この世界では偶像と書いてデュエリストと読み、決闘者と書いてアイドルと読むことがあります。   作:地雷一等兵

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ではでは~……続きです!

本編をどうぞー↓


第8話 ダイナソー小春

 

 

0093(オオカミ)プロのチーフプロデューサーは元西日本代表だった男が務めている。

その名をダイナソー竜崎。

日本最強を決める戦いで東日本代表のインセクター羽賀に破れて準優勝。その後参加したペガサス氏主催の決闘者の王国(デュエリストキングダム)では城之内克也に敗北し早々に敗退、その後も海馬瀬人主催の大会でも敗退してしまう。その事を引きずり落ちぶれて居酒屋で飲んだくれていたところを0093(オオカミ)プロの代表に拾われ、今に至る。

 

そしてそのダイナソー竜崎の教育を受けて0093プロの2枚目のエースとして活躍するのがダイナソー小春こと、古賀小春だ。

0093プロに所属するアイドルとしては木場真奈美に次いで有名であり、その実力も高い。

 

「プロデューサーさん~、次のお仕事なんです~?」

 

「あぁ、次はデュエルイベントや。小春ん力を見せてやれ!」

 

「分かりました~! ヒョウくんも頑張ろ~!」

 

小春はダイナソー竜崎の言葉にペットのヒョウくんを高々と掲げてやる気を見せる。そんな小春の無邪気行動にヒョウくんも舌を動かしてリアクションを取る。

事務所の中で明るく振る舞うムードメーカーの笑顔に事務員や代表、木場も笑顔になる。

 

「ふ……小春はやはり元気だな。こちらも笑顔になってしまうよ。」

 

「そうだね~……木場くんといい、小春ちゃんといい……君たちをスカウトしてよかったよ。」

 

離れた場所で小春とダイナソー竜崎の様子を見守る木場と代表の二人は頬を緩ませていた。

木場と小春の二人はここの代表がスカウトしてきた生え抜きの二人である。そんな小春が次第にアイドルとして有名になっていることに代表は嬉しそうに頭髪を撫でた。

 

 

 

「今日の対戦相手は~、22(にゃんにゃん)プロの櫂さんです~。」

 

「ふふ、よろしくね。小春さん。」

 

イベント会場でにこやかに握手を交わした二人はデュエルの為に距離を取る。

にこやかな笑顔で対峙する二人、しかし両者共に気迫は充分だ。無邪気な笑顔を浮かべる小春でさえ、その瞳に宿す気迫は本物である。

 

「手加減はしないよ! 《伝説の都アトランティス》を発動!さらに《ニードル・ギルマン》を召喚するよ!」

 

自己強化とフィールド魔法による強化で攻撃力を1900まで上げたモンスターが召喚され、ダイナソー竜崎の顔が曇る。

モンスターの能力による相互強化によって打点を稼ぎ、パワーで制圧するのが西島櫂のデッキであり、単体の打点で勝負する小春のデッキとは、ある意味相性が悪い。と言うよりも分が悪いのだ。あるカードを使わない限り。

しかしそれでも小春は慌てない。

 

「小春のターンでドロ~! 《化石調査》を発動して《セイバーザウルス》さんを手札に。さらに《ワンダー・バルーン》を使います~!」

 

「来た! 小春の黄金パターンが来るで!!」

 

小春が発動したカードを見て、客席で見ていたダイナソー竜崎は思わず立ち上がると拳を握りしめる。

そして我に返ると周囲の視線から目を逸らして座り直す。

 

「《奇跡のジュラシック・エッグ》を攻撃表示で召喚して~! 手札から4枚のモンスターカードを捨てますね。これでワンダー・バルーンにカウンターが4つ乗ります~。モンスターは全て恐竜族なので、卵さんにはカウンターが8つ乗りますね!その卵さんをリリースして、デッキから、この子を召喚!来て~、《究極恐獣(アルティメットティラノ)》くん!」

 

「ちょ、そんなのあり?!」

 

僅か1ターンでの最上級モンスターの登場に対戦相手の西島櫂は目を点にして驚く。

どころか観客席もダイナソー竜崎以外は驚いていた。

 

「やっちゃえ、ティラノくん~!」

 

「え、うそでしょ!?」

 

ワンダー・バルーンの効果により、攻撃力が1200も下がったニードル・ギルマンに対して行われる蹂躙、その一撃でライフを2300も減らされた櫂は苦虫を噛み潰した顔になる。

そして櫂のターンではモンスターを守備表示に召喚して終わる。

 

「小春は~《ヴェルズ・サラマンドラ》さんを召喚します!行け~ティラノくん!」

 

