不思議な行方不明の錬金術士   作:カエル帽子

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泊まりがけの仕事放り込まれると全然手がつかなくて困りますね。


現在リディー&スールがファルギオルまで終わったのでネルケのアトリエに移りました。街作りゲーはまったくやってなかったので、すごい考えちゃって時間があっという間に過ぎちゃいますね。


帰郷 キルヘン.ベル 八百屋さんとカフェ編

おばあちゃんの墓参りを終えて、俺達はメインストリートへと向かった。

 

「よくよく見てみれば、新しいお店が並んでたりしてるんだな。」

 

「それはそうよ。小さな街ではあるけれど5年以上も経てば変わるわ。」

 

「確かにな。もちろん変わらないものもあるけれど、ね。」

 

例えば、あっちに見える八百屋さんとか。お客さん相手に此処からでも明るく元気な八百屋トークが聞こえてくる。ここに住んでいたときは大変お世話になった八百屋さんだ。幼馴染みの一人、オスカーの家でもある。

 

「まずはあそこからだな。」

 

「わかったわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーい!今日はどの野菜も新鮮でオススメだよー!」

 

今日も元気な声で呼び込みを行う女主人、マルグリットさん。明るい茶髪を後ろで団子みたい丸めて結わいている。前とまったく変わらずめっちゃ綺麗な人だ。

 

「こんにちはマルグリットさん。」

 

「あ!モニカじゃない、ちょうどよかった!一つ頼まれてくれないかい?」

 

「え、はい。急ぎでなければ大丈夫ですよ?」

 

モニカが挨拶した途端、かなりの勢いで頼み事をしようとするマルグリットさん。ちょっとモニカが戸惑っているな。

 

「さっきここを深緑の服を着た男の子が通って...ってアンタだよアンタ!ちょっと顔貸しなさい!」

 

「みゅ!?」

 

俺の事を見た途端、物凄い勢いで近づいてきて両手で俺の顔をガッチリと固定してきた。近い!めっちゃ近いですよマルグリットさーん!?

 

「あぁ...あぁ、やっぱりそうだ!アンタ、マナスだろう!?」

 

「ほみゅむむぅ!!」

 

「あ、ごめん。このままじゃ喋れないわね。」

 

俺が喋れないことに気づいて、ようやく手を離してくれた。あーほっぺた痕になってないよな?

 

「ふう...。あー、ご無沙汰してますマルグリットさん。マナス.アウフヴァッヘン、ただいま戻りました。」

 

「よく、よく無事で。生きていてくれてホントによかった。街の皆も喜ぶよ!あーもうなんで、こういう時にうちのばか息子はいないんだか!」

 

確かソフィーと一緒にオスカーも旅に出たって言ってたな。あのずんぐりむっくりなオスカー。たぶん嫌でも減量するだろうけど、どうなってることやら。

 

「いやいや、俺が連絡も無しに来たことの方が問題ですし。それに旅をしてれば、いつかは会えますよ。」

 

「すいませーん。」

 

「ああはい!いらっしゃい!...もっと話していたいけどお客さん来ちゃったからまた後で。ちゃんと話は聞かせてもらうからね!」

 

「はいもちろんですよ。また後で!」

 

お客さんが来てしまったのでマルグリットさんとは一旦別れることに。あとで根掘り葉掘り聞かれそうだなぁ。ちょっと大変かもしれん。まぁそれはそれでいいとしてだ。

 

「おいモニカ。そろそろこっち向け。」

 

「いや...だって...『みゅっ!?』て...!」

 

途中から喋らねぇなと思ってチラっとみたら肩震わして、なんかツボってましたわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

からんころん

 

 

「こんにちは~。」

 

「あれモニカ?今日は早いねー。」

 

「おやモニカ。今日はソフィーの家に行く日ではありませんでしたか?」

 

次は八百屋さんの傍にある喫茶店だ。店に入ると喫茶店のマスター、ホルストさんと店員のテス姉に迎えられた。喫茶店は両親がよく利用していて、俺もよく連れられてミルクティー飲んでた覚えがある。

テス姉は俺達より二つ上のお姉さんで、ソフィー達の次に会うことが多かった人だ。よくからかわれていたのを思い出す。まさかここで働いているとは思わなかったけど。ついでに言うと兎耳店員さんになってるとも思わなかったけど!

