絶対無敵のヒーローアカデミア 作:DestinyImpulse
ありがとうございます!
試験当日
「お待たせ待った?」
「いいや、今来たところだ」
駅で待ち合わせをし龍悟と響香は雄英に向かった。
筆記試験を無事終えた二人は実技試験の説明を受けていた。
「今日はオレのライブヘようこそー!!!」
試験説明その第一声がこれだった。
ボイスヒーロー"プレゼント・マイク"が名に恥じない声を響かせる。だが応える受験生は流石にいなかった。
(流石に応えるヤツはいないだろ)そう思いながら隣の響香を見てみると。
響香(ウズウズ)
今すぐにでも応えたい響香がいた。そんな響香と目が合う。
「ハッ!?」
響香の顔が恥ずかしさから赤くなっていく龍悟はすぐ視線を戻した。
「こいつはシヴィー!!受験生のリスナー!実技試験の内容をサクッとプレゼンしていくぜ!アーユーレディ!?」
実技試験の内容は10分間の【模擬市街地演習】
道具の持ち込みは自由。各自指定のA、B、C、D、E、F、Gの試験会場に移動。
演習場には三種類の"仮想敵"(かそうヴィラン)が多数配置されている。
それぞれの「攻略難易度」に応じてポイントが設けられる。それを自分の"個性"で行動不能にしてポイントを稼ぐのが目標だ。
アンチヒーローなどの行為はご法度。
配られたプリントを見ながら説明を聞いていると突然一人の受験生が立ち上がった。
「質問よろしいでしょうか!? プリントに記載されている四種類目の仮想敵についてです!ーーこれに関する説明がなく、もし誤載ならば恥ずべき痴態ーーどうゆう事か説明を求めます!」
(スゴい奴だな)
龍悟は叫ぶ様に説明を求める受験生に対してそう感じていた。
「オーケーオーケー!そこの受験生ナイスなお便りサンキュー!説明すると、この四体目はー"0Pのお邪魔虫"だ」
プレゼント・マイクの言葉が会場に響き渡る。
この四種類目の敵は0Pで倒すのはほぼ不可能。各会場に一体ずつ配置され大暴れしているギミックだ。
最後にプレゼント・マイクから雄英の"校訓"をプレゼントされる
かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った。
『真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者』とーー更に向こうへ"PIusUItra"!!
「それではみんな良い受難を!」
説明が終わると受験生たちは振り分けられた演習会場に向かった。
「龍悟、頑張ってね!ウチも頑張るから!!」
「響香もな」
龍悟と響香はコツッと拳を合わせてから演習会場に向かった。
龍悟達受験生はバスで指定された演習会場に着いていた。ビルほどの高さがある扉と壁は、まさに一つの街を囲めるほどだった。
動きやすいジャージに着替えた龍悟は準備運動をする。
『ハイ、スタート!』
プレゼント・マイクの号令で扉が開き始めた瞬間、龍悟はその隙間を通り抜けた。ワン・フォー・オール 30%で駆け抜ける。
『どうしたあ!?実戦じゃカウントなんざねぇんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!?もう動いてる奴なんかいるんだぞ!!』
『ブッコロス!』
人工音声で叫びながら突っ込んでくる2と記された四足歩行の仮想敵が4体それを確認した龍悟は円盤状の物を4つ気で作り仮想敵に向かって投げた
「気円斬」
龍悟が投げた気円斬は4体の仮想敵を切り裂いた。そんな龍悟の背後から3Pの敵が襲い掛かってくるが……
『ブッー!』
振り向きざまに放った拳が3Pの敵を粉砕した。
「順調だ」
龍悟は次々と仮想敵を倒していった。
それから数分が経ち実技試験の審査員達がいる所では、受験生達について話していた。
「今年はなかなか豊作じゃない?」
「特にあの逆立った黒髪の少年は凄いな!あの動きは人離れしている!」
「……これは今年は荒れるな」
(孫少年!頑張っているね!!)
