KATEKYO TAIL   作:薔薇餓鬼

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本当に申し訳ありません…モチベーションが全然上がらなくて…これからは月1更新になるかもです。


竜王祭篇
標的(ターゲット)65 もう一人の未来人


 

 

 

 

 

 

大魔闘演武に優勝し、完全復活を果たすことに成功した妖精の尻尾(フェアリーテイル)

一方ルーシィとユキノを助けにメルクリアスに潜入したナツたちは。

 

「ちっ!これじゃ外に出られねぇ!」

 

「数が多すぎる…」

 

次から次へと沸いてくる、兵士に足止めされしまっており苦戦を強いられていた。

 

獅子王の輝き(レグルスインパクト)!」

 

 

「「「「「ぎゃぁああああ!!」」」」」

 

「ロキ!」

 

突如、王国兵が吹き飛ぶ。王国兵を吹き飛ばしたのはルーシィの星霊であるロキだった。ロキの登場にルーシィの顔が笑顔になる。

 

「待たせてゴメン。はい鍵。君のも。」

 

「ありがとうロキ!」

 

「ありがとうございます。ごめんなさい。ライブラ、ピスケス。」

 

ロキは王国兵に没収された鍵をルーシィとユキノを渡した。

 

「よーし!反撃するわよユキノ!」

 

「はいっ!」

 

鍵が戻ったことで自分たちも戦おうと星霊を呼び出そうと鍵を構える二人。

が、

 

「な、何だ!?」

 

「うわぁ!?」

 

「ぎゃー!?」

 

奥にいる王国兵が叫び声を上げる。影がもの凄い勢いで広がっていき、王国兵を呑み込んでいく。仲間たちがのれていくのを見て王国兵たちは慌てて逃げるが、影の広がるスピードの方が早く、次々に呑み込まれていってしまう。

 

「跳べ!!お前ら!!」

 

リボーンが叫ぶと、全員その場からジャンプした。ジャンプした後、自分たちがいた場所にも影が広がっていき後ろにいた王国兵も呑み込んでいく。

 

「レオン!」

 

リボーンはレオンを巨大な網に変形させた。網となったレオンは壁に張り付いた。全員、網となったレオンの上に着地した。

 

「何だよあれ…」

 

「影が人を呑み込んで…」

 

「一体、何が…?」

 

「リボーンとレオンがいなかったら私たちも…」

 

「呑み込れていただろうな…」

 

上からナツ、ミラ、ウェンディ、ミラ、リリーは呑み込れていく王国兵たちを見て恐怖していた。しばらくすると王国兵を呑み込んだ影がなくなり、静寂が訪れる。

 

「影がなくなったわ。」

 

「待て。俺が先に降りる。」

 

シャルルの言葉を聞いて、全員降りようしたがリボーンが先に降りて大丈夫かどうか確認した。

 

「いいぞ。降りてこい。」

 

リボーンが安全を確認すると、全員網の上から跳び降りた。全員が跳び降りるとレオンは元の姿に戻りリボーンの帽子の上に戻る。

 

「何だったんだろうさっきの?」

 

「よくわかりませんが、これで城から脱出できそうですね。」

 

不気味な光景であったが、自分たちの行手を阻んでいた王国兵がいなくなきなった為、安心するハッピーとユキノ。

 

「どうやらそう簡単にはいきそうにねぇぞ。」

 

リボーンは影が侵食して来た、奥の方から誰かいることに気づいていた。リボーンの言葉に安心しきっていたメンバーに再び緊張が走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城の外

 

 

一方、ヒスイの元に直談判しに向かったアルカディオスは戦用の甲冑、白き百合の鎧に着替え、ヒスイの元に辿り着いていた。ヒスイたちはエクリプスと王国兵たちと共に城の外にいた。アルカディオスはエクリプス2(ツー)計画が始める準備が進められていることを理解すると、自分の剣をヒスイに握らせる。

 

