KATEKYO TAIL   作:薔薇餓鬼

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明けましておめでとうございます。2020年、初の投稿です。今年もKATEKYO TAILをよろしくお願いします。




標的(ターゲット)63 大空(ツナ)vs白竜の滅竜魔導士(スティング・ユークリフ)

 

 

 

 

ミネルバとの戦いに勝利したツナ。残りはスティングだけとなり、大魔闘演武も終盤を迎えようとしていた。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)応援席

 

「あ、ありえねぇ…ツナの奴、あのミネルバを改心させやがった…」

 

「あれだけミネルバに怒りを見せてた奴が…」

 

「というかどうなってんだ…ツナがあの技を放ったのにミネルバは何で無事なんだよ…?」

 

「加減したんじゃないの…?」

 

「3割でも会場に大穴開けた技だぞ。そんなことあるわけがない。」

 

エルフマン、マックス、はツナがミネルバを改心させたこと、カナ、ビスカ、フリードはXBURNER(イクスバーナー)を放ったのにも関わらずミネルバが無傷だったことに驚きを隠せないでいた。

 

(さっきのツナの放った炎…私が長年、求めていた力…)

 

メイビスは先程の光景を見て何かを確信していた。

 

 

 

 

 

 

 

クロッカス。

 

「なんて奴だ…あの怪我でミネルバを圧倒しただけでなく…あのミネルバを…」

 

「私が戦っていれば、あいつが何を思って戦っているかなど一切考えず、ただただ怒りに身を任せて暴れていただろうな…」

 

カグラとエルザはツナがミネルバを改心させたことで、自分もミネルバのことを許そうという考え方に移行していく。ミリアーナも黙っていたが、二人と同様に考えを改める。

ミネルバが泣き止むと、3人がミネルバの前にやって来た。

 

「此度はすまなかった…今さら許されることでないことはわかっている…いかなる罰も受けるつもりだ…」

 

「もういい…私はお前に罰を受けてもらうつもりはない。ツナも言っていたが、お前が改心するならば私はお前を許す。」

 

「私もだ。」

 

「私も…」

 

「そなた等…」

 

「ツナを見て考えさせられたんだ。怒りに身を任せて、解決するだけでは意味がないことにな。」

 

エルザがそう言うと、カグラとミリアーナも首を縦に振って自分たちもエルザと同じ意見だということをミネルバに示した。こうして無事にミネルバと和解することができた。

 

「とにかく、残るはスティングだけか。どこにいるかわからんが行くぞ。」

 

エルザはスティングのところへ向かう為にツナの方を振り向いた。

が、

 

「ツナ…?」

 

どこにもツナの姿はなかった。

 

 

 

 

 

一方で会場は妖精の尻尾(フェアリーテイル)が優勝することを確信し、コールが鳴り止まないでいた。

 

 

妖精の尻尾《フェアリーテイル》応援席

 

「優勝…」

 

「俺たちが…」

 

「ずっと最下位だった俺たちが…」

 

「バカ!泣ぐのはまだ早ぇ…」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)のメンバーも優勝できるかもしれないということに期待していた。

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「ここまで願った通りのシナリオになるとはね…いや思った以上か…これは運命なんだろうな…」

 

 

 

 

 

鳴り止まないコール。だが観客の一人があることに気づいてしまう。スティングが残りのメンバーを全てを倒した場合、剣咬の虎(セイバートゥース)が優勝するという事実に。

 

『まさかとは思いますが…!?』

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)は全員、負傷スてるからねぇ…』

 

『全員、倒すつもりカボ!?』

 

ここで妖精の尻尾(フェアリーテイル)へのコールが止み、会場中はざわつき始める。

 

 

 

 

 

 

 

「さて。まずは合図を。」

 

スティングは上空に魔力を放って、自分の居場所を知らせる準備をしようとする。

 

「見つけた…」

 

「!?」

 

合図を送る前にツナがやって来る。自分の居場所がバレたことに驚くスティングだったが、すぐに平常に戻る。

 

「よくわかったなこの場所が。」

 

「街中には映像魔水晶(ラクリマ)が設置されてあるが、お前の姿は映っていなかった。だったら映像魔水晶(ラクリマ)の映らない場所を探せばいいだけの話だ。」

 

