たないんだ。というか持ちたくない。そろそろ勘弁してやっても良いではないか?」
「会長は優しいね。でも、だからこそ今ここで甘やかしちゃダメ。これは千花の為でもあるの。社会を生きていく上で、千花には我慢というものを教えておかないと」
菩薩のような微笑みで、千花の頭を優しく撫でる白野。ただ、千花はそれにも全くの無反応ではあったが。
(なんというか、岸波さんってたまに父性と母性の両方が出てるわね。……本当に同い年?)
白野の反応に勘繰るかぐや。しかし、白野はかぐやの心の声など知る由もなく、千花の為に用意した秘密兵器を投入する!
「ゲームはダメ。コイバナもダメ。でも、コレは大丈夫!」
「…………?」
ごそごそとカバンの中を漁って取り出したるは、ラッピングされた小さな可愛らしい紙の小箱。
その愛らしい包装は、魂の抜けていた千花の目にも微かな光を取り戻させる。
「何なんですか、その箱? とても小さいですけど……」
「良い質問だね、かぐや。これはね、女の子の好きなものだよ」
「……? 分からん。勿体ぶらずに早く教えてくれ」
白銀とかぐやが頭に疑問符を浮かべる姿に、クックッ、と含み笑いをする白野。わざわざ一日空けてまで用意したという事もあり、相当の自信があるらしかった。
「それではご開帳といきましょう。とくとご覧あれ……!!」
満を持して開封される小箱。包装紙を丁寧に剥がし、小箱の外装が露となる。そしてすぐに、その蓋が取り外され、中から現れたのは───
「うわなにコレすご!!」
藤原邸宅にて飼われているペット、犬のペス……をミニチュアサイズで再現したチョコの像と、その隣にはデフォルメされて可愛らしく表現されたペスをイメージしたクッキーが数枚。
あまりの出来に、白銀はたまらず即座に感想を口にしてしまうほど。
四宮の家に生まれ、これまで多くの芸術作品を作り出し、または目にしてきたかぐやでさえも、その造型に知らずの内に目を奪われていた。
「女の子の好きなもの。それは甘いお菓子に可愛いもの! ウチの執事兼シェフに、腕によりをかけて作らせたんだ。どう、すごいでしょう?」
決して自分で作った訳ではない。だというのに、何故か誇らしげに語る白野。その理由は簡単なものだ。
白野は、このチョコとクッキーの製作者の腕を心から信頼している。彼の作品が評価される事は、白野にとって彼が大切な存在であるからこそ、自分の事のように嬉しいし誇らしく思えるのだ。
だから、彼の作品が評価されて素直に喜んでいるだけなのである。
「ふわぁ……!! かわいい~!! ペスぅーー!!」
白野の思惑を見事に現実のものとなり、千花の淀んだ瞳は瞬く間にキラキラと輝きを取り戻していく。
愛犬を模したチョコとクッキーをまじまじと眺め、絶えずにへら、と頬をだらしなく弛ませる千花。その姿は、いつも通りの彼女の姿に他ならない。
「どう、千花? 気に入ってくれた? 罰ゲームはまだ終わらないけど、頑張ってるご褒美にコレを千花にあげようと思うの。これでまだ頑張れる?」
「がんばります、がんばります! やる気がモリモリ湧いてきました~!! コレ、すごく可愛いから、家に持って帰って家族にも見せたいんですけど、いいですか?」
「いいよ。千花にあげたんだから、千花の好きなようにしなさい」
「わーい! いやっふぅ~! ありがと~白野ちゃん~!」
文字通り、跳び跳ねて全身で喜びを表現する千花。そのせいで、体のとある部分が激しく動いて大変な事になっていて、白銀は目を背け、かぐやと白野の目が暗殺者のソレになっていたが、幸か不幸か千花は気付いていない。
「何はともあれ、藤原書記が元に戻って何よりだな」
「ええ。岸波さんのお手柄ですね。私も一応は考えてきていたのですが、どうやらお蔵入りになりそうです」
千花に笑顔が戻った事で、生徒会室全体に漂っていた重苦しい空気が一斉に消失し、和やかで朗らか、それでいて穏やかな空間へと早変わりを遂げた。
「可愛いなぁ~。食べるのが勿体ないですよ~」
「でも食べてね。多少は保存も利くけど、カビとか生えるかもだし。……でも確かに最高の出来映えだし、映像として保存したいから、私も写メっとこ」
これで罰ゲームも、あと残すは一日。この分なら、もう一日くらいは千花も耐えられるだろうと誰もが確信し、それぞれ生徒会の仕事に戻っていったのだった。
───最終日。千花の精神崩壊まで、残りゼロ。
「どうしてこうなった……」
開口一番、白野は目の前に広がる光景に目を覆いたくなっていた。
「ここだけの話なんですけど~、白野ちゃんって結構モテるんですよ~? この前だって三年生から体育館裏に呼び出されてました~。私ですか? 私はお父様が許してくれないから、殿方とお付き合いした事はないですね~。そういえば、同じクラスの園田さんって彼氏出来たらしくて、最近は付き合いが悪くなったってお友達が言ってて───」
一見誰かと話しているかのように見える千花であったが、彼女の正面には誰も居ない。ましてや隣にも誰も立っていなかった。
つまり、藤原千花は見えない誰かと“エアコイバナ”を繰り広げていたのである!
