『偽物』の世界で『本物』を求める。   作:yunami

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小説詳細を見て気付きました。
これを投稿する頃には見れませんが、
第1話から第4話までの合計が5555文字だった様です。
そんな偶然からの第5話。

「5」ばっかですね。



第5話

 

『煌黒龍アルバトリオン』

 

第1戦目の相手はHPゲージが無く、

どうやら専用のステージがあるらしい。そのため、

 

「あ、暑い…」

「これ…どんな気象設定なんだ…」

 

火山と見て取れる場所に転移された。

それにしても暑い、暑すぎる。

これは短期決着が望ましい。絶対そうは出来ないけど。

 

そろそろ始めようかと武器を構え、アルバトリオンの正面に来る。

すると

 

『ぐおぉぉぉぉぉおおおお』

 

吹っ飛ばされた。うん。

まさか咆哮だけで吹っ飛ばされるとは。これは予想外。

そして、現在降下中…

 

「ぐあっ」

「うっ」

 

落下した。大地と正面衝突である。

どうやらキリトも吹っ飛ばされたらしい。

さて、早速だが俺の新しいスキルを使おう。

出し惜しみは無しだ。じゃないと命が危うい。

 

「キリト」

「ああ、先ずは相手の行動を探ろう」

 

どうやら、意図を察してくれたらしい。

そして、俺はスキルを使う。

 

「スキル≪観察眼≫」

 

これは、相手の行動パターンや弱点が分かると優れもの。

あと1つ効果があるのだが、今は使えない。

正直、人間観察が趣味の俺にとっては最高の相性だろう。

 

キリトも、何やらスキルを使った様だ。

刀身が黒くなり、日本刀の様になっている。

力を増大、圧縮する事によってスピードも上がっている。

あれは、俺も持っているスキル。

≪卍解≫と≪瞬歩≫だ。

 

ふむ、何となくわかった。

どうやら、弱点は頭の様だ。

そして、特殊演出≪部位破壊≫があり、

角、爪、翼膜、尻尾を破壊できるらしい。

尻尾は切断か。

 

その事を伝えるためにキリトを呼ぶ。

 

「どうしたエイト。何かわかったのか?」

「ああ、奴の弱点は頭だ。そして≪部位破壊≫ができるらしい」

「わかった。場所は?」

「角、爪、翼膜、尻尾だ」

「了解。行くぞ!!」

 

そして、そこから反撃を始める。

攻撃しては避け、また攻撃。

アルバトリオンの攻撃は、基本炎と爆炎によるものだ。

 

『グルガァァァァァァァァアアア』

 

HPゲージが無いため、相手の体力がわからないが、どうやら半分に達したらしい。

アルバトリオンに変化が訪れる。

身体中に雷を纏っている。

 

そこからは、雷の攻撃が増えた。

キリトも≪瞬歩≫を使いつつ、上手く対応している。

だが、徐々に崩されていく。

 

「ぐあっ」

「ちっ」

 

それぞれ、空中にいたアルバトリオンから落とされた雷に当たる。

掠っただけで、かなり持って行かれた。

 

「キリト」

「ああ、このままじゃまずい」

「俺があいつを引きつける。お前はその間に頭にスキルを打て」

「ああ、死ぬなよ」

 

分かっている、と呟く。

こんな所で死ぬ訳には行かねえよな。

≪瞬歩≫をフル活用し、気をひく。

キリトは……よし、準備が出来たらしい。

 

「おらっ!!」

 

あの膝裏に攻撃をいれる。

所謂膝カックンだ。

これだけの巨体だ、勿論崩れる。そしてー

 

「うおぉぉぉおお!!≪月牙天衝≫!!」

 

キリトがスキルの名前を叫び、剣を降り下ろす。

すると、剣からは巨大な赤黒い斬撃が飛ぶ。

 

『グアアアァァァァァァァアアアア』

 

それは、見事にアルバトリオンを切り裂く。

弱点である頭部にもヒットしている筈だ。

しかし、アルバトリオンは倒れていなかった。

そして、更に強くなっていた。

 

『グオォォォォォオオ』

 

雷が消え、冷気を纏っている。

気象は一転、明らかな極寒である。

 

「おいおい、こりゃヤバイな」

「おう…寒すぎる…ヘックシュ」

 

強くはなったが、多分最後の強化だろう。

恐らく、HPがレッドゾーンになったための強化だと予測する。

 

「さあ、ラストスパート行ってみよう!!」

 

アルバトリオンは、攻撃が氷に増えた。

特に、氷塊は危険だ。

攻撃場所にパターンが無い。

避けるのが一苦労であり、躱しても衝撃波で吹っ飛ばされる。

あたったら…考えないでおこう。

 

地道に攻撃を繰り返し、そしてー

 

『グオォォォォオオ』

 

恐らく、47分程だろうか。遂に倒した。

倒したとは、元の場所に強制転移だ。

幾つかアイテムを獲得し、ステータスを確認する。

そして、俺は絶句する。

 

「レベル…127だと……」

 

いくら10倍でも、上がり過ぎである。

こんなのチート以外何でも無い。

キリトは…

 

「レベルが……52?」

 

キリトもだった。

だが、俺はこれで無いと困るのだ。

それは、俺の剣である『夜桜』の能力だ。

 

『使用者のレベルを喰い、ステータスを向上させる』

 

レベルを生贄とし、ステータスを上げる。

それは、俺のユニークスキルがなければ成り立たない。

 

だが、俺は気付いてしまった。

俺のユニークスキルが≪経験値10倍≫では無く≪獲得数10倍≫であることに。

つまり…

 

「うわあ、ステータスとアイテムがありえない事になってる…」

 

そう、獲得するモノは全て10倍。アイテムも、ポイントも。

どうやら『夜桜』も10本あるっぽい。

世界で1本じゃ無いのかよ…

 

「おいキリト」

「な、なんだ?おれはこの世界に関しての疑いで一杯なんだが」

「いや、次が始まるから」

「嘘だろ?」

「いや、ほんとだって」

 

さて、次の相手は、

 

『祖龍ミラボレアス』

 

 

 





少し最後雑でしたかね?
戦闘中の会話は苦手なので、端折りました。

そして、相変わらずのチートである。

次回、第6話(毎度、当たり前)

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