 

「そうだったんですけど、それどころじゃ無くなったといいますか...。」

 

はい、それどころじゃなくなった原因であるマナス君です。モニカの視線が俺に向いたことで二人の視線もまた俺に。

 

「隣の彼が関係していると。はて、どこかでお会いしているような?」

 

「まぁ会ったことはありますよ、二人ともね。」

 

「んっ!?え、うそっ!?」

 

モニカの返答の後に、テス姉が俺を指差しながら幽霊でも見たかのよう俺を反応をみせる。

 

「テスは彼が誰かわかったんですか?」

 

「あったり前じゃん!あたしの可愛い弟分を忘れるわけないじゃない!うわぁホントに生きてた!よかったよぅ...ぐすっ。」

 

「わわっ!?テス姉!?泣かないで!?というか抱きつかないで!?」

 

「なんと、マナス君ですか!?よくご無事で。皆が聞いたら喜ぶでしょうね!」

 

テス姉は急に泣き出して抱きついてきた。

昔もよく抱き締められることはあったけど、あの時とは違う柔らかい感触が!?あ、女の子特有のいい匂いがする。じゃなくて!

 

「テス姉、そろそろ離してほしいかなーなんて...周りの視線がやばい。」

 

うん、なんか店内のあっちこっちから視線を感じるんだ。というか刺さってる。たぶん視線を可視化したら今の俺はハリネズミみたくなってる。針が生えてるんじゃなくて刺さってる方の。めっちゃ痛いだろうなぁ。

 

「あ、ごめん!つい感極まっちゃって。でも随分と大きくなったねぇ。あの時は身長同じぐらいだったはずなのに。」

 

「そうかな?うーん他の人達とそんなに差は無いとおもうけどなぁ。」

 

たぶんテス姉の身長は160無いかもしれないぐらい。確かに俺より背は低いけど、そんなに大きくなった自覚はないなぁ。

 

「そうだ、ホルストさん。どっかに空き家無いですか?それも前と同じぐらいの広さのあるところ。」

 

ホルストさんは確か、街の人達の依頼とかをまとめて管理してたはずなので、ちょっと聞いてみる。

 

「うーん、同じ広さとなるとちょっと困りましたね。あの家も今はもう別の方が住んでいますし。今は空いている物件は聞いてないですね。調べてはみてみますが...。しかし前と同じとなると一人では広すぎませんか?」

 

あの時は両親と三人暮らしだったからな。物も色々あったしそれなりの広さがあった。でもキルヘン.ベルを離れる際に家は売っちゃったから、もう無いだろうなぁとは思ってたけど。

 

「あぁ広くはないですよ。錬金術の道具とか置いたら多分ちょっと狭いぐらいかもです。」

 

「おぉ、マナス君も錬金術をやっているのですか?でしたら依頼を受けていただけませんか?ソフィーがいなくなってからというもの、依頼を捌くのが大変になってしまいまして。」

 

そっか。ソフィーも皆のために頑張ってたのか。それなら俺だって負けてられんな。

 

「全然おっけーですよ!錬金術は皆に笑顔あげるものですからね。そのためにも家は欲しいんですけどー、モニカも知らない?」

 

「ごめんなさい。私もちょっとわからないわね。」

 

モニカでもわからないか。さすがに困ったぞこれは。

 

「うへぇまじか。最悪はソフィーの家の近くでテント暮らしか?」

 

「いや、街中にテントがあると、私の方が困ってしまうのでちょっとやめていただきたいのですが...。」

 

皆であーでもないこーでもないと、うんうん唸っているとテス姉が何か閃いたのか、ポン!と手を叩く。

 

「あ!いいこと思いついた!ねぇマナス、錬金術ができる環境があればいいんだよね?」

 

「うんまぁそうなんだけど。」

 

「じゃあさ、ソフィーの家に泊まればいいんじゃない?」

 

その言葉に俺もモニカもホルストさんも言葉が出なかった。いや確かにソフィーの家はアトリエだから住居としてはこれ以上無い最高の環境なんだろうけど、けど!

