絶対無敵のヒーローアカデミア   作:DestinyImpulse

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弟子と師匠

 テスト当日

 

 筆記試験は手応えはあった、テスト後に響香達と答え合わせしたら概ね大丈夫だった。八百万に教えられてる下位コンビは、テスト終了時に歓喜狂乱してたけど八百万と答え合わせを始めたら顔を青くして静かになった。

 

 次は演習試験、コスチュームを着て校内にあるバス停前に集まる龍悟達、まだ時間があるのでそれぞれ演習試験に向けての話をしている。話してる居ると“先生達”が来た。

 

「諸君なら事前に情報を仕入れて何するか薄々と分かっているだろうが...」

「入試みてぇなロボ無双だろ!!」

「花火!カレー!祭りーー!!」

 

 上鳴と芦戸が騒ぎ出す。そんな中…

 

「残念!!諸事情あって今回から内容を変更しちゃうのさ!」

 

 相澤先生の捕縛武器の中から校長が現れて宣言した。

 

 上鳴と芦戸が固まった。龍悟達も固まった。

 

「何故かと言うとね...敵活性化の恐れのある社会情勢故に、これからは対人戦闘・活動を見据えた、より実戦に近い教えを重視するのさ!という訳で諸君らにはこれから、二人一組でここにいる教師一人と戦闘を行ってもらう!」

「な...なんだと...⁉︎」

「尚、ペアの組と対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績、親密度…その他諸々を踏まえて独断で組ませて貰ったから発表していくぞ」

 

 相澤は次々とペアを発表していく。

 

「そして…孫と爆豪がペアだ」

『!?』

 

 その言葉に全員が反応した。龍悟も目を細め相澤を見る。

 

「嘘でしょ…!」

「なぜ…!」

 

 響香と飯田が戦慄する中、説明は続く。

 

「相手はーー「私がする!」

 

 現れたオールマイトに更に動揺する。

 

「ヤバ過ぎるだろう…!」

「爆豪ちゃんがペアでオールマイトが相手だなんて…」

「いくら龍悟でも……」

 

 これには周囲も心配の視線を向ける。

 

 

「さて、それぞれ試験会場に行ってもらう。……孫達は最後だ。全員、この3人の試験は見てみたいだろうしな。では、それぞれバスに乗って移動しろ」

 

『はいっ!』

 

 それぞれがバスに乗り、各試験場へと向かっていく。

 

「糞が!なんでテメェと!!」

「…………」

 

 叫ぶ爆豪を無視してモニタールームへ向かって皆の試験を見学する。各々の先生が、それぞれの弱点を的確についていき生徒を追い詰める様は、流石、現役のプロヒーローと言わざるを得ない。

 

「流石と言うべきか…」

 

 佐藤と切島ペアや上鳴と芦戸が完封されたりしているが響香達は無事クリアしていた。そして、ほぼ全ペアが終わった辺りで、龍悟と爆豪も試験会場へと移動する。

 

 場所は市街地で制限時間は三十分、勝利条件は2つ…一つはハンドカフスを教師につける事、もう一つはチームの一人がステージから脱出する事。

 

 

『孫、爆豪ペア…演習試験開始!』

 

「一応聞いておくが共闘するか?」

 

 龍悟が爆豪に近づきながら共闘を提案する。だが…腕のサポートアイテムで龍悟を殴る。

 

『アイツやっぱり!!』

 

 その様子をモニタールームで見ていた響香が怒る。

 

「これ以上喋んな!ちょっと調子良いからって喋んな!ムカツクんだよ!!」

「…………そうかい、好きにしろ」

 

 龍悟もこれ以上爆豪に付き合ってやる義理はないと割り切る。そして突如、轟音と暴風と共に、街の一角が吹き飛ばされる。爆豪は吹き飛ばされるが龍悟は佇み。暴風が来た方向を見つめている。

 

「来たか…」

「街への被害などクソくらえだ。試験だなんだと考えてると痛い目見るぞ。私は敵だ、ヒーローよ。真心込めてかかってこい」

 

『嘘……』

『これがナンバーワン…!』

 

 麗日や轟…これを見た誰もが戦慄する。

 

「ビッグバン・アタック!!」

 

 直ぐ様、超サイヤ人Ⅱに変身しビッグバン・アタックを放つ。

 

「ふん!」

 

 だが、オールマイトはそれを腕の一振りで相殺した。

 

「だだだだだだだだだだっ!!」

 

 すかさず気弾連続乱射!

