絶対無敵のヒーローアカデミア 作:DestinyImpulse
それではどうぞ!!
夢の未来の都市。I・アイランド!
世界総人口の約八割が何らかの特異体質…“個性”を持って生まれる超人社会…これは最強の融合戦士が絶対無敵のヒーローになるまでの物語だ!!
耳郎響香は眼下に広がる何処までも続く海の上に現れたそれを発見して、隣で寝ている幼馴染の孫龍悟に声をかけた。
「龍悟……龍悟」
「ん?」
龍悟は夢から覚めた様に目を擦り尋ねる。
「見えてきたのか?」
「うん、ここがそうなんでしょ!」
雄英の夏服で響香は窓ガラスから外を覗く、龍悟もつられたように窓を覗いた。カプセルコーポレーションの小型プライベートジェットの窓から見えたのは、海に浮かぶ巨大な人工島だ。
「ああ、一万人以上の科学者達が住む“I・アイランド”だ」
丸く作られた島は、隅々まで考え抜かれて作られた機能的な島だ。何処の国にも属さず移動機能も備えているため、巨大な船でもある。体育祭で優勝した龍悟は其処でおこなわれるエキスポに招待され響香を付き添いに訪れていた。
「いや〜夏休みに海外に行けるなんて〜〜」
「同伴者も連れてきていいみたいだからな、母さん達が自分達はいいって言うからな…喜んでもらえて何よりだ」
(龍悟と二人きりの海外デートだし……悪いね、麗日、一佳)
『当機はまもなくI・アイランドへの着陸態勢に入ります』
「そろそろコスチュームに着替えるか」
「そうだね、学校から許可はもらったし」
いよいよI・アイランドに着く。龍悟達は期待に胸を膨らませた。
『入国審査が完了しました。現在、I・アイランドでは様々な研究、開発の成果を展覧した博覧会、I・エキスポのプレオープン中です。招待状をお持ちであればぜひお立ち寄りください』
I・アイランドに足を踏み入れた響香は歓喜の声を漏らす。其処はまさしく最先端科学による夢の未来が広がっていて、エキスポに入場している誰もが心から楽しんで居た。
「一般公開前のプレオープンでこれ程の来場者が居るとは」
「本当に凄い!」
「此処は日本と違って“個性”の使用が自由だからな…“個性”を使ったアトラクションも多いらしい…後で行ってみるか」
「でもまずはホテルを探さないと……ねぇ、アレって」
響香が指差した方向にはどのアトラクションよりも混雑している人だかりがあった。そしてその中心には…
「熱烈な歓迎ありがとう!サインは順番でね!!」
オールマイトが居た。
「まさか君達まで来ているとは、驚きだよ!」
「オールマイトこそ来ていたのか」
「ああ、久しぶりに古い友人に会いに行くんだ…よかったら一緒に来るかい?」
「いいんですか」
「勿論だとも!」
オールマイトが龍悟にだけ聞こえるように語る。
「彼にはワン・フォー・オールや君に“譲渡”した事は話していないからそのつもりで」
「………巻き込まない為か?」
「……ああ」
龍悟がその友人について確認してると…ピョーン、ピョーンと軽妙な音が近づいてきた。音の方向を見ると、ホッピングで大きくジャンプしながら「おじさまー!」と笑顔でやってくる金髪で眼鏡をかけた少女が居た。
「マイトおじさま!」
「メリッサ!」
少女は嬉しそうにオールマイトの胸に飛び込みオールマイトも笑顔で抱きしめる。
「来てくださって嬉しい」
「こちらこそ招待ありがとう。見違えたな、すっかり大人の女性だ」
「十七歳になりました。昔と違って重いでしょ?」
「なんのなんの」
「龍悟…あの人って?」
「恐らく、友人の娘かなんかだろう」
「それで、デイブは何処に?」
「ふふふ……研究室にいるわ。長年やってきた研究が一段落したらしくて、それでお祝いとサプライズを兼ねてマイトおじさまを招待したの」
