ダイの大冒険の世界を念能力で生きていく   作:どか0623

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「いやー、話のわかる人で良かったよ」

 

 城下町の食堂で料理を待ちながら、笑顔で二人に話しかける。

 

「本当に、パプニカ王の懐の広さに救われたな」

「もう、二人とも。少しは反省しないと」

 

 マリンは呆れた様子で、俺とアポロをたしなめる。

 

「わかってるって、ちゃんと反省してるよ」

 

 マジで。もう二度と町中で霊丸は使わない。

 

「トーヤの責任じゃない。私がせがんだからだ。パプニカ王には、テムジン様を通じてもう一度謝罪するつもりだ」

 

 なんとも殊勝なやつだな。

 もう終わった話だってのに。パプニカ王は「子供のしたことだ」と笑ってくれたというのに。

 

 ……よく考えたら、マリンもイオとか使えるんだよな。

 子供に刃物を渡すのすら危ないのに、爆裂呪文が使える子供が三人も城にいるって、割とヤバいことじゃないか?

 

「お待たせしましたー」

 

 店員さんが、どんどん料理をテーブルに並べていく。

 きたきたー。

 

「ず、ずいぶんな量だね。食べられるの?」

 

 マリンが料理の山に目を丸くする。

 俺が頼んだのはミートソーススパゲティとグラタンをそれぞれ二人前ずつ。

 

 マリンとアポロはサンドイッチとコーンスープだけ。

 小食だな。ご馳走するって言ったのに、遠慮してんのか?

 

 やっぱり町の食事は良い。

 調味料がたっぷり使われてて、味がしっかりしてる。

 森での食事は味気ないからな。素材の味が活きてるって言えば聞こえはいいけど、俺は濃い味の方が好きだ。

 

 だから町での食事は本当にありがたい。

 ……引っ越してこようかな。

 

 というわけで、引っ越してきました。

 パプニカの町じゃなくて、その近くの森の中だけどね。

 

 岩壁にスコップで穴を掘って、洞穴みたいな住処を作ってみた。

 こういうのはこだわるタイプなので、きれいな四角柱みたいにして、壁にはランタンをいくつも吊るして明るくしている。

 

 やっぱり明るいと気分が違うよね。

 じゃあ、気分も変わったことだし――魔法の練習でも始めますか。

 

 石の壁ってこういう時便利だよな。わざわざ外に出て的を探す必要もないし。

 それに森の中じゃ、うかつにメラなんて撃てないしね。

 

 俺は精神を集中させて、手のひらを壁に向ける。

 

「メラッ」

 

 ……何も出ない。

 やっぱり魔力不足か? MPが足りなきゃ、呪文は発動しないよな。

 

 そういえば、『ダイの大冒険』の世界では、呪文の威力って調整できたよな。

 すごく弱いメラだったら出せたりするのかも。

 

 気合入れすぎてたかもしれない。もっと気楽に――人差し指を立てて、そこに小さな火が灯るイメージをして。

 

「メラ」

 

 ……ぽっ。

 指先に、小さな火が灯った。

 

 おおっ!

 これが、魔法か。軽く感動したぜ。

 

 ……でも、これだけか。これ、実戦で使える?

 

 まぁ、ムリだわな。

 アホくさ……。呪文は諦めて、念の修業に専念するか。

 

 紙とペンを用意して、『旧文字』を使って文字を書き込む。

 この『旧文字』、やたらと気を使うので時間がかかる。

 

「よし、できた!」

 

【同行(アカンパニー)】

・呪文の使用者を、行ったことのある場所か、会ったことのある人の元へ飛ばす。

 

 内容はうろ覚えだけど、大事なのは“効果”だから大丈夫だろう。

 外に出て実験してみる。

 

「アカンパニー、オン。パプニカへ!」

 

 ……何も起きないな。

 おかしいな。木刀の時はちゃんと能力が発動したのに。

 

 やっぱり、書いたことがそのまま能力になるなんて、都合が良すぎたか。

 あるいは、書き方に問題があるのか?

 

 グリードアイランドのカードが作れれば、サポートとして相当強いと思ったんだけどな。

 『同行』は、ほとんどルーラと同じようなものだし、放出系能力でも再現できそうだったから期待してたんだけど。

 

 ……これが発動しないとなると、他のカードなんて絶対ムリだわ。

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