絶対無敵のヒーローアカデミア 作:DestinyImpulse
超サイヤ人Ⅱに変身した龍悟…拘束されていた拳藤を開放する。
「メリッサ、敵は俺に任せろ。皆を頼む…」
「………!」
メリッサは涙を振りきり、もたつく足で懸命に入口へと駆け出す。
「拳藤、博士とその元助手を連れてメリッサについてやってくれ」
「わかった……勝ってよ!!」
そう言ってデヴィットとサムを大拳で担いでメリッサの後を追う。
「追え!逃がすな!」
「はい!」
それに気づいたウォルフラムに言われ眼鏡の敵が慌ててメリッサ達の後を追う。だが、凄まじい速さで飛んできた“何か”が眼鏡の敵を吹き飛ばす。
「行かせねぇよ」
それは神龍拳・五星龍を発動させた龍悟がその拳で眼鏡の敵を殴り飛ばしたのだ。
「調子に乗るなぁ!!」
ウォルフラムの怒号と共に天井から伸びた鉄柱が次々と襲いかかる。龍悟も拳を構えて迎え撃った。
「
ワン・フォー・オールで強化された“黒鞭”を凝縮・圧縮した疑似腕を数が増えたと錯覚する程の速度で拳を打ち出した。蛇の大群の如く放たれた連撃は次々と鉄柱を粉砕していく。ウォルフラムも負けじと鉄柱を増やして龍悟とぶつかり合う。
その頃、制御ルームにたどり着いたメリッサ達…メリッサが素早く正確に警備システムを再変更するべくキーボードを操作する。今がメリッサの戦いだ。そして勝負はすぐに決着する。非常事態を表していたモニターが次々とシステムが正常に戻った事を表示していく。それを示す様にタワー内の照明が復旧した。閉じていた各フロアの障壁も次々と開いていく。
「…止まった…?」
サーバールームで戦闘していた響香達…突然停止した警備マシンに唖然としたが飯田はパッと顔を輝かせた。
「龍悟君達…やってくれたか!」
「チッ、警備システムを戻したのか!」
保管室でもついた明かりにウォルフラムが憎々しげに叫ぶ。だが、その事に意識がいってしまい隙を見せてしまった。変幻自在の五星龍の拳が鉄柱を掻い潜りウォルフラムに向かってくる。
「クソ!」
すぐさま何重にも壁を作り出すが……
「無駄だ!ぶち破れ、
龍悟は黒鞭と気の出力を上げる。更に力が籠められた拳は次々と壁をぶち破る。そしてウォルフラムを守る壁はもう無い。
「
龍悟の強烈な一撃はウォルフラムに炸裂する。
「ゴハァ!」
「終わりだぁぁぁぁあ!!」
そのまま腕はどんどん伸びていき壁をぶち破り屋上にあったヘリポートまで吹き飛ばした。そして脱出する為に用意したであろうヘリにぶつかり爆発…炎上した。
「終わったか……」
ヘリポートまでやって来た龍悟は倒したのかと…燃え上がるヘリを見ていた…
「龍悟!」
「龍悟君!」
其処に警備システムを再変更したメリッサと拳藤がやって来た。
「拳藤、メリッサ…警備システムは…」
「元に戻ったわ…今、マイトおじさまが残党達を制圧しているしパパも他に異常はないか島中を調べてる。もう大丈夫よ」
「首謀者に勝ったんだよね」
「ああ…まぁ、流石にあのままじゃあ焼け死んじまうし、そろそろ……!?あぶねえ!!」
そろそろ、ウォルフラムを回収しようとしたその時、何かを感じた龍悟は拳藤とメリッサを抱えてこの場から離れる。突然ヘリの残骸から飛び出した鉄柱が先程まで龍悟達が居た場所に襲いかかったのだ。
「え?」
「何…今の?」
突然の事に唖然とする拳藤とメリッサ。次に足元が揺れ轟音と共に割れる。金属が凄まじい勢いで形をなしていく。床下に埋まっていたパイプもヘリの残骸も何もかも“それ”にも飲み込まれていった。うねるパイプはまるで筋肉組織の様に蠢き、鉄は熱を持って蠕動する。あまりに禍々しい形成物と一体化しその頂点にいるのはウォルフラムだった。
「流石、デヴィット・シールドの作品。“個性”が活性化していくのがわかる……ははは、いいぞこれは!いい装置だ!!」
仮面がないその顔にはフックの様な物が固定する様についている。それはデヴィットが発明した“個性”を増幅させる機械だった。
「あの時か…!」
龍悟の一撃を壁で防いでる間にその機械をつけていたのだ。崩れた金属がウォルフラムを更に巨大にしていく。崩れる足場に巻き込まれない様に空を飛んでいる龍悟達も絶句する。
「これが博士の…」
「パパが作った装置の力……」
拳藤とメリッサが呆然と呟く。崩壊していくタワーを喰らい尽くす異形。力を増す自分に酔いしれながらウォルフラムは笑い叫ぶ。
