ダイの大冒険の世界を念能力で生きていく   作:どか0623

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9 準備

 ひのきのぼう、こんぼう、どうのつるぎ、せいなるナイフ、くさりがま、てつのやり――なんとも微妙なラインナップだ。

 あとは木刀とかメリケンサックっぽいのとか、ドラクエっぽくないのも混じってる。

 

 どれにしよう。やっぱり聖なるナイフかな。鎖鎌は絶対使いづらいし、槍はかさばるしな。

 

「どれにするの?」

 

 俺が商品を見ながら悩んでいると、マリンが尋ねてきた。さっき道具屋から出るときにばったり出くわして、そのまま武器屋まで一緒に来たんだ。

 

「んー、どうしようかな」

「お金はどれくらいあるの?」

「それは心配ない。一番高い鉄の槍でも余裕で買える」

 

「すごいね。この間までお金ないって言ってたのに」

「まあな」

 

 一番威力があるのはやっぱり槍だろうけど、我流でどこまで扱えるかが問題だ。剣やナイフとは勝手が違いそうだしな。

 

「トーヤは武器を買ってどうするの?」

 

 そりゃあ、バーンを倒すため……と思ったところで、ふと我に返る。

 ここで買った武器でバーンを倒すとか無理がある。そもそも今は武器の練習が目的で、いずれはロン・ベルクに本物を作ってもらうつもりでいるし。

 

 となると、今選ぶべきなのは、最終的に持つ武器の練習用だ。

 ロン・ベルクは剣を鍛える職人。ならば俺が目指すべき武器も剣ってことになる。

 

 マリンがいてくれてよかったな。そうと決まれば、銅の剣一択だ。

 樽の中からぞんざいに放り込まれていた銅の剣を取り出し、鞘から抜いてみる。

 

「痛って!」

 

 指を切った。超痛ぇ。血も出てる。

 

「だ、大丈夫?」

 

 すぐにマリンが俺の手を取ってホイミをかけてくれた。

 銅の剣のくせに、なんて切れ味だ。扱いを間違えたら洒落にならん。

 

「この木刀ください」

 

 ビビって隣の樽の木刀にした。うん、木刀の方が練習向きだし、何より安全。

 それに銀さんみたいでちょっとカッコいい。

 

「ねえ、もうすぐパプニカに帰らないといけないの」

 

 武器屋から教会へ向かう途中、マリンが言った。

 

「そうなんだ。寂しくなるな」

 

 なんだかんだで、一ヶ月近く一緒に遊んだり喋ったりしてたしな。

 5歳児と一緒じゃ退屈かと思うかもしれないが、基本一人の俺からすればいい話し相手だった。

 

「ま、また会えるかな……」

「そんなの簡単だろ。パプニカとここは同じ大陸なんだし、会おうと思えばすぐだよ」

「ほ、本当っ?」

 

「ああ。会いに行くよ。呪文も教えてもらう約束だしな」

「うんっ」

 

 そう、まだ呪文を教わっていない。

 念の修行を優先していたのもあるが、この世界で呪文を覚えるには契約が必要で、その契約の魔法陣が載っている呪文書がこの町にはなかった。

 

 大魔王と戦うなら、魔法の一つくらいは使えるようになっておきたい。

 万が一才能があれば、強力な武器になる。

 

 マリンたちは3日後にパプニカに帰るらしい。その日は見送りに行くと約束して、教会で別れた。

 

 そういえば姫が産まれたから顔見せに来たって言ってたけど、姫ってレオナ姫のことだよな?

 どうせならひと目くらい見ておきたかった。すごい美人だってダイが言ってたっけ……あ、今は赤ちゃんか。

 

 マリンやエイミは子供でも美人になりそうな顔立ちだし、アポロなんかすでにイケメンだった。

 この感じだと、作品屈指の超絶イケメン・ヒュンケルなんてどんな顔になるんだ?

 

 ホモじゃないぞッ。

 

「さて、こんなもんかな」

 

 小屋に戻って、今日買ったばかりの木刀を見る。その木刀には、所狭しと文字が書き込まれている。

 HUNTER×HUNTERでダルツォルネが持っていた剣と同じイメージだ。あれには「神字」と呼ばれるオーラを増幅する文字が刻まれていた。

 

 俺は神字が使えないので、固有の念能力として似たような効果を持たせた。

 

【旧文字】

・『蓄える指輪』のオーラを込めたペンで対象に文字を書くと、その文章通りの効果が発動する。

・文字を使う者が意味を理解できなければ発動しない。

・誤字脱字がある場合は発動しない。

 

 効果が本当に出るかはわからない。でも、ただ『周』や『硬』で木刀を強化するよりは期待できる。

 木刀には漢字で、「強靭・無敵・最強・屈強・強固・堅牢・強烈・剛力・豪胆・不屈・気鋭……」といった言葉がビッシリ書かれている。

 

「……だっせぇ」

 

 何が「こんなもんかな」なの? 超ダサいんですけど。

 しかも誤字NGとか。結構重い制約つけちゃってるし、こっちの世界じゃ漢字を忘れても確かめようがない。

 大体誰が誤字を指摘できるんだっつーの。

 

 試しに木刀にオーラを流してみたら、信じられないほどの力が吹き出した。

 

 ……なんか複雑な気分だな。

 成功したのは嬉しいけども。

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