全部さん(中身別人)、ハイスクールD×Dにて公務員してます 作:夢落ち ポカ
お久しぶりです。
私事で大変凹む出来事がありまして、何も手がつかない状態で最近になってようやく書き始めました。
それでは、物語の周辺へ向けて進んでいきます。
丁寧に、じっくりと。
そして終盤になって新キャラ登場です。
―――男の話をしよう。
異界の王の力を以って、男は世界の不条理を知った。
いつしか守るべき家を定め、そして失って世界の無常を識った。
生き残った少女と共に、男は少女の願いを叶えることにした。
燃える世界をたくさん作った。燃え盛る大地をたくさん作った。
何も残らない焦土を作った。何も生み出さない世界を作った。
地獄をたくさん作った。燃やし尽くした。
異形を燃やし、異形に与する人さえも男は燃やした。
もっと、もっと燃やして、と少女は言った。
分かった、もっと燃やそう、と男は言った。
巡り巡りて灼熱地獄。
復讐に燃え
子もまた復讐に浸かり、男に言った。
地獄を終わらせよう、と。
世界を終わらせる力を持った男は、少年に言った。
分かった、終わらせよう、と。
地獄を終わらせるため、地獄を作るのだ。
その後は―――
***
その日、各テレビ局は政府からの緊急記者会見があると連絡を受け、朝ドラやニュース番組は予定の変更を余儀なくされていた。
各ラジオ局も同様に政府からの急な連絡を受け、とある掲示板サイトではいったいどんな話しを聞かされるのか推測する者たちがいた。
そして、緊急記者会見が開かれる際、政府は日本外国特派員協会を会見の場を指定して海外から来日している外国特派員にもこの場を借りて会見を開こうというのである。
会見の場に現れたのが官房長官と思いきやまさかの首相の登場で一時混乱が起こるものの、定刻となり会見が始まると首相―――
「本日は皆さんに集まっていただいたのは―――ある『テロ組織』と我が国が全面的に対決する事になったことをご報告させて頂くためです」
カメラのフラッシュが一斉に焚かれる、政人はこの場を借りてある組織―――通称『三大勢力』と日本国が全面対決する事となったことを述べた。
三大勢力は3つの派閥に分かれ、
日本国内での事件を始め、
不特定多数の人間に対して殺害行為を続ける
特に悪魔は一般社会の裏で暗躍し『領地』と定めた各地域を支配しほしいままに蹂躙しているという。
その領地を持っている悪魔に対し、政人は実名を出した。
その中には駒王市を治めているというリアス・グレモリーとその眷属の名もあった。
未成年であろうと実名を上げたことに国内の記者たちの視線に首相の失点と大々的な記事を書こうとプランを立てる者もいた。
特派員の質問に答えていく内に、既に対策チームは活動しており、テロ組織が
事を伝えたのだった。
一部の記者は報道の自由や政府の秘密主義に指摘の声を上げるが、テロ組織に定期的に情報提供する事は利敵行為であると述べるとそれ以降取り合うことはなかった。
そしてこの会見が終了後、国家における非常事態が起きたと宣言する旨を政人は伝え、会見終了の時間となった。
この数分後、国内向けの国営放送、民放、ラジオ等で生中継され、非常事態宣言が発令。
表の世界をも巻き込んだ大事件へと発展した。
海外の反応についてだが、政府関係者は一様に『日本のテロ対策に積極的に協力を行う』とその日の内に表明。
情報提供を中心とした特別支援が日本に対して行われることとなった。
近隣の国家からは軍事国家へ移行するのではないか懸念があると小さく非難したのみで、それ以降は他国と同様に日本への支援を行っていくことを宣言したのだった。
特に窮地に立たされたのはイタリアにある教会総本山にいる裏の事情を知る者たちで、宣戦布告が為されたことを知った以上、迂闊に動いて巻き添えを喰う訳にもいかず、さりとて天界へ救助を願い出るわけにもいかず、事態は混迷していた。
既にヨーロッパを中心に教徒たちの暴動も起きており、特に信仰の中心地でもある聖地、そして教皇のいるバチカンは連日のデモで教会上層部は夜も満足に眠れない日々が続いていた。
日本各地で突然検問が開かれ交通規制も取られるものの、国民からの不満は大々的に噴出するものでもなく、急な交通規制への不満が国土交通省に連絡が入るくらいのものだった。
7日後、首相官邸にて政人と討魔は非公式ではあるが会見を行っていた。
「―――進捗状況はどうかね祓くん?」
「順調ですよ首相。