オールマイトはこの場で龍悟の活躍を見ていた。なんせ他の受験生達よりも群を抜いていた。
「さて、真価の問われるのはこれからさ!!」
一人の教師がボタンを押す。それが行われる少し前、龍悟は格闘で仮想敵と戦っていた。
「さて次は……ん?」
軽く呼吸を整え、新たな敵を求めて周囲を見回すと1人の少女が3体の仮想敵ヴィランに囲まれているのが見えた。形状からして3Pの奴が3体、恐らく集団で潜んでいた所に運悪く足を踏み入れてしまったんだろう。
少女は拳を大きくして敵集団を攻撃するが、多勢に無勢なのは見るまでもない。
「見て見ぬ振りはできねぇな」
少女の背後から襲い掛かる敵を殴り飛ばし一体に気弾を当て怯ませる。
その隙に少女は大きな拳で二体の敵を粉砕した。
「助かったよ、ありがとう!」
「気にすんな…お互い頑張ろうぜ」
そう言って少女に背を向けた龍悟は、新たな敵を求めて移動を開始した。そうしている間に制限時間は残り2分を切り…試験会場に変化が起きた。ビル並の大きさをした仮想敵が現れたのだ。レクチャーで話題になった0Pの巨大仮想敵…
「逃げるんだ…勝てる訳がない!!」
「避難だ!!」
その巨体に恐れをなしたのか、受験生の殆どが蜘蛛の子を散らすように逃げていくなか、龍悟は周囲とは反対に巨大仮想敵に向かって滑走していた。
「あいつレベルの違いに気づいてないのか!」
「馬鹿かあいつは!」
周りの声を無視して龍悟は0Pの仮想敵が暴れていたせいで建物が崩れ、そして瓦礫が発生し、その下に足を下敷きにされている少女に駆け寄る。
「私に気にせず!君まで!!」
「そう言われて去る奴はヒーローじゃねぇよ」
そう言いながら龍悟は女子の足を下敷きにしていた瓦礫を撤去して女子を抱えて離れる。
「おーい!!大丈夫か!」
其処にさっき助けたサイドテールの少女と眼鏡を掛けた少年が駆け寄る。
「さっきの…この子を頼む」
姫様抱っこの格好になって顔を赤くする少女を預ける。
「逃げないのか………まさか、戦う気か!?」
眼鏡の少年が声を上げる。
「なら、逃げるのか?確かに勝てもしない奴に挑むのは無謀だ……だが、逃げ出す奴らがーー」
――誰かの“希望”になれるのか?
その言葉に目を見開く三人……そして龍悟は駆け出した。
巨大敵の前に止まった龍悟は腰だめに拳を握り、金色の気を纏い超サイヤ人になる…だがこれで終わりじゃない…その体に赤い稲妻が浮かび上がる。超サイヤ人の状態でワン・フォー・オールを発動させた形態…
「これが…超サイヤ人・フルカウルだ!!」
その力の余波に窓ガラスは割れ土煙は払われる。
「………………」
「凄い…」
「黄金のヒーロー……」
間近で見た少年は唖然とし二人の少女から言葉が漏れる。
巨大敵がその巨大な拳を振り下ろが……
「ビックバン・アタック!!」
赤い稲妻が混じった蒼穹の玉がその腕を吹き飛ばしたした。
「これで終わりだ」
静かにそう言うと龍悟は右手と左手を巨大敵に向けて開き上下の手首を合わせて体をひねって右腰に置いた。
「か〜め〜は〜め〜」
赤い稲妻と蒼穹の輝きが龍悟の手から溢れだしてくる。残った腕で巨大敵が攻撃してくるがもう遅い。
「波ぁああああああっ!!!!」
龍悟が放った極大の一撃が巨大敵を打ち抜き更に遥か空の雲までも撃ち抜いた。巨大敵の爆発音が周囲に響く。
『試験終了〜〜!!』
プレゼント・マイクの終了の合図とともに、実技試験は終わりを告げた。
試験から一週間、自室に居る龍悟の手には雄英高校からの手紙が握られていた。
「押すんだよな……」
案内通知の紙以外に、大きい平たく丸い装置が入っていた。スイッチらしい物を押す。
『私が投影された!!』
「ダニィ!?」
『イヤー諸々手続きに時間がかかって連絡がつかなくなってしまってね、申し訳ない』
画面に映っているのは黄色のピンストライプスーツと青ネクタイのオールマイトだった。
『実は、私がこの町に来たのは雄英に勤める事になったからなのだよ。ん?え、巻きで?いやしかし彼には伝えなければならない事が…後がつかえてる?あ~…OK、分かった。筆記は合格、そして実技120もポイントと優秀な成績で合格。素晴らしい!教員全員驚いてたよ!ちなみにだが、見ていたのはヴィランポイントだけにあらず!』
『見ていたもう一つの基礎能力、それ即ちレスキュー!何故なら!「人助け」を、「正しい事」をする人間を排斥するヒーロー科などあっていい筈が無い!綺麗事?大いに結構じゃないか!綺麗事を掲げて実践するのがお仕事さ!ちなみにこれは、厳粛な審査制!君のレスキューポイントは、囲まれた少女を助け、危険を承知で下敷きにされた少女を助け、被害を抑える為巨大敵を撃破によって80!合計200ポイント!』
そして成績の上位十名の点数と名前が空中に投影されたスクリーンに現れた。その一番上には、龍悟の名がある。
『堂々一位の入試主席だ!おめでとう』
「っしゃぁ!!!」
『来いよ孫少年!ここが君のヒーローアカデミアだ!』
END