絶対無敵のヒーローアカデミア 作:DestinyImpulse
ありがとうございます!
「昨日の戦闘訓練、お疲れ」
時間通りに始まったHR。シンと静まり返った教室に相澤の声が響く。
「Vと成績見させてもらった訳だが…爆豪、くだらない事をするな……ガキじゃないんだから」
「クソが……」
爆豪が龍悟を睨むが龍悟は平然としている。
「さてと、本題のホームルームだ。急で悪いが今日はお前らに——」
A組の生徒は全員直ぐに身構えた。もしや、臨時のテストかと……
「学級委員長を決めてもらう」
学校っぽいのきたー! そんな声が周囲から一斉に飛び出し、次々と手が上がっていく。
「はい!やりたいです!それ俺が!」
「リーダーやるやる!」
「おいらのマニフェストはスカートの丈は膝上30センチ!」
クラスを率いる学級委員長。普通ならば雑務が増えて誰もやりたがらないが、ここはヒーロー科だ。即ちリーダーとして集団を導くトップヒーローの素地を鍛えられる役目だ。我こそがと手を上げる。
「静粛にしたまえ!」
クラスの喧騒は飯田の一喝で沈下した。
「他を牽引する責任重大な仕事だぞ、やりたい者がやれる事ではないだろう!周囲からの信頼があってこそ務まる政務だ、民主主義に則り真のリーダーを皆で決めると言うのなら、これは投票で決めるべき議案!」
「いや、一番腕が聳え立ってる奴に言われてもなあ…‥」
「それに一週間も経ってないのに信頼も糞も無いわ、飯田ちゃん」
「だからこそ!だからこそ、複数票を取った者こそが真に相応しい人間という事にならないか?どうでしょう先生!?」
「時間内に決めれば何でもいいよ」
いつの間に寝袋に入ったのか、相澤は投げやりな返事を返してそのまま教壇のすぐ横に寝そべった。
そして投票の結果、ほぼ全員が自分に票を入れる結果となった。唯一票が割れたのはそれぞれ三票と二票入った龍悟と八百万だった。
「はぁ!?何で変身野郎に!?」
「少なくともお前に入れる馬鹿は居ねぇな」
「んだと、てめえもっぺん言ってみろや!」
「………一票……一体誰が………」
「他人に入れたのね」
「お前もやりたがってたのに、何がしたいんだ」
「じゃあ、委員長は孫、副委員長は八百万だ。決まり」
投票で出た結果で仕方ないとは言え八百万は悔しがらずにはいられなかった。
午前中の授業も無事に終わり、龍悟達は昼食の為に大食堂に移動していた。
龍悟はカツ丼、親子丼、天丼、牛丼の大盛りを完食した……麗日も飯田もなれたようだ。
「そういえば龍悟、学級委員長に選ばれた気分はどう?」
響香が話をふってきた。
「そうだな…俺は飯田に入れたんだがな…」
「あれは君だったのか…」
「ああ…あの時、飯田だけがクラスをコントロールして投票の流れに持って行ってた…クラスをまとめるのに適していると感じたからな」
「ありがとう龍悟君……でも“僕”は君が相応しいと思ったんだ」
「僕?」
「あ、いや、それは……」
「もしや飯田君、坊ちゃんなの?」
ストレートに言われた飯田も動揺を隠せなかった。
「ぼっ……!?そう言われるのが嫌で一人称を変えていたんだが…俺の家は代々ヒーロー一家でその次男なんだ。ターボヒーローインゲニウムは知ってるかい?」
「勿論だ。東京の事務所に65人ものサイドキックを雇っているトップヒーロー…そうか……」
「そう!それが俺の兄さ!」
飯田は立ち上がりながら胸を張った。
「規律を重んじ、人を導くヒーロー。俺はそんな兄に憧れてここに来た!」
「なんか…初めて笑ったかもね。飯田君」
「え、そ、そうか!? 笑うぞ、俺は!」
その時、龍悟の頭に肘をぶつけようとする奴が居たので手を後ろにして受け止める。
「ずいぶんなご挨拶だな」
「なっ!?…ふっ…君の頭が大きいから当たりそうだっただけだよ」
「……謝罪もなしか…」
振り返ると金髪な優男が立っていた。
「お〜怖、君、本当に入試トップなの?目つき悪」
明らかに敵意むき出しで笑いながら煽ってくる。
「いきなり何だ君は!?失礼にも程があるぞ!」
飯田の注意も笑って無視する。