 

「名案ですね!私もテスの意見には賛成します。モニカはどうです?」

 

いや待って!?なんで賛成しちゃってんの!?ほらモニカもなんか言ってあげて!

 

「なるほど...私も賛成します。テント暮らしするぐらいなら、ソフィーの家にいてもらえる方がいいですし。」

 

お前もかよぉ!モニカはこういうの否定派だと思ったんだけどな!

 

「ちょっとちょっと!?皆さん何言っちゃってんのさ!俺は男だよ!まず野郎が女の子の家に泊まること自体問題だろうよ!?」

 

「その辺は心配してませんよ。だってマナス君ですし。」

 

「「うんうん。」」

 

ホルストさんの言葉にうなずく二人。その『だって』の部分に激しく突っ込みを入れたいところだがそこはいい。

 

「というか許可取るべき家主がいないじゃんよ!本人の許可貰うべきだろ!?」

 

「ソフィーの家の管理は私が任されてるから、私が許可すれば問題ないわ。それにソフィーがいたとしても二つ返事でオッケーだしてると思うわよ?」

 

「むぅ、確かにソフィーなら俺でなくてもそういうことしそうだけどよ...というかモニカはソフィーの家の管理を俺にぶん投げようとしてない?」

 

「...。」カチャ

 

無言で眼鏡の位置を直すモニカ。

 

「おい絶対図星だろ。何か言えよ。」

 

「まぁまぁ、それにマナスにとってもたくさん良いことあるじゃない♪」

 

うわぁ、めっちゃいい笑顔してるよテス姉。こういう時はろくでもないこと言い出すんだよなぁ、聞きたくないけど、一応聞いてみよう。前とは変わったかもしれないし。

 

「...とりあえず言ってみてよテス姉。」

 

「まず錬金術できる環境でしょ?んでマナスはソフィーの家にはよく通ってたから勝手知ったる人の家状態でしょ?んで最後にぃ...。」

 

「最後に?」

 

「合理的にソフィーのベッドに潜り込むことができる!」

 

「ぶっ!ちょ!?テス姉!?」

 

やっぱりダメだったよちくしょう!ホントにろくでもないことだったわ!

 

「女の子の匂いを合理的に吸うことができるよ!やったね♪」

 

「変態じゃねぇぇぇぇかぁぁぁぁ!!!!大体そんなことやったらソフィーに嫌われんだろうがぁぁぁ!!!」

 

結局、この話は俺がソフィーの家を使うことで決着した。せめて泊まる場所はソフィーの家の横でテントを、と言ったのだが街中にテントがあるのはよろしくないとのことで押しきられた。

はぁ、とりあえず服とか入ってそうな所は開けないよう封印しとかないと。ソフィーの下着なんか見たらもれなく変態紳士か下着泥棒とか不名誉な肩書きが増えることになるぅ...!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テス、最後のはちょっとやりすぎかと思いますよ?」

 

「あはは、会えたのが嬉しくって♪でもなぁ。」

 

思い出すのはベッドに潜り込むと言った時の台詞。

 

『大体そんなことやったらソフィーに嫌われんだろうがぁぁぁ!!!』

 

「怒られる~とか殺される~とかじゃなくて、嫌われる、だもんねぇ。」

 

やっぱりマナスはソフィーに一途、か。参ったねぇ。

 

「マスター。仕事終わったら、お酒飲んでもいい?」

 

「...しかたありませんね。今日は特別ですよ?」

 

「うん、ありがと。」

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