KATEKYO TAIL   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)59 もう一人の

餓狼騎士団から奈落宮の出口を聞き出すと、ロープで餓狼騎士団を縛った後、出口を目指す。

 

「大したことなかったなあいつら。」

 

「リボーンからしたら大概の敵は大したことないよね…ジュラと戦って無傷で勝つんだし…」

 

「あの方は大丈夫なのでしょうか…?」

 

「死んだわけじゃないし…」

 

「大丈夫じゃない…?」

 

「立ち直れないかもしれないですけどね…」

 

「この男が本当に国に仇なす賊ではなくてよかったな…」

 

リボーンの発言を聞いて、ハッピー、ユキノ、ルーシィ、ミラ、ウェンディは餓狼騎士団のリーダーであろう男に同情していた。アルカディオスはリボーンが敵じゃなくてよかったと心の底から思っていた。

 

「つーか、本当にこっちであってんのか?」

 

「あいつの言うことが本当なら、こっちの道で合ってるはずだ。もし違ってたら他の奴らを人質にして、出口の場所を吐かせる。それでも吐かねぇなら、死んだ方がマシと思うぐらいの恐怖を与えた後に骨になってもらうだけだ。」

 

「そこまでやったら、本当に犯罪者になるわね…私たち…」

 

「もうどっちが悪役かわからんな…」

 

いつもながらさらっと恐ろしいことを言うリボーン。敵だったのにも関わらず、シャルルとリリーはどうか先程の男が吐いた出口の情報が本当であってくれと心の中で祈っていた。

しばらく歩くと、大きな扉が見えてきた。

 

「扉だ!」

 

「本当にこっちで合ってたんだ!」

 

「ちっ。」

 

「舌打ち!?」

 

本当に出口があったことに喜ぶナツとハッピー。リボーンは先程の男に拷問したかったのか、舌打ちしていた。

 

「っ!?」

 

「どうしたんですか?」

 

「扉の向こうに人の気配を感じる。相手は一人か。」

 

ウェンディが尋ねると、リボーンは扉の向こうに誰かがいると言う。扉の向こうに誰かがいるとわかると、全員戦闘体勢を取る。

 

「さっきの奴の仲間?」

 

「いや…餓狼騎士団はあれで全員だ。」

 

「ということは別の敵ってことね…」

 

ミラが餓狼騎士団の仲間なのかとアルカディオスに尋ねるが、アルカディオスは否定する。すると扉がゆっくりと開いていく。扉が開くと、全身を黒いフードで覆った人物が現れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルクリアス姫の間。すでに餓狼騎士団が倒されたことが報告され、騒ぎになっていた。

 

(やはり…)

 

ヒスイは餓狼騎士団が倒され慌てていると思われたが、どういうわけか安堵していた。

 

「いけませんなぁ。そんな表情をしては。考えが筒抜けですぞ。」

 

「ダートン!?」

 

ヒスイが安堵していると、ヒスイの心情を見透かしていたダートンが後ろから現れる。

 

「陛下と共に闘技場(ドラム・フスワ)に言ったのでは…」

 

「妙な胸騒ぎがして戻ってきたのですが…やはりこういうことでしたが。」

 

「それはどういう意味です!?あなたこそ裁判を待たずにアルカディオスを奈落宮に落とすなど…」

 

「そのアルカディオスを救う為に妖精の尻尾(フェアリーテイル)を利用しましたな。」

 

「うっ…」

 

ダートンの言葉にグゥの音も出ないヒスイ。ダートンは語る。エクリプス計画を本当に計画したのはヒスイであり、アルカディオスは計画者であるヒスイの存在を隠蔽していたということを。

 

「そこまでお見通しでしたか。さすがです。」

 

ダートンの推理が当たっていたのか、ヒスイは観念した。ダートンはエクリプス計画を中止するようにと求めるがヒスイは首を縦に振ることはなかった。

 

「いいえ…おそらく世界は変えねばならないでしょう。」

 

「おそらく?」

 

「これは誰にも言ってもならないと、あの方(・・・)との約束だったのですが。あなたには話しておいた方がよさそうですね。エクリプス2(ツー)計画性のことを。」

 

2(ツー)!?」

 

「本当のエクリプス計画です。この計画が失敗すれば、明日この国は滅びるのです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)応援席

 

「初代。グレイ様がリオン様と戦うことになりましたけど、いいんですか?」

 

