IS 13の星座の守り人   作:Scorpion

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3話 兎の本心

千冬「よし、全員揃ったな。ではこれよりISの実技授業ならびに、整備授業を始める。」

 

千冬の一声で始まった臨海学校の本番といえるISに関する授業。

やることは普段受けている授業と何ら変わらない。が、

 

千冬「専用機持ちは各自一対一の模擬戦を行ってもらうが、更識、打鉄弐式は完成しているか?」

簪「いいえ…ですが9割程終わっています。あとはOSの最終調整と装備の取り付けとインストールで終わりますけど…」

千冬「そうか、なら午前中に私の悪友と」

?「ちーちゃーん!」

千冬「…」

 

響く声。顔をしかめる千冬。千冬以外の全員が声のする方へ顔を向けると、

 

?「昨日ぶりだねちーちゃん!あと、悪友じゃなくて親友でしょー?」

千冬「朝から騒ぐな、話している最中に遮るな、砕くぞ。」

?「何を!?」

 

突如現れた謎?の人物。そしてその後ろから二人の人物が現れた。

 

???「お父様ー!」

???「そっち呼びはダメって言われてなかった?」

黄牙「お前らも来てたのか…」

黄牙以外『!!??』

千冬「…まず自己紹介ぐらいしろ。ほとんどの生徒がついてこれていない。」

 

そういわれた三人は、

 

束「仕方ないなあ。ハロー、篠ノ之束だよー。」

クロエ「お初で無い方もいらっしゃいますがはじめまして。クロエ・クロニクルと申します。」

シャル「久しぶりだね、皆。シャルロット・デュノアだよ。」

一夏「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

 

困惑しながらも待ったをかけた一夏。

 

束「いっ君おひさー。どしたーの?」

一夏「あ、お久しぶりです…じゃなくて!シャルロットが何でここにいるんですか!?新生デュノア社の社長でしょ!?」

シャル「あはは…確かにそうだけど、社の舵取りはアルベールさんに任せてあるんだ。」

鈴「この時間が終わったら色々聞くから覚悟しなさいよ、シャル!」

シャル「ふふ、分かった。」

千冬「あー、積もる話があるのは分かるが、授業中だ。」

 

と言って騒がしくなった生徒達を静かにさせる。

 

千冬「今回の三人の役割は2つに分けられる。1つは訓練の教官役、これはデュノアとクロニクルに任せることになっている。もう1つがISの整備、これは束、任せるぞ。」

束「まあ良いけど、整備用のISなんて…ああ、そういうこと。」

千冬「そういうことだ。構わないな?」

束「いーよー!クーちゃん、シャルりん頑張ってね!」

クロエ「任されました!頑張ります!」

シャル「あ、呼び方いつも通りのまま…」

ラウラ「質問があります!織斑先生!」

 

とんとん拍子で話が進んでいくなかで今度はラウラが質問する。

 

ラウラ「先生方はどちらにつくのでしょうか?」

千冬「両方だ。見回りをしながら改善点やアドバイスを出す。」

ラウラ「了解しました!」

千冬「では各員「ちーちゃんストップ!」…まだ何かあるのか」

 

待ったをかけたのは束だった。

 

束「箒ちゃんちょっと来てくれるかな?」

箒「…」

 

静かに前に出てきた箒。すると束が金と銀の一対の鈴がついた赤い紐を箒の前に出した。

 

束「はいコレ。」

箒「…まさか姉さん」

束「うん。けど勘違いしないで。箒ちゃんが特別だからじゃなくて「私自身を守るための機体、ですよね?」…改めていう必要無かったかー。」

箒「当然です。あの言葉に恥じぬよう鍛練を続けているつもりですから。」

束「ん。なら良しだね!」

 

それを受け取った箒。

様子をうかがいながら話すタイミングを見計らっていた千冬。

 

千冬「話は終わったか?なら今度こそ授業スタートだ。訓練機は打鉄、ラファール共に五機ずつ計十機を順番に使ってもらう。篠ノ之は織斑達の方に合流しろ。更識は打鉄弐式を束に預けて、チューンナップと、整備授業用の機材となってもらうが、良いだろうか?終わったら稼働試験も兼ねて篠ノ之と訓練という形をとる。」

簪「は、はい!後でよろしく、篠ノ之さん。」

箒「ああ。お互いに初陣だが、譲るつもりはないぞ。」

簪「それは、私も同じ。」

千冬「それでは授業開始だ、実技授業の方はまず十人ほどの人数でグループを組んでくれ。その中でのリーダーを決めたら訓練機を取りに来てもらう。整備授業を受けるものは束のところに集まれ。では行動開始!」

 

一斉に動き出した生徒達。

 