「それだけで俺の居場所を?監視魔水晶(ラクリマ)に映らない場所なんてたくさんあるだろ。」

 

「お前が最後に目撃されたのはバッカスを倒した時。そこから広範囲に渡って動けば、映像魔水晶(ラクリマ)に映るか、誰かに目撃されるはず。だからそう遠くには行ってないはず。そうなると捜す場所は限定される。」

 

「成る程ね。さすが今大会の最注目選手だ。」

 

ツナの推理にスティングは感心していた。

 

「だがいくらあんたでも俺には勝てねぇ。覚醒した俺の前ではな。といっても魔導士じゃないあんたにはわかんねぇか。」

 

「わかるさ…ナツと戦った時とは雰囲気が違うからな…」

 

ツナはスティングが2日前よりも強くなっていたことに気づいていた。

 

「あんたには感謝してるぜ。あんたがお嬢を改心させてくれたお陰でレクターを確実に返して貰えそうだしな。」

 

「レクター…お前の相棒のエクシードか。」

 

「ああ。レクターを消そうとしたマスターからレクターを護ってくれたんだが、レクターを返して欲しければ大魔闘演武で優勝しろって言われてな。」

 

「そういうことか…」

 

ツナは先程、ギルドのメンバーの心を傷つけたと言っていた意味を理解した。

 

「恩を仇で返すようで悪ぃけど、倒させてもらうぜ。といっても手負いのあんたを倒すことなんて造作もないけどな。」

 

「相変わらず、自身過剰な奴だ…うっ!?」

 

ツナは刺された傷口が痛みが走り、その場で片膝をついてしまった。

 

「無理すんなよ。仲間と一緒に来ればよかったのに。何で一人で来た?」

 

「みんなもうボロボロだ…これ以上、これ以上みんなに傷ついて欲しくなかった…」

 

「バカだろ。自分もボロボロのクセによぉ。ま、一人で来なかったとしても俺には勝てないことに変わりはないけどよ。」

 

「かもな…」

 

「?」

 

「お前が強くなったのはよくわかった…」

 

ツナはそう言うとゆっくりと立ち上がると、右の拳を胸の辺りに移動させると握り締め、スティングの方を見る。

 

「だがわかっていても…俺は闘る!」

 

「っ!?」

 

ツナがこの発言をした途端、スティングの様子がおかしくなる。

 

(な、何だよ!?その目は!?もうボロボロだってのに…!?)

 

スティングはこんな状況下であっても、ツナの目が死んでいなかったことに動揺を隠せずにいた。

 

「これが最後の戦いだ。だから俺の持てる力、全てをお前にぶつける!」

 

そう言うとツナは両手を腰の辺り下げて、戦闘体勢を取った。

 

「来い、スティング。決着をつけるぞ。」

 

「そうかよ…じゃあとっとと決着をつけてやるよ!」

 

スティングはツナに向かって走っていき、光の魔力を纏った拳を叩き込む。

 

「ぐほぉ!?」

 

ツナはスティングの拳が届く前に顔面に拳を叩き込む。スティングは左腕でツナの右腕を掴み、右手の掌から零距離で光弾を放った。ツナは咄嗟にしゃがんで光弾を躱して右足を薙ぎ払い、スティングの体勢を崩す。体勢を崩したところでツナは左腕でスティングを殴り飛ばした。

 

「意外にやる…なっ!?」

 

X(イクス)ブラスター!!」

 

「ぐわぁあああ!?」

 

スティングが立ち上がった瞬間、ツナは炎の球体を直接、スティングの腹部に叩き込んでぶっ飛ばす。ぶっ飛ばした後で時間差で炎が爆発し、炎の柱が発生した。

 

「どうした?手負いの俺を倒すのは容易じゃなかったのか?」

 

「るせぇ!」

 

スティングはドラゴンフォースを使って一気に勝負をつけようとする。

 

「白竜のホーリーレイ!!」

 

スティングから無数の光の矢が放たれ、四方八方から、ツナに襲いかかる。四方八方から襲いかかる光の矢をツナは高速でジグザグに動きながら後ろへ下がり、躱していく。

 