「問題ありません。ツナの役目は回復役のシェリアを倒すことですから。それにツナがグレイにリオンを任せることも想定内です。」

 

メイビスはグレイとリオンが戦うことについては想定内であり、何も動揺していなかった。

 

「シェリアを倒したことで戦況が大きく変わります。ここからツナがジュラと、エルザがミネルバがぶつかります。」

 

「ちょっとドヤ顔になった!?」

 

メイビスは今まで作戦が的中したことで自信がついたのか、ドヤ顔になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロッカス。

 

(初代の作戦では、ここに来ればセイバーの…)

 

エルザは初代に指示された場所に移動していた。少し待つとエルザは後ろから気配を感じ後ろを振り向く。

 

「!?」

 

エルザが振り向くとやって来たのはミネルバ…ではなくカグラであった。

 

(初代の読みが外れた!?)

 

メイビスの読みが外れても、エルザは即座に日本刀を二本同時に換装しカグラの攻撃を防御する。そこからエルザとカグラの刀がぶつかり合い、周囲には金属音だけが響き渡る。

 

(強い…)

 

(噂通りの武人か見せてもらおう妖精女王(ティターニア)

 

剣と剣がぶつかり合う中で、二人はお互いの強さを認識していた。

 

(納刀したままでこれほどか…)

 

相手がエルザであっても、カグラは納刀したまま斬り合っていた。

 

「「!?」」

 

斬り合いの最中、二人の間から両手が現れ二人の顔を鷲掴みにして吹き飛ばす。現れたのはミネルバだった。

 

「妾も混ぜてくれまいか?」

 

ミネルバが登場したことで、今大会屈指の女魔導士の対決が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)応援席

 

「私の計算が…どこで…泣いてなんかないです…全然泣いてなんか…」

 

「大丈夫です!これぐらい誤差の範疇です!初代が言う通りならツナがジュラと当たるはずですぞ!ほら!」

 

今にも泣きそうな(ほぼ泣いているが)メイビスを見てマカロフは、気を使ってツナの映っている映像を見るように促した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロッカス

 

「来ない…初代の読みが外れたのか…?」

 

ツナもメイビスに言わた場所で待機していたが、ジュラどころか誰も来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)応援席

 

「私の…私の…ひっぐ…泣いて…」

 

「誰かー!全力で初代をあやせー!」

 

2連続で作戦が外れていきメイビスはガチで泣き初めてしまう。もうこれ以上は弁解の余地がないと理解したマカロフは、メイビスをあやすことを最優先事項とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

クロッカス

 

「誰が相手であろうと押し通る。」

 

ミネルバの参戦にもエルザは全く動揺せず、戦う意志を見せる。

 

「我らが剣咬の虎(セイバートゥース)も随分と信頼を落としてしまった。無論、そなた等のギルドによってだ。エルザ、カグラ。我らがギルドこそが最強である証明を示す為には、そなた等ごときはまとめて始末してみせようぞ。」

 

「大した大口だ。」

 

「ご託はいい。来い。」

 

エルザとカグラを前にしても余裕を見せるミネルバ。挑発的な態度を取るミネルバに対しても、二人は冷静に呟いた。3人はしばらく睨み合うと同時に前に出る。エルザの刀とカグラの刀と手に纏ったミネルバの魔力がぶつかり合う。3人の魔力が同等である為、誰一人として吹き飛ぶことはなかった。3人は一旦離れると、エルザが左の刀でカグラの刀を防ぎつつ、ミネルバに攻撃を仕掛ける。

 

「フン。」

 

「うわっ!?」

 

エルザの刀を受け止めた後、ミネルバはそのままエルザを吹き飛ばす。その隙にカグラがミネルバに蹴りを喰らわせる。

 

「くっ…あ」

 

今度はエルザがカグラを蹴り飛ばし、高台から地面へと落とした。エルザは落下したカグラに追撃する為に高台から飛び降りる。

 

「うぐ!?」

 

追撃をしようとしたエルザであったが、逆に返り打ちにされてしまう。次はミネルバがカグラの顔の前に出すと先程よりも強い魔力でカグラを吹き飛ばした。

 

「見えておるわ…な!?」

 

後ろからエルザが攻撃しようとしていたことに気づいたミネルバは、後ろを振り向いてエルザに攻撃しようとするもカグラが突きでミネルバを吹き飛ばした。

 

