おかしいな、ついこの間まで外が暑いプール入りたいと騒いでたはずなのに、気づいたら加湿器用意する季節ですよ。
皆さんは今年のやりたいこと、目標等は達成出来ました?自分は全く出来ておりません!自分は来年が勝負の年となりそうでございます。
さて今回は傭兵のおっさん(不死身の人)のお話。
自分はフルスハイムの酒場にいるのに全く気がつかず、ストーリーが終わったあとで気づきました。
わかっていたらメインにしてたかも知れないです。
結論からいいます。公認試験に合格しました!やったぜ!
いやしかし危なかった。まさか到着が試験の受付時間ギリギリになるとは思わなかったわ。
エーデルさんになんとか頭を下げまくって試験を受けさせてもらえたけど、
『アナタもですか…。』
と小さく呟いたのを俺は聞きました。しかし、当日ギリギリだったのは俺だけだったはず。
そうなると誰のことを言っていたのだろうか?まぁ、気にしたところでしょうもないことだけど。
試験内容は学力試験と実技試験の二つ。
学力試験は試験管の考えたテスト用紙の問題に答えを書いていくもので、実技よりも不安があったが、問われたのは錬金術において基本的なものが多かったので助かった。
師匠は錬金術のやり方は教えてくれたが、後の事は自分で調べろと放任主義なところが多くて、実際のとこ、俺の知識はほぼ独学と言ってもいい。
だから、他人から問われる『常識』というものに俺は自信が持てないでいたのだが、どうやら俺の経験は世の『常識』にも当て嵌まっていたようだ。よかったよかった。
実技試験に関しては、別室に用意した『的』に作ってきた道具を使って一回で大きなダメージを与える、というもの。
以前まではこの試験の『的は『由緒正しいプニ』が引き受けていたらしいが、少し前から錬金術で作った丈夫な『的』に変えたらしい。
的に関してはともかく。日々、魔物達と戦っている俺からすれば得意も得意、大得意と言える内容だ。
戦闘用にちゃんと改良した『ルフトアイゼン』よりも威力の大きい風の爆弾、名付けて『ルフトエストルム』を堂々とお披露目してきた。
ま、まぁあまりに強すぎてエーデルさん作の『的』を破壊し、さらに部屋の端にあった書類等を強風でバラバラにしちゃったのはそのぉ、ごめんなさいでした。
ともあれ、試験も終わったので俺は慌てて訪問した村や街を、もう一度巡ることにした。
そして今いる場所は港町フルスハイム、なのだが。
「んー?あんなとこに大きな建物なんてあったか?」
試験のための推薦状をもらいに錬金術師さんを訪ねた時は建物なんざまったく見てなかったんだけど、町の中心から少し外れた所に大きくて真新しい建物が一つあった。
まだキルヘン・ベルに戻る前に来た時には、こんな建物は無かったと思うんだが…。
「せっかくだし見に行きますか。」
近くまで来てみると、やはり大きいし、広い。家と呼ぶにはあまりにも大きすぎる建物だ。
広場もあるし、全体を柵で囲ってるし…お、子供たちが遊んでるな。元気でよろしい。
昔は俺もソフィー達と鬼ごっことかしてたなぁ。たまにキルヘンベルの皆を困らせた事もあるけど、今となってはいい思い出である。
さて、建物をみた感じだとウィーレンで見た所と似ているな。
あそこは音楽がメインだったものの、それでも楽器を教えるという場所として『学校』というものがあった。
キルヘン・ベルでは学校という物は無かったから、ウィーレンで勉強のための施設と聞いたときは驚いたものだ。
「キルヘン・ベルにも学校とか作るときが来るのかなぁ…っ!?」
突然『風詠み』の警告を感じたのと同時に、その場にしゃがみこむ。
頭上を何かが通り抜けたのを感じた瞬間にブーツの力を開放。その場から横っ跳びに距離を取り杖を構える。
「へぇ、まさか避けられるとは思わなかったぜ。」
そこにいたのは、褪せた金髪を後ろで結わいた、すげぇ大きくてガタイのいいおっさんだった。
大剣を担いで笑ってやがるが油断ならない相手なのは、気づかれずに俺の背後をとったのと、俺の頭上を抜けた大剣の速さでよくわかる。
この感じ、間違いなくできる人。なんとなくだが、フリッツさんみたいな戦ってきたタイプの人だと思う。
「そら、次いくぞぉぉぉ!!!」
気合いの入った声と共に今度は上段から叩き潰すように大剣を振りかぶってきたので、すぐに横っ跳び。
バギィッ!
「ヒェッ。」
避けた所からとんでもない音が聞こえたので見ると、石作りの床がめっちゃ抉れてた。威力やば、あんなもんまともに受け止めようもんならぺちゃんこにされる!?
