「これも計算通りなのか初代?」
「はい。」
「じゃあグレイが勝つんだな!この勝負!」
「それはわかりません。」
「何!?」
「先程も言った通り、本来ルーファスはツナが倒す予定でした。」
再び昨日の作戦会議
「じゃあそのルーファスって奴が俺たちの位置を把握してるってのか?」
「その通りです。」
「まずはそのルーファスを倒すのが良さそうだな。」
「はい。この役目はツナに…「待ってくれ初代。」」
メイビスがツナにルーファスを倒すことをお願いしようとしたが、グレイが遮る。
「そいつは俺にやらせてくれ。」
「グレイ?」
「初代。いいだろ。」
「私の計算ではあなたとルーファスの相性はよくありません。勝てる可能性はとても…」
「そんなのどうでもいいんだよ!」
勝てる可能性がないと言われても、それでもグレイは怯むことはなかった。
「ルーシィを助ける!そしてやられたカリを返してぇ!
グレイがメイビスに頼み込む。だがメイビスはどうするべきか迷っていた。
「行かせてやりゃいいじゃねぇか。」
「リボーン!?」
ツナが振り向くといつの間にかリボーンがいた。
「完成されたプロなら戦闘力や可能性を数値化することに意味があるかもしれねぇ。だが、伸びざかりのこいつらを計算に当てはめるなんてバカげてると思うぞ。数値化できねぇところに、こいつらの強さはあるからな。違うか?」
リボーンがそう言うと、メンバー全員が頬笑む。
「そうですね…私としたことが作戦を成功ことに意識がいきすぎてしまい、大事なことを忘れていました…」
リボーンの言葉でメイビスが大事なことを思い出した。
「つーわけだ。妖精による血祭り大作戦♥️まずはグレイがルーファスを倒すことが決定したな。」
「もっとマシな作戦名にしろよ!」
可愛い声で恐ろしい作戦名を考案したリボーンにツッコミをいれるツナ。
「作戦名は妖精の星作戦って決めているんです!勝手に作戦名をつけないで下さい!」
「何だそりゃ。だっせぇ作戦名だな。」
「あなたの作戦名よりマシです!」
その後、リボーンとメイビスが激しい論争を繰り広げたが、作戦名は妖精の星作戦に決定した。
「時に想いは計算を越える…見せてください。あなたの想いを。」
図書館エリア。
「いくぞ仮面野郎!」
グレイが造形魔法の構えを取るが、ルーファスは読んでいた本を閉じた状態で椅子に座っていた。
「アイスメイク…
「記憶。」
「逃がすかよ!
「記憶。」
グレイは氷の槍を放つが躱されてしまい、その次に氷のハンマーを造形して攻撃するが、これもまた躱されてしまう。
「何をもごもご言ってやがる。」
「私の魔法は見たことのある魔法を記憶し、記憶を元に新たな魔法を造形できる。」
「何だそりゃ。」
「君の記憶、氷の魔法。オルガの記憶、雷の魔法。覚えている。
「ぐはっ!?」
黒い雷と氷がグレイに襲いかかる。グレイは避けることができず、ルーファスの攻撃を喰らってしまう。
「荒ブル風牙ノ社。」
「
「
「盾が消え…ぐわぁあああ!」
ルーファスから風の魔法が放たれ、グレイはすぐに盾を造形して防御するが盾が消えてしまい上空へ吹き飛ばされてしまう。ルーファスは自身の魔法で盾の造形の仕方を忘れさせ、グレイの盾を消したのである。
「この戦いは私が君に詩う
「そいつぁ…どうかな…」
余裕の笑みを浮かべて、自分の方が強いということを豪語する。だがグレイは諦めている様子はなく、上着を脱ぎ捨てる。
「
「ほう。何か策があるのかね。」
「アイスメイク…」
「記憶…」
「
「!?」
グレイの前に物凄い速さで、氷の剣が造形されていく。あまりの造形の速さにルーファスは戸惑いを隠せない様子だった。
「覚えたかい?」
「記憶が…おいつかない…!?」
あまりの造形の速さ、それに加えて一本一本の剣の形が違っている為、ルーファスはグレイの魔法を記憶ができないでいた。
「一勢乱舞!」
「ぬぁあああ!」
造形された大量の氷の剣がルーファスに襲いかかる。ルーファスは避けきれず、全ての剣を喰らってしまい氷漬けにされる。
「しかし氷属性だけなのが惜しい。私はこの氷を滅する炎を覚えている。
氷漬けにされてもなおルーファスは炎を放って氷を溶かすと同時に、グレイを攻撃した。
「俺はもっと熱い炎を覚えてる。」
グレイは燃え栄える業火の中を突っ切り、ルーファスの前に移動する。グレイの脳裏にはナツとツナの炎が浮かんでいた。
「
「ぐぁあああああ!」
