始めた途端サブイベの嵐。そういえばファルギオル終わらせたばかりだったなーと思い出しました(笑)
双子にいじられるイル師匠かわいい。
時間の流れは早いもので、キルヘン.ベルを出て早くも二年近くが経とうとしている。これまでに何かあったかと言われれば色々あったと言い返すけど、特別あげるとするならば、
少しだけ言動がおかしいけど悪い人じゃない剣士の人と何故か料理勝負をしたり(お菓子作りだけ勝った)
上半身裸の暑苦しい傭兵のおっさんに金稼ぎの話を持ちかけられたり(人を探してると言って断った)
ふらっと遺跡に入ったら床が崩れて地下に閉じ込められた所を眼鏡をかけた遺跡調査をしてる人に助けられたこと(真っ暗で来てくれなかったら何も見えない怖さでどうにかなりそうだった)
ことぐらいだろうか?
でも今振り返ってみても料理勝負は熱かったなぁ。結局お菓子勝負で作ったクッキーでしか勝つことはできなかったけど。次会うときは他の料理でも勝ってみせる。
傭兵のおっさんとは通りがかった村の酒場でいきなり話しかけられたんだっけか。見た目ちょっとひょろい感じの俺になんでそんな話持ちかけたんだ?って聞いたら、そんな格好してて一般人ってこたぁねぇだろぅ?と返された時はコメントに困ったわ。この格好それなりに気に入ってるんだけど、やっぱり悪目立ちするんだろうか?師匠は錬金術師なら、これぐらいの格好全然おかしくないって言ってたのに。
ただ、その後なんやかんやで酒飲むことになったんだけど、その辺りの記憶飛んでるんだよなぁ。次の日、次からお前さんには酒は絶対進めんって言われたけど、俺は一体何をやらかしたんだ?
遺跡調査の人は正確には歴史家らしく、遺跡調査は、その場所の歴史を知るために行っているらしい。話を聞いてるうちに興味本位(金銀財宝ざっくざく~♪)で入った自分が恥ずかしくなった。
こんな感じで順調に旅は続いている。いろんな出会いが合って、やっぱり楽しい...ん?
「なんだろう?ちょっと騒がしいっぽい?」
俺は今、林の中を歩いているわけだが、自分の草を踏む音とは別にガサゴソ音が聞こえている。たぶんあっちの方か?
ドーン!
とか思ってたら爆発音が聞こえてきた。誰かが戦ってるようだ。その後も何回か爆発音が聞こえるので、ちょっとやばい感じか。
「とにかく急ぐか、間に合ってくれよ!」
茂みを掻き分けながら、音のする方へ向かうことにした。
「見つけたっ!」
茂みを掻き分け、顔にぶつかる虫を払いながら進むと、ちょっと拓けた場所で武器を持った何人かの人達が魔物と睨み合ってる場が見えた。人側の後ろに馬車があるのを見ると、積み荷を守ろうとしてる感じか。でもま、囲まれてないのは救いだった。これなら一発でぶっ飛ばせるからな。
「アンタら!少し下がってろ!」
俺は走りながら鞄から爆弾を取り出し、一応巻き込まれないよう護衛っぽい人達に声をかける。突然の怒鳴り声に驚いたようだが、すぐに動いてくれた。魔物達も俺の声に反応するが、もう遅い。
「最近できた自信作の『オリフラム』を喰らえぇぇぇいい!!」
走る勢いそのままに全力で魔物に向かってぶん投げる。投げたオリフラムは魔物の顔面に綺麗にぶつかり、その瞬間。
ドゴォォーーン!!!
見事な大爆発。うむ、これまでで一番、胸に響く爆発の振動が強い。大成功である。
爆発で発生した土煙が晴れた時には魔物は一匹も残っていなかった。
「ざっとこんなもんよな!...さてと。」
辺りを軽く見回し、他の魔物がいないことを確認してから俺は荷馬車の護衛の人達に声をかける。なんか口開けてポカーンとしてるけど大丈夫だろうか?
