絶対無敵のヒーローアカデミア   作:DestinyImpulse

57 / 91
お気に入りが1600人、超えました!
ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします!!


願い

 圧倒的な力で響香達を倒した21号……此処までかと誰もが諦めたその時……あの男は来てくれた。

 

「龍悟…!」

 

 轟は放たれたアブソリュートリリースボールを跳ね返す龍悟の背中を見ていた。その姿に響香も希望を見出す。

 

「来るのが遅いよ……龍悟」

「すまなかった……後は任せろ!」

 

 響香に微笑みながら龍悟は超サイヤ人Ⅱに変身して21号に向かう。龍悟が現れた事に21号は歓喜の声をあげる。

 

「あー!やっと来たわね孫龍悟!!真のメインディッシュ!!貴方は何にしようかしら…貴方なら100点満点…いえ、120点の美味しいお菓子になるわ!!」

 

 欲望のまま叫び21号……

 

「久しぶりだな……と、言うべきか?」

「そうね〜でも、もういい子ちゃんの“あの子”は居ないわ…居るのはちょっと食いしん坊な私よ」

「そうか……なら、俺はアイツの願いを叶えるだけだ」

 

 静かに龍悟は構える。それに対して21号は己の欲望をさらけ出す。

 

「あ〜!もう我慢できない!!どれもこれもみ〜んな私の物!!」

 

 変わり果てた彼女…龍悟がとても寂しい表情をしたのを響香達は見逃さなかった。龍悟は決意を固め。

 

「………俺は……お前を救う者だ!!」

 

 龍悟が黄金の光を纏って21号へと挑んだ。それに対し21号もすぐに応戦するが、龍悟の拳によって空へと飛ばされてしまう。

 

「ぐっ!?…この!」

 

 21号の顔が憤怒に染まり、龍悟へと殴りかかった。だが龍悟はそれを軽々と流して蹴りを二発、三発と入れる。そのまま流れるように回転。渾身の蹴りで21号を弾き飛ばした。

 

 飛んでいく21号へ一瞬で追いついて尚も拳と蹴りを放ち、21号の反撃を的確に防いで流す。

 

「調子に!」

 

 21号がダメージを負いながら反撃をするが龍悟には当たらない。それが21号にはわからなかった。

 

「な、なんで…!」

 

 確かに21号は強者だ。それは…疑いようもない真実だ。同格以下の攻撃は効かずダメージを受けても超再生で万全になる……不死身に限りなく近い存在だ。格下なら無類の強さだが、格上には勝てない……並の格上なら問題はないが、龍悟(ゴジータ)は、肉体、技術、心…全てにおいて最強の存在……相手が悪すぎた。

 

 苦し紛れに殴りかかるがそれを受け流しその勢いを利用して回転し廻し蹴りを押し込む様に叩き付け21号は地面に激突する。

 

 龍悟は両手を上げ赤い稲妻が走る蒼穹の光弾を作り出し放つ…

 

「スターダストフォール!!」

 

 放たれたそれはいくつにも別れ、星屑の様に降り注ぐ。21号は気弾に打ちのめされ其処は光しか見えなくなり、龍悟は地面に降り立つ。

 

 やがて、21号の姿が見えてくる…スターダストフォールで再生が間に合わない程のダメージを負っていた。

 

「よ、よくも…!」

「…………やっぱりな」

 

 睨みつける21号を気にも止めず。龍悟は何かを確信する。

 

「まだ……“彼女”は居るんだろ?」

「!?」

 

 龍悟の言葉に21号は動揺し、響香達は疑問を持つ。

 

「さっきから龍悟は何を……」

「アイツと面識があるのか?」

 

 見守る中、龍悟は語る。

 

「お前は“彼女”を自分の奥底に封じ込めた……完全に取り込んだら“お前”と“彼女”が混ざり合い“お前”は“お前”じゃあなくなるからだ……違うか?」

「くっ…!」

「図星だな……聞こえるか、21号!お前は自分を殺してくれと、俺に頼んだ!!」

 

 龍悟の言葉に響香達は驚愕する。

 

「どう言う事!?」

「自分を殺してくれ!?」

 

「自分が完全な化物になって誰かの命を奪う前に…罪を犯す前に、殺してくれと………だけど、本当は違うんじゃあないのか?お前は助けて欲しかったんじゃあないのか!」

 

 龍悟の言葉はーー

 

「何を、“あの子”はもうーー「私は…」そんな…!」

 

 ーー“彼女”に届いた。

 

「まだ、お前の口から聞いてねぇ!ーー」

 

 