国内の80%が掃討完了し、盲目的なエクソシストは本国へ帰国していただいています。
本日の午前10時に出発予定です」
貴族悪魔の一部が命令を聞かなかったのかは不明だが、当たり前のように地上にいたことでアマテラスの言葉を聞き入れなかったことで戦端は開かれた。
丁寧に、草の根を分けて、細心の注意を払って確実に殺しに回っていた。
日本神話のあまりの展開の速さに一部の神が『終わったな三大勢力』とつぶやき、ある神は『巻き添え喰う前に証拠隠滅しなくては』と禍の団との関係性を抹消する為に動き出していた。
遠方の神話群は日本神話との接点がない為か無謀か破れかぶれの戦争を日本神話が起こしたと認識しているらしいが、三大勢力に加勢することはせず冷ややかに戦況を観察していた。
「・・・・・・優秀だね、もっと早く、君たちに動いてもらえばよかった。
そうすれば、私の家族は・・・」
政人は自分の家族と親類を悪魔に無残に殺された遺族の1人だ。
視察から帰宅していつもは妻と幼い娘が迎えに来るのに来ないことを不審に思い、護衛を伴ってリビングへとやってきて見たのは愛した妻と娘、そして突然の来客があったのか親戚の叔父一家が
無残にも殺害された赤い部屋だった。
死んだ家族親類の誰もが苦悶の果てに殺されたのか、誰1人として安らかな死に顔がない現場を見尽くした頃、討魔たちが現れた。
これが10年ほど前に解決した特殊事件であり、当時一国会議員だった政人は突然現れた討魔たちに奇声を上げて殴りかかったことを思い出す。
政人は知った、世界には実在しないとされていた『バケモノ』が存在していることを。
バケモノが勝手な都合で妻たちのような被害者が行方不明として処理されていることを。
一部の権力者のみが知るとされる近代の退魔機関―――月影機関の存在を。
政人はそれから文字通り走り出した、復讐という名の遠く険しい道を。
自分にバケモノを殺せる力はない、ではどうするか?
殺せる相手に依頼するしかない、幸い国が組織した機関があれば復讐が叶う。
だが命令を下せるのは極一部の権力者だが、その枠に自分はいない。
道筋が分かれば後は簡単である。
辿り着くまで走り続ける、それだけだった。
討魔との不思議な縁はその後も続き、いくつかの大臣を歴任し約10年で政人は国一番の権力者となった。
首相になってからも復讐に邁進する政人は月影機関を―――引いては日本神話に三大勢力を滅ぼして貰うにはどうすればいいのかを考え続けた。
やる事といえば独自の情報網を駆使して月影機関に情報を送る等パイプを確保し、時折面会する討魔から最新の情報、国内の裏の情勢を聞き、国外へも密かに三大勢力の危険性を説き掃討の協力の輪を広げてきたのである。
そして漸く、政人の復讐にゴールが見えた。
日本神話がついに三大勢力に対し全面対決の姿勢を見せ、兵を上げたのだという。
国内の自衛組織を動かす訳ではないと知ってはいるが、その算段がついたというのは政人にとっても朗報であった。
あとは政人を皮切りに裏で協力を募っていた各国上層部に連絡を取って現在の世界情勢を形作ったのである。
特に太平洋の向こう側にいる大きな友人は『世界平和』に向けて最大限の助力をすると確約するほどの姿勢を見せてくれた。
近年の悪魔の所業に頭を悩ませていた彼にマクバーンを、かの火焔魔人を派遣したのは間違いではなかったらしい。
強引なスカウトを迫っていたと小耳に挟んでいたが、マクバーンが彼を袖にしたのも小気味良かった。
三大勢力以外の話題となると彼は日本に厳しい、これを期に協力的になってくれるだろう。
他国も同様、これまでのODAなどで恩を売っていた分日本に協力的な姿勢をとってもらい、邦人保護を名目にスサノオ率いる討伐軍が
みで行い実行に移す。
後の最終報告で他国に軍事勢力を派遣する事への批判は免れないが、この機を逃せば復讐を遂げられないと感じている政人は戦争終結までの情報漏洩が起きないよう情報統制を専門チームに厳密に命じてる。
「・・・私も国内の掃討が終われば国外へ赴いて、最終的に天界へ侵攻する予定だね」
「・・・天界、天使のいる勢力か。
あの宗教国家も災難だな、上層部が困ったくらい腐っているから愉快で堪らないがね」
「うっかり戦闘の被害が聖堂に当たって上手い具合にそれが腐った連中に直撃するっていうシナリオも考えているけど?」
悪辣で素敵で魅力的な誘惑が政人に提示されるが、デメリットがある為乗ることはなかった。
