絶対無敵のヒーローアカデミア   作:DestinyImpulse

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体育祭開幕

 ―体育祭当日。

 

 雄英高校に大勢の人が集まっていた。店や露店は勿論。見物客は一般人からプロヒーローまで。また警備用に雇われたプロヒーローも含めると、会場にいるプロヒーローの数は数えるのが馬鹿らしい。それだけのヒーローが集まり、全国の国民が注目するのが雄英体育祭。そんな会場の中で、準備ゆえに早めに控室に入る選手達の中に、体操着を身につけた龍悟達はいた。

 

「コスチューム着たかったなー」

「公平を期すために着用不可なんだよ。鍛えた自分の“個性”だけで挑めってさ。サポート科も自作したアイテムだけらしいし」

「まじか…油断できねぇな…」

 

 緊張を紛らわせるため雑談に興じる者がいる。無言で精神を研ぎ澄ます者がいる。落ち着けず掌に人と書いて飲んでいる者もいる。そんな中、入場直前に轟が龍悟に話しかけた。

 

「孫…お前は凄い奴だよ、オールマイトに目ぇかけられてるのもよく分かる」

「……………」

「だからこそ、お前には勝つ」

「おお!?ナンバー2がナンバー1に宣戦布告!?」 

「無愛想な感じだったけど轟も案外熱いじゃん! 楽しくなってきた!!」

 

 突然の宣戦布告に盛り上がるクラスメイト達。しかし当の本人たちはそんな空気ではない。轟の目はここにはいない誰かへの憎悪で曇り、龍悟を無視してその後ろにいるオールマイトへと喧嘩を売っていた。其処に気づかない龍悟じゃない。

 

「………俺に宣戦布告すんのは自由だ…だかな…どこ見て言ってんだ」

「あ?」

 

 龍悟(ゴジータ)は悟空とベジータの融合…悟空の優しさを持っていれば、ベジータの誇り(サイヤ人の誇り)を持っている……自分に宣戦布告してる癖にその相手を見ず別の誰かを見ている…そんな挑戦状を誇り高きサイヤ人の王子が受け取るか……答えは否だ。

 

「戦う相手すら見ず、よそ見してる奴の挑戦状など受ける程愚かじゃねぇ」

「んだと……!」

「ちょ、落ち着けって!龍悟もあんま煽り過ぎんな!」

 

 切島が轟を抑えるも、龍悟は気にもかけず取り合わない。特に煽ってる気もないからだ。

 

 

「皆!入場の時間だぞ!」

 

 そんなこんなをしているうちに、飯田が声を上げた。いよいよ雄英体育祭が幕を上げる。

 

 

 

 

『雄英体育祭!ヒーローの卵たちが、我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!どうせテメーらアレだろ、こいつらだろ!?ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!』

 

 

 通路を歩くにつれて、徐々に実況と歓声が大きくなっていく。そして出入り口手前で一旦止まり、体育祭進行係の指示通りにその場で待機する。後はプレゼント・マイクの実況と共に入場する手筈となっている。

 

『ヒーロー科!1年A組だろぉぉ!!?』

 

 その実況と同時に龍悟達は歩き出す。ついに入場の瞬間である。入場と共に大きな歓声が上がった。360度から放たれる歓声が音の塊となって肌を叩く。絶え間なく光るカメラのフラッシュがキラキラと輝いて美しい。

 

『次ヒーロー科B組! 続いて普通科C・D・E組! サポート科F・G・H組も来たぞー! そして経営科I・J・K組だ!』

 

 A組に比べ明らかに雑な紹介で他のクラスの生徒が入場していく。当然不満はあるようだ。一年が集結すれば、宣誓台に上がる一人の女性。ヒール・ガーターベルト・ボンテ―ジ・そしてムチ。何でもありの18禁ヒーロー『ミッドナイト』の登場だ。

 

「おおー!今年の1年の主審は18禁ヒーローミッドナイトかー!」

「ミッドナイト先生なんちゅう格好だ!」

「さすが18禁ヒーロー!」

「18禁なのに、高校にいていいものか?」

「良い!!!」

「静かにしなさい!」

 

「早速いくわよ!――選手宣誓!!――選手代表!!――1-A"孫龍悟"!!」

「……はい」

 

 選手代表は龍悟だ。この事は相澤とミッドナイトに事前に聞いていた。知らなかったA組のメンバーも、最初は驚くがすぐに納得した様子。

 

 そして宣誓台に上がった龍悟はマイクの前で立ち止まると、腕を上げて宣誓した。

 

「……宣誓!――我々、選手一同はヒーローシップにのっとり、積み重ねた努力を発揮し、アンチ行動をせず正々堂々と戦い抜く事を誓います!ーー」

 

 それと同時に拍手が起き、A組の者達も安心した様子だ。 

 

「流石だ!素晴らしいぞ龍悟くん!」

「龍悟にしては普通過ぎな気もすっけど、喧嘩売ったりするよりはマシだよな…爆豪?」

「うるせぇ…つまんねぇ言葉ならべやがって…!」

 

 感動する飯田に苦笑する中、切島が爆豪に意味ありげに言うが、当の爆豪は龍悟の宣誓内容をつまらなそうに一蹴する。

 

 これで宣誓は終わり……誰もがそう思った時だった。

 

「ーーそして、この雄英体育祭1年の部は…俺が征します!!選手代表1-A……孫龍悟!!」

 

 

「はぁ!?ふざけんなよ!!」

「生意気言うんじゃねー!」

「調子乗んなよA組オラァッ!」

 

 

 当然出てくるブーイング。だが、それにもひるむこと無く振り返ると超サイヤ人Ⅱに変身する。その変わりようと存在感にブーイングは止み。観客席のプロヒーロー達も目を奪われる。

 

「なら、かかってこい!俺は逃げも隠れもしない、全力で相手してやる!!!!」

 

「格好いいじゃねぇか!!」

「うおおおおおっ!」 

「上等だぁ!」 

「漢らしいぜ!龍悟!」

「うるせぇ!1位は俺が獲る!」 

「っ……!」

 

 龍悟の言葉が周りの心を滾らせる。A組は勿論、B組も燃え上がり、普通科の中にも確かな熱気が溢れ出す。最初からやる気の無い者は龍悟の威圧に呑まれ、既に終わっている。龍悟(頂点)に挑むのは、自らの力で掴み取ろうとする者のみ。そんな光景に実況のプレゼント・マイク。そしてミッドナイトのボルテージも上がった。

 

『宣戦布告だぁ!! メッチャ燃えるじゃねぇか!!』

「ああああああっ、最高よ!本当に好みだわ孫くん!!――じゃあ熱が冷めないうちに早速やるわよ!!――第一競技――」

 

――障害物競走よ!!

 

 

 モニターに映る競技名。それを龍悟は静かに降りながら見ていた。

 

 ――雄英体育祭が今始まった。

 

 

 

 

 

END

 

 

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