「我が主君の言葉を疑うなど騎士道にあってはならぬもの。あなたの言葉が正しい時、私はこの命を捨てましょう。一瞬でも我が主君を疑った不名誉と共に私は死ぬ覚悟です。」

 

「貴様!?血迷ったか!?」

 

アルカディオスの行動にダートンは驚きの声を上げるが、ヒスイは驚きのあまり声すら出せない状況にあった。アルカディオスはさらに続ける。ヒスイの言った|未来人に会ったが今回の計画など知らず仲間に涙を流し助けを求めていたことを。だがヒスイは未来人は対処法を自分に教えたと主張し、意見が割れてしまう。

 

「では未来人が嘘をついていると!?私には彼女が仲間を騙して得をすることが思い浮かばない!!」

 

「彼…女?」

 

彼女と聞いた途端、ヒスイの顔色が変わる。そしてここで衝撃の事実が明かされる。

 

「私に助言をした未来人は男性の方でした…」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方でこの国を救う為の対策を考えていたジェラールたちは。

 

「俺が3日の夕刻に見た人影はルーシィではなかった!!もう一人いたんだ!!」

 

ジェラールもルーシィ以外にも未来からやって来た人物がいたことに気づく。気づいたのはルーシィが来た日であった。未来のルーシィは7月4日に来たと言ったが3日の24時であったこと。だが7月3日の夕刻に見たルーシィはルーシィではないことに気づいたのである。そして毎年感じたゼレフの魔力はエクリプスというゼレフ書の魔法を使って未来からやって来た為、体に魔力が残留してしまったのが原因であると。

ジェラールたちは急いでメルクリアスへと向かっていく。

 

「もう一人いたって…」

 

「どういうこと!?」

 

「そいつもエクリプスを使ったせいでゼレフに似た魔力を帯びている未来人…ルーシィは未来を救う為に来た…もう一人は何の為に来た!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

メルクリアス

 

「影が伸びる先は過去か未来か。人の心か。」

 

奥からやってきた人物がようやく口を開いた。まだ姿は見えないものの声は低く男だということがわかる。

 

「懐かしいなナツ・ドラグニル。」

 

「お前は!?」

 

「俺はここより先の時間から来た、ローグだ。」

 

現れたのは未来からやって来たローグであった。しかし現在のローグと姿は違い、どういうわけか髪が半分だけ白くなっていた。未来からやって来た人物がルーシィ以外にもいたことにリボーン以外は驚きを隠せないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城の外

 

未来人が二人来たことに驚きを隠せない一同。

 

「二人とも目的は同じ。この国を救う為に来たのです。仮に3人目がいたとしても私は驚きません。」

 

だがこんな状況下であってもヒスイは動揺せずにいた。

 

「あなたも騎士ならば剣は向けるべき処へ。私は扉を開きます。この国を救う為に私は剣を抜くのです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルクリアス

 

現れたのは未来のローグであった。ローグは(エクリプス)を開く為にやって来たのだという。

 

「エクリプスには二つの使い道がある。一つは時間の移動。もう一つはE(エクリプス)・キャノン。1万のドラゴンを倒せる唯一の手段。」

 

(1万のドラゴンを倒せる!?)

 

エクリプスにそのような機能があったことを初めて知る未来ルーシィ。

 

「じゃあ話は早いな。味方ってことじゃねぇか。」

 

「やったー!ドラゴンを倒せるんだね!」

 

「未来は救われるんですね!」

 

「…」

 

1万のドラゴンを倒せるという手段を知りナツ、ハッピー、ウェンディは歓喜の表情を浮かべる。一方でリボーンは無表情のまま未来ローグを見ていた。

 

「いいや。話はそんな単純ではない。」

 

未来ローグは語る。自分たちのいた7年後の世界はドラゴンに支配され生き残っている人類は1割もおらず、エクリプスも現在程の力を持っていないのだという。そしてこの時代においてエクリプスを開くのを邪魔をし世界を破滅にもたらす人物がいたのだという。未来ローグはその人物を抹殺する為にこの時代にやって来たのだという。

 