すれ違いざまに2本の氷の剣でルーファスを斬った。ルーファスは大の字に倒れ気絶した。グレイは宙に舞ったルーファスの帽子を手に取り、自分の頭に被った。
グレイvsルーファス。グレイの勝利。
「崩れていくのか…この
ルーファスが倒されてもミネルバは動揺していなかった。ミネルバの脳裏にはある出来事が浮かんでいた。
時はスティングとローグがナツに負けた日の夜。二人はマスターであるジエンマの怒りを買い、ギルドの紋章を消せと命じられた。そこにスティングを助けようとしたレクターが仲裁に入り、ジエンマに辞めさせないように進言するも、ジエンマはレクターを容赦なく消し去ってしまう。レクターを消されたことに涙を流したスティングはジエンマに光の魔力を放つ。するとスティングの放った攻撃はジエンマの体を貫いた。
「それでよい。父上の恐怖統制は今ここで終わりを告げよう。父上の力も越えるスティングこそ新たなマスター候補にふさわしい。」
「ミネルバ貴様…何を言って…」
「黙るがいい。負け犬などいらんのだろう。自論に従うなれば。」
「むぐっ…」
ミネルバに論破されて、ジエンマは何も言い返せなかった。ミネルバはスティングの方を向いて語る。
「スティング。そなたに無くナツという者にあるもの。それこそが想いの力だ。」
「想いの力…」
「知らず知らずのうちに父上は感化されていたようだな。仲間などいらぬ、力こそが全て。だがそなたの本質は違う。レクターを想う気持ちが力になる。そなたはその力を手に入れたのだ。そなたはナツをも越える。」
「お嬢…俺はもう…」
いつもなら喜ぶスティングであるが、レクターを失った影響で放心状態になっていた。だがミネルバは告げる。自身の魔法でレクターを別空間に飛ばした為、生きていると。レクターが生きているとわかって喜び、ミネルバにレクターを戻してくれと嘆願する。
「甘えるな。大魔闘演武にて優勝するまではレクターは返さん。」
「な、何言ってんだよお嬢…頼むよ!今すぐレクターを
返して…」
「妾は父上とは違う。しかし
そう言うとミネルバは最後に忠告する。愚かな考えを起こすな。レクターの命は自分が握っていると。
???
「俺は必ず優勝する。」
「凄い!無敗のルーファスに勝っちゃったよ!」
「当然だ。造形魔導士同士の戦いで負けるような奴なら俺が殴っていた。」
グレイが勝利したことを知ったリオンとシェリアは、そのまま二人で行動していく。
「来たか。」
教会の屋根の上からリオンとシェリアを確認した人物がいた。ゆっくりと立ち上がると屋根の上からジャンプした。
「アイスメイク…
リオンは人の気配を感じると、氷の蝙蝠を造形して攻撃した。
「どうしたのリオン!?」
「敵だ…」
「敵って…魔力は感じて…まさか…」
「そのまさかだ…これだけ近くにいれば魔力を感じるはず…だが俺たちが魔力を一切、感じていなかった…だとすれば考えられる可能性は一つ…」
煙が晴れるとそこには全くダメージを受けていないツナの姿があった。ツナはゆっくりと二人の目の前に降り立つ。
「元々、魔力のない奴がいるということだ…」
リオンは平常心で装って笑みを浮かべるが、ツナの目の前にして内心焦っていた。シェリアも焦っていたが、リオンが平常心を保とうとしているのを見て、自分も平常心を装おうとしていた。
『次はシェリアを倒して下さい。回復役であるシェリアを倒すことで大きく戦況が変わります。』
「回復役のシェリアは厄介だからな。悪いがここで倒させてもらう。」
「リオン…」
「わかっている…逃げることはできないことぐらい…だから最初から全力で行くぞ!後のことは考えるな!」
「うん!」
敵はまだまだいるが、二人は相手が相手なので最初から全力で行くことを決める。
「降参はしてくれそうにないか…仕方ないな。」
降参するかどうか聞こうとしたツナだったが、二人が戦う姿勢を見せた為、降参するかどうか聞かず戦闘体勢を取る。
「ナッツ。
ナッツを通常モードで
「シェリア…俺がダメージを受けても回復の力は使うな。」
「回復に力を使う魔力を攻撃に回して、勝てる可能性を少しでも上げるってことでしょ…?」
「ああ…だが相手が相手だ。それでも勝てるかどうかわからないがな…」
そう言うとリオンは左手の手を開いて、右手を握って拳を作った後、握った右手の拳を左手の掌に乗せる。
「いくぞ!」
「うん!」
次回、シェリアにフラグが建ちます。
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