「そういえば君達A組だけが入学式にいなかったよね。あれ〜、これってA組だけハブられているんじゃないかな~。入学式ってさ、何回も経験できるものじゃないよね。それを逃すなんてさ君らは疫病神なんじゃないかな。あ〜やだ、その不運さで敵を引き寄せたりしないでおくれよ。迷惑だ「オメェ、いい加減にしろよ」ヒィ!?」
「黙って聞いてりゃ言いたい放題言いやがって……俺は……“オラ”達は楽しく談笑しながら昼飯を食べていたのに、それをオメェは笑いながら土足で踏み荒らしやがって」
睨みつける龍悟に優男は顔を青くしながら膝が震えていた。
「いい加減にしろ!」
「おふっ!?」
後ろからオレンジ髪の少女に首筋辺りに手刀を受けて気絶する優男。
彼女は拳藤一佳…入試以来よく話す事がある少女だ。
「ごめん。龍悟、こいつ心がちょっとアレなんだ」
「拳藤…こいつなんなんだ?」
「私と同じB組の生徒だよ」
「君は入試の時の…」
「拳藤一佳、よろしく」
優男をそこら辺に座らせて龍悟の隣に座り……
「よろしくな……耳郎さん」
「ウチこそよろしく……拳藤さん」
響香と意味深な挨拶をした。
拳籐が優男の事で謝るがそれは拳籐のせいではないと龍悟達は気にしなかった。
そのまま雑談をしてると……突然、大音量のサイレンが大食堂、いや校舎全体に鳴り響いた。
『セキリュティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください』
「セキリュティ3って何ですか?」
「校舎内に誰か侵入してきたって事だよ! 3年間でこんなこと初めてだ! 君達も早く非難しろ!」
飯田が近くのテーブルにいた3年生に状況を教えてもらうが既に避難しようとする学生で入り口は完全に塞がっている。
「どうしよ…!」
「とにかく避難だ!」
「龍悟…どうしたの?」
飯田達が避難の準備をする中、龍悟は意味深な顔をしていた。龍悟はスマホを取り出すと相澤に電話する。
『龍悟か……侵入者はマスコミだ。俺達が対処するから心配するな…』
その言葉に周りに居た響香達が安堵する、だが……
「いや、既にこの校舎に侵入してる二人組が居る…」
「『!?』」
龍悟の言葉に響香達や相澤ですら驚愕した。
『………確かか…』
「ああ……邪な気を放つ奴が居る…まず間違いなく首謀者だ…」
『クソ!俺達はマスゴミで対処できん……孫、まさか』
「俺なら直ぐにその場所に行ける……だが、俺は仮免すらない……」
『それで俺に連絡をか………正直に言えばお前はそこいらプロヒーローより強い“あいつ等”に匹敵する。まず負ける事はない、だが……』
悔しそうに言う相澤に表情を暗くする響香達……
「なら、俺が同行するなら…どうですか、イレイザーヘッド」
その声に振り返ると金髪で大柄の鍛え抜かれた肉体を持つ少年が居た。
(強い…)
少年から放たれる爆豪や轟を遥かに凌駕した気と悟空とベジータの戦士の直感が本物の強者だと教える。
『その声…通形か!』
「ここを通り掛かったら校舎に首謀者が居るって聞こえて……無視できる筈がないですよ」
『その男は通形ミリオ…雄英のトップ“ビッグ3”の一人だ……当然、仮免を持っている』
「雄英のトップ!?」
「この人が…!」
『孫!通形を連れて首謀者の所に迎え……恐らく破壊特化の個性とワープの個性を持つ二人だ……無理に捕縛しようとするな、被害者を出さずに撃退しろ!責任は全て俺が持つ!!』
「わかりました」
電話は終わった。
「通形先輩、俺の肩に捕まってください」
通形は龍悟の肩に手を置いた。
「龍悟!」
響香や皆が不安な目で見てくる……
「大丈夫だよ……一目でわかった、彼は強いって…それは君達が一番わかってるんじゃないかな」
通形が言うが…不安そうにしてる皆に……
「侵入したのがマスコミだとわかれば皆落ち着きを取り戻すはずだ……皆、ここは任せた!」
龍悟は響香達にできる事を伝えた。
「………無茶しないでよね」
「怪我したら許さないからな!」
「無事に帰ってくるんよ!」
「こっちは任せてくれ!」
響香・拳籐・麗日・飯田の言葉に龍悟は微笑み……
「行ってくる!」
通形を連れて悟空の得意技“瞬間移動”をした。
END
ちなみに龍悟に入れたのは…響香・麗日・飯田です。