「そんなことしたってお前の世界は救われねぇぞ。新たな平行世界(パラレルワールド)が生まれるだけだ。」

 

「そんなものは机上の上の空論に過ぎない。何の意味も成さん。」

 

リボーンが平行世界(パラレルワールド)の存在について言及するも、未来ローグの意志が変わる様子はなかった。

 

「それで邪魔者ってのは一体、誰だ?」

 

「それは…」

 

リボーンがエクリプスを閉じ、世界を破滅の道へと導いた邪魔者について尋ねる。未来ローグはリボーンの問いに答える。

 

「お前だ!ルーシィ・ハートフィリア!」

 

「え…?」

 

ローグが影を剣に変形させて、ルーシィに向かって放った。刃と化した影がルーシィへ一直線に向かって行く。

 

ズガァン!

 

だが剣の軌道はずれ壁に突き刺さった後、消滅してしまった。リボーンが剣に弾丸を当てて、剣の軌道をずらしたのである。この行動に全員、未来ローグを睨み警戒する。

 

「てめぇ!!」

 

「貴様、どういうつもりだ?話を聞いてなかったのか?」

 

ナツが怒りを露にするも、未来ローグは全く気にすることなくリボーンに先程の行動について尋ねた。

 

「最初からてめぇの話なんか、俺はこれっぽちも信じちゃいねぇぞ。」

 

「勝手が過ぎるぞ。これで世界が滅べばどう責任を取るつもりだ?」

 

「勝手なことしようとしてんのはてめぇの方だろ。お前が世界を救おうなんて殊勝な真似をするような(ツラ)には到底、見えねぇ。むしろ世界に破滅をもたらそうと思ってる(ツラ)にしか見えねぇからな。」

 

リボーンは未来ローグが何かを企んでいることに気づいていた。リボーンに心を見透かされてもなおローグは不適な笑みを浮かべるだけだった。

 

「何、企んでやがる?てめぇ。」

 

「流石だな…だがいかにお前とて今の俺には勝てぬ。あれから月日は幾度となく経過している。」

 

「てめぇみたいな三下じゃ何年経とうが、俺にかすり傷一つ追わせられねぇよ。」

 

そう言うとリボーンは口元を緩ませた。リボーンの視線が足元にあると気づいたローグはすぐに足元を見た。そこにはいつの間にか手榴弾が落ちていた。

 

「貴様!!」

 

未来ローグは咄嗟にその場から飛び引いた。しかし手榴弾は爆発することはなかった。今、リボーンが投げた手榴弾は偽物(ダミー)であった。

 

「不発…?」

 

そう思った瞬間今度は未来ローグの上から手榴弾が降ってきた。リボーンは未来ローグが偽物(ダミー)に気を取られている間に本物の手榴弾を上に投げ、ローグのいた場所に手榴弾が落ちるように投げていたのである。

 

(最初の偽物(ダミー)は俺をこの場所に誘い込む為の罠!?)

 

ここに来て、未来ローグはリボーンの思惑に気づくいた。しかし時すでに遅しであった。

 

「だから言っただろうが。てめぇみたいな三下じゃ何年経とうが、俺にかすり傷一つ負わせられねぇってな。」

 

リボーンが口元を緩ませながら言った瞬間、手榴弾が爆発した。

 

ドォオオオン

 

「走れてめぇら!!」

 

リボーンが叫ぶと全員、出口に向かって一斉に走り出す。

 

「おのれ!!逃がすか!!」

 

「行かせるかぁああああ!!」

 

「がっ!?」

 

リボーンに出し抜かれたことに苛立ちを隠せないまま、未来ローグは影となってリボーンたちを追いかけようとする。だが影になる前に、ナツに殴り飛ばされ阻止されてしまった。

 

「ナツ・ドラグニル…!!」

 

未来ローグは忌々しそうにナツを睨みつける。

 

「世界がどうとか今は関係ねぇ!!ルーシィに手を出そうとしたんだ!!俺は絶対にお前を許さねぇ!!」

 

 

 

 




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