「ナッツ!形態変化(カンビオ・フォルマ)攻撃モード(モードアタッコ)!」

 

ツナはナッツを攻撃モードに形態変化(カンビオ・フォルマ)させた。

 

ボンゴレⅠ世のガントレット(ミテーナ・ディ・ボンゴレプリーモ)!」

 

右腕がガントレットに変形すると、ツナは右腕に炎を集中させスティングに向かっていく。

 

「バーニングアクセル!!」

 

「白竜のホーリーノヴァ!!」

 

スティングの光の魔力に集中させた拳とツナの炎が集中させた拳がぶつかり合った。

 

「軽い拳だな。」

 

「お、押されて…がはっ!?」

 

二人の拳と拳がぶつかり合うも、徐々にツナの拳がスティングの拳を押していき、ツナの拳がスティングの顔に届いた。スティングは吹き飛ばされてしまう。

 

「白竜のホーリールクス!!」

 

スティングはツナの上にジャンプし、縦方向に何度も回転しながら、光を纏った右足でツナに踵落としを喰らわせた。

 

「がはぁ!?」

 

ツナはその場で逆立ちした状態で、スティングの踵落としが決まる前にスティングの顔面に向かって蹴りを喰らわせ上空に蹴り飛ばした。

 

「まだだ。」

 

ツナは上空に一瞬にして移動すると、スティングの胸ぐらを掴むと引き寄せスティングの腹部に膝蹴りを喰らわせた。

 

「白竜の鉄拳!!」

 

スティングはツナに向かって光の魔力を纏った拳を振り下ろす。

 

「ごはぁ!?」

 

ツナは横に回転してスティングの攻撃を躱し、遠心力がたっぷりと加わった蹴りをスティングの腹部に喰らわせた。ツナはスティングの後ろに高速移動するとスティングの手首を掴み動きを封じ、膝蹴りをもう1発決めた。

ツナはスティングの頭を足場にして、さらに上に移動する。

 

「俺とお前じゃ機動力が違う。」

 

ツナは両腕を後ろに移動させると、炎を逆噴射させて一気にスティングに向かって行く。

 

「ホーリーレイ!!」

 

真っ直ぐに向かって来るツナに対して無数の光の矢を放つ。ツナは危険を顧みず光の矢の中を突っ切っていく。

 

「がぁああああ!?」

 

ツナは光の矢の中を突っ切り、勢いをつけた蹴りでスティングの防御を打ち破った。スティングは地面に叩き落とされる。

 

「くそ…がはっ…」

 

意識はあるもののスティングのダメージは大きく、立ち上がれない状態にあった。そんなスティングの前にツナがゆっくりと降り立つ。

 

(あの目だ…あの目のせいで戦いに集中できねぇ…)

 

怪我をしているのにも関わらず、まだ諦めていないツナの目に気圧され、スティングは戦いに集中できないでいた。

 

「降参しろスティング。何があったかは知らないが、戦いに集中できていない今のお前では俺には勝てないぞ。」

 

「るせぇ!!白竜のホーリーブレス!!」

 

スティングはなんとか四つん這いの状態になると、ツナに向かって咆哮(ブレス)を放った。

 

「こんな攻撃。避けるまでもない。」

 

ツナは右手を薙ぎ払うと、スティングの咆哮(ブレス)を弾き飛ばした。

 

「う、嘘だろ…!?」

 

闘技場の床に大穴を開ける程の技が、片手で弾き飛ばされてしまったことにスティングは驚きのあまり、その場で固まってしまっていた。

 

「な、何で…!?覚醒した俺の技を…!?」

 

「理由は一つ。俺が死ぬ気だからだ。」

 

「そんなわけねぇ!!俺は最強になった!!最強になったんだ!!」

 

スティングは無理やり立ち上がり、取り乱しながらツナに向かって行く。拳や蹴りを喰らわせていくがツナは一歩も動くことなくスティングの怒涛の攻めを躱していく。躱していく中でツナは隙を見つけてはスティングに攻撃を喰らわせていた。スティングは焦って冷静な判断力を失っており、攻撃を喰っても攻め方を変えずにツナに挑んでいく。

 

(何で…!?何で…!?何でこんな手負いの奴すら…それも魔導士ですらない奴に俺が…!?)