 

 凄まじい速度で両手を動かし、気弾を次々と発射する。並の敵なら、これだけでもう終わりだ…だが…

 

「凄まじいな…だがね!」

 

 オールマイトは、クロスさせた腕を左右に開く。ただその動作だけで数百にも及ぶ気弾が吹き飛ばされた。

 

「だぁりゃあ!!」

 

 瞬間移動で背後をとった龍悟が拳を振るう。だが、その拳を掴み取りこちらに向かってくる爆豪に投げ飛ばす。

 

「邪魔だぁ!!」

 

 爆豪は龍悟を爆破しようとするが瞬間移動で回避し着地する。

 

「仲間を攻撃するのは…良くないぞ!!」

「ガハッ!!」

 

 爆破が空振りした隙を突かれて近くのビルに叩きつけられる。龍悟は流れるようにすり足のままオールマイトに迫る。オールマイトもそれに合わせて駆け出し龍悟とオールマイトの拳がぶつかり合う、その衝撃に周りの物が吹き飛び地面にヒビがはいる。モニターで見ている響香達には龍悟とオールマイトのぶつかり合いが目で追いつけない。

 

『凄え…!オールマイトとガチでやりあってる』

 

 だが、龍悟も余裕ではない…USJの脳無と違い長年ヒーローとして培ってきた技術は悟空やベジータにも劣らない。僅かな隙で逆転されてしまう。そして、それは起きてしまう。爆豪が龍悟ごとオールマイトを爆破しようと右腕を振りかぶってきたのだから。

 

「死ねぇぇええ!!」

「なっ!?」

 

 この状況でそれは不味い、流石の龍悟も動揺した…してしまった。

 

「運が無いな!ヒーロー!!」

「グハァッ!!」

 

 拳が腹に突き刺さり龍悟はビルを何個も貫通しながら吹き飛ばされた。

 

『龍悟!!』

『龍悟君!!』

『爆豪の野郎…何処まで自分勝手なんだ…!!』

 

 響香と麗日が叫び、轟が爆豪に怒る。オールマイトは爆破をモロに受けても気にも止めず爆豪を地面に叩きつける。

 

「君は仲間をなんだと思ってるんだ?」

「俺を群れなきゃなんもできねぇモブと一緒にすんな!俺はアンタを超えるヒーローだぁ!!」

「………………そうか、残念だ」

 

 そのまま、爆豪を地面にもう一度叩きつけ気絶させる…その顔は悲しみに溢れていた。

 

(可哀想だが……その高いプライドや自尊心を一度砕かなければ君は前に進めない……なんとかしてやりたいが私にはやるべき事が!)

 

 オールマイトはこちらに歩いてくる龍悟に視線を向ける。時は遡り…教師陣はペアを振り分けていた。

 

「そして孫と爆豪がペアでオールマイトさんと戦ってもらいます」

 

 相澤の判断に最初は教師陣も動揺していた。

 

「孫君がオールマイトと戦うのはわかるわ…彼はビッグ3と同等かそれ以上よ…」

「ですが、爆豪君とペアは……彼は孫君を嫌悪しています……試験にすらならないのでは…」

 

 爆豪は実力があるが精神面がまるで駄目と言う厄介な生徒……これが教師陣の評価だった。そんな爆豪が一番毛嫌いしている龍悟とペアを組んで戦えば龍悟ごと敵を倒そうとするのが目に見える……

 

「アレかイレイザー?孫の影響力に期待するのか?轟みたいに?」

 