「ーー生きたいと言えぇぇえ!!」

 

 

 “彼女”の脳裏に過るのは龍悟に会いにショッピングモールに行った時、仲の良い家族が美味しく食卓を囲む姿だった。皆で食卓を囲んで食べる……一人で食べるよりとても美味しいのだろう……“彼女”は涙を流した。自分はあの暖かな光の世界には行けない……自分は悪から生まれたもの……それでも……

 

 

「生きたい!!ーー助けて…龍悟さん!!」

 

 

 “彼女”の願いが響く。響香達が目を見開く中、それを聞いた龍悟は小さく笑い超サイヤ人Ⅲへと姿を変える。

 

「当たり前だ!!」

 

 “彼女”が奥底に追いやられ“アイツ”が出てくる。

 

「はぁ…はぁ……助けて?どうやって?できっこないわよ、そんなの…!」

 

 龍悟を嘲笑う21号……だけど響香は否定した。

 

「アンタ、龍悟を狙ってたみたいだけど…何も知らないんだね………それでも何とかしてくれるのが孫龍悟なんだ!!」

 

 何となくだが響香達もわかった……21号には2つの人格がある……その一つが心優しい者だと言う事を…

 

 

「何となくしかわかんないけど……“彼女”を助けてあげて…龍悟!」

「あぁ…!」

 

 龍悟がすり足の様に21号に迫る。反撃しようとしたが次の瞬間には背後に立っていた。――直後。21号の腹がまるで殴られたかのようにへこみ、更に拳打の跡が何度も刻み込まれる。あまりに速すぎて攻撃された事にすら気付かなかったのだ。跳躍した龍悟は21号の側頭部に膝蹴りを叩き込み、よろめいた所でもう一度膝を叩き込む。そのまま反動で後方宙返りを決め、普通ならばそのまま離れていくはずのところを舞空術との合わせ技で距離を詰める。そして空中でもう一度後方へと回転してサマーソルトキックを決め顎を蹴り上げた。

 

 龍悟は背を向けて着地し片腕を上へ掲げた。掌の中には虹色に輝く宝玉…ソウルパニッシャーが生み出される。龍悟を見ながら爆豪は悔しそうに、しかし認めるしかないという笑みを浮かべた。

 

「変身野郎……すごい奴だよお前は。あの21号は俺にはとてもかなう相手じゃなかった……あいつと戦えるのはお前だけだ」

 

 爆豪は今、この時をもって理解した。何故天才であるはずの自分が勝てなかったのか……爆豪はオールマイトの勝つ姿に憧れた…勝つ為に戦い…勝って、己のプライドを守ろうとしていた。

 

 だが龍悟は違う。絶対負けない為に限界を極め続け戦うのだ。

 

 

「頭にくるぜ…強くて優しいヒーローなんて……頑張れ龍悟……お前がナンバーワンだ……!」

 

 

 爆豪が清々しく言ったその時、龍悟はソウルパニッシャーを放った。

 

 

「あぁぁぁぁぁあっ!!」

 

 21号が虹の光に包まれる。やがて光が消え見えたものは……“21号が二人に別れた”光景だった。龍悟は別れた“彼女”を支える。

 

「お前の願い…確かに聞いたぜ」

「龍悟さん…!」

 

 涙を流す“彼女”…21号(善)。ジャネンバをも浄化したソウルパニッシャーで善と悪とで分離させたのだ。ただ、連戦からのソウルパニッシャーで超サイヤ人Ⅲが解除される。

 

 

「よくも…よくもよくも!!」

 

 一方、別れた“アイツ”…21号(悪)は怒りの表情で龍悟を見ていた。

 

「全部…全部全部!アンタもそいつも…全部一人で食べてやる!!」

 

 別れた事でパワーダウンした21号(悪)が気を無理矢理高め、その姿が変わる…肌が浅黒く変色し、加えて黒い斑点が現れ、より不気味で禍々しい姿へと変貌していく。龍悟と21号(善)は構える。

 

 

「どうします?龍悟さんもかなり消耗してしまった今、アイツを完全に消し去るには…!」

「そうだな………そろそろ“切り札”を使う時か」

 

 龍悟は黒髪になり宙に浮かび両手を掲げた。

 

 

「皆わりぃ!俺に皆の元気をわけてくれ!!」

 

 

 龍悟の言葉に疑問を持った飯田だが…

 

「ウチの気を使って龍悟!!」

 

 響香が手を掲げた。すると彼女の手から青白い光が現れ龍悟の方へ飛んでいく。響香は龍悟から最終切り札“元気玉”の事は聞いていた。

 

