この世界では偶像と書いてデュエリストと読み、決闘者と書いてアイドルと読むことがあります。 作:地雷一等兵
はい、それでは本格的にデュエルしましょう。
では本編をどうぞ↓
「プロデューサー!
「……あるにはあるぞ。」
「本当に!?」
事務所の中でデュエルディスクを腕に着けたまま自身を担当するプロデューサーに絡む裕子は、仕事の存在に目を輝かせる。
その時のプロデューサーの腕を掴んだ速度は恐らく彼女の中でも歴代最速だったのではないだろうか。
「なに?なんの仕事!? ねぇねぇ!!」
彼女が犬ならばぶんぶんと千切れるレベルで尻尾を振っていただろう。
基本的に彼女に回ってくる仕事イコール
「街中のデュエル、Liveバトルだ。」
「相手は!?」
「
「いやっほー!!あの子面白いから好き~!!」
蘭子の名前は聞いた瞬間に裕子は大きく跳ねあがり、拳を突き上げた。
573プロに所属する“黒翼”の神崎蘭子と言えば知らぬ者はいない実力派アイドルだ。あの島村卯月が制した大会には出ていなかったが、もし出ていればどうなっていたか分からない。
それほどの実力者だ。
「それじゃ、さっそく行こうよ!!」
「あぁ。行ってくるよ。皆も頑張れ。」
「自分も出掛けるであります。」
それまでモデルガンの手入れをしていた大和も立ち上がり裕子とプロデューサーの後ろに着いていく形で事務所を出ていった。
さて、そんな中事務所に残されたアイドルはと言えば……。
「暇ぽよ~。ねぇねぇ、ののっち~デュエルしよ~。」
「で、でも、里奈さん、の、デュエル、バイクに、乗らなきゃですから、森久保には、むーりー……。」
事務所のアイドルの藤本里奈と森久保乃々だ。
暇をもてあましたふじりながプロデューサーのデスクの下にいる乃々に話し掛けると、びくっと脅えたように体を震わせて言葉を返す。
そんな森久保の言葉にん~と唸ったふじりなは何かを思い付いたように鼻唄を歌いながらいつものライダースジャケットを着て事務所を出ていった。
「さて……おや? なにやら騒がしいでありますな。」
出掛け先で馴染みのカードショップを訪れた亜季はわいわいと盛り上がっているのを見つけ、首を傾げる。
その騒ぎの元は額縁に飾られた1枚のカード、“
超稀少なレアカードの存在にショップを訪れていた決闘者たちは憧れの視線を注ぐと同時にその下に置かれた“30万円”という値段に落胆の息を吐いている。もちろん、亜季も憧憬の視線を送る者の一人である。
「レ、真紅眼の黒龍!? 店主殿!?」
たまらず顔馴染みの店長のもとに詰め寄る亜季、そしてそれを中年の店長はニヒヒと笑って返す。
悪人面をしているとよく言われている彼の笑顔はなかなかに迫力があるが、そんなもの常連の彼女には関係ない。
「店主殿!あ、あのようなレアカード、一体どうやって手に入れたでありますか!? よ、よもや犯罪に手を……!!」
「いや~……知り合いの
自慢げに語る店主はむふーんと息を吐き、新聞に目を落とす。
亜季は店主の説明を受けて財布の中身を見つめ歯噛みして悔しがる。芸能プロダクションの看板アイドルとは言え、1日で気軽にそこまでの金額をポンと動かせる訳もないのである。
目の前にあるレアカードに手を出せないもどかしさに亜季は店主のいるカウンターボードに手を置いて歯を噛んでいた。
「いや、そんなポーズされてもこればっかりは譲れないよ亜季ちゃん……。」
「ぐぬぬ……えーい!こうなったら
気持ちを入れ換えようとデュエルディスクを左腕に装着した亜季は大声で店内の客たちに呼び掛ける。
名の知れたアイドルの彼女の呼び掛けに我こそはとこぞって名乗りをあげる。はいはい!わいわい!と声があがり、大きな騒ぎとなった。そのまま亜季は一日中このカードショップ前でデュエルを繰り広げていた。
その頃、とある水族館では・・・・・・
「それじゃあデュエルしようか。」
「えぇ、これもまた神のお導きなのでしょう・・・・・・。」
西島櫂とクラリスがイルカショー広場前でデュエルディスクを装着して向かい合っていた。
それは彼女たちにとってはデュエル開始の合図なのだ。
「じゃあ、私の先攻ね。ドロー!」
先攻櫂でデュエルが始まる。
「フィールド魔法、《伝説の都 アトランティス》を発動、さらに場に一枚カードをセット。《海皇の竜騎隊》を攻撃表示で召喚!ターンエンド。」
「ではこちらのターン、ドロー!・・・・・場にモンスターを裏側守備表示でセットしてターンエンド。」
場にカードも伏せずにターンエンドを宣言したクラリスの顔色は優れない。
そんな彼女の様子に櫂はニヤリと笑いドローする。