「ね、ねぇ…藤原さん? さっきから誰と話してるの……?」
「え? やだなぁ、かぐやさんってば~。私の目の前に居るじゃないですか。私の友達のトモちゃんですよ?」
そう言って、かぐやへとジェスチャーで自分の目の前にあたかも人が居るかのように紹介する千花。虚ろな瞳には、誰も、何も映していないというのに。そこに“トモちゃん”なる人物が存在すると言い張っているのだ。
常軌を逸した千花の言動に、かぐやも思わず血の気が引くほどである。
そんな千花の様子を見て、白銀は以前耳にした“ある事”を思い出した。
「そういえば、石上会計から聞いた事があるな。ぼっちは時に、孤独を極めたが為に架空の友人、親友を作り出し、さも実在するかの如く振る舞う事が可能となる、と」
「いや別に千花はぼっちじゃないからね? それに多分、誰かとのコイバナを禁止してるからこそ、ルールの抜け穴を模索した結果が、エア友達っていう結論に至っただけだと思う」
───
本来、ぼっちが気持ちだけでも孤独から逃れる為に生み出された技法であり、きわめて高度な想像力と妄想力を有する事が修得条件となっており、そのため使い手はごく限られたものと言われている。
しかし! 藤原千花はどうしてもコイバナがしたいが一心で、その困難に立ち向かい、これを打破! コイバナとは本来誰かとするものであり、エア友達とのコイバナは、その
そこに、千花は活路を見出だしたのである!
元々が恋愛脳で幼稚な思考の持ち主だった千花だからこそ、ぼっちでなくともこの境地への到達を可能としたのであろう。
「エア友達……? そんな架空の存在を作り上げてまで友人が欲しいものなの……?」
かぐやとて、今でこそ友人は大切であると理解している。だが、エア友達などと幻想を作り出してまでして欲しいかと聞かれれば、彼女は否と答えるだろう。
四宮の娘として、周囲に恥を晒す事は彼女のプライドが許さないのだ。
「エア友達はともかく、千花のコレはヤバいかも。明日には罰ゲームから解放されるけど、その反動がこっちにまで来そうで嫌だなぁ……」
「それは……確かに、そうですね」
話す内容こそ普通ではあるものの、この千花の異常な言動は嵐の前触れである可能性が非常に高いと白野は読んだ。かぐやも概ね同意見である。
無論、千花のコイバナの矛先は白野やかぐやに伸びるだろう事は想像に難くない。最悪、家にまで押し掛けてきてお泊まり会などと言って、徹夜でコイバナに巻き込まれかねないのだ。
その経験があるからこそ、千花の様子に二人は警戒していた。
「できれば、私はコイバナ地獄を回避したい。完徹でコイバナとか、それこそ罰ゲームだし」
「私だって、もう私の分の罰ゲームは済んでますから。藤原さんには悪いけど、貫徹コイバナお泊まり会なんかはお断りさせてもらいます」
両者の意見が合致する。対千花コイバナ阻止同盟の誕生である!
「お泊まり会、か。男の俺には関係ない話だな」
そして、いつの間にか蚊帳の外になっていた白銀は、後は二人に任せて執務に戻っていく。
白銀が抜けた事など露知らず、白野とかぐやは頭脳をフル稼働させて、千花をどう対処しようかを考え始める。
(この流れを放置すると、千花は私か、かぐやのどちらかの家に泊まりでコイバナしようとする確率が高い。しかも、ほぼ二人共が巻き添えになる可能性も高い。なら、どうするか……)
どちらかの家で行われるであろうお泊まり会。否、可能性はそれだけに留まらない。白野、かぐやの家で行われる以外に、千花宅に誘うという選択肢を千花は持ち得ていた。
(この場合、お泊まり会そのものを開催させない。もしくは、お泊まり会でコイバナができない状況を作り出すのが妥当かしら? 岸波さんはなんだかんだで優しいから、前者は選ばないでしょう)
かぐやの読み通り、白野はお泊まり会そのものを拒否している訳ではない。お泊まり会というイベント自体は楽しいもので、夜通し行われるであろうコイバナを除けば、割りとウェルカムとさえ白野は思っていた。
(お泊まり会を開き、なおかつ、コイバナができない状況───たとえば、それは第三者の介入とか?)