「さて、この装置の価値を示す為にまずは将来有望なヒーロー候補をぶっ潰すとするかぁ!」
そう叫ぶと次々と鉄柱が龍悟に襲いかかる、反撃したいが拳藤とメリッサを抱えており出来ない。下ろしても巻き込まれてしまう。ゆえに回避に徹しなければならなかった。
「しっかり掴まってろ!!」
襲いかかる鉄柱を回避し続ける。だが数はどんどん増えていき追い詰められていく。そして遂に鉄柱に囲まれてしまった。
「しまった!!」
「ようやくそのポーカーフェイスが取れたな!!潰れちまえ!!」
両手が塞がってしまっているし、絶対絶命と思われたその時…
「龍悟!!」
ヘリポートの方から声が聞こえる。其処には響香達が居た。すぐさま瞬間移動で響香達の方に移動し難をのがれる。
「悪い…助かった」
「そんな事より…何アレ……」
響香達もウォルフラムの禍々しさに唖然とする。
「アレが敵達のボスだ……博士の装置を使って“個性”を強化したんだ。このままだとこの島丸ごとアイツに飲み込まれちまう……」
説明している間にも鉄柱が襲いかかるが轟が一気に凍らせる。
「なら、此処で倒すしかねぇ」
「ああ…行くぞ!!」
「八百万君達は此処を頼む!」
龍悟・轟・飯田が一気に駆け出す。
「鉄柱は俺達に任せろ!」
「君は本体を!!」
「任せた!!」
飯田が蹴りで鉄柱を砕き、轟は氷結で鉄柱を凍らせていく。龍悟がウォルフラムへと飛び出した。自分に向かってくる鬼気迫る龍悟にウォルフラムは何本もの鉄柱を突撃させる。
「スターダストフォール!!」
放たれた流星が次々と鉄柱を砕き龍悟は突っ込む。
「終わりだぁ!!」
その勢いでウォルフラムに向かって拳を振りかぶる。しかしその時、後方の鉄柱から無数のワイヤーが伸び龍悟の両手足を拘束する。
「こんな物」
ワイヤーを引きちぎろうとするがその前にウォルフラムの腕が龍悟の首にかかった。片手で絞めるように掴んだ腕が異様に膨らんでいく。
「終わりだぁ!?そりゃお前だ」
不気味な笑みを浮かびウォルフラムは力を強める。
(なんだ……いきなり気が増大した…!)
「龍悟!」
何とかしようと響香が駆け出そうするが次第に崩れていく足場に立ち往生してしまう。
「クソ!」
轟も次々と襲ってくる鉄柱に対処するので限界だ。
(これは筋力増強……“個性”の複数持ち……)
その時ある言葉が脳裏に過る。
『“あの方”もがっかりするだろうよ!』
疑問は確信に変わった。
「そう言う……事か…」
龍悟を楽しげに見下ろしながらウォルフラムが口を開く。
「ああ……この強奪計画を練っている俺に是非とも協力したいと連絡をくれた方が居た。その方こそ!」
「……オール・フォー・ワン……」
裏で糸を引いていたその名前を呟いた。ウォルフラムは愉快そうに見下ろした。
「答え合わせも済んだ事だ……さっさと潰れろ!!」
ウォルフラムは四角く大きい鉄の塊を左右から龍悟にぶつけた。
「………!」
愕然と目を見開く拳藤の前でウォルフラムの周りに浮かんでいた鉄の塊が勢いをつけて次々と龍悟を襲う。
「龍悟君!」
総毛立つメリッサの視線でウォルフラムが声高に腕を振り上げる。
「さらばだ、ガキ!!」
すると地面から鋭い鉄柱が何本も伸び龍悟を閉じ込めている鉄の塊を貫いた。
「いやぁぁぁぁあ!!」
悲痛なメリッサの叫び……だがその時、その鉄の塊が眩い光と共に崩壊した。
「な、なんだこれは!」
ウォルフラムも目の前にそびえ立つ金色の柱に驚愕する……やがて光が消え見えてきたのもは……
「貴様だけはゼッテェに許さねぇ!」
それは、髪が膝余りまで伸び、眉毛が消えて顔つきが厳つくなる。全身を包む黄金の気が一層眩くなり、真紅のスパークが力強く迸る。超サイヤ人Ⅲへと変身した龍悟が佇んでいた。
「くたばりぞこないのガキが……ゴミの分際で往生際が悪ぃんだよ!」
ウォルフラムが湧き上がる怒りに叫びながら腕を振り上げる。小さな鉄片が無数の塊になり龍悟に散弾の様に襲いかかる。
「それがーーヒーローだぁ!!アイスメイクーー
轟が造形した神槍が放たれた散弾を一掃する。龍悟はウォルフラムに向かって突っ込む。すかさず地面から鉄柱が矢の様に襲いかかる。
「やらせないし!!ハートビートファズ!!」
響香が衝撃波で鉄柱を崩壊させる。先端にプロペラのついた鉄柱が龍悟に迫る。高速で回転するブレードは触れるものを鮮やかに切断するだろう。しかしそれ以上の速度で回転し青い炎を纏う飯田が突撃する。