ي(イ・)هيسو(ラーグド)(消えろ)。」

 

ミネルバが右手を開き、左手の人差し指と中指だけを立てる。エルザとカグラがミネルバの魔力に包まれる。

 

نونينوها (ネェル・)هيهوويويؤوفافي(ウィング・ミオン)راريروري(デルス・)بابيبوبيبوبابي(エルカンティアス)。」

 

ミネルバは自身の魔法であるヤクマ十八闘神魔法を使用する為に、常人では理解することのできないヤクマ語にて詠唱を始める。

 

بوبيبو(ャグド・)ويؤوفافو(リゴォラ)!」

 

ミネルバが詠唱をしていくと魔力が徐々に変化していき、闘神を形作る。そして光の柱は発生し広範囲に渡って爆発が発生する。誰もがミネルバの勝利を確信した。爆煙が晴れるとそこにはところどころ服がボロボロになっていたものの無傷で生還しているエルザとカグラがいた。

 

「成る程。よもやここまでやるとは計算外だ。」

 

始めに自分一人で片付けると言ったミネルバであったが、激しい戦闘の中で自分一人で二人を片付るのは不可能だということを理解した。

 

「このままではラチがあかぬ。少し趣向を変えよう。」

 

ミネルバが右手に魔力を纏うと、何もない所から、

 

「先程、捕らえた子猫だ。」

 

「「ミリアーナ!」」

 

空間内にて捕らえられたミリアーナが現れる。空間にてミリーアーナは苦しい声を上げていた。

 

「見えるかこの娘の苦しむ姿が。この空間の中で常に魔力を奪い続けておる。安心するがよい。人質をダシに屈服させるつもりはない。趣向を変えると言ったであろう。」

 

屈服させるつもりはないとは言うものの、ミリアーナを捕らえられ魔力を奪われている為、二人は正常でいられるはずもなくミネルバを睨みつけていた。

 

「そうだ。その表情が見たかった。」

 

 

 

 

 

 

 

メルクリアス

 

「そのようなことが…そのようなことが事実なら、大魔闘演武など即刻中止に…」

 

「なりません。私とてあの方の言葉。半信半疑なのです。」

 

ダートンは大魔闘演武を中止するよう求めるが、ヒスイは首を縦には振らない。ヒスイが言うには、その者は大魔闘演武の結果を知っており、あるギルドがありえない結果にて優勝すると。それが本当であればエクリプス計画を実行すると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈落宮

 

ナツたちはフードを被った人物と遭遇するも、攻撃する様子はなかった。

 

「ごめん…力を貸して…」

 

それどころか声を震わせ涙を流していた。全員はこの声に聞き覚えがあった。その人物がフードを脱いで顔を晒す。なんとその人物は…

 

「ルーシィ!?」

 

「えええええ!?」

 

もう一人、ルーシィが現れたことによって全員、衝撃を受けていた。

 

「時空を越えるエクリプスのことはもう知っているよね。」

 

「エクリプス…まさか!?」

 

「あんたエクリプスを使って…」

 

「未来から来たの。」

 

「「「「なっーーーー!?」」」」

 

未来から来たと聞いて、リボーン以外は驚きの声を上げる。

 

「この国は…もうすぐ…」

 

未来ルーシィは何かを伝えようとしてしたが、意識を失い倒れてしまう。未来から来たというルーシィの存在に衝撃を隠せないでいた。

 

「こいつはまずいな…」

 

「まずいって…どういうこと…?」

 

「未来に行った時に正一が言ってたんだ。過去の自分と未来の自分が同じ時代に存在すれば世界が消える可能性があるってな。」

 

未来の正一の言葉を思い出したリボーン。世界が消えると聞いて、全員、驚きを隠せないでいた。

 

「とにかくルーシィを安全な場所に移動させるぞ。」

 

「ならば普段、ほとんど使われない部屋がある。そこへ移動させるべきだ。」

 

アルカディオスがそう言うと、アルカディオスの案内の元にその部屋へと向かっていく。

未来から現れたルーシィ。一体、どういうことなのであろうか!?

 

 




ミネルバの詠唱のシーンは、なるべく再現したかったのでアラビア文字を使って作りました。といっても適当なんですが。

次回はツナの出番があります!

感想、評価、活動報告のほうもよろしくお願いします!

活動報告→https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=215199&uid=88671

Twitter→https://twitter.com/husuikaduti

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