絶対無敵のヒーローアカデミア   作:DestinyImpulse

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三叉の聖槍

 龍悟がマスキュラーと戦闘を開始したその頃、拳藤と鉄哲は動けないB組の皆を運んでいた。ガスをばら撒く敵が居たのだが拳藤が大拳を扇代わりにしてガスを吹き飛ばしさっさと倒したが…そのガスを吸ってしまった者達は意識を失ってしまった。

 

(まさか襲撃してくるなんて…龍悟、皆…無事で居て)

 

 響香達や龍悟が戦闘している事を考えた拳藤は不安を覚えながら合宿所に走った。

 

 

 

 

 

 肝試しの森で常闇と障子もまた敵連合と戦っていた。

 

「くっ!ダークシャドウ!!」

 

 放たれた鋭い刃物の様な物をダークシャドウで防ぐ常闇。

 

「強い…!」

 

 常闇の視線の先には全身を黒の拘束着に包んだ痩身の男…敵連合の一人“ムーンフィッシュ”がいた。

 

「仕事しなきゃ…仕事…ああ…我慢できない……肉見せて……」

「狂人が……!」

 

 ムーンフィッシュの歯が伸び鋭い刃物の様になり常闇を襲う。ムーンフィッシュの個性は“歯刃”自らの歯を自在に伸縮・分岐させ、鋭い刃物の様に相手を切り裂く個性。

 

「地形と個性の使い方が上手い……相当場数踏んでるぞ……」

 

 ムーンフィッシュは伸びる歯をまるで手足のように使い闊歩する。

 

「危ない!」

 

 襲いかかる刃を障子が常闇を担いで避ける。

 

「どうする…このままでは!」

「……障子、俺を奴に向って投げてくれ」

「………策があるのか?」

「あぁ…信じてくれ」

「………わかった」

 

 常闇を信じて障子はムーンフィッシュに向って投げる。

 

「肉…見せて!!」

 

 ムーンフィッシュは常闇に向って刃をけしかける。

 

「やるぞ!ダークシャドウ!!」

「オウヨ!!」

 

 

 ダークシャドウが常闇の全身を覆い尽くす。常闇自身は身体能力は高くない。その短所を補う為にダークシャドウを自身に纏わせ、弱点をカバーした。龍悟の超サイヤ人の様な事を自分もできないかと龍悟に助言を貰いながら完成した新スタイル。これにより苦手な接近戦でも戦える様にした。

 

深淵闇躯(ブラックアンク)!!」

 

 影の鎧を纏った常闇は向かってくる歯刃を砕きながらムーンフィッシュに迫る。

 

「宵闇よりし穿つ爪!!」

 

 黒き一撃がムーンフィッシュを地面に叩きつけ、 ムーンフィッシュは意識を手放した。

 

「よし…とりあえず合宿所に戻ろう」

「あぁ…行こう」

 

 

 

 

 

 同じく龍悟がマスキュラーと戦闘している同時刻、麗日と舌を少し切られた蛙吹が鋭く尖った犬歯、縦長の瞳孔が特徴で、髪型はサイドを団子のようにして、その団子の付け根から髪がハネている少女と戦っていた。

 

「梅雨ちゃん…梅雨ちゃん!可愛い呼び方!私もそう呼ぶね!!」

「辞めて!そう呼んでほしいのはお友達になりたい人だけなの!!」

 

 投げられた注射器の様な物を避けきれず髪と木に刺さり動けなくなる蛙吹。

 

「じゃ私もお友達だね!!」

「離れろ!!」

 

 麗日が少女…“トガヒミコ”に駆け寄りトガは麗日にナイフを突きさそうとする。

 

 だが…麗日は片足軸回転で相手の直線上から消え、懐に踏み込み右ストレートを顔面に叩き込みその勢いで回転して左裏拳そのまま左アッパーで空中に飛ばし右回し蹴りを叩き込み最後に力を籠めた右拳を叩き込んだ。

 

「超龍撃拳!!」

 

 吹き飛ばされたトガは木に叩きつけられた。

 

「大丈夫!?梅雨ちゃん!」

 

 蛙吹を助け出そうとしたその時……

 

「今のは効きましたよ…お茶子ちゃん」

 

 トガが立ち上がったのだ…目を赤く光らせ黒い気を纏いながら。

 

(何…龍悟君のとは違い過ぎる!?)

 

 龍悟の黄金の気とは違う禍々しい何かを感じた麗日は身構える。

 

「素敵ね…お茶子ちゃん!!」

(さっきよりも!?)