この場合の第三者とは、それぞれの家で住まう者の事を指す。すなわち、家族である。
だが、親と一緒に生活していないかぐや。保護者は一応居るが、そもそも親が居ない白野にはいささか厳しい条件ではある。
二人の家には使用人が居るのだが、使用人とは主に対し控える立場であり、常に主人の傍ら居るかと言えば、ノーである。必ずしもそうだとは限らないが、四六時中すぐ近くに居られてはプライバシーも何もないだろう。
(人選としては使用人は入れられない。条件としては、かぐやも私と同じ……でもないか。あ、でも
主人に対し非常に近しき従者というのは、探せば勿論見つかるし存在もする。年が近い、強い忠誠心、長年の付き合い……等々。そういった理由から、主人に多大な親しみを持って接しているのだ。
かぐやにも、それに近い存在の使用人が居る事を白野は承知していた。……その使用人が主人をどう思っているかは別として。
白野にも、仲の良い使用人たちは大勢居る。が、しかし。その内の一人が問題だった。
恋愛脳とまではいかないが、その手の話には恐ろしいまでに耳聡い女性の使用人。コイバナをするとなれば、状況を悪化させるのは想像するまでもなく。
故に、千花と彼女のコラボだけは絶対に許してはならない。もし許してしまえば、きっと貫徹コイバナ以上の責め苦を味わう事になるだろう。
と、白野の宅での第三者の介入は危険。かぐや宅も第三者の介入は望めない。
であれば、
「千花、明日はお母さんとお父さんは家に居るの?」
「え? はい。居ますよ?」
先手必勝とばかりに打って出る白野!
言うまでもなく、白野の狙いは千花宅でのお泊まり会である。千花に対し厳しい父親が、貫徹でコイバナなど許すはずもなく、遅くても0時を回るくらいには就寝と相成るだろう。
最悪、コイバナは許容する。されど、貫徹までは認めない。身を切る思いで捻り出した、白野の唯一打てる妥協案である!
「じゃあさ、罰ゲーム終了祝いでお泊まり会をしよう。私の家は養父の知人が来客中でしばらく泊まりらしいから、千花の家はどうかな? どうせだし、かぐやもどう?」
さりげなく、かぐやも誘う白野。かぐやならば、本当に用事でも無い限りは断りはしないだろう。なんだかんだで、千花に甘いところがあるのだ。
「そうですね。私もご一緒させてもらえるなら嬉しいです。藤原さんのお家でお泊まり会をするのも賛成で」
かぐやとて、千花に対しただ甘い訳ではない。敢えて誘いに乗る事で、千花の選択肢を狭めていく。そして先に“お泊まり会は千花宅で”という意見に賛同する事で、千花が白野宅、かぐや宅を会場に指定する事を防ぐ!
そうとは知らず、千花は二人が純粋な厚意のみで提案していると信じ、満開に咲き誇る花のように華やかな笑顔へと変わっていく。
「いいですね、それ! 明日は金曜日ですし、学校が終わったらそのまま私の家でお泊まり会にしましょう!」
虚ろだった瞳は光を取り戻し、エア友達は
「女三人寄らば姦しい───か。まさしく、今の光景がそれだな。フッ……」
仕事に戻っていた白銀ではあったが、実はこっそり様子を見ていた。無事に円満に話が終わり、彼女らのじゃれあう姿を、彼は微笑ましく眺めていたという───。
本日の勝敗結果───千花の勝ち。
小ネタ)
千花の勝ち。逆から読んでもチカノカチ。
勝ちの千花。逆から読んでもカチノチカ。
「だから何です!? ってコトで~、BB~チャンネル~!!」
「はーい! というワケで始まりましたBBチャンネル出張版。え? 無いと思ってた? ぶっぶー! 毎回はしないってだけで、次回はしないとは言ってないのでーす!」
「さて、ここではメタな話題もオールオッケーですので、早速ぶっちゃけていきましょう!」
「今回はセンパイの家族事情について、です♪ この世界でのセンパイは金ぴかさんの養子という設定です。精神のみでの転移に伴い、肉体はこの世界で再構成されたワケですが、召喚主さんの不手際により本来の時間軸とズレて喚ばれてしまったのです。その際、肉体の再構成もそれに合わせて年数が遡ってしまった……というワケですね。召喚主さんたらおまぬけさん♪」
「金ぴかさんがこの世界に居た理由ですが、あの慢心王のコトですので、きっと蔵に溜め込んだ財宝を使ったんでしょう。難易度チートとか反則ですよね~? チートはグレートデビル可愛いBBちゃんの特権だというのに! それはもう、げきおこですよ!o(*`ω´*)o」
「で。センパイには金ぴかさん以外に使用人が数多く仕えています。言わずもがな、サーヴァントの皆さんですね。金ぴかさんの言うように、ここはある種の夢の世界。平行世界のようで、どの世界とも繋がっていないはずの一個の孤立した世界です。ですが、センパイはこの世界と繋がった。繋げられた」
「サーヴァントとマスターはパスで繋がっています。マスターはサーヴァントの過去を夢として垣間見る事もあるそうです。ですので、今回はその逆。そこがセンパイにとって夢の中の世界であるのなら、パスで繋がるマスターの夢にサーヴァントが介入するのも可能でしょう」
「センパイの為だけに次元を超越したタマモさんも居ますし、ムーンセルでは顔芸の学者さんも違う時間軸に
「まあ、だからって全員が全員介入したワケではないですけどね? その使用人さんたちの名前と役職に関しましては、また次の機会に、です♪」
「それでは、今回はここまで。また次の放送でお会いしましょう! さよーならー」