ダイの大冒険の世界を念能力で生きていく   作:どか0623

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2 少女

 そろそろ「発」が欲しいなあ。

 

 転生してから二年半。ずっと念の修行ばかりしてきたけど、もうそろそろ覚えてもいい頃だろう。

 潜在オーラも、そこそこ育ってる気がする。きっと天空闘技場にいたズシよりは上じゃないかと思う。

 

 ……今、ちょっとバカにしただろ? でも、これでも結構頑張ってるんだぞ?

 

 ズシだって、ゴンとキルアが化け物すぎて目立たなかっただけで、作中ではかなりの才能持ちなんだからね。

 神様にチートをもらうとき、「ゴンとキルアくらいの才能が欲しい」ってお願いしたんだけど──。

 

 「素質はあげるけど、それを活かすセンスがないとズシくらいになるよ」って返された。

 

 センスってなんだよセンスって。やっぱあいつら、天才すぎるんだよ……。

 そんなわけで、俺の才能はズシレベル。まあ、ゆっくりやるタイプだからいいんだけどさ(震え声)

 

 さて、気を取り直して「発」を覚えようと思う。

 

 ということで、まずは水見式だ。

 近くの川から汲んできた水に、その辺で拾った葉っぱを浮かべて──両手を近づけて練を行う。

 

 すると、葉っぱがくるくると、ゆっくり回り出した。

 

 ……操作系かあ。ドラクエ世界で操作系って、どうなんだろう。強いのか?

 本音を言えば、強化系が理想だったんだけどな。

 

 あ、今のセリフ、クラピカっぽかったかも。

 

 まあいっか。操作系にもいろいろできることあるしな。

 よし、とりあえず能力を考える前に、「発」がもっとはっきり出せるよう修行あるのみだ。

 

 

 +

 

 

 来る日も来る日も、水の上の葉っぱを動かす。

 

 両手に凝でオーラを集めたり、指先に集中させたり。ただの水見式じゃなくて、工夫しながら実験も兼ねる。

 やっぱり、オーラを水に近づけたときのほうが葉っぱの動きが顕著になるな。

 

 それに、葉っぱを動かそうと意識を集中すると、さらに激しく回る。

 なるほど。やっぱ「念」って言葉通り、念じることが大事なんだな。

 

 ──そうだ。これを使って、食料の採取をやってみよう。

 

 葉っぱの動きを見てふと思いつき、外に出る。

 

 果物が実っている木の下まで行って、リンゴに向かってオーラを飛ばしてみる。

 リンゴ全体を包むようにオーラをまわし、引っ張る。

 

「ふんっ。おらっ。ほおっ」

 

 ……落ちない。

 

 というか、リンゴって意外としっかり枝についてるんだな。全然取れる気がしない。

 仕方ない、今度は捻ってみよう。

 

 枝ごと回すように、オーラでリンゴをぐりぐり回す──が、30分頑張ってもまったく落ちる気配なし。

 今日は諦めることにした。これ以上粘ってオーラ切れになったところをモンスターに襲われたらシャレにならん。

 

 水に浮かんだ葉っぱがあんなに動いてたから、いけると思ったんだけどな……。

 やっぱり、質量のある物を動かすには、まだ「発」の練度が足りないらしい。

 

 よし、これからは生活のすべてを修行に変えよう。できるだけ手を使わず、操作系の能力で物を動かす。

 ……でも、操作系って「愛着のある物ほど操作しやすい」って言ってたよな。

 

 今回やったのは、超能力者がやるような念力のイメージだったけど、念としてはちょっと違うのかも。

 

 そもそも、念能力って原作でも説明されてない部分多いしな。

 思い込みが強ければ成立するって言っても、非効率すぎるのはちょっとなあ。

 

 制約と誓約も試してみたいけど、相談できる相手がいないのが辛いところだ。

 

 あーあ、どうせならHUNTER×HUNTERの世界に行きたかったな。

 ……いや、でもあそこは死亡フラグ多すぎるか。

 

 せめて同じ作者の『幽遊白書』の世界だったら、玄海師範とかに相談できたのになぁ。

 

 ──そうだ!

 幽白の能力をそのまま持ってくれば、それなりに強いんじゃないか?

 

 紙もペンもないから、木の枝を使って地面に制約と誓約を書き込む。

 

【霊丸】

・一日に最大4発まで使用可能

・発射後の残弾補充には24時間のインターバルが必要

・連射不可、1発ごとに1分の間隔が必要

・5発目以降は発動しない

 

「こんなもんかな」

 

 霊丸は放出系っぽいけど、操作系とは隣り合ってるからまあいいだろう。

 戦闘用の能力としては申し分ないしな。

 

 誓約はとりあえずナシにしておこう。どの程度使えるかわからないし。

 いろいろ試して、必要になったら誓約を追加する方針で。

 

 制約と誓約は、あくまで最後の切り札。まずは基礎修行に力を入れていこう。

 

「ピギー」

 

 お、ちょうど良いところにスライム発見。

 さっそく試し撃ちしてみよう。

 

 スライムに気づかれないよう、「絶」を使ってゆっくり距離を詰める。

 俺の絶はまだ完璧じゃないけど、スライム相手なら問題なし。

 

 20メートルほど離れた場所から、人差し指にオーラを集中させて……おお、すごい!

 オーラがビリビリ集まってきてる。

 

 あの程度の制約でも、ちゃんと効果あるんだな。

 

 外さないように狙いを定めて──。

 

「くらいやがれ、霊丸ッ!」

 

 気合とともに放ったオーラの球が、一直線にスライムへと飛んでいく。

 次の瞬間──スライムは地面ごと吹き飛び、断末魔すら残らなかった。

 

 すっげぇ……。

 

 地面が1メートルはえぐれてる。

 

 

 +

 

 

 霊丸の威力に大満足して小屋へ戻ると、中から人の気配がした。

 

 ……なんだ? もしかして小屋の持ち主か?

 でも、俺が住み着いてからもう二年以上経ってるはずなんだけどな。

 

 ゆっくりと扉を開けると──そこには、今の俺と同じくらいの年頃の女の子が、リンゴを齧っていた。

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