絶対無敵のヒーローアカデミア 作:DestinyImpulse
個性把握テストの翌日。意外にも、翌日から普通の授業が行われていた。プレゼント・マイクの英語の授業など、あまりに普通過ぎて逆についていけなかった。
そして昼休み…龍悟は響香と麗日・飯田と食堂に来ていたが……麗日と飯田は開いた口が塞がらなかった。
「龍悟君ってこんなに食べるのか……」
「胃袋まで凄いんや………」
龍悟は全部得盛りで、天ぷらざる蕎麦とカツ丼に焼き肉定食。それからカルボナーラとミックスピザのLサイズ。デザートにチョコレートパフェ……
「やっぱり驚くよね……前に二人でスタミナ○郎に行ったら出禁になったもん」
耳郎が遠い目をしながら言った。
そうしている内に昼休みは終わり、午後の授業。本日のメインイベントが始まった。
「わ〜た〜し〜が!普通にドアから来た!!」
午後から遂に始まる"ヒーロー基礎学"ーー先生は勿論、オールマイトだ。その登場にクラスの皆は大盛り上がり。
「すげぇ!本当にオールマイトだ!!」
「銀時代のコスチューム着てるけど、本当に先生やってるんだ!?」
クラスメート達からの憧れの眼差しを受けながら、教壇に立ったオールマイトは高らかに宣言する。
「ヒーロー基礎学! ヒーローの素地をつくる為、様々な訓練を行う科目だ!!早速だが今日はコレ!! 戦闘訓練!!」
戦闘訓練。その響きに、全員のボルテージは更に一段階アップする。
「そしてそれに伴ってこちら!」
壁の一角が突き出て出席番号を振ったケースを入れた棚を露にする。
「入学前に送ってもらった個性届と要望に沿ってあつらえたコスチューム!着替えたら順次グラウンドβに集まる様に!格好から入る事も大事だぜ、少年少女!自覚するんだ、今日から君達はヒーローだと!」
(懐かしいな……)
龍悟はカプセルコーポレーションで制作してくれた嘗ての自分の服……正確には融合戦士の服を着ていた。
「龍悟は、動きやすそうだね」
響香が声を掛けてきた。響香は一見軽装だが、靴が装備重視の物だった。
「おーい龍悟君!響香ちゃん!」
「「麗日………」」
頭頂部から顔を覆うバイザーを見るに宇宙飛行士をモチーフとしたのか、麗日のコスチュームはピンク色のSFチックなデザインとなっていた。
「響香ちゃんクールな見た目でかっこいいやん…私ちゃんと要望書けばよかったよ……パツパツスーツんなった。恥ずかしい……」
「そうだな……」
「半裸な龍悟君には言われたくない///」
龍悟の鍛えられた肉体を赤面しながら見る麗日を胸に手を当て響香は………
「これからだから……」
そう呟いた。
「うんうん、良いじゃないか!全員カッコいいぜ!さあ始めようか、有精卵ども!戦闘訓練の時間だ」
「先生!」
ロボットの様なコスチュームの飯田が挙手した。
「ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか?」
「いいや、今回はその二歩先に踏み込む。ヴィラン退治は主に屋外で見られるが、合計で言えば、出現率は屋内の方が多い。監禁、軟禁、裏商売。真の賢しいヴィランは闇に潜む。君らにはこれからヴィラン組、ヒーロー組に分かれて二対二の戦闘訓練を行ってもらう」
「基礎訓練も無しに…?」
蛙吹が若干心配そうに呟く。
「その基礎を知る為の訓練なのだよ。ただし、今回はぶっ壊せばオーケーなロボが相手じゃないのがミソだ」
「勝敗のシステムはどうなっているのでしょうか?」
「ぶっ飛ばしても良いんすか?」
「また相澤先生みたいな除籍とかは‥‥?」
