KATEKYO TAIL   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)21 兄弟子とツナの過去

 

 

 

 

 

「すっごい、大きな町だねナッツ。」

 

「ガウ♪」

 

ツナはナッツと共に、人混みの中を歩いていた。フィオーレ王国の首都であるということと、大魔闘演武が開催されるということもあって、多くの人や魔導士たちで溢れていた。

 

「さてと、どこに行こうかな…とりあえずあっちのほうに行ってみようか…」

 

ツナは辺りを見回して、適当に目的地を決める。ツナはとりあえず数メートル先に曲がり角を曲がると、

 

「いたっ!」

 

「いて!」

 

小柄なピンク色の髪の少女とぶつかってしまう。まるで一昔の前の恋愛漫画のように。

 

「あ!大丈夫!?」

 

「ごめんなさい!私ってば余所見してて…」

 

「謝らなくていいよ!悪いのは俺のほうで…あ、立てる?」

 

「ありがとう。」

 

ツナは少女に手を差し伸べると、少女はツナの手を握って立ち上がる。

 

「あ!大丈夫?怪我とかしてない?」

 

「うん、大丈夫だよ。そっちこそ怪我とかしてない?」

 

「大丈夫だよ。」

 

ツナと少女は怪我はないか確認し合った。どちらにも怪我なく両者共にホッとした。

すると少女の視線が、ツナの肩に乗っているナッツに移る。

 

「わぁ!可愛い猫!なんていうの?」

 

「え…ナッツだけど…」

 

「ナッツちゃんか…あ!私、急いでたんだった!ごめんね!」

 

急いでいたことを思い出した少女はそのまま走り去って行ったのだが、

 

「きゃ!」

 

少女は再び、しかも何もないところでなぜかこけてしまっていた。

 

「だ、大丈夫!?」

 

「大丈夫だよ!心配してくれてありがとう!」

 

少女は再び立ち上がり、人混みの中に消えてしまった。

 

「なんか部下がいない時の、ディーノさんみたいな子だったな…」

 

ツナは自分の兄弟子であり、キャッバローネファミリーのボスであるディーノのことを思い出した。ディーノは部下がいる前では頼もしくなるのだが、部下がいなくなって一人になると、ダメダメになるという究極のボス体質の男なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく町を散策した後、小腹が空いたので、昼食を食べるには少し早いが飲食店に入ることを決めた。飲食店に入るのでナッツにはボンゴレギアへ戻ってもらった。

飲食店に入ると、

 

「あれ?グレイとジュビアと…誰だろう…?」

 

グレイとジュビアと、銀髪の青年が一緒に食事をしていた。知らない男性がいることに疑問符を浮かべたツナであったが、3人が食事をしている所まで行く。

 

「あ、ツナさん。」

 

「お前も昼飯か?」

 

「誰だ?」

 

3人の所に近づくグレイとジュビアがツナの存在に気づき、銀髪の青年は初めて見るツナに疑問符を浮かべる。

ツナはとりあえずリオンの横に座り、自己紹介し銀髪の青年も自己紹介する。彼の名前はリオンといい、グレイの兄弟子であり、蛇姫の鱗(ラミアスケイル)の魔導士である。

 

「へー、グレイに兄弟子なんていたんだ。知らなかった。」

 

「前に妖精の尻尾(フェアリーテイル)に訪ねた時にはいなかったが…」

 

「ツナさんは私たちが天狼島から帰って来てから、1週間後に私たちのギルド(フェアリーテイル)に入ったんです。」

 

「大魔闘演武にも参加するんだぜ。」

 

「そうか…」

 

「言っとくがツナは強ぇぞ。ツナとお前らの誰かが戦うことになったら覚悟しておいたほうがいいぜリオン。」

 

「い、いや!俺なんか大したことないよ!」

 

「謙遜しすぎですよツナさん。もっと胸を張ってくださいよ。」

 

グレイがツナが強いということをリオンに伝えるが、当の本人は謙遜してしまっていた。

 

(ツナから魔力を全く感じない…ツナは魔導士じゃないのか…?一体ツナは何者なんだ…?)

