ダイの大冒険の世界を念能力で生きていく   作:どか0623

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 打倒大魔王バーンを掲げてからの一番の懸念事項は修行時間だった。何しろ時間がなさ過ぎる。

 ダイがバーンと戦うまでの猶予は、おそらく10年程度。だが、それでも短すぎると思う。

 

 ゴンやキルア並の素質を貰ったとはいえ、不安の方が強い。ビスケは60歳であの強さだ。彼女自身、凄まじい実力者なのだろうが、それでもバーンに勝てるとは思えない。ネテロならワンチャンあるかもしれんが……。

 

 どちらにせよ、あと10年でビスケ以上の力を身に付けなければならない。並の方法じゃ到底ムリだ。だから、まず修行時間の問題を解決する必要があった。

 

 それが、これだ。

 

【強制する指輪】

・指輪をはめた者は、強制的に「堅」の状態になる。

 

 マリンから貰った指輪に細工し、新たに作った操作系の念能力だ。この能力によって、俺は常に修行状態を維持できる。風呂に入っている時も、食事中も、寝ている間も、だ。

 もっとも、常に全力で「堅」を行うわけではない。1割程度の「堅」を維持し続ける。これは操作系能力が未熟だからではなく、全力でやったら何もできないほど疲弊してしまうからだ。

 

 グリードアイランド編を終えたゴンたちでさえ、「堅」を1時間も維持できなかった。でもそれは、彼らが全力でやっていたからに過ぎない。どの程度なら一日中維持できるかを検証し、そのラインに調整した。

 

 そして、もう一つ。

 

【蓄える指輪】

・この指輪をはめた状態で生み出されたオーラの3割を吸収する。

・吸収されたオーラは、「周」で指輪に流せば還元される。

・指輪のオーラを直接肉体強化には使えない。

 

 こっちは薬草を売った金で買った。

 今後、念で道具や武器を作る際に使う予定だ。操作系なら物体にオーラを留めるのは簡単だし、体から離さなければオーラの損失も心配ない。

 

 「強制する指輪」でオーラの絶対量を増やし、「蓄える指輪」で強力な装備を蓄えていく。10年でなんとかバーンを倒せるようになっていかないとな。

 

 ……まあ、最終的にはダイたちが倒す可能性の方が高いけど。でも原作を見る限り、本当に紙一重の勝利だった。力はつけておくに越したことはない。

 

「強制する指輪」を使い始めた最初の一週間は地獄だった。常に倦怠感がつきまとい、何をするにも億劫だった。でも最近は、その倦怠感も薄れてきた。

 この効果はオーラの固定値ではなく“割合”なので、オーラ総量が不足しているなら倦怠感が消えることはない。つまり、倦怠感が減ったのは、俺の「堅」の技術が向上した証拠だ。

 

 念の基本技術「練」「纒」「絶」「発」にも熟練度がある。念能力とは、オーラを自在に操る技術そのもの。どれだけ強力な能力でも、技術が未熟では効果は半減してしまう。

 

「結局、操作系で正解だったみたいだな」

 

 俺は根気がある方じゃない。毎日厳しい修行を10年も続けるとか、絶対ムリだ。だったら、自分を操作して修行させればいい。即効性はないが、継続は力なりってやつだ。

 原作のHUNTER×HUNTERでも、戦闘用の「発」を修めるのは変わり者って扱いだったし、この選択は間違ってなかったと思う。

 

「さて、と。今度は念能力だけじゃなくて、普通の戦闘の準備もしておこうかな」

 

 いつものように籠いっぱいの薬草と、先日買った財布をポケットにしまい町へ向かう。

 

「はい、これは薬草の代金500Gね」

「さんきゅー、おっちゃん」

 

 買い取ってもらった代金を道具屋の主人から受け取る。1Gがだいたい100円くらいだから、500Gは5万円。結構な金額だ。

 あの広い森を「凝」で見て回るだけで、籠いっぱいの薬草が簡単に手に入る。他にこんな楽な仕事はない。

 

 森はモンスターが出るため、町の人たちはあまり近づかない。今は魔王がいないから比較的大人しいとはいえ、絶対に襲われないわけじゃない。野生動物と遭遇するくらいには危険視されているようだ。

 

 だからこそ、薬草を納品する俺のような存在は重宝されているらしい。

 

 さて、今日は何を買っていこうか。道具屋の商品をじっくり見ながら考える。

 とりあえず紙とペンは必要。あと、ポケットサイズの手帳みたいなやつがあれば理想だ。

 

 納品を始めてからすでに半月。今回で6回目なので、俺の財産は3000G。無駄遣いしてもまだまだ余裕がある。

 このあと武器屋にも寄るけど、そんな高いものを買うつもりはないし、大丈夫だろう。

 

 塩、胡椒、鍋、包丁。紙、ペン、インク。色々あるな。全部買ったら荷物になるけど、ま、いいか。何度も買いに来るの面倒だし、いっぺんに買ってしまおう。

 

「まいど、全部で497Gね」

 

 よし、次は武器屋だ。

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