 龍悟の影響力、教師陣はこれに深く関心を持っていた、飯田や麗日が龍悟と関わってヒーローの卵として急成長をし、問題児に片足突っ込みそうで危なかった轟もすっかり丸くなって龍悟達の仲間入りだ。

 

「いや、アイツの自尊心やプライドを砕くのが目的だが……本命は孫の全力だ。皆さんも見たでしょう耳郎との決勝戦、アイツはまだ上を隠してる」

 

 響香との決勝戦…それで明らかになった。龍悟には超サイヤ人Ⅱより上の形態を持っていると。

 

「恐らく、体力の消耗が激しいか周囲の影響が強いのでしょう……今回でそれを引き出します。オールマイトが相手でペアも宛にならない……そんな状況なら孫も使うでしょう………お願いしますね、オールマイトさん」

 

(私が師匠として彼にしてあげた事はワン・フォー・オールの事だけだ……それどころか私の体も回復させてくれた)

 

 龍悟は定期的にオールマイトにソウルパニッシャーを注ぎ込み彼の体を自然回復させていた…そのおかげで彼は全盛期に近いポテンシャルを取り戻した。USJの脳無など本気で10回殴れば倒せる程の力を……これならもう一度オール・フォー・ワンと戦う事ができる。

 

「(ならば私がすべき事は超えるべき壁として彼を阻もう……孫少年の成長の為に!)…わかった、私がやる」

 

 

 

 

 

 

 オールマイトと向き合う龍悟、腹の痛みは強いが問題はない……だが、龍悟は不意に笑ってしまう。

 

「ふっ…」

「どうした、孫少年?」

「いや、アンタとこうして戦うのは初めてだなって」

 

 龍悟は近くにあるカメラを見て相澤に訴える…弟子として話がしたいと…相澤は音声を切る、響香達には戦闘の衝撃で逝かれたと伝える。

 

「孫少年…全力を出さねばこの試験は突破できないぞ」

「やっぱり、アレか……」

「私は君に師匠として先生として…教えてあげる事ができなかった……だけど、君の成長の壁としてなら!」

「…………オールマイト…俺は力を教わりたくてアンタの弟子になった訳じゃねぇ」

「え?」

「俺はヒーローとしての生き方を教わりたかったんだ……俺は何を目標に生きていけばいいのか……それを探していた」

 

 

 龍悟(ゴジータ)は探していた自分だけの生き方を…その過程で一つの動画を見つけた……それはオールマイトが一人で千人以上の人を救い出すものだった……そして最後に笑って言った。

 

 

『私が来た!!』

 

 

「そう言ったアンタの姿があまりにも輝いていて憧れた……そして約一年前、俺はアンタに出会い……知った」

 

 オールマイトの理想…誰もが笑って暮らせる世界…それを照らす平和の象徴……その代償を…

 

「誰もが笑って暮らせる世界など空想のおとぎ話だと…大抵は言うだろう、それでもアンタはやってみせた…その果てにある物がわかっていても……自分の人生に一本筋を通して生きてる……そんな生き方を俺もやり遂げてみたかった……力でも技術でもない、俺は平和の象徴(オールマイト)を教わりたかったんだ」

 

「ありがとよ、俺を選んでくれて、アンタのおかげで誰かを救うって事が少しはわかった気がした……俺はアンタの弟子で良かった」

「孫少年……」

 

 オールマイトの頬を涙が走る。龍悟は再びカメラを視線を向け…もう大丈夫だと伝える。

 

「行くぜ、オールマイト…これが俺の全力だ!うおおおああああああああッ!!」

 

 龍悟の咆哮が辺り一帯に轟く。あまりの気の嵐に近くのビルは崩壊する。髪は膝余りまで伸び、眉毛が消えて顔つきが厳つくなる。全身を包む黄金の気が一層眩くなり、真紅のスパークが力強く迸る。その変化にモニターで見ていた誰もが驚愕に満ちた顔で龍悟を見る。

 

 これこそが最強の力と願いの力を束ねた…現時点の最強形態…

 

 

 

「これが最強の…超サイヤ人(サード)だ!!」

 

 

 

END

 

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