黄牙「あの威力は想定外だったんだが…」
束「まさかあんなになるなんてねー。お陰でメンテに時間かかっちゃってしゃーないし。」
アル『普段の使い方と違うもの!ぜーんぶ攻撃に使えばこんなものよ!』
ノア船内の黄牙の自室にて話しているアルレシャと黄牙、そして束。どうして2人(と1機)がいるのか。それには訳があった。
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衛生兵器エクスカリバーを粉々にするために使われたピスケガレオンの武装である
特に、オータムがエクシアをISを起動させたまま担いでいたため、爆風の影響をもろに受けてしまった。
オータム「ああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
スコール「オータムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!??」
黄牙「嘘だろ…ってスコールさん!早く追い付かないと!あのままだとどこ行くか分かんないですよ!?」
スコール「はっ!そ、そうね。早くいかないと…!」
束『心配無用ってやつだよおー君!』
束からの通信が二人に入る。
束『なーちゃんが羽全部使ってどーにかこーにか受け止めたから安心して戻ってきていいよ!』
黄牙「グッジョブたばちゃん!ありがとう!」
束『ちゃんとなーちゃんにも言うんだよ?そこの金ぴかもだからね!』
スコール「いい加減に名前で呼んで欲しいんだけどねぇ…」
黄牙「まあ、対象に入ってる時点で秒読みだと思いますけど…」
束『返事は!?』
黄・ス「「は、はい!」」
そうして任務は終了し、ノアにたどり着いた。のだが、
アル『このままで良いじゃないのー!』
レーヴ『ノー!』
黄牙「そうは言ってもだな…」
何とアルレシャが駄々をこねてしまった。レーヴァティはそれに倣っているだけのようだが。
アル『空中船よ空中船!船にのって空を飛びたいと思わないの!?』
レーヴ『ノー?』
オータム「んなことしたら幽霊船と間違われるぞ。」
アル『私達ボロっちくないもん!』
レーヴ『ナーイ!』
見かねたスコールが
スコール「あら、じゃあ次の任務は休みにしちゃおうかな~?」
エム「次…?もうでたのか。」
アル『え!?』
レーヴ『エー?』
スコール「次も活躍したかったら…良い子の二人は分かるわよね?」
アル『むー…じゃあ守人か兎のところにいつもいても良い?』
スコール「良いもなにもそのつもりよ。ちゃんと待機状態で、ね?」
アル『…分かったわ。絶対呼びなさいよ!』
レーヴ『ヨンデー』
スコール「ええ、もちろん。」
スコールの発言を最後に、ピスケガレオンは魚座のマークが特徴の指輪に戻った。しっかり黄牙の手元に戻っている辺り本当に活躍したいようだ。
ナターシャ「手慣れてるのね。」
スコール「これくらい余裕よ。じゃ、戻りましょうか。任務については私とオータム、あとチェルシーの三人でやるわ。」
チェルシー「は、はい!お任せください!」
オータム「だーよなぁー…あーメンドクセ…」
スコール「量増やすわよ?」
オータム「あー!なんか急にやりたくなってきたわ!そんじゃ行ってくるわ!お前らしっかり休めよ!」
チェルシー「では私も。この度は本当に、ありがとうございました!」
一礼しオータムとスコールの後を追っていった。
ナターシャ「さ、部屋に戻りましょ?エクシアは?」
エム「奴なら
束「束さんが弄ってようやく2週間かあ…医療技術もかじっとくべきだったかな?」
エム「…やはり、こうして話すとよくわかる。噂など当てには出来んな。」
黄牙「でしょ?」
エム「ああ。」
少し微笑みを見せるエム。黄牙と束に向き直り、
エム「これからは次の任務まで休暇だ。船内のプレイルームには暇潰しの道具がこれでもかとある。暇をもて余したらそこに行くと良い。ではな。」
黄牙「ああ!」
ナターシャ「あ、そうだ。言い忘れてたことが1つ。」
そういうとナターシャは黄牙に近づき耳元で
ナターシャ(しっかり甘えて甘えさせなさい。邪魔しないから、ね?)