「そう言う事か……因みにどんな研究を?」
「それが、守秘義務があるからって」
「科学者も大変だな…」
ようやく、龍悟達に気づいたオールマイトが……
「ああ、孫少年、耳郎少女。彼女は私の親友の娘で…」
「メリッサ・シールドです。始めまして」
「こちらこそ、雄英高校ヒーロー科一年、孫龍悟だ」
「同じく耳郎響香です」
「雄英高校……じゃあマイトおじさまの……」
「ああ、生徒だ」
「とても優秀な未来のヒーロー候補さ!」
「すごーい!どんな“個性”を持ってるの?」
「俺は強化形の“個性”」
「ウチは見ての通り耳のプラグだよ」
「さて!自己紹介もすんだ事だし、向かうとしよう」
「そうですね」
メリッサは近くに自立していたホッピングを持ちボタンを押す。するとホッピングが光り紐状になった。
「早くパパを喜ばせてあげなくちゃ。こっちです、マイトおじさま!」
メリッサは駆け出していく…その後を追うオールマイトと龍悟。龍悟はホイポイカプセルを知っている為驚きはしないが…
「何今の…」
響香は唖然としていた。
その頃、エキスポの入場ゲートにある一団が現れた。リーダーと思わしき男の顔には大きな傷があり、その醒めた視線にはこれから楽しもうという気配は微塵もない。男は携帯を手に取り、どこかに連絡した。
「会場内に問題なく入れた……で、ブツはいつ届く?」
『15時に六六ゲートで受け取ってくれ』
相手は変音機で声を変えている。
「了解した」
男は電話を切る。そして視線を向けたのは、エキスポ会場の先にある、I・アイランドの中央から島を見守るようにそびえ立つセントラルタワーだった。
そのタワーの中にある広くがらんとした研究施設のなかで、一人の男が携帯に保存されていた懐かしい写真を眺めていた。それは青空を駆けている、まだルーキー時代のオールマイト。
「博士、デヴィット博士」
助手のサムから声をかけられた事に気づきデヴィット・シールドは顔を上げる。
「こちらの片付けも終わりました」
「そうか、ご苦労さま、サム」
「たまにはお嬢さんとランチにでも行ってきてはいかがですか?」
「今日もアカデミーに行ってるよ」
「I・エキスポ中は休校では?」
「自主的に研究しているんだよ」
その時、入り口から声がかけられた。
「だってパパの娘ですもの。似ちゃったのね」
「メリッサ、どうしてここに?」
自分と同じ様に研究に夢中になっている娘がわざわざ足を運んだ理由を聞く。
「私ね、パパの研究が一段落したお祝いにある人に招待状を贈ったの」
「ある人?」
「パパが大好きな人よ」
そう言って振り返ったメリッサにつられるように入り口をみたデヴィットが目を見張った。
「私がぁぁぁあ、再会の感動に震えながら来た!!」
研究室狭しと、ポーズを決めるオールマイト。あまりに突然の事にデヴィットは驚き固まるばかりだ。サムもビックリしている。
「トシ………オールマイト……!?」
「ほ、本物!?」
「HAHAHA!わざわざ会いに来てやったぜ、デイブ!」
オールマイトの後ろからメリッサがワクワクと顔を出す。
「どう、驚いた?」
デヴィットはメリッサの企みだと理解して、自分を落ち着かせる様に僅かな笑みを浮かべ息を吐いた。
「あ、あぁ……驚いたとも……」
「お互いメリッサに感謝だな。しかし何年ぶりだ?」
「やめてくれ、お互い考えたくないだろ。歳の事は」
「HAHAHA!同感だ!」
お互い笑い合うと、オールマイトとデヴィットは静かな笑みを湛え、見つめあった。
「会えて嬉しいよ、デイブ」
「私もだ、オールマイト」
会わなかった時間を埋めるように、コツンと拳を合わせる。
その様子を龍悟達は微笑ましく見ていた。
END