絶対無敵のヒーローアカデミア 作:DestinyImpulse
放課後……。
「何事だぁ!!!?」
ザワザワと1-Aの教室前で生徒が大量に集まり、大渋滞となっている。敵襲撃事件は雄英の全校生徒に知らされている。メディアにも取り上げられているし、知らない人は殆どいないだろう。自分達と年が変わらない学生が敵の襲撃に耐え抜いたのだ。興味を持つのは当然だろう。
「なぁ、孫龍悟ってどれだ?」
「ほら、あの逆立った髪のイケメンだよ」
「あれが…」
その中でも龍悟は特に注目された…入試主席・侵入してきた敵を雄英トップと共闘し撃破・そして今回の襲撃を耐え抜いた…体育祭での一番の障害と判断するのも当然だ。
「龍悟凄い見られてるね…」
「……興味無い……早くトレーニングに行きたいんだがな……」
「糞が!」
龍悟ばかり注目してるのが気に入らないのだろう…吐き捨てながら峰田の疑問に答え、ドアの前まで歩く。
「敵情視察だろザコ。敵の襲撃を耐え抜いた連中だもんな。体育祭の前に見ときてぇんだろ。……意味ねぇからどけモブ共」
「知らない人の事とりあえずモブって言うのやめなよ!!」
「噂のA組、どんなもんかと見に来たが随分と偉そうだな。ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのか?」
人ごみを押し退け、気だるげな顔つきの生徒が前に出た。
「こう言うの見ちゃうと幻滅するな。普通科にはヒーロー科落ちたから入ったって奴が結構多いんだ。知ってた?そんな俺らにも学校側がチャンスを残してくれてる。体育祭のリザルトによっちゃ、俺達のヒーロー科への移籍、あんたらにはその逆があり得る。敵情視察?少なくとも俺は、いくらヒーロー科とは言え調子に乗ってると足元ごっそり掬っちゃうぞって宣戦布告に来たんだけど」
「心外だな…」
「ん?」
龍悟がドア付近に近づき言う。
「この馬鹿の態度をクラス全体の総意と取られるのは勘違いも甚だしいって言ってるんだ」
「んだと、てめえ!」
「お前のわがままの為にクラス全体が不必要なヘイトを被るのは筋違いだって言ってるんだよ。喧嘩を売るならお前一人で勝手にやれ」
「!?」
龍悟に睨まれ爆豪はがその場から反射的に半歩足を引いた。次に龍悟は廊下に居る奴等に体を向ける。龍悟の存在感に震え何歩か後ろに下がりだす。
「しかし……安心したぜ。お前みたいな奴がいるってことに………宣戦布告か…いいぜ…俺は逃げも隠れもしれない、普通科だろうが誰だろうが容赦なく返り討ちにしてやる…それは覚えておけ」
そんな中、集団の後ろの方から誰かが出てきた。
「隣のB組のモンだけどよ!!敵と戦ったっつうから話聞こうと思っていたんだがよ!!俺達がいることも忘れんなよ!ヒーロー科はB組もいるんだからな!!」
((また不敵な人キタ!!))
「ちょっと鉄哲!前見えないだろ」
鉄鉄の前に拳藤が割り込んでくる。拳藤は龍悟の両肩を掴みながら揺らしてくる。
「龍悟…とりあえず、姿見れて安心したよ」
「……心配かけたな…見ての通り怪我はない」
「なになに?この人が一佳が何時も言ってた孫龍悟?確かにイケメンじゃん」
そうしていると恐らく拳籐の友達だろう、B組の女子達が現れた。
「ちょ//何時も言ってないだろ!!///」
「え〜そうだっけ〜」
「とても楽しそうに話してましたよ」
顔を赤くしする拳籐を見た峰田と上鳴がガクッと膝から崩れ落ちる。
「何なんだよあいつ!可愛い幼馴染が居てクラスので女子とも仲が良くて!そしたら隣のクラスの女子ともフラグ立ってるって!!」
「イケメン死すべし!慈悲はなし!!」
悔しさで床に拳を叩きつける二人。
「大丈夫だよ、拳籐さん…龍悟は滅多な事じゃ怪我しないし…もし怪我しても“幼馴染”のウチが看病するんで」
その時、響香が龍悟の腕を掴み拳籐に言い放つ。
「………いやいや、その時は私だって看病するよ、龍悟が怪我するって相当だから」
拳籐も負けじと反対側の腕を掴み言い放った…どんどん周りの奴らが離れていく…意味深な笑みを浮かべた響香と拳籐に恐たんだろう……龍悟も困惑していた。
「で、でも、個性とか知られて対策されたら俺ら体育祭で不利じゃねえか?」
「それがどうした」
切島の発言に言う。この場にいる全員の視線が一気に集まる。個性を知られればアドバンテージが無くなり、体育祭で不利になるのは確かだ。
「トップヒーローほど有名になって個性が世間に知られて敵に対策を取られる…当然だーーーそれでも勝つのがヒーローだ」
全員が唖然とし驚いて目を丸くしている。
「格好いいじゃねぇか!漢だぜ!」
「トップヒーローなら対策されて当然…真理だ」
「確かに……相手の予測を超える…いいね」
龍悟の言葉がクラスの心に火をつけた。龍悟は集団を強引に退かして歩き出す。
(入試の時もそうだけど……あの大きな背中が忘れられないんだよな……)
(何時の間にか皆を巻き込んで前に進んでる…本当にロックな男だよ…龍悟は)
響香と拳籐も黙って龍悟の背中を見ていた。
「(我が道を行くで格好いいな…)二人共何時まで見惚れてるん?」
「「み、見惚れてない!」」
龍悟がトレーニングに向かう同時刻…オールマイトはある人物に連絡を入れた。
『オールマイト?』
ワンコールが終わるよりも早く、元相棒“サー・ナイトアイ”が出た。
「や、やあ。ナイトアイ」
『一体何だ?』
気不味い…だが、言わねばならない……
「……孫少年の事だ…」
『話は聞いている……たが、平和の象徴は生半可な奴が務まるものじゃない』
「確かにね…でも孫少年は違う…あの襲撃事件、解決したのは孫少年なんだ」
『なっ!?』
「彼は凄いやつだよ…今の状況でももう50%は出力を出せる。もう少し、もう少しなんだ……」
『オールマイト…』
「もう少しで、彼は私を完全に超える。歴代最強の継承者に…それまで、私の身体が、ワン・フォー、オールの残り火が持ってくれればいい。それが――お師匠が私にそうしてくれたように、ワン・フォー・オールを持つものの責務……」
「だから、彼を…孫少年を見てやってくれ。新しい希望は、新しい希望達は確実に育っている」
『だから…電話を…』
「ああ、君に見てもらうために…」
『…………分かった…そこまで言うのなら、今度の体育祭で余すことなく見させてもらう』
「ありがとう」
其処で電話は終わった。
戦いに備える者、見守る者、見定める者、それぞれの思いを胸に宿す中、刻一刻と体育祭の時は迫っていた。
END