絶対無敵のヒーローアカデミア 作:DestinyImpulse
「あの時の……」
モニタールームで龍悟の最強形態…超サイヤ人Ⅲを見た誰もが唖然としてる中、響香には見覚えがあった…体育祭での決勝戦で見せたあの姿だ。
「頑張れ……龍悟」
響香は龍悟の勝利を静かに祈る。
「オールマイトォォォォオ!!」
「孫少年ぇぇぇえん!!」
飛び出した二人の拳がほぼ同時に交差した。もろに打撃を喰らい、双方吹き飛んだ。空中で踏みとどまった龍悟は素早くオールマイトに接近して反撃の拳を突き出した。それに対しオールマイトは拳で受け止めた。
「はぁぁぁっ!!」
「うぉぉぉお!!」
そのまま至近距離に踏みとどまって、目にも止まらぬ攻防が繰り広げられる。激しい打ち合いの末、僅かな距離が開く。其処に素早く龍悟が蹴りを打ち込んだ。吹き飛んだ隙に気弾を撃ち込む。だが、オールマイトは驚く程の俊敏さでそれを回避し避けきれないものは腕で弾く。
「はっ!」
龍悟は手の中に気弾を作り出しオールマイトに叩きつけようとするが攻撃が届く前にオールマイトの手が気弾ごと龍悟の手を掴み握りつぶす。龍悟は距離を取ろうと後ろに飛んだ。
「逃さん!」
オールマイトは素早く龍悟の足を掴みパワーにものを言わせて振り回しはじめた。右に左に地面に叩きつけられ、龍悟も苦痛の表情が取れない。更にオールマイトは龍悟の頭を掴んで近くにあるビルに突進した。龍悟の顔をビルに押し付け雄叫びをあげながら駆け出していく。龍悟の苦痛の叫びとともにビルの壁が一直線に削り取られていった。そして途切れたところで龍悟を力任せに放り投げた。
だが、落ちていく一瞬に瞬間移動をしてオールマイトの懐に踏み込み…右ストレートを顔面に叩き込みその勢いで回転して左裏拳そのまま左アッパーで空中に飛ばし右回し蹴り最後に力を籠めた右拳を叩き込んだ……麗日に伝授した超龍撃拳だ。
正に激闘…龍悟の翡翠の瞳はオールマイトだけを見ていた。再び彼等はぶつかり合う…激しい攻防の中、龍悟の拳がオールマイトをまともにとらえた、姿勢を崩すオールマイトに連続で攻撃を仕掛けた、それでも攻撃を試みようとするオールマイトに裏拳を打ち込み怯んだところをゼロ距離で気を炸裂させる。
「ガハッ!」
吹き飛ばされたオールマイトは近くのビルに叩きつけられる。それでも拳を振るい衝撃波を繰り出す。なんとか回避し龍悟は静かにオールマイトを見ていた。オールマイトはハァハァと肩で息をしており……
「へへへ……」
龍悟も痛みと疲れで顔を引きつらせながら笑みを浮かべ身を低くして構え、相手の出方を伺う。
「まだだぞ!!孫少年!!」
ぐっと身を低くしてから衝撃波を残して前に飛び出した。龍悟も同時に駆け出す。その手に虹の宝玉を構えながら。
「ソウルパニッシャー!!」
「デトロイト・スマッシュ!!」
二人の力がぶつかり合う、衝撃で大地が割れビルが崩壊し虹の輝きが激しく光る。二人は互いに吹き飛びビルの残骸に衝突する。
直ぐに龍悟は起き上がり腰を落とし、両手を上下に重ねて腰のあたりに引き寄せた。
「かーーーー」
重ねた手の間に輝く蒼穹の塊が生まれ、次第に大きさを増していく。
「めーーーー」
舞い上がる粉塵が風で払われ、その向こうによろよろと立ち上がるオールマイトが現れた。
「はーーーーめーーーー」
オールマイトは動かない……ダメージで動き辛いのもあるがまだ回避できるし迎え撃つ事もできる、だけどこれは試験だ、引き際は肝心だ。それに龍悟はもう自分を超え始めてる……それが何より嬉しかった。
(お師匠…貴方が私にしてくれたように私も彼を育てます…どうか彼を見守って居てください)
「波ぁぁぁあっ!!」
放たれたかめはめ波がオールマイトを飲み込む、それでもオールマイトの表情は穏やかだった。
暫くして放送が流れる…
『孫・爆豪ペア…条件達成!』
その時、モニタールームで大歓声が巻き起こっていた。
爆豪をロボに任せオールマイトと共に戻ってきた龍悟……オールマイトは会議室に向かい、龍悟は教室に戻った。
「龍悟!」
戻ってきて直ぐに響香やクラスメートに囲まれた。
「凄かったよ、龍悟君!!」
「全くだ!オールマイト相手に、やはり君は凄まじい!」
「凄えな…龍悟は」