束「はいはーい。整備の授業はこっちでやるからね~。それじゃ、えーと、更識さんだよね?貴女の弐式貸してくれる~?」

簪「は、はい!お願いします!」

 

緊張しまくっている簪。それをよそに束はキーボードを使って弐式を展開していく。

 

束「えーと、打鉄弐式の外部展開許可を一時的にアンロック。…およ、まだ装備ついて無いんだね。」

簪「はい。拡張領域にしまってあります。」

束「ん、りょーかいだよーっと。…面倒だし全部だしちゃえ。」

簪「え?」

 

すると、直方体の底部にブースターが取り付けられている物体が大小2つずつ、薙刀、ジョイント付きの連装砲が出てきた。

 

束「なになに…薙刀が『夢現』、連装砲…わーお荷電粒子砲なんだこれ…で、名前が『春雷』、そんでもってさっきの4つの直方体が『山嵐』…遠距離主体っぽいけど、実際どう運用するの~?」

簪「あ、はい!さっきの篠ノ之博士の説明で合っています…けど、「システムの調整がまだ終わってない?」…そうです。」

 

指摘を受けた簪が少し落ち込んで返答する。少し間を取ってから束が質問した。

 

束「ねーねー更識さん?これここまで全部一人でやったの?」

簪「ブースターのデータは織斑君から借りて、それを弐式用に改造したのは星守君です。…私はそれと元々の機体の運動時間の誤差を無くすためのソフトを作りました。それ以前は倉持技研から引き取って私一人で「にゃんですとぉ!」ひあっ!?」

 

驚愕した様子を見せた束に驚いてしまった簪。

 

束「ほほう、この子をほとんど一人で作ったんだ。いーねー、更っち。」

簪「さ、更っち…?」

束「ならば、ここから整備授業いや、魔改造授業を始めるよ!受けに来た皆!?Are you ready!?」

「「「「「「「「「「Year!!」」」」」」」」」」

簪「えっ?えっ?」

 

訳がわからない様子でオロオロする簪。それとは対照的に目をギラつかせる生徒達と束。

 

束「さあさあさあ、上空をご覧遊ばせぃ!」

 

上をみた生徒達。すると、黒い箱が落ちてきた。

 

束「この中に入っているのは束さんが!今考えて作り出した!この子の装備の!上位互換的なものが!あるよ!今回はそれを取り付けるのが束さんが教えることなのだ!あ、ちなみにOSのは付きっきりで更っちに教えるからね!」

簪「は、はいぃ!」

 

簪が振り替えるとそこにはおらず、生徒達の姿は黒い箱のなかにあった。

 

「何これ!?展開式の剣!?」

「たたんだら射撃武器にもなるよこれ!」

「手持ち型のミサイルポッドが1つにふくらはぎの部分につける5連装ミサイルポッドが2つ…?」

束「それはミサイルの大きさを小さくする代わりに装甲部分にエネルギーを送り込んで内部から破裂させるんだー。ちなみに1つにつき20発入ってるよーん」

『みぎゃあああああああああああああ!!!!??』

 

何がなんだかわからない装備の数々。その中には

 

「これって、星守君のISのスラスター?」

「機動力確保のため、かなぁ。」

「あ、カラーリングが簪さんのISに合わせてある!」

 

見慣れた装備もあった。

 

簪「あの、これは…」

束「ん?今の弐式に追加する設備といったところかな。弐式とこの装備達を組み合わせたら…!」

簪「なんていう浪漫武装…!」

束「お、分かってるねぇ。それじゃあOSの調整開始だよ!先にいうけど私は更っちの補助しかしないからね。メインで組むのは更っちだよ!」

簪「が、頑張ります!」

 

そういって二人は作業を始める。怒濤のスピードでシステムが組上がっていくが、簪が難点にぶつかった。

 

簪「やっぱりマルチロックオンシステムが上手くいかない…」

束「お任せあ~れ!チョイサー!」

 

束は発射のオートメーション化とマニュアル化の切り替えシステム、発射弾数の増減の切り替えシステムを一気に組み込んだ。その時間僅か90秒。

 

簪「すごい…これが天災の力…」

束「なーんか勘違いしてるけど、束さんだって最初っからこれできてた訳じゃないからね?」

簪「え?」

 

驚いた様子で束を見つめる簪。話を変えるかのように束は

 

束「私は世界に見せつけたいが為にこの子達のコアを作った。本来の使い方も示そうと思ったんだけどね。でも重大な欠陥が見つかったけど使われたあとだった。遅かったんだよ。それからある思想が発展していったんだよ。」

簪「女尊男卑…」

束「そ。…私はね、更っち。この時代遅れな思想を消したいんだ。ISが使えるから偉い、自分達は選ばれた存在なんだ、とかいう有象無象が気に入らない。この子達には悪いけど、まだ未完成な状態で世に出しちゃったんだ。」

