KATEKYO TAIL   作:薔薇餓鬼

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モチベーションが中々、上がらない…毎度ながら更新が遅れて本当にすいません…


標的(ターゲット)66 訪れる危機

 

 

 

 

 

未来ローグを足止めする為に戦うことを決意したナツ。

リボーンたちは出口を目指していた。

 

「ナツ…」

 

足止めの為に残ったナツを心配し、走りながら後ろを振り返る。

 

「振り返るんじゃねぇ!!」

 

「っ!?」

 

「ナツはお前を護る為に命を賭けてたんだ!!ナツの行動を無にしたくねぇなら、振り返るんじゃねぇ!!前だけ見て走れ!!生き残ることだけ考えやがれ!!」

 

「う、うん!」

 

リボーンに叱咤されて振り返らず、前を見て走ることを決意するルーシィ。

 

「おい未来ルーシィ。未来のローグが扉が閉めたって言っていたが、閉めたのか?」

 

「ううん。私は扉なんて閉めてない!」

 

「だよな…だとすれば奴はルーシィのいた未来と違う平行世界(パラレルワールド)から来たってことになるな。」

 

「別の平行世界(パラレルワールド)…どおりで心辺りがないはずだわ…」

 

リボーンの言葉に、自分が(エクリプス)を閉めた覚えがないのに、未来ローグが(エクリプス)を開けたという理由を未来ルーシィは理解した。

ナツの足止めが成功しているのか、未来ローグが追って来ることはなく、城の出口が見えた。

 

「お前らはエクリプスを目指せ。いいな。」

 

「リボーン様はどうするのですか?」

 

「俺は最悪の事態に備えて応援を呼ぶ。本来だったら俺は牢獄に閉じ込められて、本来来るはずだった援軍を呼べなかった。だが未来が変わった今、援軍を呼べる。」

 

「わかったわ。後のことは私たちに任せて。」

 

ミラがそう言うと、リボーンは援軍を呼ぶ為に先に城を出て町へと向かって行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リボーンに言われた通りミラたちは、エクリプスへと向かって行く。ミラたちは茂みから様子を伺っていた。すでにエクリプスの開く準備は完了しているようだった。

 

「見て。罪人扱いされてたアルカディオスがお姫様と普通にいる。」

 

「どうやら隠れる必要はなさそうね。」

 

罪人扱いアルカディオスがヒスイと話している様子を見て、自分たちが罪人ではないということが伝わったのだとミラとシャルルが判断すると、全員隠れることを止めヒスイとアルカディオスの元へと向かって行く。

 

「無事だったか。」

 

アルカディオスがミラたちがこっちに向かって来ることに気づいた。

 

「この度は申し訳ありませんでした。今は緊急事態の為、正式な謝罪は後日改めて。それと大魔闘演武優勝おめでとうございます。」

 

「優勝!」

 

「みなさん…やったんですね。」

 

「流石だな…」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)が大魔闘演武にて優勝したことを知り、ハッピー、ウェンディ、リリーは嬉々とした表情を浮かべた。

 

「そういえばリボーン()はどうした?見当たらないようだが…」

 

「リボーンなら最悪の事態に備えて、援軍を呼んで来るって言ってたわ。」

 

「もしかして(ドラゴン)のことを…?」

 

「ええ。彼女らも事情は知っています。」

 

ルーシィの発言からヒスイは、エクリプス計画についてルーシィたちが知っているということを理解する。

するとヒスイは未来ルーシィの存在に気づく。

 

「あなたが…もう一人の未来人…?」

 

「は、はい。」

 

「アルカディオスから話は聞いております。ありがとうございます。未来から危機を伝えてくれて。」

 

「そんな…私は危機を伝えに来ただけで…対応策を持ってきたわけじゃ…」

 

「それでも救われた命があります。だから後は私たちに任せて下さい。」

 

「ヒスイ姫…」

 

ヒスイ姫は未来ルーシィに頭を下げた。ヒスイ姫の行動に未来ルーシィは驚きを隠せないでいた。

 

「あの…どうしてエクリプスを開こうとしているのですか?」

 

「単純なことです。砲撃に準備がかかるからです。(ドラゴン)が来てからでは間に合いません。」

 