「破壊された《ペンギン・ナイトメア》のリバース効果発動! 《ワンダー・バルーン》を手札に戻すよ!」

 

「あら~……それなら、墓地のカードを2枚除外してサラマンドラくんを強化、攻撃力2450で直接攻撃します~!」

 

バ火力とも称される恐竜族独特の高パワーに、櫂のライフは3250まで既に減らされている。

しかしこのまま終わるような私じゃないと、ドローする。

 

「来た!手札から三枚の水族性モンスターを墓地に捨てて、《水精鱗(マーメイル)‐リードアビス》を特殊召喚!そして速攻魔法《海竜神(リバイアサン)の怒り》を使用する!この効果で《究極恐獣》を破壊!リードアビスでヴェルズ・サラマンドラを撃破!」

 

「は、はわ~……。」

 

形勢逆転。場のモンスターを全て破壊され、逆に相手のフィールドには強化された切り札が存在する。

しかしそれでも小春は臆さずにドローした。

 

「《天使の施し》を使います! 三枚ドローして、手札から《ワンダー・バルーン》と《Re:EX》を捨てます!そして、カードを一枚伏せます~!」

 

(何を、するつもり……?)

 

「そして私のエンドフェイズに伏せた罠カードを発動!《化石発掘》!手札を捨てて効果発動です~!墓地の恐竜族を蘇生、出て来て~!《超伝導恐獣(スーパーコンダクターティラノ)》くん!!」

 

「っ!?」

 

小春が呼び出したのは攻撃力3300の超伝導恐獣、櫂の切り札リードアビスを上回るモンスターの再度の出現に櫂は息を呑む。

しかしそれでも22プロを代表するデュエリスト、動揺を押し殺してドローする。

 

(こ、ここで引きが……!?)

 

櫂が引いたのは《ビッグジョーズ》、逆転まで繋げるカードではなかった。

そのまま櫂はビッグジョーズを守備表示にして召喚し、ターンを終える。

 

「ドロ~! カードをセットしてリードアビスに攻撃~!」

 

「しまった!?」

 

うっかりミス、本当に些細なミスではあるが攻撃力2900のリードアビスは超伝導恐獣によって撃破され、400の戦闘ダメージが櫂に与えられる。

これによって残りは2850、このライフを守りながら櫂は小春のフィールドにいる超伝導恐獣をどうにかしなくてはならない。

そのプレッシャーが櫂にのし掛かる。

 

(何か、来い……!!ペンギンとか……!!)

 

しかし現実は非常である。ドロー出来たのはニードル・ギルマンであり、この状況を打破出来るとは言い難い。

そのまま守備表示で召喚し、場を凌ごうとする。だが……

 

「小春のターン! 《セイバーザウルス》さんを召喚~!そして《生存競争》をセイバーザウルスさんに使います!」

 

「あ、やば……!!」

 

状況を察した櫂が声を漏らす。《生存競争》によってセイバーザウルスの攻撃力は2900まで上昇、さらには連続攻撃の能力まで付与された。

そして櫂の場にいるモンスターの守備力はアトランティスによる強化を含めても2900に届いていない。

 

「セイバーザウルスさん、やっちゃえ~!」

 

「このぉ……!!」

 

「そして~ティラノくん!いっけ~!!」

 

強化されたセイバーザウルスによって守備表示のモンスターは全滅し、がら空きとなったフィールドを蹂躙するように超伝導恐獣が突進する。

その一撃によって櫂のライフはゼロになり、敗北した。

 

「た~……負けちゃった~……。」

 

「勝ちました~!」

 

決着か着くと小春は嬉しそうに跳び跳ねて観客席に手を振る。

その中にダイナソー竜崎の姿を発見すれば一際嬉しそうに激しく手を振るのだった。

 

 

 

 

 

 





恐竜族デッキ(古賀小春)
 
・モンスターカード
究極恐獣、超伝導恐獣、超古代恐獣×3、奇跡のジュラシックエッグ×3、ベビケラサウルス×2、ヴェルズ・サラマンドラ×3、ジュラック・ヴェロー×3、セイバーザウルス×3、ハイパーハンマーヘッド×3、Re:EX×3、ジュラック・プティラ×2
・魔法、罠カード
ワンダー・バルーン×2、化石発掘、天使の施し、化石調査×3、テールスイング×2、生存競争×2、一族の結束×2


・古賀小春
…ダイナソー竜崎の弟子であり、同じく恐竜族によるパワーイズジャスティスなデッキを使う。
ペットのヒョウくんも大きくなったらあんな風になるのかな~と目を輝かせている。

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