「凄えよ、ホントに!オールマイトにガチでぶつかり合うなんて!!」
「それに超サイヤ人Ⅲ……凄い変身だったわ」
「正に、最強の具現」
自分の事を称賛してくれる仲間達を見て……
「ああ、ありがとよ…皆」
これが自分が夢見たものだと改めて実感した。
次の日、期末試験の実技をクリアできなかった切島、砂藤、上鳴、芦戸の4人はまるでガチャで爆死したように目が死んでいた。芦戸などは涙を流している始末である。声の掛けようもない。蛙吹ですら何も言えずに心配そうに見るばかり。
「皆...土産話っひぐ、楽しみに...うう、してるっ...がら!」
瀬呂が上鳴達を慰めるように言う。
「わかんねぇのは俺もさ。峰田のお陰でクリアはしたけど寝てただけだ。とにかく採点基準が明かされてない以上は...」
「同情するならなんかもう色々くれ!!」
そこへ勢いよく相澤が入ってきた。
「予鈴がなったら席に着け」
その言葉に直ぐ様行動に移す。
「おはよう。今回の期末テストだが……」
第一声に、悲壮な表情になる敗北組。
「残念ながら赤点が出た…したがって……林間合宿は全員行きます!!」
「「「「どんでんがえしきたぁ!!!!」」」」
4人が嬉しさの叫びをあげる。
「静かにしろ。えー筆記の方は赤点ゼロ。実技で切島・上鳴・芦戸・砂藤あと瀬呂……爆豪が赤点だ」
「ですよね。クリアしたら合格とは言ってなかったもんな……」
「糞が……」
瀬呂は諦めた様に…呟き。爆豪は何時もの喧しさがなくなっていた。
「本気で叩き潰すと仰っていたのは...」
「追い込む為さ。そもそも林間合宿は強化合宿だ。赤点とった奴ほどここで力をつけてもらわなきゃならん。合理的虚偽ってやつさ」
「「「「「ゴーリテキキョギー!!!!」」」」」
立ち上がり喜ぶ瀬呂を加えた赤点ジャー、だが相澤がそんな優しさだけの行為を行うわけもない。
「またしてもやられた...流石雄英だ!しかし、二度も虚偽を重ねられると信頼に揺らぎが生じるかと!!」
「わぁ、水差す飯田くん」
「確かにな、省みるよ。ただ全部嘘って訳じゃない。赤点は赤点だ。お前らには別途補習時間を設けてる。ぶっちゃけ学校に残っての補習よりキツイからな」
喜んでいた赤点ジャーの顔色が死んだ。
「じゃあ合宿のしおり配るから後ろに回しておけ」
放課後、龍悟は屋上で夕日を見ながらオールマイトとの戦いを思い出していた。オールマイトはわざと負けた…それを見抜けない龍悟じゃない。
(いつかは全力で戦ってみてぇもんだ……)
そう黄昏れていると……急に視界が真っ暗になった。
「龍〜悟くーん。だーれだ?」
「……何してんだ。波動先輩」
塞がれている手をどけて、後ろを振り向く。ねじれた水色のロングヘアが目に入る。
「やっぱりバレた?」
「大抵は気でわかる……どうしたんだ?」
「………その、ごめんね」
いつもの天真爛漫な様子が無くなる。いきなりの暗い雰囲気になり、驚くが表情には出さない。
「試験内容……変わっててさ…戸惑ったよね」
「別に?なんとも思ってない」
「…………本当に?」
「あぁ、本当だ」
「本当の本当に?」
「本当の本当だ」
「本当の本当の本当に?」
「本当の本当の本当だ……だから、落ち込んでんじゃねぇよ、先輩らしくねぇ」
やがて、少し暗かった顔は次第に明るくなり…元の波動ねじれに戻る。
「……龍悟君は優しいね」
「そうか?先輩だって俺等の勉強会で色々教えてくれたし……響香達の事鍛えくれた……今度、礼をする」
「本当に!ならさ、私とデートしようよ!!」
「先輩さよなら」
「ちょっと!今、お礼するって!」
「それはそれ、これはこれだ!」
なんとかしようとする龍悟だが、涙目になりながら頬を膨らます波動を見て……数秒の硬直。
「…………わかった」
やがて承諾した。
「ヤッター!明日、“木椰区ショッピングモール”で待ち合わせね!!」
嬉しそうに波動は屋上を出た。頭を抱える龍悟のスマホに響香からメールが届く…内容は明日、クラスで買い物に行くらしい……場所は木椰区ショッピングモール…明日のデート先だ。
「クソッタレがぁぁぁあ!!!!」
ベジータの方面が爆発し超サイヤ人Ⅲに変身した龍悟の叫びが夕日に響いた。
END
次回、どうなる龍悟!?