IS 13の星座の守り人   作:Scorpion

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夏休みにやってしまった経験、一度はあると思うんです。


4章 陽と月は交差する
1話 夏休み明けと言えば…?


夏休みが明けた。それはつまり、

 

一夏「宿題おわってねええええええええええええ!!!」

 

絶望の幕開けである。

この男、夏休みの課題の存在を夏休み開始3日目で忘れてしまっており、その日から訓練にISの調整(簪やラウラに教わりながら)をしていた結果、筆記課題に一切手を付けていなかったのである!

 

箒「おはよう…朝から騒々しいぞ、一夏。」

一夏「箒!今日提出の課題ってどれだ!?」

箒「全部だ。」

一夏「神は俺を見捨てた!!」

箒「………」

 

うなだれ意気消沈の一夏を可哀想なものを見る目で眺める箒。

 

一夏「ほ、箒は終わってないよな…?」

箒「初日に終わらせたが。」

一夏「そうですか…」

??「おはよう、朝から事件の予感がするな…」

??「先程の叫び声が外まで聞こえましてよ?」

 

教室に入ってきた金髪ロングのお嬢様と銀髪ロングの眼帯娘。セシリアとラウラである。

 

一夏「いや、絶望にうちひしがれているだけだから心配しないでくれ…」

セシリア「え、ええ…何がありましたの…」

ラウラ「大方夏休みの宿題とやらを忘れたのだろう。」

セシリア「ああ、それで…」

箒「…まったく、忙しいのは分かるが、時間くらいあっただろう。」

一夏「えと、それがですね…」

 

一夏は全て話した。それを聞いた三人は

 

箒「それはお前が悪い。」

セシリア「頭に花沸いていらっしゃいますの?」

ラウラ「言ってくれれば切り上げたというのにこいつは…」

一夏「オルコットが一番辛辣!そこまで言うことないだろ!?」

セシリア「だとしても忘れるとは一体どういう記憶力してますのよ!」

一夏「うぐ…おっしゃる通りです…」\キーンコーンカーンコーン/

 

話しているうちにHRの予鈴がなった。

 

真耶「皆さーんおはようございます~。今日から2学期が始まります!授業の内容もより専門的になってきますから、分からないことがあったら気軽に聞いてくださいね!そして連絡事項を織斑先生、よろしくお願いします。」

千冬「はい。諸君、2学期の最初のイベント、何だか分かるか?」

 

するとあちこちから声が発せられる。だがイベント内容の予想ではなく、

 

「夏休みマジック何てなかった…」

「締め切り…印刷…ふふふ…」

「ダメだ、すっかり落ち込んでいる!?」

「寮部屋のゲーム大会楽しかったあ!」

「エアスラッシュは悪い文明」

 

等々すっかり思い出語りになってしまっていた。

 

千冬「オルコットォ!

セシリア「ひゃいっ!?」

 

千冬が大声でセシリアを呼んだため、静まり返った。

 

千冬「2学期の?最初の?イベントは?

セシリア「ぶ、文化祭、ですわ…」

千冬「そうだ!文化祭まで時間がないというのにいつまでもいつまでもお前達は夏コミだ恋愛だポ●●ン大会だと…!!」

 

額に青筋を浮かべ、拳を握っている千冬。

 

箒(おい、一夏?何だか千冬さんの様子が…)

一夏(…福音戦の事後報告、溜まりにたまった仕事の処理に追われたせいで完全な休みが2日しかなかったんだってさ。)

箒(ああ…)

 

一夏と箒がコソコソ話をしていると、

 

ギュン!ドガァン!

 

何かが二人の間を飛んできて床に当たり粉微塵になった。チョークである。

 

千冬「織斑ぁ…篠ノ之ぉ…私語を慎めぇい…!!