 

スティングはわからなかった。どう考えても自分の方が有利であるのにも関わらず、倒すどころか攻撃すら当てることができないことに。

 

「それがお前の限界だ。スティング。」

 

超直感でスティングの心を見透かし、そう言うと腹部に強力な一撃を叩き込んだ。スティングは両手で腹部を押さえ、膝をついてしまう。

 

「想いの力を手にし…俺は最強になったはずなのに…何で…!?」

 

「お前が急激に強くなった理由は想い力(そのこと)に気づいたことが理由か。」

 

「レクターを失ったと思った時、俺の力は覚醒したんだ…だから誰にも負けるはずがない…レクターに覚醒した俺の力を見せつけてやることができるんだ…」

 

この状況下においても、スティングはなぜツナに勝てないのかわからずにいた。

 

「どうやら俺の勘違いだったようだな。」

 

「勘違いだと…?」

 

「俺の死ぬ気は絶望からじゃない。希望から生まれる。」

 

「希望だと…?ふざけたことを抜かして…」

 

「ふざけてるのはお前だ。他の仲間たちがみんなが必死に戦っているのに、戦おうとせず弱った俺たちを倒そうとしただろ。」

 

「な、何だよ!?他の奴らなんてどうだっていいだろ!!」

 

「それをどうでもいいと言ってる時点で、お前は誰よりも弱いんだ。」

 

「偉そうに説教してんじゃねぇよ!!コソコソ隠れなくても、俺は誰にも負けねぇんだよ!!」

 

「だが実際、お前は手負いの俺にすら勝てない。それが何よりの証拠だろ。」

 

ツナの言葉にスティングは何も言い返せず、ツナを睨みつけるだけであった。

 

「それに今のお前を見て、レクターはお前のことを最強だと思ってないぞ。」

 

「何だよ!?お前にレクターの何がわかるって言うんだよ!?」

 

レクター(あいつ)はいつも応援していた。どんな

相手だろうと恐れず挑んでいき、次々に敵を倒していくお前の姿を。なのにお前はコソコソ隠れ、弱りきった俺たちを倒すことで自分が最強だということを証明しようとした。これがレクター(あいつ)が見たかったお前の姿か?」

 

「そ、それは…」

 

「お前は想いの力を得たと言ったが、本当にレクターのことを想っているならこれぐらいのことをわかっていて当然のはず。なのにお前はわかっていなかった。所詮、お前のレクターへの想いというのはその程度だったってことだ。その程度の想いじゃ、最強になんてなれるはずもない。」

 

「…」

 

自分のレクターへの想いがたかが知れているという事実をツナに気づかされ、スティングはショックで何も言えずにいた。

 

「俺たちは仲間のことを想うだけでなく、仲間の想いを理解し、想いを背負って戦っている。お前と俺たちとでは背負う想いの重みが違うんだ。」

 

「重み…」

 

「どうするスティング?まだ戦うか?お前が戦うというのなら、俺は死ぬ気でお前と戦う。俺は妖精の尻尾(フェアリーテイル)のみんなに助けられた。俺はここでお前を倒して大魔闘演武に優勝してみんなに恩を返さなければならないからな。」

 

ツナは戦闘体勢を取る。その目には一点の曇りもなく、仲間の為に戦うという覚悟だけが感じられる。

 

(これが本当の想いの力…俺と全然違う…)

 

スティングはツナの目を見て、自分の想いの力と全く違うということを理解する。

そして、

 

「降参だ…」

 

スティングは降参を宣言した。

 

『決着!大魔闘演武優勝は妖精の尻尾(フェアリーテイル)!!』

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)優勝!

 

 

 




いかがだったでしょうか?本当は死ぬ気の到達点を出す予定だったんですが、妖精と歩む大空と被るし、書いてて違和感があったのでこういう形にしました。


高評価をくださったオタク浪漫さん、完全無欠のボルト野郎さん。ありがとうございます。

次は竜王祭篇です。お楽しみに!

感想、評価、活動報告のほうもよろしくお願いします!

活動報告→https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=215199&uid=88671

Twitter→https://twitter.com/husuikaduti

ツナとヒロインのデート回。誰が楽しみ?

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