今回は、何というか、無茶苦茶です。
どうしても、終わらせたかったんだ。
どうしても。
『熾凍龍ディスフィロア』
これが最後の試練だろう。
俺とキリトは身構えている。
が、何時まで経っても始まらない。
「おい、キリト」
「どうしたんだエイト」
「腹減った。なんかない?」
「ああ、確かにな…うわ、何もない」
あれから小一時間ほど経った。
なのに何も起こらないって…
なんて考えていたら、俺はある事に気が付いた。
「おいキリト」
「何だよエイト。飯はないぞ?」
「違えよ。ほらあそこ」
「どこだよ……うわ」
俺が指を指した方向を、キリトが見る。
そこには…
『グルルルルルルルルルルル…』
寝ている龍がいた。
いやあね?オカシクナイデスカ?
なんかこう…怒りが込み上げてくるよね?
「おいキリト」
「ああわかった。俺もイライラしてきた」
『卍解・天鎖斬月』
『卍解・終焉に咲き乱れし千本桜』
「キリト、一撃で決める。お前の最高威力を俺にぶつけろ」
「わかった、少し時間かかるけどいいか?」
「あと15分だな。そしたら24時だ。その1分で決める」
「了解」
『真天鎖斬月』
キリトぉ…そこまでイラついてんのか?
これ、結構なエネルギー感じるんですけど…
跳ね返せるよね?大丈夫だよね?
まあ、念には念をと。
「スキル『実像分身』」
そう言うと、俺は10人に分身する。
この分身は、俺の1/2が繰り返されたもの。
だから、今は1/10の力なのだが、『フルカウンター』には意味がない。
何故なら、攻撃力が無いからだ。
そして、キリトのソードスキルを10人で跳ね返す。
これ即ち、最強。
この部屋、もつかな。
「キリト、準備できたか?」
「ああ、何時でもって、キモイな」
『キモイって言うな』
「うわあ」
「兎に角時間だ。始めるぞ」
「ああ」
そう言い、キリトが構える。
さあ、行ってみようか。
『無月』
恐らく、今のがキリトのソードスキルだろう。
新しい姿になった斬月から、黒い、漆黒の、闇の斬撃が飛ばされる。
今更ながら、不安だ。何がって…
「この部屋、大丈夫か?もしかしたら、アインクラッド吹っ飛ぶんじゃ」
そして、俺は結論にたどり着く。
「ま、いっか」
『フルカウンター』
俺は、俺たちは斬撃を跳ね返す。
そして、俺たちのイライラの根源であるモンスターに向かう。
こんな状況で、思ってしまう。
御愁傷様です…
「なあ、こんな終わり方で良かったのか?」
「いいんじゃねえのか?これで、やっと出せるって言ってたし」
「誰が?」
「さあ?」
あれは、本当に見るに堪えなかった。
部屋は持ったものの、壁には大きな傷ができていた。
そして床は、完全に貫いていた。
そこから、雲海が見えた。
覗き込んだキリトの背中を、ちょんと押してみたら、
案の定、大慌てだった。
やっぱ、やっちゃうよね?
「それにしても…このアイテムたちどうする?」
「あ?それなら、≪アイテムポーチ≫みたいなのあっただろ。その中なら、無限に物入るぞ?」
「重さ関係なしに?」
「ああ」
キリトが、アイテムを整理している間に少し探索する。
ここで、ディスフィロアが死んだのか…
あ?なんだこれ。
≪モンスターの卵×2≫
これ、なんだ?
取り敢えず持って帰るか。
「キリト、整理終わったか?」
「…」
「キリト?」
「なあ、このスキルってなんだ?」
そう言われ、キリトのステータスを覗き込む。
そこには、
≪二刀流≫
「ああ、こりゃユニークスキルだな」
「これが……はあ。まあ、かっこいいから許すけど」
「嫌なのか?」
「そう言うわけじゃないんだけど」
「ど?」
「絶対面倒臭いって思って…」
「なるほどな…そりゃそうか」
「そうだろ?」
「ところでキリト」
「ん?なんだよ」
「卵、いるか?」
どう?めちゃくちゃだったでしょ?
はやく出したいんですもん。
ああ、どんどん内容が薄くなっていく…
絶対にアスナ、次だします。
次回、第8話