「アンタ俺を殺す気かっ!」
「久々に骨のありそうな奴でよかったぜ。最近体を動かしてなかったからなぁ!」
ブォン!
くっそ、コイツ完全に人の話聞かねえじゃねえか!おまけにまた柵っぽいものが壊れていくしよぉ。
自分の物じゃないにしても、意味のない破壊は趣味じゃない。
ああもう!どのみちこのままじゃ捕まっちまうし、やるしかねぇか。ブーツと杖の力を開放し、おっさんを見据える。
「へぇ、面白ぇ。かかってこいよ!」
その場で大剣を構えるおっさん。完全に受けの姿勢で俺の攻撃を捌くつもりのようだ。
それならそれで好都合、俺の全力の一撃を叩き込んでやる。モニカの技を参考にして組み上げた全力の突き技。名前を付けるなら『
「止めれるもんなら止めてみろ!ハッ!」
一気に相手の懐に踏み込み杖を突きこむだけ。
やってることはこれだけだが、フリッツさんやジュリオさんの指導と錬金術で更に加速した速さを乗せた一撃。土手っ腹に風穴開けるつもりの最速最短の攻撃。
ガキィン!
だというのに、おっさんは大剣で受け止めやがった。だがそんなもんは想定内ってか関係ない。
今大事なのは正面に攻撃を当てたことだからな。
「ぶっとびなぁ!!!」
「なっ!?」
そこからさらに杖の宝石に込めた風の力が爆発。魔物でも飛ばせる威力だ、おっさんぐらいなら簡単に飛ばせる。背後の柵をへし折り、さらにその向こう側まで転がっていく。
そういえば紳士服っぽいものを着ていたけれど、そんなもん知らん。喧嘩ふっかけてきたあっちが悪いのだ。
「くっ、ハハハ!!!こんな風にぶっ飛ばされるのは何時ぶりだぁ?」
転がったせいで服はぼろぼろだってのに、そこまで堪えたように見えないどころか豪快に笑うおっさん。
まぁ立ち上がるよね、知ってた。
「今度はこっちから行くぜ?」
顔は笑ってるのに目がギラギラしてやがる。さっきまでと違って本気になりやがった。こうなりゃとことんやってやる。
気を引き締め杖を構える俺。向こうも大剣を構えなおして睨み付けてくる。今の距離は10メートルぐらいだが、互いにこんな距離なんてあってないようなものだろう。
いつ飛び出すかタイミングを測りながら数秒。一気に仕掛ける!
「何事ですか!」
そのタイミングに横から女性の凛とした声が響く。ちらりと声の主を見ると、つい先日お世話になった女性が険しい顔をして立っていた。
「おう、レンじゃねえか。ちょっと待ってろ、すぐにこの不審者ぶっ飛ばすからよ。」
「あん?いきなり後ろから斬りかかってきた奴の方が不審者だろうが。その面へし折ってやる。」
突然の不審者扱いに腹が立ったので言い返す。
こうなりゃ道具も死なない程度に遠慮なく使ってやろう。おっさん丈夫そうだし。何より負けたくないしな!
あちらさんも準備万端のようだし?そんじゃま、始めるとしようか!
足とブーツに力を込めて…いっくぜぇ!
「いい加減になさいっ!!!」
「はいっ!?」
「おぅ!?」
声を聞いた瞬間に頭の中に浮かんだのは『やばい』の三文字。
おっさんもそれを感じ取ったのか、さっきまでの覇気というか闘志みたいのが一瞬で消え失せ、顔が青ざめている。たぶん俺も同じような顔をしていることだろう。
恐る恐る声の主であるレンさんの方を向く。
そこには数日とはいえ、お世話になっていた時とはまったくの別人と疑いたくなるほどに冷たいどころか凍てつく視線を飛ばす人がおりました。
「アングリフ、貴方の部屋に移動しましょう。詳しい話はそこで…マナスもいいですね?」
「は、はいっ!」
「りょ、りょうかいだ!」
最後の『いいですね?』だけものすごいトーンが下がった。今逆らったら殺される!
「さぁ、行きましょう?」
俺たちは怒らせてはいけない人を怒らせてしまったのかもしれない。
前を歩くレンさんに気づかれないように、おっさんと顔を合わせる。
『これ以上怒らせたら死ぬ。一時休戦だ、いいな?』
たぶんこうだと思うので頷く俺。おっさんも一回頷いたので意思疎通は成功したと思う。
俺たちは黙ってレンさんの後をついていく。
大の男二人が女性の後ろを縮こまって歩く姿は滑稽に映るかもしれんが、そんなのを気にする余裕なんてなかった。
考えることは一つだけ。この状況をどう乗り切るか、それだけである。
公認試験の話は、ストーリーを進めるために簡単にまとめて終わらせることにしました、ご了承ください。
こんなマイペースなSSを今も読んでくださる方々、ありがとうございます。今後も亀の歩みより遅くなるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。