ノア内 アナライズルーム
エム「着いたぞ。」
エムに案内されてアナライズルームに到着した黄牙。
黄牙「エム、さん?」
エム「エムでいい。あと口調も砕いてくれ。なんだ?」
黄牙「どうやって蟹座のことを…」
エム「どうと言われても、声が執拗に聞こえたからとしか言えんが…」
黄牙「………」
エム「どうしたファング。」
自分、セシリア、ラウラ、束以外に十二宮(+13番目)ISの声を聞くものがいた。その事実を受けて考え込んでしまう黄牙。
黄牙「これで、五人目…」
エム「??」
黄牙「…何でもない。」
エム「そうか。それでは入るぞ。」
エムが扉を開けると、PCが何台も並んでいる。何本か接続端子のついたコードも見受けられる。
黄牙「セットする場所は…ここか。」
そういうと黄牙はまず待機状態の自身のISをセットした。
黄牙「えーと…腕に小型の実体剣、頭部レーザーバルカン…頭部がバイザー型になったことで情報処理能力も上がっている…粒子砲は無くなったのか。スラスターにレーザー砲が追加されても性能がアップしている…拡張領域には変わらずフェニックキャノン…ん?」
エム「何かあったのか?」
不思議そうに画面を覗き込んでくるエム。
黄牙「いや、俺の機体にも単一仕様能力が追加されてな。ちょっと驚いただけだ。」
エム「…どんな能力だ?」
黄牙「え?」
エム「ど ん な 能 力 だ ?」
なぜか目をキラキラさせながら威圧するかのような言葉遣いをするエム。そんな様子に気圧されたのか、
黄牙「分かった、分かったからその期待してるのか強制してるのか分からん状態を何とかしてくれ…」
エム「そんなに分かりづらかったか?」
黄牙「…あとでスコールさんとこに相談しにいくか…」
そう言ってディスプレイに単一仕様能力を投影していく。
エム「
黄牙「俺のストライクヴルムは元々拡張領域にあるフェニックキャノンを使って
エム「む、…これは!?」
投影したディスプレイに映し出されていたのは、カラーリング、武装が異なる3機のルナテックヴルムだった。
エム「武装の切り換えをISごと行う…のか。」
黄牙「大体はそうだな…ブレイヴ状態から他のブレイヴに換装出来る…つまり戦闘中に別の戦闘スタイルの機体になれるってところか…?」
エム「その3機は識別名とかは無いのか?」
黄牙「ちょっと待ってろ…ああ、あった。」
3機の識別名を載せていく黄牙。
エム「紫色のが『ルナヘイズ』、後ろのスラスターが変わっているのが『ルナジェット』、赤いのが『ルナランサー』…高機動系は共通しているようだな。」
黄牙「ここから詳しい情報を得るには戦闘訓練がいいんだろうが…そうもいってられないな。スコールに任された任務もあるし。エム、蟹はいまどこにある?」
エム「アナライズルームに剣がひとつあるだろう?それだ。」
黄牙「…マジ?」
そう言って部屋を見渡すと確かにあった。鞘がないのか空気にさらされている。
黄牙「…エム、お前が開放してみてくれ。」
エム「??」
黄牙「あー…まあ、頼む。」
エム「…まあいいが。」
そう言われて黄牙から蟹座のマークが緑色に光っているカードを渡される。
エム「かざせば良いのか?」
黄牙「まあ、それでいいと思うが。」
エム「曖昧だな…」
呆れたような声を出すエム。剣に近づきカードをかざす。すると光が部屋を包んだ。
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エム「ここは、どこだ…」
黄牙「ああ、なるほど…」
??「ようやく姿を見せたか。」
エム「誰だ!」
声の主にエムはそう言い放つと、袴を着た男がそこにいた。
キャンサード(以降サード)「我は十二宮Xレアが1人、巨蟹武神 キャンサード。汝と以前から言葉を交わしていた者だ。」
エム「お前が…」
黄牙「やっぱりそうか。」
サード「む?そこにいるは星の守人か。どうやら既に三人…いや四人いるようだな。」
黄牙「ああ。双子座の次がお前だ。」
エム「それでキャンサード、とか言ったか。どうして私をここに連れてきた。それになぜ私と話をした。」
キャンサードを睨みながら質問するエム。それについてキャンサードは
サード「何、汝という存在の核を知りたくなっただけだ。それ以上でもそれ以下でもない。話したのは単なる暇潰しよ…なあ、織斑マドカ?」
エム「!!」
黄牙「え…まさかの隠し子…?」
織斑マドカという名前をバラされたエムに、驚く黄牙。
エム「貴様…何故ここでそれを言った?」
サード「秘密にしたところでいずれ明るみになるのは時間の問題。それが少しばかり早くなっただけよ。」
エム「……」
キャンサードの言葉に黙ってしまうエム。
黄牙「だからちーちゃんに似てたわけだ…」
サード「星の守人よ。」
黄牙「ん?」
キャンサードが黄牙に話しかける。
サード「双子座…ジェミナイズと我と共にいる十二宮は魚座だ。だが、今までとは訳が違うぞ?」
黄牙「え、何…どゆこと…」
サード「帰れば分かることだ。それとマドカ。」
マドカ「…何だ。」
伝えることがありそうにマドカに話しかけ直すキャンサード。
サード「星の守人が死んだという扱いを受けた今、護衛が出来るのは汝しかおらん。その事、努々忘れるな。」
マドカ「分かっている。」
サード「ならば行け。これから先は動乱が暫し続く。しかと守り抜いて見せろ。」
マドカ「お前の力を借りるかもしれないが、それでもいいんだな?」
サード「無論だ。」
マドカ「…ああ。」
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話を終えて辺りが光りだす。それが晴れるとアナライズルームに戻っていた。さらに
マドカ「何故薬指…剣がなくなっている?」
黄牙「さてな。…それはずせそうか?」
マドカ「…いや、このままでいい。ファング、お前の名字を借りるぞ。」
黄牙「え、何で?」
困惑する黄牙にマドカは言う。
マドカ「織斑という名字が私にあっていないように感じた。只それだけだ。」
黄牙「…はいよ。」
マドカ「それはそうと、魚座だ。」
黄牙「魚座…どっかの魚が対象…ってことはないよな。」
キャンサードが話した訳が違う魚座。これが意味するものを考えていると扉が開いた。
オータム「ファング、エム!任務来たぜ!」
エム「…随分なはしゃぎ方だが、どんな任務だ。」
任務内容を確認するためにエムが聞く。タブレットPCを使って確認するオータム。
オータム「えーとだな、1か月後に女権団の持つ戦略級衛星の破壊だってよ!」
黄、エ「「??」」
オータムの口から放たれた言葉に、二人は首をかしげた。
次回、操縦者の操縦者による操縦者のための機体の解析。