老練虎狼   作:デンデン丸

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なんと私の拙作がランキングに載っていたので、この波に乗れるように急いで執筆しました。今回はほぼオリジナル展開なので、読者様の好みが別れるかも、という怖さもありましたが、更新しないよりマシだろう、と投稿した次第です。どうか暖かい目で見守ってください…


4話

 

 

 ――《帝国領土内……某所》

 ――《革命軍所属、地方暗殺チーム拠点》

 

 

 

 

 

 「ふぁぁ……結局朝帰りになっちまったなぁ……」

 

 「仕方ないだろう、今回のターゲットは用心深かったからな、それでも殺れた。上々さ。」

 

 木々が生い茂る森林地帯。二人の男が、大欠伸をしながらに歩む。

 彼らは革命軍所属の暗殺者、地方担当チームの者である。

彼らは二日間に渡る任務を終え、隠れ家である拠点への帰路の最中だ。

 しかし、神経を研ぎ澄ませ、追手がいないかどうかも、気を配る。

 

 「……追手の気配は、無し、と……」

 

 「あぁ。さて、チェルシーはもう帰っているかね?それとも今回こそ、俺達の方が早く任務を終えれた、か……」

 

 「どうだろうねぇ。何しろあいつの帝具は暗殺向きの中でもずば抜けてる性能だ、あいつを100とすると……俺達は40と言った所か……半分の50にすら届くか怪しいもんかねぇ。」

 

 「あぁ……帝都のナイトレイド連中にも引けを取らないだろうな……」

 

 

 他愛ない会話、しかし慎重に、彼らは歩んでいく。

しばらく進むと、木々に囲まれた、遺跡のような出で立ちの建物が、見えてきた。

 

 

 「おっ、良い匂い。朝飯の用意はできてるみたいだな!!」

 

 「こりゃ有難い、とにかくこの空腹の腹を満たしてベッドにもぐりこむぞ、半日は寝てやる……」

 

 二人はそう言うと、念のため、もう一度周囲を確認、そして建物の中へと、消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 『……では、殺すか。』

 

 

 姿の見えぬ、虎狼に気付く事無く。

 

 

 

 

 

 

 「おっ、帰ってきたな~。そろそろ頃合だと思ってたんだ。」

 

 「おぉ、リーダー自らの料理番!!お疲れ様っす!!」

 

 「これは……実に有難い……!!」

 

 建物内ではエプロンを着た男が、大きな鍋で料理を作り、肉や野菜がテーブルに置かれていた。

 

 

 「ん?そういえばチェルシーは?もう帰って来てるんじゃ?」

 

 帰ったばかりの男の片割れが椅子に座りながら、煙草を取り出し、そう料理番の男に問いかけた。

 

 「いや、それがな。今回ばかりは、やはり少しばかり難題を担当させちまってなぁ。お前達の方が早かったさ。」

 

 「マジかよ!!あいつが手こずるなんて事もあるんだな!!」

 

 「うむ。しかし俺達の方が早く帰れるのが、次にいつ来るか……今回ばかりかもな。」

 

 

 とても暗殺者とは思えない和やかな空気と、料理の良い匂いが漂う部屋。

しばらく、他愛ない会話が続いた、が。

 

 

 「う~ん……おはよー……」

 

 一人の、寝巻き姿の女が目をこすりながら部屋に入ってきた。

 

 「ん?何でお前起きてきた?まだ全員揃って……」

 

 そんな彼女を見たリーダー格の男が声をかけたが、彼女はその眠たげな眼を見開いた。

 

 「!!……帝具の反応には、確かに全員分の――……!!」

 

 

 ――……そう言った瞬間であった。

 

 

 「……え?」

 

 

 一つの拳が、彼女の胸を穿き、血濡れていた。

 

 「が……あ、あぁ……」

 

 見事に心臓を潰された彼女は、呻き声を少し上げ、事切れた。

 

 『厄介な帝具だ、先に潰させてもらうぞ……』

 

 瞬き一つの間に、女の胸を穿いた拳は消え、不気味な声が部屋に響いた。

 

 

 「な、なにぃぃぃ!!お前ら!!追手に……」

 

 「そんな事言ってる場合じゃねぇ!!……《絶対防御壁》!!」

 

 

 しかし彼らもプロの殺し屋、帰ったばかりの男の片割れが、帝具を使用し、残った三人は不思議な膜のような、光る壁に包まれる。

 

 

 「くそが!!いつだ!?いつ追手が居た!?俺は確かに、何度も確認を……!!」

 

 「……姿も気配も無い!!帝具使いか……!!」

 

 「む、むぅ……これはなんたる失態、ちくしょう……!!」

 

 

 三人は光る壁の中で、背を合わせるように陣取る、が。

 

 

 『……これも道理だ、今まで殺してきた連中と共に閻魔に裁かれるとしろ』

 

 

 ――……刹那、視えぬ拳がほぼ同時に、三人の胸を穿いていた。

 

 

 「がっ……!!」

 

 帰ったばかりの二人は、声を上げる事なく即死。リーダー格の男は致命傷ではあるが、意識を残す事ができた。

 ――……彼は意識と視界が薄れてゆく中、目の前に立つ男を見る。

 

 

 『ふむ、久方ぶりで加減が利かんかったわ。これでは他の暗殺者については聞けぬなぁ……』

 

 不気味に光る色眼鏡、その奥の、鋭い獣のような眼光。

 その男に、リーダー格の彼は、見覚えがあった。

 

 「に、无二打……!!」

 

 『かかか、儂の顔を知っているか。積もる話もあるだろうが……また帝具を使われると厄介だ……』

 

 致命傷の彼が、最後に見た光景は、拳がそえるようにあてがわれ、破裂するように、血を吹き出しながら消し飛ぶ、己の胴体であった。

 

 

 

 

 

 これより一ヶ月を待たずして、革命軍所属の暗殺者。その地方で展開する者達は鏖殺される事となる。

 北から南、西から東、誰が暗殺者チームを全滅させたのか。それは謎に包まれていたが、死体はほぼ全て、胸を、心臓を貫かれた状態での即死であった。

 

 ――……しかし。

 

 

 

 

 

 

 ――《帝都近郊、ナイトレイド、新拠点》

 

 

 「ついこの間……仕事から帰ってみたら、チームが全滅なんて、体験、したからね……。ここの連中には、そうなってほしくない訳よ……」

 

 

 虎狼の手から逃れた、唯一ただ一匹の黒猫(チェルシー)が、ナイトレイドに参入していたのであった。

 




本当に、切実に感想お待ちしております。
そして頑張って更新を続けますのでどうかよろしくお願い致しますm(_ _)m
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