シャル「どう、クロエ?」
クロエ「…ダメですね、ロストしました。」
IS学園地下。そこには12のモニターとコンピュータがある。その場所は以前束が使っていたラボとよく似た施設であった。
シャル「魚座、蟹座、双子座の反応は掴めたけど、それからはまったく音沙汰無し…キツいなあ…」
クロエ「お父様亡き後に立て続けに3つの星座が開放されたことを考えれば…」
―――
その結論は二人の共通の認識だった。そこへ、
??「よ!」
??「お、お邪魔します…」
一組の男女が入ってきた。
シャル「あ、一夏に簪ちゃんだ。どうしたの?」
一夏「ちょっと簪の機体で見てほしいデータがあってな。」
簪「メンテナンスの施設が全部埋まってたから、ここに頼りに来ました。」
シャル「夏休みは整備も多くなるもんね。クロエ、どこか空いてるとこあったよね。」
クロエ「はい。では、正面右ののISベースでお願いしますね。」
シャル「後でお菓子持ってくね。」
一夏「おう、ありがとな!」
??「お菓子!」
シャル「うわっ!?」
簪「…本音…」
お菓子と言う言葉に釣られて出てきたのは布仏 本音だった。
本音「あ、えへへ~…」
簪「…どうして着いてきたの?」
本音「やー、楯無っちゃんに心配されてさ~。根を詰めすぎじゃないかーとか、一夏くんめぇ……!とか。」
一夏「え、俺?」
簪「はあ…まったくお姉ちゃんは…本音」
本音「心配ご無用!って伝えればオッケー?」
簪「うん。ちゃんと2学期が始まる前に微調整も終わらせるっていうのも一緒に。」
本音「りょーかーい!あ、お菓子はもらってくねぇ~。」
そう言ってシャルロットが持ってきたお菓子の1つであるチョコパイを貰って去っていった。
一夏「ちゃっかりしてるなあ…」
簪「そういう娘だから、ね。」
一夏「こうしちゃいられない。早く行こうぜ!」
簪「ちょ、手をつかまないで…」
満更でもない様子の簪。それに気づかない一夏。その様子を見ていた二人は
シャル「まーったく一夏は…」
クロエ「いや、多分あれは落ちてませんよ。」
シャル「え?」
クロエ「簪さんはもしかしたら…」
簪(少女マンガっぽい…!有り!)
クロエ「こんな感じで考えているのでは?」
シャル「え、ええ…ホントに?」
クロエ「会う頻度を考えればこうなると思いますが…」
シャル「……ソウダネ。サギョウニモドロウカ。ア、クロエサンハフタリノデータトッテオイテネ。」
クロエ「何故カタコトなんですか!?」
ツッコんだクロエをよそにシャルロットは十二宮ISの捜索を再開した。
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一夏「…一緒に来たのは良いんだけど、俺何かやることあるのか?」
簪「正直に言うと、無い、かな。」
一夏「デスヨネー…あ、そうだ。簪さんの姉さんとはもう仲直りしたのか?」
簪「うん。あの時もなぐさめて貰った。今はちょっとストーカーじみてるのが怖い。」
一夏「あ、あはは…それは、何と言うか大変…だな?」
簪「…まあね。でも、あの出来事がなかったら、こんな風に甘えたりとか出来なかったと思う。」
一夏「俺と黄牙がメンテナンスしてたとき、だっけ。」
簪「どうしてうろ覚えなの…」
一夏「…色々ありすぎたからな。」
簪「…うん。」
そして思い出される、あの音。忘れることのできない現実。
一夏「今黄牙がいたら、どんな風にこの夏をすごしたんだろうな。」
簪「そうだね。星守君がいないから、オルコットさんも大分追い詰められてるみたい。」
一夏「セシリアが?…ああ、このところ箒が相談しに来たのってセシリアのことだったのか。」
簪「篠ノ之さん、なんて?」
一夏「…幼い頃の自分を見ているようだ、だってさ。」
簪「…?」
一夏「えっと、力だけを求めている状態って言えばわかるか?」
簪「それは重症。」
一夏「…だよな。」
あまりに簪の反応が早く、少し反応が遅れた一夏。すると、扉をノックする音が聞こえた。
一夏「はーい。」
クロエ(クロエです。データを取りに来ました。)
一夏「あ、分かりました。今開けます。」
ドアを開け、クロエが入ってくる。
クロエ「簪さん。そのデータと言うのは…?」
簪「えと、これです。」
画面に表示される打鉄弐式・改。そこに映っていたのは、
クロエ「…積載量オーバー、ですか。」
簪「どうにかして軽量化したいんですけど、どうしたら良いか…」
クロエ「IS学園は設備はあっても投入できる資材は少ないですからね。これは、外部から発注する必要がありますが…」
そういうと簪が
簪「マイクロミサイルとかあったりしますか?」
クロエ「……無い、と思います。」
簪「ですよね……」
クロエ「………」
気まずい沈黙が場を包む。
クロエ「しばらくは追加武装のミサイル類と、夢現を取り外すという形で対策をとりましょうか。」
簪「あ、はい分かりました。すみません。」
クロエ「いえいえ。気になさらないでください。ではこれにて失礼致します。あと長居はお控えくださいね。」
一・簪「「あ、はい。」」
こうして時間は過ぎていく。夏休みの後にくる、とんでもイベントの時期もそこまで迫っていた。
次回、新章。2学期スタート!