アトリエループ   作:ネルケは積みゲに流れてしまった

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三周目-1

3周目 4

非常に死にたみが深いが、死んでも意味はないので日記を書く。

まあ、書かないと現実逃避してこのことを無意識に忘れそうであるという理由もあるが。

 

あの日、実験から帰ってくると村はウォルフに蹂躙されていた。

私の行動以外で未来が変わることはないので、これは私のせいだろう。おそらく、私が何度も森に入ったことでウォルフを刺激したか、私の匂いを追って村に気がついたかのどちらかが理由で襲撃が行われたと推測される。

両親を助けに自宅に向かうも、ウーニングスターは道中のウォルフを二体ほど倒した段階で破損、うにはすべて使い切り、うにバルーンは効果があったものの殲滅するには数が足りない。しかも何らかの手段で強化されてるのか、うにメッキでも一撃で倒しきれなかったので普通にアイテム切れに陥った。

 

最終的に、自宅に辿り着けず私は死んだ。

複数のウォルフに生きたまま踊り食いにされたので、本当に怖くて痛かった。一匹目に噛みつかれてから意識がなくなるまで5秒程だったけど、その5秒は一生夢に見る自信がある

 

今回のことで、森に入ると襲撃が早くなるかもしれないことが分かったので、森に入らないように攻撃アイテムを調達する手段を考えないとければ。

 

 

3周目 5

昨晩日記を書いたおかげか、精神的に少し安定できた。

 

村以外で採取ができそうな場所を探すため、村の周辺を回ってみた。

 

まず、村の北にある森。私が行っていた森だ。とても広くて、村の北側一帯と西側を覆っている。

私の家が村の北側にあるので、錬金術を習う前は、遊び場としてよく使っていた。

 

そこから、東に街道一本挟んであるのが花畑。別に花畑を作っているわけではないらしいんだけれど、観光資源として使える程度には広い。

花畑の位置関係上、村長の家や雑貨屋、宿屋など、村の主要施設はこの東側にまとまっている。

東南が施設、北西が住宅地といった感じだ。

 

真南に向かう街道が一本あって、そこから森の境までの間には草原が広がっている。昔は街道沿いに森があったらしいんだけれど、森から急にモンスターが現れて危険だからって、数年前に森を切り開いたらしい。

 

つまり、村には森と花畑以外は見事な程になにもない。

花畑も、花を植物素材として採取するくらいしかできないだろう。

草原ならトーンとかを採れるかもしれないが、可能な限り森を刺激したくないので、草原に行くことは避けたい。

 

明日は、村の中の施設を回ることにする。

 

 

 

3周目 6

今日は、村の中で手に入るものを確かめるために雑貨屋さんを覗きに行った。

年齢一桁な私にはお金などがなかったので前は見向きもしなかったが、森に行けない以上頼れる場所はここしかない。

品ぞろえはこんな感じだった。

・ハチの巣

・アイヒェ(木材の名前)

・青竹

・岩塩

・塩

・小麦粉

・はちみつ

・クロース(布)

・ゼッテル(紙)

・シャリオミルク

あまり良いラインナップではないが、意外と使えそうなものが揃っている。

どうにかして、このアイテムだけで爆弾をそろえなければならない。

それ以前に、お金という問題があるけれども。

 

ひとまず、今日は祖母の倉庫を掃除して、調合できる空間を整えた。

 

 

3周目 7

アトリエでおなじみの酒場でお仕事を受けることを考えたが、うちの村の酒場ではそんなサービスはしていなかった。

しかし、雑貨屋さんにダメもとで、岩塩を粉末の塩にしたり、ハチの巣からはちみつを抽出したりしたらお金くれたりしないかと言ってみたところ、はちみつに関しては良い返事がもらえた。

 

なんでも、ハチの巣ははちみつが売り切れたときくらいしか売れないから、できるだけハチの巣は加工してしまいたいらしい。

話を聞いているときは、なぜ全部加工しないのかと疑問に思ったが、直後に在庫として余った大量のハチの巣を見せられて納得せざるを得なかった。店番があるせいで、ハチの巣を採取できても、それを全て加工できるほどの時間を確保できないらしい。

 

こんなわけで、金銭に関しては多少は何とかなりそうな気がしてきた。

明日、道具とその使い方を教えてくれるそうだ。いや、錬金術で自作した方が品質もよくできそうな気がするのでそっちでしたいのだが。

とはいえ、祖母が錬金術士なのに母が錬金術の話を一切しない辺り何かありそうな気がするので、可能な限り錬金術が使えることを避けたい自分としては、雑貨屋さんの前で鍋を使うわけにはいかない。この狭い村、雑貨屋さんが誰かに私が錬金術を使えることを漏らせば、24時間以内には母の耳に届くだろう。

面倒だが、頑張ることにする。

 

メモ

お金を稼ぐ理由は、母にサプライズプレゼントをしたいからとしておいたので、誰かに聞かれたときのために忘れないように。

 

 

3周目 8

疲れた。明日書く。

 

