大魔闘演武3日目。
『大魔闘演武もいよいよ中盤戦。3日目に突入です。』
『今日はどんな熱いドラマを見せてくれるのかね。』
『本日のゲストは魔法評議員よりラハールさんに、お越し頂いています。』
『よろしくお願いします。』
本日のゲストは評議員のラハールであった。
「ラハールめ。俺まで付き合わせやがって。」
そんなラハールを見ながら、同じく評議員でありラハールの同僚であるドランバルトが観客席から実況席のラハールが悪態をつきながら見守っていた。
今回の競技パートは
「それではこれより、
審判であり、大魔闘演武公式マスコットキャラクターであるマトー君がそう言うと、選手たちの目の前に巨大な神殿が現れた。これには会場の人たちは驚きを隠せないでいた。
「欲張りすぎもよくないという訳か…」
「だけど1巡に1体じゃ他に遅れを取っちゃうし…」
「次の順番までの魔力の回復率も計算に入れて…」
「意外と難しさそうだなぁ…」
「どうしたツナ?さっきから元気がねぇようだけど…」
「ちょっとね…」
マックスがツナの元気がないことに気づいたが、ツナは何のことか言わず、俯いたままであった。
「ユキノのことか?」
「うん…大丈夫かなって思ってさ…」
「あいつのことだ。これ以上、世話になるのは迷惑と思って出ていったんだろうな。」
競技パートが始まったが、ツナはギルドを応援することよりもユキノのことが心配になっていた。リボーンはユキノがいなくなった理由がわかっていた。
「ユキノって、あのセイバーの?」
「何かあったのか?」
「ああ。ちょっとな…」
リボーンは昨日あった出来事について話した。自分たちの知らないところでそんなことが起きていたことを知って、その場にいたメンバーはツナが落ち込んでいる気持ちを理解した。
「大丈夫ですよ。」
「え…?」
「あなたのお陰でユキノという者は救われたはずです。きっとあなたの想いは伝わってますよ。」
「初代…」
メイビスが笑顔でそう言うと、ツナは少しだけ元気を取り戻した。
「想いが届くどころか、ユキノの心を射抜いちまったけどな。」
「「「「「「「は!?」」」」」」
リボーンの発言で、またツナに好意を寄せる女性が増えたことを知って、その場にいた者は唖然としてしまっていた。フレアだけはショックを受けていた。
一方で闘技場の中央ではくじ引きが行われ、神殿に入る順番が決められていた。エルザが1番、ミリアーナが2番、3番はノーバリ、4番はヒビキ、5番はオーブラ、6番はオルガ、7番はジュラ、8番はカナという結果になった。
「この競技、くじ運で決まると思っていたが…」
「くじ運で…?い、いやどうでしょう…戦う順番よりペース配分と状況判断力の方が大切なゲームですよ…」
「もはやゲームにならんな。」
エルザの発言に、マトー君は驚きを隠せない様子であった。当のエルザは口元を緩ませていた。
「100体全て、私が相手をする。挑戦権は100だ。」
エルザは神殿内のモンスター全てを倒すことを告げる。この宣言を聞いて、会場中に動揺が走る。
「む、無理ですよ!一人で全滅できるようには設定されてません!」
「構わん。」
エルザはマトー君の忠告を聞いてもなお、怯むことなく神殿内部へと歩を進めて行った。
その後、レヴィはこの時のことを日記に記す。傷だらけになりながら、地に墜ちたはずの妖精が舞う。
『し、信じられません!なんとたった一人で100体のモンスターを全滅させてしまった!これが7年前、最強と言われていたギルドの真の力なのか!』
エルザは全てのモンスターを倒し、妖刀である紅桜を掲げていた。全身がボロボロになりながらも勇ましい姿で佇むエルザを見て、会場中の人たちは喝采を上げる。
こうして
「面白い。口先だけではないということか。」
ユキノの代わりに入った、女魔導士ミネルバが不敵な笑みを浮かべた。
「エルザ・スカーレット…ジェラールをよく知る者…」
ジェラールに恨みを持つカグラは、ジェラールのことをよく知っているエルザを静かに見守っていた。
エルザがモンスター全てを倒してしまった為、大会側は魔力測定器、通称MPFを使って順位をつけることとなった。このMPFに魔力をぶつけると、数値が表示される。このMPFの数値が高い順に順位をつけられる。
まずはミリアーナから始まる。
「キトゥンブラスト!」
