待ってて下さった皆様に感謝申し上げます。
黄牙「女権団の戦略級衛星の破壊?何だってそんなことを…」
エム「…まさかIS学園に撃ち込むなどというアホなことをしでかす気か?」
エムが自身の推測を語るとオータムは
オータム「らしいぜ。向こうは夏休みで人手もあまり無い所を突く…のはまあ分かるんだけどよ、織斑一夏っつー女権団の目の上のたんこぶがいるタイミングで撃った方がいいんじゃねーかって思っちまうんだが…」
オータムの意見に黄牙が
黄牙「男がいるのに干渉出来ない所がある時点で女権団にとっては面倒になったんだろうな。まさか自分等が作った実質男人禁制の場所にイレギュラーが入るなんて思いもしなかったんだろう。随分とやり方が強引になってきてるのは俺の死によるものだし。それに…」
エム「それに、なんだ?」
黄牙「いや、なんでもない。」
黄牙(まさかこんな形でたばちゃんの夢を叶えることになるとはな…)
オータム「とにかく準備はしないとだしな。解析は全部終わったのか?」
任務についての話が終わると、オータムが聞いてきた。
黄牙「
オータム「…??」
黄牙「…蟹座と双子座はまだだ。」
オータム「あー!名前か!」
エム「気づくのが遅い…ともかくどちらから先にやるんだ?」
黄牙「んー…ジェミナイズからだな。エムは
エム「了解だ。」
黄牙はルナテックヴルムを解析装置から外し、ジェミナイズを設置した。
黄牙「さてと…何だ、こりゃ。」
エム「どうした?何か面白い機能でもあったのか?」
黄牙「……前面と背面を切り替えられる。」
エ、オ「「は?」」
驚きの機能を持っているジェミナイズにすっとんきょうな声を出してしまう二人。
エム「…驚いていても仕方ない。機体データを表示してくれ。」
黄牙「りょーかい。まずはこっちから。」
ディスプレイに投影されたのは黄色と白のカラーリングのピエロみたいな機体だった。
オータム「随分とまあ…派手な機体なこって。」
黄牙「この状態の機体名はジェミナイズ・カストル。掌に武装されているビーム砲はワサト、脚部と足底部にあるスラスターはティジャート・アルジール。スラスターはもう1つの形態でも変わらないらしい。」
エム「ほう、ではもう1つの状態の機体を出してくれ。」
黄牙「ほいほいっと。」
ジェミナイズ・カストルの右側に黄色と黒のジェミナイズが現れる。
黄牙「えーと…こっちの状態はジェミナイズ・ポルックス。両手の外側に装備されているレーザーブレードはそれぞれプロプス、ジースイ…とさっきの脚部、足底部のスラスターだな。」
オータム「派手なわりに随分とシンプルな武装してんだな。」
黄牙「そうみたいだが…まあとりあえず、これでジェミナイズの解析は終了だ。エム、キャンサードを借りるぞ。」
エム「ああ。」
ジェミナイズを装置から外して黄牙はそれをポケットに入れる。エムからキャンサードを借り装置にセットして、解析作業を始めた。
黄牙「ええと………」
エム「また何かあったのか?」
頭を抱えて沈黙する黄牙に話しかけるエム。
黄牙「……見ればわかる、か。とりあえず表示するぞ。」
エム「おい、何を言って……は?」
ディスプレイに表示された情報を見て意味が分からないという雰囲気で言葉を発するエム。
オータム「武装は《星鋏 アクベンス》…だけだあ!?」
黄牙「あと拡張領域の《巨蟹刀 カニキリ》という、超インファイト型の機体だが…ん?」
オータム「どしたよ、ファング?」
黄牙「キャンサードとカニキリに何か
まずカニキリのみをディスプレイに表示し、特殊技能について解析する黄牙。表示されていくそれを見る二人。
オータム「あ…?IS1機の挙動を20分の1の速度まで低下させる衝撃波を放つ。その3分後に半分に減衰、さらに3分後に元に戻る…地味にヤなアビリティだな。」