「全部、倒せるんですか?」

 

「わかりません。ですが陛下も最悪の事態に備えて策を講じているはずです。」

 

「リボーンも援軍を呼んで来るって言ったからな。なんとかなるだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロッカス中央広場リ・イン・クリスタル

 

一方でクロッカス中にいる魔導士にも、1万の(ドラゴン)がやって来ること、エクリプス計画についてフィオーレ王国国王であるトーマ・E・フィオーレの口から告げられていた。この事実を告げられて魔導士たちは戸惑いざわついていた。

 

「魔導士ギルドの皆さん。どうか私たちに力を貸して下さい。生き残った(ドラゴン)を皆さんの力で倒して欲しい。この通りです。この国を救って下さい。」

 

トーマは深々と頭を下げ、魔導士たち一緒に戦ってくれるよう頼む。

 

「オオッ!」

 

「当然だ!」

 

「任せておけ!」

 

「怪物なんかにやられるかよ!」

 

「魔法と共に歩んだこの国は!」

 

「俺たちの国だ!」

 

トーマの言葉に誰も文句を言う者は誰一人としておらず、全員国を護る為に戦うことを決意した。トーマは魔導士たちの覚悟に涙を流した。

 

「ありがとう…ありがとう…ありがとう…カボ。」

 

魔導士たちに礼を言うトーマであったが、ここでどこかで聞いたことのある語尾が聞こえた。

 

「カボって…もしかして…?」

 

ツナがそう言うとその場にいた者は理解した。大魔闘演武公式マスコットキャラクターであるマトー君の正体がトーマであるということに。

 

「私たちの仲間が王国に捕らわれているのだが。」

 

「無事です。さっき姫と合流したとの報告が。」

 

「よかった…みんな無事だったんだ。」

 

王国に仲間が捕らわれていたことをエルザが王国兵に尋ねると、無事であるということが判明した。仲間が無事であるということを知ってツナはホッとした。

 

「後、リボーン殿が援軍を連れて来ると言っておりました。」

 

「え…?」

 

王国兵の言葉を聞いて、ツナは驚きを隠せないでいた。

 

「それって…みんなが来るってこと…?」

 

今まで会えずにいた仲間たちと急に会えるとわかって嬉しいのであるが、今は嬉しさよりも驚きの方が上回ってしまっていた。

 

「ツナの仲間が来るのかよ!」

 

「すげぇ!」

 

「こりゃ頼もしいな!」

 

ツナの仲間が来ると知って、ギルドのみんなは喜びの声を上げる。

 

「でも今から間に合うのかな?」

 

「最悪この戦いが終わって来る可能性がありますね…」

 

レヴィとジュビアがツナの仲間たちが来たとして、間に合うのかどうか心配する。

 

「急だからな…予めわかってたんなら(・・・・・・・・・・)なんとかなったかもしれねぇが…」

 

「予めわかってた…?」

 

グレイの言葉にツナが引っ掛かる。今から呼んでも間に合わないかもしれないという状況でリボーンが元の世界に戻り、援軍を呼ぶなんて真似をするとはツナには思えなかった。

 

「まさか!」

 

ツナは理解する。未来を予知することのできるユニがこの事態をリボーンに伝えていたとすれば、リボーンの行動にも納得がいくということに。

 

「どうしたツナ?何かあったのか?」

 

「俺の仲間はすぐに来るよ。多分、リボーンはこうなることがわかってたから。」

 

「「「「「「「「は?」」」」」」」

 

ツナが急に変なことを言い出した為、ギルドのメンバー全員がキョトンとしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この事態。評議院本部に報告した方がよさそうだな。」

 

評議院のラハールとドランバルトは、エクリプスという存在があったことを知り、評議院本部に報告しようとしていた。

 

「ラハールとドランバルトだな。」

 

「ジェラール!?」

 

「なぜここに!?」

 

「頼みがある。」

 

指名手配されているはずのジェラールが急に現れ、驚く二人であったがジェラールは慌てることもなく用件を話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び場面は戻ってエクリプス。

 

(扉が開く…)

 

エクリプスの扉が開こうとしていた。

果たして魔導士たちは世界を救うことができるのであろうか!?

 

 

 




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