三本のチューブで水晶を攻撃すると、365という数値が浮かび上がった。だがこの数値が凄いのかどうかわからず、会場の人たちは戸惑ってしまっていた。
『基準がないとこの数値が高いかどうかわかりませんね。』
『ウム。』
『この数値は我々、ルーンナイトの訓練にも導入されています。この数値は高いですよ。部隊長を任せられるレベルです。』
ミリアーナの数値の高さについてラハールが解説する。次は
続いては
「キキッ。」
しかしオーブラ自身は攻撃せず、肩に乗っていた使い魔がMPFに体当たりした。しかし浮かび上がった数値は4であった。ここまではミリアーナがトップであった。
次はオルガの出番となった。
「120mm黒雷砲!」
黒い雷が放たれ水晶に当たると、3825という数値が浮かび上がった。現在トップであるミリアーナの10倍の数値を叩き出したことで会場中が盛り上がる。
次はジュラの出番となる。
「本気でやってもよいのかな。」
「もちろんカボ。」
マトー君に確認を取ると、ジュラは目を閉じて合掌する。
「鳴動富嶽!」
リボーンと戦った時の技を放つと、8544という数値が浮かび上がった。この数値には会場中はさらに盛り上がった。
そしてカナの出番となるが、酒を飲んでいたせいか、酔っぱらっていた。これにはギルドのメンバーは不安を隠せない様子であった。
「さ!ぶちかますよ!」
上着を脱ぐと、カナの右腕には紋章が刻まれていた。
「あれ?カナの右腕になんか紋章が刻まれてる…」
「何だありゃ。」
「ま、まさか…」
ツナとリボーンはカナに刻まれている紋章に気づいた。だがマカロフはあの紋章に見覚えがあるのか、驚きを隠せないでいた。
「特別に貸して差し上げました。勝つ為に!」
メイビスがそう言うと、マカロフは口を開けたまま固まってしまっていた。
「よくはわかんねぇが、相当な技ってことだけは確かなようだな。」
「はい。といってもツナ程の技ではありませんけどね。」
カナは右手を掲げると、詠唱を始める。
「集え妖精に導かれし光の川よ!照らせ!邪なる牙を滅する為に!」
詠唱を唱え終わると、左手で右腕を支えると一気に右腕を降り下ろした。
「
魔力の光の柱が発生し、膨大の魔力がMPFに注ぎこまれた。煙が晴れるとMPFは消滅しており、9999という数値が浮かび上がっていた。まさかMPFが破壊されるとは誰も思っていなかったのか、この場にいた者は驚きを隠せない様子であった。
『競技パート1・2フィニッシュ!もう誰も
「止められないよ!私たちは
カナは両手を広げて高らかに宣言すると、会場中は盛り上りが止むことはなかった。
競技パートが終了し、バトルパートに移る。第一試合はミリアーナvsセムスであった。結果はセムスがミリアーナの魔法を無効化するネ拘束チューブで縛られてしまい試合が終了する。
第二試合はルーファスとイヴであった。イヴが雪魔法で吹雪を発生させるがルーファスはイヴの魔法を見切っており、いとも簡単に躱す。
「
「うわぁああ!」
ルーファスが右手を地面に添えると、イヴの周りに炎が発生しイヴに襲いかかった。イヴは避けることができず炎を喰らってしまった。この一撃によってルーファスの勝利が確定した。
そして第三試合の対戦カードが発表される。
『
ついにラクサスと
次回は
高評価をくださったエゼキエル王さん、ありがとうございます!
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活動報告→https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=215199&uid=88671
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以下はツナと戦わせる予定です。どれが楽しみ?
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ツナvsリオン&シェリア
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ツナvsミネルバ
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ツナvsスティング