 

リオンはツナから魔力を感じないことに、疑問を感じていた。そして魔導士ではないツナを大魔闘演武に参加させようとする妖精の尻尾(フェアリーテイル)の意図がリオンにはわからなかった。

 

「それにしても二人って仲がいいんだね。一緒に食事するぐらいだし。やっぱり兄弟子だから?」

 

ツナがそう言った瞬間、二人はもの凄く嫌な顔をした。

 

「あれ…?違うの…?」

 

「違うんですツナさん。実は…!!///グレイ様が私を取るかリオン様を取るかっていう話になって…!!///」

 

「え…?」

 

「違うわ!」

 

「ま、まぁ…愛の形はそれぞれだし…お、俺はいいと思うよ…?」

 

「信じるんじゃねぇ!」

 

ジュビアの発言を信じてしまったツナであるが、すぐにグレイが否定する。

 

「お前が妖精の尻尾(フェアリーテイル)に来る前にリオン(このバカ)がジュビアに一目惚れしちまって、それで大魔闘演武に勝ったらジュビアをもらうって言ってきやがったんだよ!」

 

「あー、そういうこと…びっくりしたー…」

 

グレイから本当のことを聞いて、ホッとするツナ。

 

(でもジュビアってグレイのことが好きで…)

 

「絶対に優勝して、お前を幸せにしてやるからなジュビア。」

 

「は、はぁ…」

 

(やっぱりジュビアはグレイ一筋だよなー…)

 

リオンがジュビアのへの愛は伝わって来るが、当の本人(ジュビア)は反応に困っていた。それを見てツナは

なんとも言えない気持ちになってしまっていた。

 

「お前らに優勝させねぇよ。」

 

「こっちには聖十のジュラさんがいるんだ。負けるわけないだろ。」

 

「こっちにはエルザっていう化け物と、ツナっていう怪物がいんだぞ。」

 

「怪物って…」

 

グレイに怪物呼ばわりされたことに、複雑な気分になってしまうツナ。ここからグレイとリオンが火花を散らしながら、口論を始める。

この間にジュビアはずっと気になっていたことをツナに尋ねる。

 

「ずっと気になってたんですけど、ツナさんってどんな女性がタイプなんですか?」

 

「え?俺?そうだなぁ…優しくて明るい女の子かな?あ!後、料理ができる女の子とかがいいかな。」

 

「そうなんですか。じゃあ今、好きな女の子とかいるんですか?」

 

「今()いないかな…」

 

「今は…?」

 

「俺も昔は好きなが人いて、告白もしたんだ。でもフラれちゃって…」

 

「ご、ごめんなさい…私ったらツナさんにそんな過去があったなんて知らなくて…」

 

「ううん、気にしなくていいよ。」

 

まさかツナがフラれているとは思わなかったので、ジュビアは慌てて謝った。

 

「でもこれでいいと思ってるから。」

 

「どうしてですか…?」

 

「俺の好きだった女の子…京子ちゃんっていうんだけど。その子をマフィアの戦いに巻き込んじゃったんだ」

 

「…」

 

「俺がマフィアにボスになりたくないって言っても、マフィアの戦いに巻き込まれる可能性は充分にあるし。何より京子ちゃんは人が傷つくのを誰よりも好まないから。」

 

ツナは悲しそうな顔で語る。ジュビアはただただ黙って話を聞くことしかできなかった。

 

「だからジュビアも後悔しちゃダメだよ。きっとジュビアの想いはグレイにきっと届くはずだよ。」

 

「ツナさん…」

 

「あ!ごめんね、こんな暗い話をしちゃって!」

 

「いえ!私がツナさんことについて色々、聞いたのが原因であって!ツナさんのせいでは!」

 

「何ぃ!?ツナのことについて色々聞いただと!?まさかジュビア、ツナのことが好きなのか!?」

 

「「え…!?」」

 

グレイと口論していたリオンであったが、ジュビアの一言に反応した。この後、ジュビアは絶対に渡さん!などと言われたりして、ツナは大変な目にあったのであった。

 

ちなみに誤解は解けました。

 

 

 

 




やっぱりフェアリーテイルのキャラと結ばせたくてツナには悪いのですが、フラれたということにしました。


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