「私達、サーヴァントは英霊です。英霊であるが故に正体を明かすということはその弱手をさらけ出すことになります」
「そうか、だからセイバーなんて呼び名で本当の名前を隠しているか」
「はい、聖杯に招かれたサーヴァントは7人いますが、その全てがクラスに応じて選ばれているのです」
「クラスって剣士とか弓兵とか?」
「そうです、聖杯は予め7つの器を用意してあらゆる時代から呼び出せる。それが7つのクラス、セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーです」
「セイバーは、剣に優れた英雄だからセイバーとして生まれたってことか」
「ですが裏を返せばそれが、セイバークラスの欠点でもある。例えば敵が自身よりも白兵戦に優れている場合、士郎ならどうしますか?」
「正面から戦っても勝てないなら、真っ当な戦いなんて仕掛けない」
「そういう事です、加えて私たちサーヴァントには宝具がある。ランサーの槍やアーチャーの弓、それに私の剣などがそれに該当します。宝具とは言わば切り札です、ですが宝具の発動には相当な魔力量が必要になります」
「つまり、むやみやたらに使えない?」
「そうです、また発動の際には宝具の真名を明かさなければ行けません、つまり宝具を使えばそのサーヴァントの正体がわかってしまう危険性があるという事です」
宝具然り、名前然り、結局英霊ってのは正体がバレると対策されてしまうからな。
「セイバーが剣を見えなくしているのはその為か」
「その事で、お願いがあるのです。本来サーヴァントはマスターにのみ真名を明かし対策を練ります。ですが、士郎は魔術師として未熟です。優れた魔術師ならば士郎の思考を読むことは容易でしょう…ですから」
「名前をあかせないってことか」
無言で頷くセイバーは俺から見ても申し訳なさそうにしていた。
「分かった、セイバーの宝具の使い所はセイバー自身の判断に任せるよ、っとそうだその服はどうしたんだ?」
「これは凛がくれたものです、霊体になれない以上普段着は必要だろうと」
どうやら、会議はここで終了のようだな。
「悪いが士郎。俺はこの後行くところがあるんでな、この辺で失礼させてもらうがいいか?」
「待ってくれ、最後に一つだけ聞かせてくれ。その…なんて言うか今後も暇な時でいいから稽古に付き合ってくれないか?」
なんだその程度の事俺が断るとでも思ったのか?
「別にそれくらいはいつでも付き合うさ、それではな」
士郎と別れたあと、俺は急ぎで教会に行く。あんまり目立つ真似はしたくないが致し方あるまいと強化魔術を使ってさらに加速させる。
「よぅ」
「ランサーか、ちょうど良かった。俺に何か用があるんだろう?」
「すまねぇな、どっかの馬鹿がやらかしているみたいでな。言峰にお前を呼んでくるように言われたんだよ」
恐らくは今朝ニュースにも流れていたあれの事だろう。
「了解した、ではこのまま向かおう」
~冬木教会~
「来たか」
教会前で、既に待ち構えていたエセ神父。
「それで、俺を呼び出した理由は今朝ニュースで流れてた会社の調査か?」
「そうだ、ランサーに言って周囲の魔力を調べさせたがどうやら規模から考えて英霊のもののようだ。よって、社内に生存者がいるかもしれん」
確か契約では、一般人を巻き込んではならないという事だったと思うが、それを仕掛けた英霊はまた随分と性格がねじ曲がってるな。
「つまり、調査の目的としては1番に人命救助、2番に正体の追求ってことだな」
「あぁ、もしその英霊に遭遇した場合の対処は君に任せるよ」
それだけ聞くと俺は急ぎでその会社へと向かった。
(確かに魔力を感じる…。だがこれは別の…遠坂凛か)
俺はビルの屋上まで跳躍すると予想通り、遠坂凛とアーチャーがいた。
「夜分遅くにすまない」
「なっ!?あなた!」
そう言えば、遠坂には話していなかったな。まぁ、どうせバレていたんだろうからどうでもいいけど。
「俺は"裁定者"だ、ココには言峰に言われて調査に来た」
「ただものでは無いとは思っていたけど…そうね、まぁいいわ。教えてあげる、今回このビルで騒動を犯した大馬鹿は恐らくはキャスターよ」
「だろうな、薄々分かってはいたが情報提供感謝する」
「待ちなさい、昨日バーサーカーと戦っていた時に助けてくれたのってあなた?」
不意にアーチャーを見ると、言うなよって顔をされたので俺は違うという事にした。
「もし、そうなら今後ああいうのは控えた方がいいわ。裁定者として参加するのはルール破りみたい所あるから」
「真面目か!っとついつい反応してしまったが、昨日俺は君たちの戦闘に介入していないぞ?」
「あくまで誤魔化すつもりなら敢えて聞かないでおくわ、その代わり衛宮君に伝言お願いできる?次あったら敵同士よってこと」
それまで聞くと、俺は再び跳躍を行い教会の方まで戻っていった。
士郎視点
俺は会議を終えた後、藤ねぇからの呼び出し(弁当届けるだけ)により学校に行こうとしたんだが、何故かセイバーも着いてくることになった。
「んで、無事渡し終えたわけだが…あれ?セイバーは?」
校内に入っていくのが見えたため、追っていくと葛木先生がいた。
「葛木先生!」
「衛宮か」
咄嗟に言い訳を述べた。
「その…この子は俺の知り合いで見学に来たというか…」
「外国からの留学者は初めてだ、入学すれば周りから注目される。衛宮、知り合いなら気を遣ってやれ。それと校内は土足厳禁だぞ?」
予想外な事を言われて拍子抜けする俺に対して葛木先生は、どこかへ行ってしまった。
その後セイバーに校内を案内するように言われ、渋々付き合ったが日が沈む頃になってようやく帰宅することが出来た。
セイバーの事を紹介したら、今日は何故か桜と藤ねぇも泊まることになった。
昨日は投稿休んでました(申し訳ない)。流石に体が持たないのもあったんですけど何よりも先ず原稿を書く時間が圧倒的に足りなくて、今回も短めで、ごめんなさい。これから頑張っていくから(白目)。それと誤字脱字報告の方もありがとうございます。私としてもできるだけ誤字脱字が出ないよう精進いたしますので、応援の方よろしくお願いします。<(_ _)>