「それはまぁ、またの機会に。
今してしまうと疑われるのは我が国だからね、ほとぼりが冷めてから1人1人やっていこう」
「ははっ、うちの上司と首相の殺意が留まる事を知らねぇ・・・今頃パイセンは禍の団を盛大に燃え燃えバーニングナイトキメてるんだろなぁ・・・」
護衛としてやってきていたフリードは
***
人界において、太平洋の群島に禍の団の本部はあった。
反三大勢力と聞こえはいいが現実の見えていない中途半端な有象無象の集団がその正体である。
マクバーンはそこにオーフィス、そして須弥山からの協力員―――斉天大聖孫悟空と共に現れていた。
面倒を嫌ってか、マクバーンはオーフィスに結界を張らせ内部にいる全ての存在の逃亡を封じるよう命じる。
そして目に付いた悪魔、堕天使、そして人間を灼き払っていくのだった。
投降の呼びかけ等一切のない、突然の襲撃に気が抜けていた門番はこの世から蒸発した。
「おおうマクバーン
瞬間的に理解した孫悟空はマクバーンに声を掛けた。
「そんなところだ斉天大聖、何でも灼いちまうから触れるなよ?」
「・・・頑張れ我、頑張れば燃やされない・・・」
SAN値がガリガリ削れていくオーフィスを放置し、一方的にテロリストを灼き払っていくマクバーンは建物に侵入するが当たりの人物がおらず、幹部と思わしきグル
一方的な展開に孫悟空ももう何も言わなくなった。
オーフィス同様、徐々に空間をジリジリ灼いていく感覚にああはなりたくないとシミジミ思うのだった。
「こ、これはいったい・・・!?」
「曹操・・・奴だ、火焔魔人だ!!」
槍を持った変わった衣装―――学生服の上に漢服という―――を着た青年とローブにモノクルと時代錯誤ではあるが知的な印象を受ける青年がマクバーンたちの前に現れた。
「なんじゃ、知り合いか?」
「テロリストに知り合いはいねぇな」
「熱い・・・」
珍妙な2人組のテロリストにマクバーンは保護対象ではないと分かると焔を周囲に放つ。
「なるほど、日本神話最強クラスの火焔魔人が本気でこの禍の団を落としにきたとはな!!」
「まさかオーフィスが敵の手に落ちているとは・・・想定外ですね。
曹操、逃げるのは一苦労ですよ?」
「遥か高みに上る為なら、この程度の苦難どうということではない!!
だが、この状況はあまりにも不利か・・・一旦仕切りなおしを・・・っ!?」
焔が曹操たちに襲い掛かり、口を開く余裕がなくなった2人をマクバーンは静かに観察していた。
神器持ち、聞こえてきた名前からして英雄派と呼ばれる神器持ちの人間が所属していたと内通者からの情報を思い出したマクバーンは、相手の神器を見て違和感を覚えた。
曹操の持った聖槍から
使い手からは然したる脅威を感じないが、この異様な殺気はいったい何なのかマクバーンには見当もつかないが、分かっている事があった。
「不確定要素は燃やすに限る」
「物騒だねぇ」
問題解決(物理)を行い、問題そのものをなくしてしまおうとするマクバーンに孫悟空はマクバーンの人となりがなんとなくだが分かってきていた。
個人的な付き合いは全力拒否したい意志のある災害に孫悟空は須弥山へ帰ったら厄払いを神仏へお願いしようとこの時誓ったのだった。
「のど渇いた・・・熱い」
オーフィスは目の前にいる2人の事を殆ど覚えていない。
蛇を何度か要求してきていたが、目的を果たすとすぐにどこかへ言ってしまうものとロクな会話もしていなかったオーフィスはこの時ようやく2人の名前を知ったくらいだったのだ。
「保護対象じゃねぇってことは…ちっとは本気を出していいってことだよなぁ!?」
「マクバーン、我の結界が鎔けるから程々にして欲しい・・・熱い」
オーフィスの懇願虚しく、マクバーンを中心にただでさえ常軌を逸した熱気が更に温度を上げた。
たまらず孫悟空はマクバーンから大きく距離をとるが、周囲の空間が歪むほどの熱気に当てられ立ち眩みした老猿は今すぐ須弥山へ帰りたくなった。
呼吸どころか生存すらも困難にする異能の焔に別の空間から現れた2人を見て、マクバーンが口を開いた。
「確か、英雄派に空間を操る神器持ちがいたか・・・となるとあれが絶霧か。
槍の怪しさはさておいて・・・追加だ、持ってきなぁっ!!」
止まるところを知らない焔は際限なく暴威を振るっていく。
もはや周囲の原型も液状化から蒸発の段階にまで移行している死の世界に立っているのはこの場の面々だけだ。
「くっ、英雄に至る前に死んでたまるか!!