エム「ああ。キャンサードの方も出してくれ。」
そう言われてキャンサードを投影し、詳細を出す。
オータム「………」
エム「…おいファング」
黄牙「先に言っておくが、調べた結果としてのデータしか出していないからな?」
オータム「だからってなあ…!」
驚きが限界突破した様子のオータム。
オータム「相手が防御体制の時ふたり以上じゃないとISコアにダメージが入るってのはどう考えてもおかしいじゃねーか!!」
キャンサードのアビリティのインチキ度合いに噴火してしまった。苦笑しながら黄牙は
黄牙「…初見殺しには打ってつけだろ?」
オータム「それにしたって限度があんだろうが!!それに同じ十二宮のISにそのアビリティが付与されるとか何と戦争をおっぱじめる気だ!!」
エム「落ち着けオータム。」
オータム「ああ!?」
エム「……先に進まん。」
オータム「…わりぃ。」
エムのもういっぱいいっぱいな声にオータムのテンションも沈静化した。
黄牙「とりあえずこれで解析終了だな。」
オータム「おいエム、先に進むが何だって?」
エム「言うな…」
黄牙「後はその衛星までどうやっていくか、だよな。」
エム「そこはスコールが何とかしてくれるだろうがファング、その紫色に光っているものはどうにかならんのか?」
黄牙「ん?…あ!そうだこいつもだった!」
オータム「は?」
エム「おいまさか今までそいつの指輪化を忘れていたとか言うんじゃあるまいな?」
黄牙「………」
図星のようで口笛を吹く素振りを見せる黄牙。
エム「 お 前 は ど う し て そ ん な 大 事 な 事 を 今 の 今 ま で 忘 れ て い た !? 」
黄牙「場所が変わったのと解析に夢中で…首絞めないでぐええ…」
オータム「まーまー解析は終わったわけだしよ、スコールんとこ戻ろうぜ?」
エム「ぐぬぬ…それも、そうだな。いくぞファング。」
黄牙「死ぬかと思った…」
エム「動作確認の時覚悟しておけよ?」
黄牙「」
死んだような顔をしている黄牙、ふんすといった感じでやる気満ち溢れるエム、やれやれといった感じで二人を見るオータムが一緒に艦橋に戻っていった。
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スコール「私たちを見つけて何をしたいのかしら?」
ナターシャ「話してくれないとこちらとしても対処しようが無いのだけれど…?」
???「………」
スコール「あくまで黙秘、というわけね。」
オータム「戻ったぜー、って誰だよそれ?」
スコールと見ず知らずの誰かが艦橋にいた。メイド服にしてはあちこちがボロボロで赤く長い髪も枝毛がある。が、黄牙を見るやいなや驚愕の表情を浮かべた。
???「まさか、そんな…!?」
スコール「あら戻っていたのね。」
エム「はあ…また何か巻き込まれたか。」
黄牙「ん?…あー…」
黄牙を困ったように見るエム。
黄牙「えーと、とりあえず名を名乗ってくれないか?」
???「はっ!?…も、申し訳ありません…」
何か考え込む様子のメイドに話しかける黄牙。
ナターシャ「彼女、何聞いても答えてくれなかったのよ。」
黄牙「え、そうなんですか?」
???「…貴方様が生きていらっしゃったと分かった今、黙秘権を行使する必要は無くなったようです。」
5人「「「「「??」」」」」
そういってメイドが立ち上がりスカートを軽く持ち上げお辞儀をする。
チェルシー「私はチェルシー・ブランケット。セシリアお嬢様に仕えるメイドでございます。」
黄牙「え…」
チェルシー「今回、アニング・プロテクターズの皆様にお願いがあって参りました。」
ス、エ、オ「「「………」」」
姿勢を戻してそう言うと彼女は沈痛な表情で
チェルシー「私の妹を助けていただけないでしょうか…!?」
こう発言した。
次回、乱入の深青、その経緯。