簪「未完成、ですか。」

束「女性のみじゃなくて男性にも使えるようにする。今のおー君といっ君は異物、邪魔者だと思っている人もいるかもしれないけど、それが本来私が目指したISって機体の完成形だからね。」

簪「………」

『………』

 

整備が終わったのか、他の生徒達も束の話に耳を傾ける。

 

束「あらら、来てたんだ。それじゃあ皆に質問するね。私が作ったIS(インフィニット・ストラトス)、その本来の使い方は何でしょーか?」

 

という質問に、

 

『………』

 

簪も含め誰も答えることが出来なかった。

 

束「ま、そりゃそうなるよね。ちなみに正解は宇宙空間での行動、でしたー。」

 

その言葉に目を丸くする生徒達。すると一人の生徒が

 

「あの、どうして宇宙何でしょうか?」

束「そりゃあ他の天体や惑星に降り立ってその星の資源とか知的生命体と出会うためだよ!だっていままでやってのけた人なんていないでしょ!?それを私が作ったISで成功させたなんてことになったらそれこそ夢があるってもんだよ!」

 

束のテンションの乱高下についていこれない生徒達。しかし、1つだけ分かったことがあった。

取っ付きづらいという噂は嘘なのだと。

なお、弐式はストライクヴルムのスラスターに夢現、山嵐、春雷を全部載っけてかつ支援機として動くようにして、左手に手持ち用ミサイルポッド、右腕に展開式の銃剣。両ふくらはぎに5連装ミサイルポッド2門と弐式の面影がほとんどなくなってしまった。

 

束「ま、やることはやったからあとは起動とその他諸々だね。それじゃあ更っち、乗ってみよう!」

簪「来て、打鉄弐式。」

 

そう呟く簪。光に包まれて新しい打鉄弐式をまとった。脚の部分も以前と比べて少しスッキリしているように見える。

 

束「よっし!起動成功!そこから飛んで!」

簪「え、ええ!?」

束「私たちが完成させたんだし、それくらいやってほしいな~?」

簪「え、あ、はい!行くよ!」

 

そういって空中に飛び上がる。水平線が見えた。

 

簪「すごい…」

 

海の綺麗さに見とれている簪。地上はというと、

 

束「よっっし!飛んだよ皆!!」

「やったああ!!」

「なんか感動するね!」

「涙出てきた…!」

 

大騒ぎであった。

その後、戦闘訓練も行って地上に戻ってきた簪。それを迎える束達。

 

束「はーいお疲れさま!どうだった?」

簪「ちょ、ちょっと休憩、させて、ください…」

束「うむ!」

 

ドヤ顔して腕を組む束。水を飲んで息を整え、簪がいう。

 

簪「あんなにハードにする必要ありました…?」

束「日本代表候補生なんでしょ?それぐらい軽くやってもらわなきゃねぇ~」

簪「」

 

フリーズした簪。ちなみにその戦闘訓練が、

レベルⅠ:発射されたミサイルをどんな武器使っても良いから撃ち落とす。撃墜率95%以上(発射弾数20発)

レベルⅡ:発射されたミサイルを山嵐、手持ちミサイルポッド、5連装ミサイルポッドのみを使って撃ち落とす。撃墜率90%以上(発射弾数50発)

レベルⅢ:発射されたミサイルをさっきの3つのフルバーストで撃ち落とす。しばりとしてフルバースト後に発射した全てのミサイルをマニュアル操作化して撃ち落とす。撃墜率85%以上。(発射弾数100発)

と、レベルⅢだけ遥かに難易度が高い内容だった。

 

束「これだけやっちゃえば、問題ないね!」

簪「す、既に疲労が…」

束「さあ、あとは箒ちゃんとの「大変ですー!」ありゃ?」

 

誰かが酷く慌てた様子で走ってきた。その影が明らかになった。真耶であった。

 

真耶「あ、篠ノ之博士。少し耳を貸してもらっても…」

束「んー?…!?」

 

驚愕した表情に変わる束。そして今いる生徒達に指示を出す。

 

束「更っちは私と一緒に来て!他の皆はー…おっぱい魔神についてって自分達の部屋で待機!ぜぇったいにその部屋から出ないでね!」

簪達『はい!』

真耶「お、おっぱい魔神!?」

 

そういって簪を連れていく束。その顔は我が子を心配する母親の顔みたいだったと後に簪は語っている。

そしてこの事件が1つの転換点であることなど知る由もなかった。




次回、作戦開始。

次の章は誰の視点から?

  • 一夏
  • シャル・クロエ
  • 黄牙
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