 

3周目 9

ハチの生態に関して少しだけ詳しくなった二日間だった。

 

まずは昨日について。

昨日はハチについて教わり、実際にハチの巣を取りに行ってから分離させるまでを教わった。

一言にハチと言っても何種類かいるらしく、村の外れにある花畑で雑貨屋さんが飼っているハチは、穏やかで毒を持たない種類のハチなんだそうだ。

厚手の長袖を着て、花畑に設置された百葉箱のようなモノに入れられたハチの巣から、蜜の詰まった上の部分を切り取る。これを何度も行った。

ハチの巣は重かったので意外と重労働で、あっという間にヘトヘトになった。

私が疲れて休んでいる間に、雑貨屋さんは別の場所に設置してあった別の種類のハチの巣を取ってきており、完全に体力の差を感じることになった。もっとも、9歳と成人女性を比べるほうが間違っている気もするが。

取ってきたあとは、遠心分離機ではちみつを分離させた。これも思ったより重労働で、スプーンも満足に持てないくらい疲れてしまった。

仕事に関してはこれくらいだ。

 

昨日仕事を終えた時点でわかったのは、正直にそのまま働いたら身体がもたないということだった。

早速帰った私は、ちょっと無謀な試みを行った。それがこれである。

 

遠心分離機用携帯錬金鍋(仮) 中和剤(黄:薬持ち):中和剤(赤:燃料持ち):粘土=5:5:20

 

できはしたが、はっきり言って出来は非常に悪かった。というか、携帯という名前を振ったが、どう考えても携帯できない重さになってしまった。強度や耐熱性もイマイチっぽいので、何度も錬金術が行えるような鍋ではないだろう。正直、普通の鍋以下だ。土塊に近い。壊れたアイテム半歩手前といった風だ。

しかし、利用できるものではあるので、今日使ってみた。

 

今日は、雑貨屋さんに役割分担を申し出て、ハチの巣を取りに行く時間もはちみつ作りに使わせてもらった。

雑貨屋さんがハチの巣を取りに行っている間に、家から携帯錬金鍋を持ってきて、近くに隠して普通にはちみつ作り。雑貨屋さんがハチの巣取りから戻ってきて、その他色々やることを終えて、店番をしだしたことを確認してから、私は錬金鍋を使い始めた。

 

この錬金鍋は、遠心分離機用に作ったものだ。ピッタリとはいかないものの、いい感じに遠心分離機が鍋に収まるように作られている。

 

アトリエシリーズに登場したはちみつのレシピは忘れたが、ユーディーで利用できる機材に遠心分離機があったので、たぶんそれ+ハチの巣でできると思いやってみた。

器具を使った調合は初めてだったので、これ(鍋に遠心分離機を放り込む)で良いのか心配だったが、結果的に言えばなんとかなった。

 

錬金術を用いたおかげか、昨日よりも速く少ない力で作ることができた。

ただ、雑貨屋さんは特に何も言っていなかったものの、完成したはちみつは店売りのものよりも不純物がいくらか浮いており、品質があまり良くなかったので、レシピを改良する必要がある気がする。なんとなく改良案は想像がつくので、そこまでは苦労しないだろう。

 

ちなみに、携帯錬金鍋を持って帰る途中で割ってしまったので、この日記を書き終わったら、家を抜け出して材料を取りに行ってくる。おそらく、今夜は徹夜になると思う。

レシピ改良もそうだが、持ち運ぶ手段も考える必要がありそうだ。

 

メモ

はちみつ ハチの巣:? 要:遠心分離機

 

遠心分離機用携帯錬金鍋(仮) 中和剤(黄:薬品):中和剤(赤:燃料):粘土=5:5:20

(失敗作。レシピもそうだが、明らかに技量が大幅に足りていない)

 

 

3周目 10

はちみつのレシピを変えてみた。

レシピを変えてみたと言っても、足りないであろう材料に関しては予想できていたので、特に困ることはなかった。

 

はちみつ ハチの巣:中和剤=1:1

 

中和剤の分量に関しては改良の余地がある気がするが、ひとまず店売りレベルの品質は出せたのでよしとする。

驚くべきことに、遠心分離機は必要なかった。というか、ない方が早くできた。

私の使う錬金術は、機材を必要としない。倉庫に機材があったことを考えると、ここに少し違和感があるが、考察している時間はないので今はひとまず無視することにする。

 

雑貨屋さんは明日は休みだそうなので、その連絡ついでに御駄賃をくれた。

せっかくお金をくれたので、その一部でクロースと小麦粉を少し買っておいた。布素材と火薬素材は、うにバルーンの調合に必要だからだ。肝心のうにが手に入らないという問題があるけど。

 

買った内容にちょっと不審に思われたっぽいけど、秘密だと言っておいたら特に深く聞かれなかった。

 

明日は調合に一日使いたい。

 

メモ

はちみつ ハチの巣:中和剤=1:1

 

 