 

 先程よりも速く振るわれたナイフを避けきれず腕を切られてしまう。

 

「お茶子ちゃん!」

 

 血を流す右腕を押さえる麗日に蛙吹が悲鳴をあげる。痛みに顔を険しくする麗日にトガは言った。

 

「そうだ!お茶子ちゃんに聞きたい事があるんです!龍悟君って何処に居ます?」

 

「私……あの人に一目惚れしたんです!!」

 

 トガの言葉に麗日は固まった。

 

「え?」

「動画とかで見たんです!とても輝いていました…綺麗な龍悟君……でも、もっと血が出てた方がいいです!!」

 

 狂気の笑顔を浮かべるトガ……麗日は静かに言った。

 

「……ハッキリとわかった!私はヒーローを目指す者として……そして女として……お前に負ける訳にはいかないって事が!!」

 

 強い思いで痛みを無視した麗日はトガに挑む。女の戦いが幕を上げる。

 

 

 

 

 

 

 そして同時刻…森の中で響香は仮面に、丈の長いコートとシルクハットが特徴的な敵連合の一人“Mr.コンプレス”と対面していた。

 

「いや〜よく気づいたね、お嬢さん……俺は欺く事が得意なのに気づかれるとは…」

「あいにく…ウチは索敵が得意でね」

 

 コンプレスの“個性”空間ごと対象をビー玉サイズまで小さくさせる“圧縮”…これで響香を後ろから捕獲しようとしたが気づかれてしまい今に至る。

 

「青山!葉隠を連れてさっさと合宿所に戻って!!」

「う、うん!」

 

 響香は葉隠と行動していたが葉隠はガスで意識を失ってしまった。襲撃だと気づいた響香は八百万と青山と合流。八百万は他の救助に向かい響香はコンプレスに気づいた。さっきからビビってばかりの青山にヤキを入れて離れさせる。

 

「目的はウチ?」

「あぁ、できれば孫龍悟を抹殺する事なんだけどね…保険を兼ねて君にはお姫様になってもらうよ」

「お姫様も悪くはないけど……ウチはヒーローなんだ!返り討ちにしてあげるよ…変態仮面!!」

 

 響香は八百万に創造してもらった増幅器を構える。

 

 

 

 

 

 そして、最も激しく炎が燃え上がる場所では…

 

「死ねぇ!!」

 

 爆豪が肌色は青緑色でバイザーと一体化したヘッドギアとビットギャグを装着して背中からチェーンソーやネイルハンマー、ドリルといった工具がくっついた6本の腕を生やした脳無と戦っていた。

 

 

 そして近くにはラバースーツを纏い、顔全体を覆うマスクを着用した男が倒れており既に倒された様だ。

 

 だが…

 

「哀しいな……轟焦凍」

「ぐあっ!」

 

 轟が倒れ伏し焼け焦げた皮膚を体中に繋ぎ合わせたような男に頭を踏まれていた。

 

(コイツ…急に強くなりやがった…!)

 

 初めは轟が優勢だった…氷の造形で継ぎ接ぎの男…“茶毘”を追い詰めていたが…突然、黒く禍々しい気を纏ってから逆転された。

 

「所詮、2番手の息子は2番手のまま…無様なもんだ」

 

 茶毘の手から蒼炎が燃え上がる。轟にぶつけようとしたその時…

 

「轟さん!!」

 

 救助に動いていた八百万が茶毘を吹き飛ばした。

 

「八百万!?」

「はっ、誰かと思えば…推薦の癖して孫龍悟とは天と地程の差がある…名前だけのエリートか…」

「………確かに…私は龍悟さんとは天と地程の差があります……それを知り自信を無くした時もありました。ですが、轟さんが教えてくれました」

 

 あの体育祭で自分は常闇に惨敗し創造ですら…龍悟の神龍の炎(ゴッドドラゴン・ブレイズ)を見て自信を無くしてしまった。だけど…轟を見て変わった。

 

 彼は龍悟に負けた……だけど其処で終わりにしなかった。龍悟を超える…夢物語かもしれないけど彼は諦めず一歩一歩確実に強くなっている。

 

「それは決して前に進む事を諦めていい理由にはなりませんわ!!諦めないからこそ…更に向こうへ行ける!それを轟さんが教えてくれました!!」

「八百万…」

 

 自分の道を行き、皆の期待を背負い…必ず応えてくれる龍悟に響香達が恋い焦がれた様に決して諦めず前に進み続ける轟に八百万は恋い焦がれたのだ。

 

「くだらねえ!」

 

 茶毘は蒼炎を八百万に放つ。八百万は盾を創造し防ぐが余りの熱量に盾が溶け出す。火傷を負う前に盾を手放した八百万だが…その隙を突かれて茶毘に蹴り飛ばされる。木に叩きつけられる八百万に追い打ちをかける。