一・箒「「は、はい!!」」

真耶「あ、あはは(これは織斑先生が伝えるの無理そうだなぁ…)…今回は文化祭でのクラスの出し物を決める時間をもうけます。昼休み後の2時間を使って生徒の皆さんで決めてくださいね!あと、宿題はHR終了後すぐに回収しますので、準備しておいてください!」

一夏「……終わった…」

箒「…骨は拾ってやる。」

 

そして正直に報告した一夏は授業が終わってから寮長室で全ての宿題が終わるまで寝ることは叶わなかったという…。

時は進んで五時間目。何故だか書記になった一夏と内容を取りまとめる議長の役になったセシリアが壇上に上がった。真耶と千冬は教室の後ろで座って様子を見るようだ。

 

セシリア「で、では。我が1-1の出し物を決める会議を始めますわ。どなたか意見のある人はいらっしゃいますか?」

 

すると、

 

「織斑君とポッキーゲーム!」

「織斑君と座敷遊び!」

「織斑君をモデルにデッサン!」

 

等々、一夏をメインに…というより一夏に比重がほぼ全ていっている内容しか出てこなかったのだ。

一夏は小声でセシリアに

 

一夏(ぜ、全部表示するのか…?)

セシリア(ま、どうにかして抑え込むので任せてくださいませね。)

一夏(お、おう…)

 

教室前方にある黒板と同じくらいの大きさのモニターに挙げられた内容が表示されていく。

 

セシリア「では、織斑さん。全却下で♪」

 

「「「「「ええええええええええええええええ!!!」」」」」

一夏「お、おう!」(ふぃーあぶねえ…良かったぁ)

 

セシリアによって即座に消された。心なしか一夏は安堵している。

 

「な、何故だぁ!」

「私のプランは完璧だったはず…!?」

「異議有り!これでは議長の独裁だ!何故却下されるのか理由を述べるべきです!」

 

セシリアに向けられるブーイング。そんなセシリアだが、

 

セシリア「では、問いましょう。貴女達はこれで通したとして、シフトはどうするつもりでしたの?」

「そ、それはぁ…」

セシリア「これでは織斑さんが全ての時間にいなければならなくなってしまいますわよね?休憩時間など、それはどうされるおつもりで?」

「え、えと、その…」

セシリア「そしてさらに付け加えれば…」

 

一度言葉をきり、人差し指を突き付け

 

セシリア「織斑さんは、見世物ではなくってよ!!」

 

凛として響いた声に心を叩き割られていく俗生徒達。

 

セシリア「私はちゃんとした意見の提示であるならこのような手段はとりませんわ。誰か意見のあるかたはいらっしゃいませんの?」

 

そして手が上がる。箒だ。

 

箒「喫茶店など、どうだろうか。」

セシリア「ふむ、ここに来てまっとうな意見が出ましたわね。」

 

さらに手が上がる。ラウラだ。

 

ラウラ「であればただの喫茶店ではなく、メイド喫茶が良いと思うのだが。」

「「「「「「「ぶーっ!?」」」」」」」

 

これには教室の全員が驚愕の色を隠せなかった。最も隠していたのが千冬なのだが心の中で

 

千冬(クラリッサだな、あいつめぇ…こんな時にまで私の胃を破壊しに来るんじゃない…!!)

 

こんなことを思っていたのは知る由も無いだろう。

 

セシリア「え、ええと…他に意見が無ければメイド喫茶になりますが…よろしいですね?」

 

クラスの反応はというと、

 

「奉仕される側ではなくする側…いいかも…」

「メイド服どこしまってたかなあ…?」

「1回着てみたかったんだよねぇ~メイド服!」

「食べ物の調達とかはレゾナンス内の食料品店で、かしら」

 

悪くない反応だった。だが

 

一夏「なあ、俺は何を着れば良いんだ?ま、まさかメイド服とか言わないよな…?」

セシリア「もちろん別ですのでご心配なさらないでください。皆さんの着るものは私の別邸で準備して前々日辺りに着ていただきます。それまでは所作をお教え致しますわ。」

一夏「お、おう分かった。」

セシリア「では、1-1の出し物はメイド喫茶に決定ですわ。」

 