「別れ方とはどのように決めるのでしょうか?」
「このマントやばくない?」
「んん~~~聖徳太子ぃ!」
さりげなく懐からカンペを取り出そうとしたが、すぐその手を引っ込めた。グラントリノに叩き込まれた事を思い出したからだ。
「うぉっほん!状況設定はヴィランがアジトのどこかに核兵器を隠していてヒーローはそれを処理しようとしている。ヒーローは制限時間内にヴィランを捕まえるか、核兵器を回収するか、ヴィランはヒーローを捕まえるか時間一杯まで核兵器を守り切れば勝利となる。チームは、厳正なるくじで決める!」
「そんな適当な!」
「落ち着け飯田…他の事務所と即興で連携を求められる事もある、そう言う先を見据えた事だろう…」
「なるほど確かに。失礼いたしました!」
「いいよ。それでは早速!」
A 孫龍悟・麗日お茶子
B 障子目蔵・轟焦凍
C 峰田実・八百万百
D 爆豪勝己・飯田天哉
E 芦戸三奈・青山優雅
F 口田甲司・砂藤力道
G 上鳴電気・耳郎響香
H 蛙吹梅雨・常闇踏影
I 尾白猿夫・葉隠透
J瀬呂範太・切島鋭児郎
「やっぱり!縁があるね、よろしくね!」
「ああ、よろしく」
確かに何かと縁があるなと龍悟は思った。
「続いて、最初の対戦カードはこれだ! ヒーローがAチーム! 敵がDチームだ!」
龍悟は爆豪の方を見る。爆豪の残忍な笑みは昔のベジータよりも凶悪だ。麗日なんか龍悟の背中に隠れてしまった。
戦闘訓練をまだ行わない生徒たちはオールマイトと共にモニタールームに向かった。
「敵チームは先に入ってセッティングを、ヒーローチームは五分後に潜入してスタートだ。飯田少年、爆豪少年、敵の思考を良く学ぶように。これはほぼ実戦、怪我を恐れず思いっきりな。度が過ぎたら中断する。」
「はい!」
敵チームは核兵器の張りぼてがあるビルの最上階に向かった。飯田は爆豪に作戦を考案しようとするが……爆豪は聞く耳持たずだった。
爆豪は既に怒りのダム決壊の半歩手前まで来ていた。最初に通知が届いて結果を見た時に、目を疑った。敵ポイントだけでも自分より遥かに上だったのだ…そして個性把握テストでもボロ負け…
(もう少しだ…全力で死なない程度に叩き潰して俺より下だとわからせてやる……!)
『それではAチームvs Dチーム、屋内対人戦闘訓練スタート!』
「…行くか」
「うん!」
目標のビルへと向かった龍悟達は、正面玄関を避け、裏手の窓から侵入。龍悟は直ぐに飯田と爆豪の気を感じ取る。
「見つけた…最上階の真ん中に大型の物体。その前に陣取っている1人…飯田だな。そして…こっちに近づいてくるのが、爆豪だな」
「わかるの!?」
「俺は相手の生命力を感じる事ができる……このくらい訳ない…」
「なるほど…」
「あと10秒で接触する…気をつけろ」
「オッケー!」
予想通り、爆豪が曲がり角で奇襲を仕掛けてきた。
「死ねぇ!!」
右の大振りから放たれた爆破をサイドステップで避ける。
「クソが!」
避けられるとは夢にも思っていなかったのだろう。距離を取る爆豪。
「こいつは任せろ……麗日は確保を頼む」
「う、うん!」
意外な事に何の妨害もなく、麗日は上の階へ向かう事が出来た。
「意外だな……行かせるなんて…」
「ハン!てめぇを潰しちまえば、あんな“没個性”の丸顔なんて訳ねぇんだよ!」
「……………くだらん……」
「んだと……!」
「そういう…自分の物差しでしか相手を測れず見下すお前をくだらないと言ったんだ……馬鹿らしい」
龍悟はベジータの記憶にある戦闘力と言う数値でしか相手を測れないフリーザ軍の雑兵を思い出した。
