サルースの杯   作:雪見だいふく☃️

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マルフォイ家の皆様とのご挨拶も落ち着いたところで、ドラコから私が挨拶に回るのに勝手がわからず困っていると言うことを御両親に伝えてくれた。

 

そんなに畏まった会ではないから、気にしなくても良いとルシウスさんがおっしゃり、ナルシッサさんが、一緒についてきてくださると申し出てくださった。

 

 

 

「母上ならご婦人方にも顔が利く、行ってきたらどうだ?」

 

「本当に宜しいのですか……?ご迷惑をおかけするわけには……」

 

 

「構いません。あの便箋の贈り主が貴女だと知ったらきっと皆さん食い付かれますよ。新しいお店の紹介もかねて顔繋ぎしておきましょう」

 

 

 

ふわりとした、微笑みと共に私の手をとったナルシッサさんの指が白くて細くてとても綺麗だったから、緊張と嬉しさが一度にやって来たような気持ちになった。

 

 

 

「ありがとうございます!宜しくお願い致します」

 

「ふふっ娘がいたらこんな感じだったのかしら?夏になったらうちにおいでなさい。お買い物をしてお茶をしましょう?」

 

「はい、喜んで」

 

 

ナルシッサさんは私の母様とは全く違って隣にいると華やかな香りがする。

それに頭の先から爪先までどこをとってもお綺麗だ。

 

 

だけど……母様みたいな柔らかい気持ちをこちらに向けてくださっているような気がする。

 

 

安心して大人たちの中へ踏み込み、御挨拶を終わらせることができたのはひとえにナルシッサさんのお陰だろう。

 

 

 

 

******

 

 

 

「あ!サルースおかえりー」

 

「おかえりなさい、こっちで飲み物でも飲んだら?」

 

 

「ただいま戻りましたわ。ダフネ、ありがとうございます。緊張で喉が乾いてしまってましたの……」

 

 

 

オレンジジュースを受け取りつつ、二人の座る壁際のテーブルへと座る。

 

軽食も乗っており、少し離れた席ではゴイルたちがそれらに夢中になっている様子が見えた。

 

 

 

「ほら、これ私のおすすめよ」

 

「こっちも美味しかったわよ」

 

パンジーが差し出す象牙色の小さなお菓子を受け取り食べ、ダフネがよそってくれた色とりどりのリボンの形をしたパスタをたべる。

 

 

数日ぶりの食事風景になんだか懐かしくなったりしつつ、楽しく過ごすのだった。

 

 

 

 

******

 

 

 

 

クリスマス当日の朝、この日ばかりはパーティもなく1日家で過ごすことになっている。

朝からプティはクリスマスディナーの仕込みにキッチンにこもり、部屋を飾りつけと忙しそうである。

 

 

「ハーマイオニーから手紙ね……フクロウがいなくて不便、か」

 

マグル社会から魔法族へ手紙を出す際のルールはあまり一般的では無いものの、無いわけではない。

 

特殊な切手を貼るか、対応の郵便局へ持っていくの2択だ。

 

あとは新聞なんかを購読して、それについてくるフクロウレンタルに申し込むなんてのもある。

 

 

 

それらを返事に記しつつ、とりあえず我が家にあった申込書類(広告を載せてもらっている関係から毎月各種送られてくる)を包む。

 

ハーマイオニーとの会話は新商品のインスピレーションに繋がるからとても貴重である。

 

 

 

と、ひとまずハーマイオニーからのプレゼントの中に手紙を戻し次の箱へとうつる。

 

 

今朝はベッドの周りがプレゼントで囲われ、降りられない何てことがあった。

昨年までの倍以上、ご友人方からのプレゼントのおかげだ。

 

 

もちろん、私もたくさん包んだ。

贈り漏れがないか確認したかったのだが……

 

どうにも私が記憶している友人たちへのプレゼント数よりもだいぶたくさんのプレゼントが届いているようだ。

 

 

 

中には贈り主の名前がないものもあるためそれはプティに別部屋へうつしてもらった。

 

そして贈り主の名前があるものも、知らない人がほとんどでこちらはこちらでプティに別の部屋へ移してもらうことになった。

 

 

寮の先輩方のお名前は覚えているはずなので、他寮の方々なのだろう。

……いままで接点などなかったはずだが……。

 

 

とにかくそれらは、後程プティと父様が検分のちリストアップするとの事だった。

見た限り特殊な呪いや魔法道具は無かったはずなので、何故父様が検分するのかは謎だ。

 

まぁ友人方からの贈り物は全て手元にあるのであちらはどうでもいい。

 

 

 

ハリーやロン、クラッブ達からはお菓子の詰め合わせをもらったし、パンジーとダフネ、ドラコらはそれぞれアクセサリーをくれた。

ハーマイオニーはマグル社会の最新の医学書とマグルのお菓子が届いた。

 

昨年までは家族からの贈り物をクリスマスディナーの途中でもらうのが恒例だった。

 

朝起きて、プレゼントに囲まれて過ごす何てことははじめてで戸惑ったけれどメッセージカードに添えられた友人達の名前を見つけ、とても嬉しかった。

 

……それから、プレゼントを選ぶのも楽しかった。

 

 

特定の誰かを想って品物を選ぶと言うのはこんなにも、特別なことだったと知った。

 

 

 

 

もちろん、手作りのプレゼントを渡した友人達もいる。

 

パンジーとダフネには、それぞれ髪に着けると望んだ形の結び方がされるリボンを。

 

ドラコにはイニシャル入りの万年筆と記した内容が受取人にしか読めない透明なインクを。

 

ハリーにはニンバス2000に乗ったミニチュアのハリーが飛び回るスノードームを。

 

ロンにはイタズラお菓子の新作詰め合わせだ。

 

 

喜んでもらえると嬉しいのだけど……

 

 

 

 

 

 

******

 

 

 

 

それから、『サルースの杯』に置くための商品を作ったり、ボージン叔父様の依頼があった魔法薬を作ったりしているうちに1日は過ぎた。

 

父様と、母様とプティの料理を囲みクリスマスの夜を過ごす。

 

 

お二人は口数の多い方ではないけれど、今日は友人達からもらったプレゼントについて話したり、マグル社会に暮らす魔法族向けの製品を作りたいことを相談したりと、会話が途切れることはなかった。

 

勿論、今年もボージン叔父様からのプレゼント(という名目の在庫整理品)は三人で山分けとなり、それぞれ修復や改良が加えられたり分解されたりすることになったのだった。

 

 

 

 

 

そうして、私のクリスマス休暇は過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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