拍手がおこった。そして、

 

セシリア「では、メイド喫茶にて出す料理についてですが―――」

 

議論はまだまだ続く。

―――――――――――――――――――――――――――――

円形のテーブルに女性五人が向かい合って座っている。

 

??「襲撃日時はいつ、ブレイン?」

ブレイン「9/12 土曜日の13:00。」

 

物腰が柔らかそうな女性が質問し、堅物そうな女性、ブレインが答える。

 

??「はっはぁ!ようやく暴れられるのか!待ちくたびれちまったぜ!」

 

楽しげに声を出す勝ち気そうな女性。

 

ブレイン「上空から量産したシリウスとプロキオンを投下してから私たちが出る。そういう手筈。」

??「我らの正当性を示す、聖戦なのよ!」

 

この場にいるリーダー格と思われる女性が熱をあげている。

 

??「随分と熱が入っているのね。」

??「これに熱が入らずしてどうします。」

??「…私は、あの国に復讐できればそれで良い。憂さ晴らしする相手に興味はないわ。」

ブレイン「こっちは冷静。対極的。」

??「…帰ってこないと分かっていても、成し遂げたいことがある。それだけの話よ。」

??「ほな、ウチは待機してますわ。積極的に動くの、面倒やさかい。」

 

気だるそうに座っている白衣を着た女性が喋る。

 

??「あ?んだよ、お前でねえのかよ。」

??「ウチの機体、対ISやのうて対人特化なの忘れてもうてるやろ。場所が広いと制御できんっちゅーことやし、隠し玉って言って欲しいわー、なあ、アームズ?」

アームズ「んなこたぁ覚えてなかったが…そーかよ、IS戦じゃ役立たずかよ、ドクター?」

ドクター「なんやクソガキ…?」

アームズ「今から闘るかァ!?」

??「止めなさい二人とも。戦力の低下は私自身望んでいません。」

アームズ「ちっ…」

ドクター「はーい。」

??「準備が整うまで自由時間よ。部屋で待機するなりすごしたいようにすごしなさい。」

??「そうさせてもらうわ。」

ブレイン「命令、了解。」

 

部屋を出ていく、小柄で眼鏡をかけたブレインとモデルのようなスタイルの一人の女性。

 

アームズ「シミュレーター使うぜ。体が疼いておさまりやしねぇ。」

ドクター「ウチも作業に戻りますわ。ほな、またな~。」

 

さらに部屋を出ていくアームズと呼ばれた女性とドクターと呼ばれた女性。

 

??「待っていなさい、織斑一夏…!神聖なるISが男も使えるというくだらない事象もろとも、葬り去ってあげましょう…!」

 

リーダー格の女性から怨嗟の声が発せられる。それを聞いているものは誰一人いなかった。

部屋を出た女性とブレイン。話ながらそれぞれの部屋に向かっている。

 

ブレイン「復讐を終えた後、貴女はどうする?」

??「…珍しいわね。貴女が質問するなんて。」

 

ブレインが質問したことに驚く女性。

 

ブレイン「じー………」

??「はぁ…答えるからじっと見ないの。…そうね、あてもなく世界旅行でもしようかしら。」

ブレイン「アテナの考えに賛同する。是非連れていって欲しい。」

アテナ「名前…って貴女どうしたの?そこまで私を気にかける理由でも出来た?」

ブレイン「……理由は不明。ただ、着いていきたいと、突発的に思考しただけ。」

 

突発的に思考(・・・・・・)。その言葉を聞いたアテナは

 

アテナ「ふふっ。じゃ、私の目的が達成されたら、一緒に女権団抜けちゃいましょっか。」

ブレイン「…うん。」

 

二人のようすはさながら年の離れた姉妹のように見えた。

 

IS学園襲撃事件まで、あと12日――――。




次回、どっちと回るの!?

※最後の方に出てきた女権団のメンバーはアテナを除いて全員オリキャラです。アテナが誰か、頭の中で予想してみてください。
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