「道は僕達が切り開く!!レシプロ・エクステンデッド!!」
臆することなく飯田はプロペラごと鉄柱を破壊する。メリッサは道を切り開く飯田達と輝く龍悟の姿を揺れる視界でじっと見ていた。命懸けで誰かを救おうとする姿から目が離せないのは、きっとそれが希望だからだ。
「ぐぐぐおおお!!」
ウォルフラムが力を振り絞る様に両手を高く上げる。同時にたくさんの鉄片が猛スピードで一つに集まっていく。人が蟻に見える程に更に大きくなっていく。
だが、それでも誰も臆したりはしない……だって龍悟が居るから。何時だってどんな時だって彼は皆の信頼にこたえてくれた。ウォルフラムに向かっていくその背中には…勝ってくれる・何とかしてくれる…そう思わせてくれる頼もしさがある。
「「「龍悟(さん)!!」」」
上鳴・峰田・八百万が叫ぶ。
「俺がやらなきゃ……」
ゴジータには強さしかなかった……強敵と戦う僅かな時間しか存在出来ない。そんな自分はあの時に消える筈だった。
「「龍悟(君)!!」」
飯田と轟が託す。
「俺がやらなきゃ!」
だけど自分は今、確かにこの世界に存在し続けている。夢に向かって走っている。
「「いけぇぇええ!!」」
麗日と拳藤、そして…
「「
響香とメリッサが祈る。今の自分には信じてくれる仲間達が居る、悟空としてではなくベジータとしてでもない……
「誰がやる!!」
龍悟は右手を強く握り拳を構える。ウォルフラムも怒号と共に腕を振り下ろした。
「タワーごと潰れちまえ!!」
巨大な鉄の塊が龍悟に向かって落ちていく。だが龍悟には恐れは微塵もない、超サイヤ人Ⅲの気を拳一点へ集約させる。すると龍悟は巨大な龍に姿を変えた。これこそが超サイヤ人Ⅲの最大の切り札。
「龍拳!!!!」
神々しく輝く龍はその勢いで巨大な鉄の塊とぶつかり合う。鉄の塊を介して猛烈な力にウォルフラムが押され始める。
「おおおおぁ!!」
右腕に装着されているフルガントレットにヒビが入る。それでも龍悟は止まらない。
「ぐ……ぐぐ……ガバッ!」
必死に抵抗するウォルフラムの後頭部に装着している個性増幅装着がオーバーワークで異常動作を起こす。装置を上回る龍悟の力にウォルフラムがとうとう耐えきれずに大きく腕を弾かれた。それと同時に鉄の塊が黄金の龍に砕かれる。砕いてもなおを龍は止まらない。
『いけえぇぇ!!』
皆が声を張りあげた。その思いを受け取りながら龍悟は再び拳を構える。龍悟はそのままワン・フォー・オールの主力を100%まで引き上げる。フルガントレットが悲鳴をあげるがそれでも龍悟の負担はない。
龍拳の周りに光が現れる。白・水色・赤・黄緑・黄土色・紫・黄金の光は龍拳の周りを螺旋の様に漂うがやがて龍拳の中に居る龍悟の右拳が虹色に輝くと同時に龍拳と一つになる。すると黄金に輝いていた龍は虹色に輝き更に強さをました。余りの美しさに響香達が見惚れる。
「更に向こうへ!!ーー
その言葉と共に龍拳が咆哮を轟かせる。ウォルフラムは恐れ金属の中に身を隠す。虹色の龍が金属の塔を一瞬で崩壊させ天に上っていく。そして眩い輝きが全てを照らした。余りの輝きに誰もが目を瞑る。そして見えてきた時には金属の塔はなくなっていた。
「やったのか……」
飯田が唖然と呟く、その後ろで峰田が拳を振り上げた。
「やったんだ……龍悟が勝ったんだ!!」
じんわりと伝わった勝利に皆に笑顔が戻る。その時残党を拘束していたオールマイトがデヴィットを連れてやって来た。
「無事だったか、皆!!」
「メリッサ!大丈夫だったか!?」
そんな二人にメリッサは笑って答えた。
「大丈夫よ、おじさま、パパ……“ヒーロー”が助けてくれた」
その言葉にオールマイトは彼が解決してくれた事を悟り安堵する。不思議に思ったデヴィットはメリッサが指差す方向を見る。
「ああ…!」
其処には吹き飛んだ雲から差し込む朝日に照らされる龍悟が居た。拳を天に突き上げたままの龍悟は勝利の笑みを浮かべ、拳を強く握った。
デヴィットは一瞬若き日のオールマイトの幻と重なって見えた。自分を顧みず誰かを助ける親友が未来を託した少年。
ーーあぁ、ヒーローだ。
END
長くなりました……元ネタは言わずもがな【龍拳爆発!悟空がやらねば誰がやる】です。超サイヤ人3ファンには特にオススメの作品でこれなくして3は語れないです。次回で劇場版編はおしまいです。