爆豪の顔がどんどん凶悪になる。だが龍悟は顔色一つ変えない。
「 ポーカーフェイス気取りやがって!てめぇは俺より下なんだよ!!」
(トランクスや悟天より遥かに酷い………教育に口を酸っぱく言っていたチチの言う事が良くわかる……)
柄でもなく子育てはチチの様に熱心にやろうと誓った。
「死ぃねぇぇぇっ!」
先程と同じく右の大振り。籠手もある為、まともに食らえば鈍器で殴られるぐらいの衝撃は伝わるだろう。しかし、龍悟はその場を殆ど動かず避ける。
「避けんじゃねぇ!!」
爆破しようとする腕を掴み引き寄せ顔面を殴り飛ばした…バウンドしながら爆豪は吹き飛ばされる。
「…………ふざけんな!!」
フラフラしながら起き上がり爆破で加速しながらこちらに向かってくるが龍悟はその場から動いていない……今度は左の爆破だが、無駄だった。既に動きは見切っており。爆破を掻い潜り、懐に踏み込み左腕を掴み膝蹴りを脇腹に叩き込む。
「ぁ……ぐ……!?てめぇ…」
腹を抑えながら後退る……
「そのタフネスだけは認めてやるよ……」
龍悟は表情を変えず言った。
その時、爆豪の右腕の籠手が一瞬赤く光った。右手の籠手をこちらに向け―
「もう解ってんだろうが、俺の爆破は掌の汗腺からニトロみてぇなもん出して爆発させてる。『要望』通りの設計なら、この籠手はそいつを内部に溜めて…てめぇをぶっ殺す!!」
血走った目で、籠手のトリガーに手をかける。オールマイトが止めるが聞く耳持たず。
そして次の瞬間、ビル全体を揺らし、その一角を吹き飛ばすほどの大爆発が発生した。
「は、ははははは!!」
爆豪の笑い声が響く、だが……
「……これで満足か?」
「ハァッ…!?」
煙の中から超サイヤ人になった龍悟が歩いてくる……爆豪は信じられない物を見る目で唖然としてる……
「どうした?笑えよ爆豪…」
龍悟の言葉も聞こえてないだろう……龍悟は右手をかざす。
「攻撃はこうやるんだよ……ビックバン・アタック!!」
放たれた蒼穹の玉は爆豪に直撃し爆豪の意識を完全に刈り取った。確保テープを気絶した爆豪に巻き付け、耳の通信機で麗日に連絡を入れる。
「麗日…こっちは片付けだ…そっちは?」
『ごめん、気付かれた。おまけに浮かせられるもんが無いからなんも出来ん!核兵器持ってあんなに走れるなんてずるい!』
(向こうは回収させずに時間一杯粘る腹積もりか)
「直ぐに向かう」
そう言って核兵器がある部屋に向かう。
「飯田く…じゃない。敵に告ぐ! そんな事をしても意味はあらへん! 大人しく投降しなさい!」
「馬鹿め! こっちには核兵器があるんだぞ! こいつを爆破されたくなかったら、お前達こそ降伏しろぉ!」
そこでは追いつけないと考えた麗日が飯田に対して投降を呼びかける形で足止めを図っていた。
「待たせたな。麗日」
「あ、龍悟君!」
「後は任せろ!!」
そう言って飯田に駆け出す。
「クッ!だが、諦めはしない…行くぞ龍悟君!!」
飯田も覚悟を決めて蹴りを入れる…が、それは確かに龍悟に当たったかと思われたが……龍悟が幻の様に消え蹴りは空を切る。
「な、何だと!?」
余りの不思議な光景に驚愕する。
「まだまだだな…」
龍悟の声が横から聞こえ振り向くが既に遅し…
「確保だ」
体には確保証明のテープが巻きつけてある。
「回収!」
麗日も隙をついて核兵器にタッチした。
『屋内対人戦闘訓練、ヒーローチーム…WIN!!』
「やったね!龍悟君!!」
「………ああ!」
二人は手を上げハイタッチをした。
END