3周目 11

調合Dayな一日だった。

まず、うにがなくても爆弾が作れないか確認するために、うにバルーンのレシピを書き換えて調合してみた。

名前は、うにバルーン-うにということで、バルーンとしておく。

 

バルーン クロース:石ころ:小麦粉:(中和剤)=1:2:2:2

 

バルーンは、うにバルーンとは異なり破壊力を持っていなかった。

簡単に言えば、クラッカーみたいなものだ。音は出るけど殺傷力はない。

ただ、本当に音は凄かった。念の為、花畑の奥の方で鳴らして正解だった。バルーンからは少し離れたところで割ったにもかかわらず、驚きでひっくり返ってしまった程だ。

殺傷力は一切ないけれども、もうちょっと私の腕が良ければ、光らないスタングレネードみたいな使い方ができたと思う。石ころをマグネシウムみたいに燃えやすい金属とかにすれば、あるいは今の私の腕でも作れるかもしれない。フロジストン(発火成分を含んだ鉱石)とかあれば、いい感じのものがフロジストンがあるならフラムを作ったほうがいいや。

 

次に作ったのは、インゴット。

 

インゴット 石ころ:中和剤(赤:燃料)=1.5:1

 

はちみつのレシピを参考に作ってみた。中和剤が赤以外だとうまく純度を高められなかったので、たぶん中和剤というよりも燃料カテゴリのアイテムが必要なんだと思う。

これで、うに大砲がちゃんと作れるように。うにないけど。

 

ついでに、実験用にこれも作った。

 

試作小型大砲 インゴット:小麦粉:中和剤(赤:燃料)=1:0.5:0.5

 

飛ばすのは、うにじゃなくて金属の塊。

……武器としては、これでもいいんじゃないだろうか。砲弾が爆発物じゃないから、範囲攻撃できないけど。

今度作るときは、大砲型ではなく拳銃型に成形するといいかも。

小型うに大砲よりも重いので、持ってると疲れるのが難点。

 

ここまで書いて思ったけど、区切りのいいところで、単位の表記方法を是正したい。0.5が最低単位なのは見にくい。

ウォルフを倒すか、もしくは……うん、まあ、そういう事になったら変えよう。

 

メモ

バルーン クロース:石ころ:小麦粉:(中和剤)=1:2:2:2

インゴット 石ころ:中和剤(赤:燃料)=1.5:1

試作小型大砲 インゴット:小麦粉:中和剤(赤:燃料)=1:0.5:0.5

 

 

 

3周目 12

雑貨屋さんに、見覚えのないアイテムが置かれていた。

話を聞くと、なんでも昨日、行商の人が来てたらしい。

入荷して増えたアイテムは以下の通り。

・サシャの織物(在庫:15)

・アルファルの糧食(在庫:5)

・祝福のワイン(在庫:30)

・ビア(在庫:40)

・解毒剤(在庫:20)

・植物用栄養剤(在庫:5)

・研磨剤(在庫:10)

・ロウソク(在庫:100)

……酒屋かな?

まあ、この村には娯楽がないし、アルコールの需要が高いのは当たり前だろう。

解毒剤の用途は、酔い冷ましだろうな。

 

行商が次にくるのは、一ヶ月以上後になるそうだ。

 

ちなみに、閉店の時点でアルコールの類いは半分近く売れていた。

 

 

3周目 13

昨日アルコールが大量に売れた理由を娯楽が少ないからだと勘違いしていたが、どうやら微妙に違ったらしい。

なんでも、一昨日大きな音が花畑の奥の方から聞こえたらしく、村の男性が数人で調査に行っていたらしい。

 

一昨日、大きな音……

 

当然、原因はわからず村に戻ってくることになり、その人たちでヤケ酒を呷ったそうだ。

 

次からは、もっと村から離れた場所でやろうかと思う。

 

調合に関しては、試作小型大砲を試作拳銃にしただけで、特に進捗はない。

現状、試作拳銃が6回限りの使い捨てなので、使用回数回復アイテムとかがあると良いかもしれないとは思っているが、はたしてどうすれば作れるのか見当もつかない。

たしか、ユーディーやトトリにもそんなのなかったはずだしね。

 

祝福のワインとビアが売り切れそうな気がしたので、残りのお金をほとんど使って、それらとサシャの織物を買っておいた。

サシャの織物は、そのうち防具作りに使う予定。

 

 

3周目 14

雑貨屋さんのバイトと中和剤作りしかすることがないので、祖母の倉庫の大掃除をすることにした。

まあ、掃除と言っても、掃き掃除拭き掃除をして、場所を取っていたいらない道具や怪しいアイテムを倉庫にあった樽の中へ放り込んだり捨てたりして、参考書を金属ケースに詰めたくらいだけれども。

空いた棚には、だんだん増えてきて置き場所に困っていた中和剤を色別に並べておいた。

 

日記を書いていて今思ったが、アイヒェとインゴットでメイスでも作ると良いかもしれない。明日作ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3周目 15

樽の中身と金属ケースの中身、全部消えてなくなっちゃった


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