 

「…その道を灰にして終わりにしてやるよ!!」

 

 蒼炎を纏った茶毘の拳が迫る。八百万は思わず目を瞑るが……

 

「くだらなくねぇよ!!」

 

 轟の声が聞こえ目を開ける。其処には火竜の鉄拳で茶毘の拳を防いでいる轟がいた。

 

「皆、命かけて生きてんだこの野郎!変わる勇気がねぇのなら……其処で止まってやがれ!!」

 

 轟はそのまま茶毘を押し出し防ぎ切るが…状況は好転していない…爆豪は脳無の相手で動けない。どうするかと悩む轟に八百万が……

 

「轟さん、これを!!」

 

 八百万が創造したのは何かの設計図。それを見た轟は八百万の考えを瞬時に理解する。

 

「私と轟さんならきっと!!」

「………乗ったぜ…八百万!」

 

 八百万と轟はお互いに手を繋ぎ意識を集中させる。まず八百万が自分達を覆う様に巨大な何かを創造する。それはまるで何か骨格の様だ。次に轟が氷の造形をする。八百万が創造した骨格に轟が造形した氷の肉体が合わさる。

 

「なんだ…!」

 

 その様子を脳無と戦っていた爆豪も気づき驚愕する。八百万の目標は龍悟の神龍の炎(ゴッドドラゴン・ブレイズ)を超える物を生み出す事……思い出すのは体育祭での上鳴の言葉……

 

『ヤオモモも作れないの!?機械の龍とか!?』

 

(今の私にはアレを超える物を生み出す事はできません…ですが、轟さんと一緒なら!!)

 

 そして二人は言葉を発しながら仕上げに入る。

 

 

「「破壊神より放たれし聖なる槍よ、今こそ魔の都を貫け! !」」

 

 

 呪文の様な言葉と共に二人が生み出そうとする物がより繊細により強靭になる。そして遂に完成する!!

 

 

「「アイスメイクーー氷結界の龍(トリシューラ)!!」」

 

 

「「「ギャオオオォォォォォォォ!!!!」」」

 

 

 生み出されたのは三つの首を持つ強靭な氷龍…その圧倒的な存在感は爆豪や茶毘を震え上がらせるには十分だった。

 

「ふ、ふざけるな!コケ脅しだ!!脳無!!」

 

 茶毘の言葉に爆豪と戦闘をおこなっていた脳無が襲いかかる。それを氷結界の龍(トリシューラ)の胸にあるコア部分にいる八百万と轟が確認する。

 

「行くぞ!八百万!!」

「はい!轟さん!!」

(とても安心しますわ…!)

 

 二人の意識により氷結界の龍(トリシューラ)が咆哮をあげ動き出す。その強靭な腕で襲いかかる脳無を意図も容易く地面に叩きつける。そして氷結界の龍(トリシューラ)に叩きつけられた脳無が一瞬で凍りつき停止した。

 

「ば、馬鹿な…!」

 

 圧倒的な力に茶毘は見掛け倒しではない事を認めてしまう。

 

「これが…俺達の強さの形だ」

「降伏しなさい…貴方に勝ち目はありませんわ」

 

「ふざけるな……ふざけるな!!」

 

 茶毘が体から蒼炎を燃え上がらせる。それを見た轟達も迎え撃つ。氷結界の龍(トリシューラ)のそれぞれの頭にある口に冷気が集中する。

 

「燃え尽きろ!!」

 

 茶毘が蒼炎を放つその時…轟達も必殺の一撃を放つ。

 

 

「「氷結のブリザードバースト!!」」

 

 三つの口から放たれた冷気は混ざり合い絶対零度の一撃となり茶毘の蒼炎を容易く吹き飛ばし茶毘さえも飲み込んでいく。

 

「轟焦凍ぉおおおお!!」

 

 呪詛の様に叫びながら茶毘は意識を手放した。氷結界の龍(トリシューラ)の一撃は森の火災すら鎮火し月明かりが氷結界の龍(トリシューラ)を照らしていた。

 

「……強さって、何なんだ…」

 

 その様子を見ていた爆豪が寂しく呟いた。

 

 

END

 

 




アイスメイクーー氷結界の龍(トリシューラ)

 轟と八百万が生み出した氷の龍…その強さは神龍の炎(ゴットドラゴン・ブレイズ)を遥かに凌駕する。元ネタは遊戯王プレイヤーなら誰もが知っている環境でも設定でも大暴れした最強カード氷結界の龍トリシューラ。

元々、八百万が機械の龍を創造する案があり何にしようか悩んでいるとトリシューラを見つけて…そうだ、轟との合体技で生み出そう!と考えて登場させました。



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