楽しい楽しい(?)催しもあるようで…?
花火のように空気の破裂する音がする。色が見えずとも、その時は刻一刻と迫っていた。
「皆様、ついにこのときが来ましたわ…!」
「正直まだ少し恥ずかしいのだが…」
「ロング丈にしただけマシと思ってくださいな?本来は…」
「分かった!分かったからあの時の服はやめろぉ!」
何故だか円陣を組んでいるのは1年A組の面々(教師以外)。やたら気合いの入った様子のミニスカメイドセシリアと慣れない衣服に戸惑うロングスカートメイド箒。
「しかしクラスメイトの何名かは見ているのだろう?ならあれでも良かっただろうに。」
「そういう問題ではない!…ないんだ…」
「むむ…そうか。」
「でもラウラこそその格好で良かったの?」
メイドカフェにいそうな格好をしているのはシャルロット。そして…
「??なにか問題でもあるのか?」
黒いウサミミカチューシャをつけて、メイド服を着ているのはラウラだ。
「あるな。」
「うん、ある。」
「あるね。」
「な、なぜだ!?」
「ウサミミ銀髪眼帯ツインテロリミニスカメイドは属性盛りすぎでは?」
「ぞ、属性…??」
クラス中から総ツッコミである。一文だけでもかなりお腹いっぱいになりそうなものだが、そんな属性のバイキング、いや交通渋滞が存在してしまっているのだ。
「目立ちたいわけじゃないけど、正直、執事服の俺が霞んでないか…?」
「…まあ、その分負担が減ると思えばいいんじゃないか?」
女装メイド…ではなく執事服を着ている一夏。クラスメイトにメイド服を着させられそうになったが全力で拒否したらしい。そうこうしているうちに、全校にアナウンスが流れ始めた。
『これより、IS学園、学園祭を開催いたします。入場されるお客様は正面ゲートにございます、チケット読み取り機に進んだ後に、ご入場なさいますようお願い致します。』
「さあ、準備に入れ!ここから教師組は校内の巡回警備のため、各々が判断を下して出しものを成功させること!いいな?」
「「「「はいっ!!」」」」
千冬の檄が飛び、いっそう気を引き締めたA組の生徒たちはテキパキと準備を開始した。
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そして経過すること数時間……
「織斑くん!3番テーブルにカフェオレマカロンセット"甘い執事の癒しのご褒美"出してきてー!」
「分かった!…ってご褒美って何だよ!?」
「織斑くんがいつもやってることでいいから!!」
「ボーデヴィッヒさん!7番テーブルポッキーセット"ドSメイドのあーん付き"出たよー!」
「な、私にやれと!?」
「ご指名だからお願い!」
「くっ、こんなことならホール担当に立候補するのでは無かった…!」
「箒ちゃん!1番テーブル3種のカップケーキセット"恥じらい乙女の差し入れ風"入りましたー!」
「(これも、試練だ…精神を鍛えるための…!!)わ、分かった…!」
まごうことなき大盛況。追加料金を支払うことでオプションが追加できるとあって、外には大行列が出来ていた。なんともいかがわしさが拭えない形ではあるが。そして裏にてシフトの時間を待っているのは、セシリアとシャルロットだ。
「これはまた随分と盛り上がってるね…」
「やはり、追加オプションが覿面でしたわね…まさかここまでになるとは…」
「あれ、僕らもやるんでしょ?しかもお客さんからのアドリブで。」
「ここで引いては女が廃りますわ!!そろそろ交代の時間ですので、いきますわよ!!」
「あ、え、ちょ、待ってよー!(…まあ元気そうなら良かった、かな?)」
シフト交代のために走り出す二人。そんなときだった。
ドガアアアアアアアアアァァァァァァァァァンン!!
突如辺りに響いた爆発音。クラスにいた人間が顔を伏せる。
「な、なんだぁ!?」
「爆弾解体部のグラウンドステージじゃないの?」
「いえ、にしては音が大きすぎますわ!!」
「…まさか!?」
空から降ってきたのは四足で動くバイザーをつけたナニカだった。それも学園全体にばらまかれているようだ。それを窓からみたセシリアが
「…ヒッ」
「!おいセシリア!しっかりしろ!あれはアイツではない!」
「で、ですがあれは…あの、頭部の形状は…!!」
「アイツは二足、今回のは四足!さらに人が入るような形状や動きをしていない!」
「ィャ…イヤァ…!」
「くっ、父上ならもっとうまくやったのだろうが…!」
「オイオイ、腰抜かすのぁまだはえぇぞ?」
「「!!」」
いつの間にか教室にいた侵入者。屋内にも関わらず機体を展開している。
「貴様、どうやって!」
「至って簡単。オレも招待されテンだよ。…殺り合えそうなのぁ5、いや3かァ…!」
フルフェイスで顔が見えないが
「ま、舞台も整ってきた、オレも機嫌がいい。名乗ってやるかァ!」
「「!」」
まるでよく分からない理屈で吠えるナニカ。
「オラクル
「来るぞ、早く展開しろ!」
屋内で、民間人もいるなかでのIS戦闘が勃発する――!!
―――――――――――――――――――――――――――――
「彼女たちが動いたわ。準備をお願い。」
「「了解(あいさー)。」」
近海に船が出現する。それは客船、はたまた戦闘艦か。紫に輝きながら船は進む。彼らがいる、その目的地へ。
「久々だねえ…気分はどう、おー君?」
「まだ普通、かな。」
「
「間に合えば壊れ、間に合わずば別れり…だってさ。」
「どーしてもおー君に順風満帆にはいかせたくないみたいだねえ。カミサマってのは。」
「だからこそ、そんな運命を覆す。」
「自信家だな、お前。」
「…なんでいるんだよ、年増。」
「戦闘補佐と事が終わった後の仲介役だとよ、ガキ兎。」
「あ?束さんとおー君の2人だけで充分なんだけど?」
「…俺が頼んだ。それで納得して欲しい。」
「えぇーなんでよー」
「絶対言葉足らずで拗れる。それと俺たちはやることがある。」
「………渋々だかんな!し・ぶ・し・ぶ!!」
「強調しなくて良いっての。おらいくぞ!」
船から離れる機影3機。それは援軍か更なる敵か……今はまだ、知る由もない―――
突然の強襲に苦戦を強いられる福音討伐組の面々。
分断された一夏とセシリアに彼を思わせる機体が続々と群がっていく。
2方面に突如として現れる計3機のIS。彼らがみたものとは――
次回「星、現れる新龍」
恐怖に打ち克つのは、誰かが支えてくれるという事実。