黄牙(…分かってますって。)
ナターシャ(ならよろしい。)
怪訝そうにナターシャを見る黄牙。
束「…もういいでしょ!束さんのおー君から離れて!」
割って入った束。どうやら良い雰囲気に見えていたようで、ちょっと嫉妬しているようだった。
ナターシャ「ふふふ、じゃあごゆっくり~」
手を振りながら船内に戻っていった。
束「やっぱりおー君監禁した方がいいかな?かな?」
黄牙「そんなんじゃないから。部屋戻るよ。」
束「待ってよー!」
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要するにイチャコラしに来ただけである。ケッ。
アル『ちゃんと呼ぶんでしょうね?』
黄牙「スコールさんは約束を守る人だからね。あのときもぶん殴る約束してちゃんと受けてもらったし。」
束「え、何それ。束さん知らない。」
黄牙「…知らなくて良いこともあるんだよ?」
束「ぶー。おー君のケチー。」
黄牙「ケチで結構。」
アル『…じゃ、戻るわね。』
黄牙「ん?おう。ありがとうな。」
指輪から光を明滅させていたがやがて光らなくなった。最後に交わした言葉が若干トーンダウンしていたのは気のせいだろう。きっとそうだ。
黄牙「………」
束「………」
換気扇が回る音しか聞こえてこない。何故なら、お互いにお互いを気遣っているためである。
黄牙は束がメンテナンスの作業をしているから、束は黄牙成分を吸引したいのを抑えて、しっかり休んでほしいと思っているのだ。数分の間を開けて、黄牙が呼び掛ける。
黄牙「…ねえ、たばちゃん。」
束「…んー?」
黄牙「ちょっとこっち来て。」
束「んー。」
呼ばれるがままに束が向かっていく。距離が近づく二人。
黄牙「……やりたいことがあるんだけど。」
束「ん、いいよ。」
黄牙にされるがままに体を預ける束。お姫様抱っこの体勢になって、ベットに腰掛ける黄牙。彼の首に手を回してお互いの顔が近くなる。黄牙の太腿の上に束が乗る形になった。顔を少し赤くして至近距離で話す二人。
束「覚えてたんだ。」
黄牙「もちろん。」
束「…別に忘れてても怒んないのに。」
黄牙「僕がやりたかったから。ダメ?」
束「…ズルい。急に年下モードなんて。」
黄牙「兎を捕まえる為には手段は選ばないから。」
束「まーったくもー…1つ勘違いしてるよ、おー君。」
束が頭を寄りかからせ、上目遣いで優しく続きを話す。
束「兎だって、私の牙をほったらかしにはしないからね。それこそどこにあってもね。」
黄牙「…身にしみて分かってる。」
束「…はい!シリアス終わり!うりゃりゃー!」
黄牙「えっあ、ちょ、くすぐ…ったい…!」
首をくすぐられるもどうにかこうにか笑いをこらえている黄牙。
束「しばらくはこうだもんね!心配させたぶん思いっきり注入させてもらうからね!」
黄牙「ひぇ…待って…そろそろダメ…限界!」
束「さあさあ!思いっきり笑うのだ!おりゃー!」
くすぐる手を止めない束。ついに
黄牙「あっはははははは!!も、もうやめてー!笑い死ぬー!!」
束「まだまだー!首の次は脇腹だー!」
黄牙「ほ、ホントに、ダメだって、ひゃははははは!!」
その後3時間、エムが迎えに来るまでいろんなところをくすぐり続けたようだ。
その日の夜。スコールが誰かと電話していた。
スコール「今回の件。ご協力、感謝いたします」
??『いえいえ。当然の事をしたまでですよ。』
スコール「彼女は…レインは元気ですか?」
??『勿論。…今はまだ偽名、ですが。』
スコール「いつか本当の名ですごさせてあげたいのですけれどね。」
??『その為に、戦っているのでしょう?』
スコール「…はい。」
??『なら、成就するその日までそれを貫くべきだ。迷うこと無く、ただ真っ直ぐにそこに向かって進みなさい。』
スコール「…ありがとうございます。こんな小娘にもったいないお言葉です。」
??『貴女が小娘など微塵も思っていませんよ。彼とまた会える日を楽しみにしています。』
スコール「はい…ではまた。」
そう言って電話を切るスコール。
スコール「…今回の任務、あの人の力がなければ、達成はおろか妨害によって間に合わなかったかもしれない…」
夜空を見上げ一人呟くスコール。
スコール「轡木 十蔵…いや、くつっち先生、だったかしら。ふふっ。」
言葉にして放たれたその名は、かつて黄牙が在籍していたIS学園の長であった。
次回、interval 2。