 元気玉。

 

 この技は、かつて悟空が北の界王から教わった技で星に生きる植物や動物などから少しずつ気を借りる事で完成する。別に気を使えない者でも手を掲げれば気を送る事ができ、皆の力を一つに集結させる最大技だ。

 

 それを見た飯田達も手を掲げる。

 

「僕のもだ!!」

「私のも!!」

「龍悟ちゃん!!」

「俺達のも!!」 

「オウヨ!!」

「お前に託す!!」

 

 飯田に続き麗日、蛙吹、それに常闇、障子も続く。青白い気が集まり丸い気の塊になる。

 

「八百万…!」

「えぇ!受け取ってください、龍悟さん!!」

 

 八百万に肩を貸してもらい立ち上がる轟も八百万と共に手を掲げる。それに相澤…爆豪も続く。

 

「やらせるか!!」

 

 それを黙って見る21号(悪)ではない、龍悟ヘ攻撃を仕掛けようとしたその時…

 

「させません!!」

 

 21号(善)が立ち塞がる。

 

「おのれぇ…!私の邪魔をするなぁぁぁぁ!!」

 

 21号(善)が時間を稼いでくれる。元気玉はそれなりの大きさになったが…まだ足りない。

 

《皆聞こえる!今、龍悟君が敵と交戦中!手を掲げて力を貸して!!》

 

 突如、頭に声が聞こえた。辺りを見ると目を覚ましたマンダレイが皆にテレパスを送っていた。

 

「マンダレイ…」

「これくらいしかできないけど…後はお願い!」

 

 

 その声は合宿所に届き。

 

「俺達は其処には行けねぇけど……できる事があるなら喜んで力を貸すぜ!!」

 

 切島を筆頭に避難していたA・B組の皆が次々と手を掲げて気を送る。

 

「物間…アンタもお願い!」

「ハァ!しょうがないな〜!」

 

「頑張れ!!龍悟!!」

 

 拳籐も手を掲げて龍悟に気を送る。次々と送られる気により遂に元気玉が完成した。

 

 

「ありがとよ、皆!!21号!!」

 

「ハイ!はぁぁぁ!!」

「ナニ!?」

 

 龍悟の言葉に21号(善)は21号(悪)に気弾をぶつけて離れる。取り残された21号(悪)に……

 

 

「コレで最後だぁぁあ!!」

 

 

 特大の元気玉が降り注ぐ。21号(悪)は何とか受け止めるが…

 

「龍悟さん!!」

「あぁ!終わりするぞ!!」

 

 21号(善)が龍悟の肩に手を置き気を注ぐ。それによって超サイヤ人に変身した龍悟は元気玉を更に強く押し付ける。21号(悪)が受け止めきれなくなる。

 

「なんで…!こんな…奴等に……!」

 

 龍悟は小さく呟いた。

 

「オメェはすげよ…よく頑張った。この世界に来てまでお前と戦う事になるとは思わなかったぜ……魔人ブウ。今度は良い奴に生まれ変われよ……それで俺の事を覚えているのなら……何時でも相手してやる」

 

 龍悟は片手で元気玉を押しながらもう片方の手の指を額に添える。

 

 

「またな…!!」

 

 

 元気玉が一回り大きくなる。

 

「龍悟!!」

 

 響香がーー

 

『龍悟君!!』

 

 飯田と麗日がーー 

 

『龍悟(さん)!!』

 

 轟と八百万がーー

 

『龍悟(ちゃん)!!』

 

 蛙吹、常闇、障子がーー

 

『龍悟!!』

 

 相澤と爆豪がーー

 

『龍悟!!』

 

 拳籐達がーー

 

「龍悟さん!!」

 

 21号(善)がーー

 

 

『イケぇぇええっ!!』

 

 

 龍悟に全てを託す。

 

 

「はぁぁぁぁぁあっ!!!!」

 

 フルパワーで元気玉を押し込み遂に21号(悪)が飲み込まれる。凄まじいエネルギーで再生すらできずに消滅していく。

 

「ち、ちくしょう……!この…ゴミクズ共が……!」

 

 それが21号(悪)の最後の言葉だった。龍悟は元気玉を操作し上空に移動させ爆発させた。周りに被害はなく。21号(悪)も完全に消滅した。

 

 

「か、勝った…!勝ったんだ!!」

 

 先程とは違う確実な勝利を感じた響香達は歓喜の声をあげる、それを見ながら龍悟は拳を握った。

 

「俺達のパワーが勝った…!」

 

 

END

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。