「モンスターを一体守備表示で召喚。《海皇の竜騎隊》でセットモンスターを攻撃!!」
攻撃したモンスターは《幻奏の音女タムタム》、アトランティスの効果で攻撃力の上昇した竜騎隊の攻撃で撃破される。
そのまま一枚伏せカードを場に出して櫂はターンエンドを宣言した。
そしてクラリスのドロー、しかしやはり顔色は優れず、モンスターを一体守備表示で召喚して終わった。
「なら私のターン、守備表示の《ヒゲアンコウ》を生け贄に《水精鱗‐リードアビス》を召喚!! リードアビスでモンスターに攻撃!」
「撃破されたシャインエンジェルの効果で《幻奏の歌姫ソプラノ》を特殊召喚、そしてソプラノの効果で墓地のタムタムを手札に加えます。」
「なら竜騎隊でソプラノに攻撃!!」
「く・・・・・・。」
攻撃を受け、これでクラリスのライフは7400となる。場のモンスターで攻撃し終わった櫂はターンエンドを宣言しクラリスのドロー。
「自分のフィールドにモンスターが居ないという条件から手札より《幻奏の歌姫ソロ》を特殊召喚します。更にモンスターを守備表示で召喚してターンエンドです。」
「ドロー!!」
そのターンは場のモンスター二体の総攻撃でクラリスのモンスターを一掃するも。ソロの効果で《幻奏の音女エレジー》を特殊召喚した。
そしてクラリスのターン。
場にカードを一枚セットし、モンスターを守備表示で召喚して終わる。
「モンスターを守備表示で召喚!リードアビスでエレジーを攻撃!!」
「その攻撃宣言に対して
「
その後、伏せカードのないクラリスのモンスター、タムタムを竜騎隊で撃破し、ターンエンドした。
クラリスのターンになり、ドローしても彼女の顔は晴れない。場にモンスターを守備表示で召喚し、ターンエンドする。
そして櫂のターンになり、場が動く。
「ドロー!場に一枚カードを伏せて守備表示の《ペンギン・ナイトメア》を反転召喚! 効果発動!このカードが表側になったとき、相手フィールドのカードを手札に戻す、そのモンスターカードを手札に戻してもらうよクラリスさん。」
《ペンギン・ナイトメア》の効果でフィールドを丸裸にされたクラリス、しかしまだまだ《ペンギン・ナイトメア》の効果をあった。
このカードが表側表示の時、自分の表側表示水属性モンスターの攻撃力は200ポイントアップするのだ。この効果でアトランティスと合わせてリードアビスの攻撃力は3100、竜騎隊は2200だ。
一斉攻撃の5300ダメージに、クラリスのライフは残り2100となる。
次のターン、ドローしても逆転の材料をそろえきれなかったクラリスは一体のモンスターを守備表示で召喚するも、リードアビスと竜騎隊の攻撃に耐えきれず敗北したのだった。
「デュエルありがとう、クラリスさん。」
「いえこちらこそ……。」
勝負の終わった二人は歩み寄り握手を交わす。どんなにデュエル中はいがみ合おうとも、終わってしまえばこうして互いの健闘を称えあうのが
彼女たちはアイドル、デュエルによって高めあい、観客を沸かせる存在。
だからこそアイドルはデュエルする。
櫂くんのデッキを乗せておきます。
水属性デッキ(西島櫂)
・モンスターカード
海皇の竜騎隊×2、海皇の突撃兵×2、引きガエル×2、ヒゲアンコウ×2、水の精霊アクエリア×2、ペンギン・ナイトメア×2、水精鱗アビスノーズ×3、水精鱗ネレイアビス×2、水精鱗オーケアビス×3、水精鱗アビスタージ×2、水精鱗アビスリンデ、水精鱗リードアビス、ビッグジョーズ×2、ニードル・ギルマン×2、ジェノサイドキングサーモン、超古深海王シーラカンス、氷帝メビウス
・魔法、罠カード
伝説の都アトランティス×2、海竜神の怒り、ポセイドンの力
海竜神の加護×3、忘却の海底神殿×2、儀水鏡の反魂術×2、潜海奇襲
プロフィール
・西島櫂
…元スイマーアイドル。イルカが好きで時おり私服や小物にイルカの着いたものを身につけることもある。
デュエルの師匠は梶木漁太である。
水族館に行くこともあり、デュエリストの梶木とはそこで知り合ったらしい。
水属性デッキの使い手であり、揃った時の火力はなかなか。
「んー、まぁ……これならなんとか。梶木さんのアドバイス通り、かな?」
ではまた次回でお会いしましょうノシ
感想・ご意見お待ちしてます。
次回予告
大変!街のテーマパークが悪のデュエリスト、ブラックレイナに占拠されちゃった!
このままじゃ子供達が遊べない、どうすればいいんだ。
そんな時に現れた謎のヒーロー!
そうだ、この街には彼女がいたんだ!
次回「助けて!ぼくらのヒーロー、ナンジョルノ!」
デュエルスタンバイ!!