湖には多くの生徒が涼みに来ているようで、私の記憶よりも随分と賑わっていた。
水遊びをしている人もいるけれどまだ風が吹いたら寒いんじゃないかしら……そのために魔法薬を使ったりなんてまさかね?
「人が多いわねー……うわ、水浴びはまだ早くない?」
「どうせグリフィンドールでしょ」
「少し離れましょうか。ほらあっちの木陰なら人も少ないわ」
寒さには比較的に強いのだけど暑いのはあまり得意ではない自覚はある。
初夏の日差しはギリギリ日傘なしで長時間はやめておきたいところだ。
虫除けの魔法薬を来年は用意しておかなくては。
「はい、これ。二人が最初よ」
「「ありがとう!サルース!!」」
夏季休暇のホグワーツ生に向けて、シャボン玉の新しいシリーズを作ったのでお披露目だ。
いつも新商品はお友達に先駆けてプレゼントすることで、とっても喜んでもらえるし、広告塔になってもらえるしで私もとても嬉しい。
私が可愛いと思ったものはまずパンジーとダフネに。
面白いと思ったものは男の子達に。
それぞれプレゼントしている。
ちなみに、前に三人で遊んだシャボン玉は、ホグズミード村の私のお店で程ほどの売れ行きなためシリーズ化。
他にも、夏の間も来てもらえるように新商品を準備中というわけだ。
ボージンおじ様の依頼の方が実入りはいいけれど、好きに作れる分こちらの方が楽しい。
おじ様のところで稼いでいるから私のお店は学生向けにのんびり営業をしていてもやっていけているというのはあるけれど。
「パンジー!ダフネ!楽しそうだな!ん?サルースもいたのか」
「「はぁい、ドラコ」」
「ごきげんようドラコ、セオドールにザビニまで揃ってどうしたの?」
クラッブとゴイルは両手に抱えたお菓子を食べるのに忙しそうなので手を振るだけにしておく。
「談話室も涼しいが、今日くらいはな。そっちは?」
「同じようなものよ!ほらドラコ達も貸してあげるからこれやってみてよ」
「私のもどうぞ」
「あ、まだありますわ。ほら、好きなのを持っていってくださいな」
いつものハンドバッグから玩具達を取り出して並べていくと、それぞれ気になったもので遊びはじめた。
羽の生えるフリスビーを追いかけて走り回る男の子達に、他のスリザリン生も集まってきたようで湖の一画が寮生ばかりになってしまった。
今回の新作達も好評そうね。
日陰から出ない方針の私とは違い、お日様の下で遊んでいるパンジー達をながめながら手を振る私も見ていてたのしい。
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そうして思う存分遊んだあと、ぞろぞろと連れたって大広間で夕食をとった後は寮に戻っていつも通りのけれど久々に賑やかな1日を満喫した。
ベッドに入ってふと、何かを忘れているような気がして眠気が冴えてしまった。
試験の回答ミス?違う、名前も回答のズレもちゃんと確認した。
明日の準備……は、授業もないし特にこれといってないだろう。
『ユニコーン』のこと……?
いや、ハリー達のことだ……!
暫くハリー達に会っていない、というか話していないけれど彼らの心配ごとは解決したのだろうか?
『賢者の石』のこともだが、ハリーを狙っている疑いのあった先生方。
今日もランチに大広間へ行ったときにはハリー達は無事な様子だったし、4階の立ち入り禁止の廊下で騒ぎがあったなんて噂は聞こえてこなかった。
大方、『賢者の石』の保管は今年度中だけでしょうからあと3日もすればここから持ち出されるのだろうし、夏季休暇の間は彼らがどんなに心配したってどうしようもない。
結局のところ大人に任せておけば何とかなるのだろう。
まさか持って帰るわけにもいくまい。
一方その頃、なグリフィンドールの三人組。
「サルースに声をかけた方がいいかな?『石』についても知ってるし魔法も得意だし」
「確かに、スリザリンの奴らに囲まれてなきゃ湖で捕まえたんだけどなー」
「そうね、でも今は目立つのはよくないわ!サルースに今晩の事を話すのはやめておきましょう。万が一黒幕にバレても困るもの」
「そうだね。サルースは結局スネイプを本当に疑うことはなかったし」
「ま、それも夜には分かるだろうさ」