ゲオルグ、合わせろ!!」
「あぁっ、やるぞ曹操!!」
マクバーンの炎を受けるのではなく大きく距離をとってかわすと、曹操の周囲にゲオルグが生み出した複数の霧が発生し、聖槍を霧に突き込んだ。
その瞬間、マクバーンの死角から聖槍が現れて迫ったが、不可視の障壁に弾かれてしまう。
「へぇ、威力はともかくとして悪くない戦い方だな」
「余裕過ぎるだろう、このバケモノめッ!!」
「曹操っ冷静になれ、隙を見せるな!」
上級悪魔だろうと易々と屠ってみせる神滅具の一撃を振り返ることなく弾いたマクバーンの力に理不尽を垣間見た2人のテロリストは空間転移攻撃を続行した。
ここで逃亡を図っていれば寿命が延びたのであろうが、抵抗を選択した2人の命運はここで決定した。
「―――御褒美だ、良いもん見せてやるよ!!」
マクバーンは焔を絶え間なく2人がいると気付いた場所へ放っていく。
連続で絶霧を使い短距離転移を行うゲオルグはこの極限の環境に集中力が続かず座標の狂いも出てきており、焔を避けていくが次第に精彩を欠いていく。
「オラオラオラオラオラァ!!」
だが、マクバーンは焔を放つのをやめようとはしない。
連続で焔を放っているが威力が減衰する気配もなく、逆に威力が増していっているのではと思う程にゲオルグたちへ焔を放ち続けた。
段々と命中精度も定まっていき、あと数発で仕上がるだろう。
「これ程とは・・・何故だ、なぜ貴様ほどの男が国などに仕えているっ!?
それだけの力があれば、自由に生きていられただろう!?
己の力が高みに至れるのか試したくてここまできたのに・・・どうして!?」
曹操の言葉にマクバーンは律義に返事をしてやることはなかった。
そもそも彼の氏素性経歴が何であろうと今テロリストであることに違いはない。
「さぁて、コイツで仕上げだ!
ジリオンハザードォォォ!」
周囲を溶かし蒸発させながら迫ってくる焔は必殺にして現状における最強の一撃だ。
そして曹操という男の口が何やら喚き散らしていたが、そもそも敵との戦いに言葉を交わすなど以ての外。
故に、テロリスト2人と怪しい槍を灼き滅ぼす事に戸惑いはなかった。
放たれた焔は次第に大きくなっていき、2人に襲い掛かる。
短距離転移はゲオルグの集中力から難しいと向かってくる焔をマクバーンに返して逃亡を測ろうと計算すると正面に絶霧を展開して気付いた。
「・・・やれる、僕と曹操は英雄になる男、こんなところで死ぬわけにはいかない!!」
最悪の展開が過ぎるが、そんな恐怖を払いのけるようにゲオルグは絶霧を展開した。
成功するイメージを、数秒後マクバーンの背後に迫りくる焔を急襲させるという最高の一瞬を夢想する。
だが、そんなゲオルグの想いさえも飲み込むように、絶霧は焔に触れた瞬間弾け飛んだ。
神滅具の力がマクバーンの焔に耐えられなかったのだ。
「・・・・・・あ」
「そんな、ゲオルグの絶霧がっ!?」
それが2人のテロリストの最期の言葉となった。
着弾と同時に爆発炎上し周囲を灼き払っていく。
禍の団英雄派、曹操、ゲオルグの英雄への道は災厄の焔によって灼き潰されたのだった。
読んでいただき、ありがとうございました。
戦闘シーンが下手になった…戦闘描写のうまい小説読み込もうかなぁ。
あと全部さんのジリオンハザード、原作だと主人公たちなんで大火傷で済んでいるんだろうって普通に思ってました。
まぁ、普通に考えたら灰も残らず『滅!!』ってなると思ったので、抵抗したけどダメでしたにしてます。