「アンタらケガとかしてない?」
「はい、大丈夫です。助けてくれてありがとうです。」
俺の問いかけに答えたのは武器を持った野郎共、ではなく、珍しい服を着たピンクというか明るい紫の髪の小さな女の子だった。最初の場面ではいなかったように思えたが、たぶん野郎共の影に隠れて見えなかったんだろうな。
「うん、それなら一安心だ。間に合ってよかった。」
「おかげさまで積み荷もダメにならずに済みましたです。何かお礼をしたいところなのですが...。」
「いいっていいって。見返りが欲しくてやったわけじゃないしな。」
「いいえ、このまま何もしないというのは私の気がすみません。うーんどうしましょうか...。」
そう言って考え始める少女。これでお金あげますとか言われるのは気が引けるしなぁ。何かいい落とし所はないものか...ん?
「なぁ、アンタらはもしかして、この先の街に行くつもりだったのか?」
ふと目に入った荷馬車。後ろで壊れてないか点検をしているようだけど、立っている向きは俺の目的地である街の方向に向いていた。
「はい、そうです。この先の街で今度は商売をしようと考えていたところです。」
少女の答えに俺は内心ガッツポーズ。これなら大丈夫そうだ。
「それならさ、俺を街まで乗っけてくれないか?ずっと歩き続けてたから流石に疲れちゃってね。」
まぁ実際は全力疾走でここまで走ってきたことが原因なんだが、それは言わないでおこう。
「そんなことでいいのなら、お安い御用です。」
少女からオッケーがでた。これで街まではゆっくりできそうだな。
「そういえば、まだ名乗っていませんでした。私はコルネリア。コルネリア商会の会長をしてるです。」
「へぇ、商会の会長さん...会長さん!?まじか!?」
「まじです。」
え!?こんな女の子が会長さん!?いや、それもあるけど、さっきから普通に話してたわけだが、めっちゃ失礼だったりしたないかな俺!?ほら、後ろの部下の人達からガン飛ばされてたりしてない?
「あのー、敬語とか使った方がいいです?」
「全然大丈夫です。驚かれるのも慣れてますし、そこまでかしこまられても困るだけですし。」
「ほっ、よかった。と、すまん、自己紹介の途中だったな。俺はマナス、こんなんでも一応、錬金術師だ。よろしく頼む。」
「錬金術師の方でしたか、よろしくです...ん?」
俺の名前を聞いて首を傾げるコルネリア。あ、人形みたいで可愛い。
「あのー...間違ってたらすみません。もしかして、マナス.アウフヴァッヘンさん、だったりするです?」
「お?よく知ってんな、そんなに名前が売れた覚えはないんだが。誰から聞いたんだ?」
商会の会長に知られるほど名前なんか売れてないだろうし、そもそも売った覚えもないんだがなー。と思っていたら、コルネリアの口からとんでもない言葉が返ってきた。
「ソフィーさんからです。まさか、こんな形で出会うことになるとは思いませんでした。」
「まじか!?あ、ちょっと待って。」
えっと確か鞄のこの辺に...あった。鞄から取り出したのは一枚の紙。実はモニカからルアードとかいう輩の件でお世話になった人達の名前を書いてもらっていたんだが、改めて見てみると、確かにコルネリアという名前があった。
「それはなんのメモです?」
いきなり鞄を漁り始めたと思えば紙を突然取り出した俺を不思議がるコルネリア。
「あぁ、コイツはモニカに頼んで作ってもらったソフィーが世話になった人達のリストさ。」
そう言ってコルネリアに見せると、コルネリアも懐かしいものを見る顔になる。
「モニカさん...懐かしいです。あれ?ということは、マナスさんはキルヘン.ベルに一度戻っているですか?」
俺の言葉から推測して質問してくるコルネリア。
「ああ、二年前ぐらいかな?だから見事にソフィーとは入れ違いになっちまってね。今は錬金術の修行をしながら、ソフィーを探してる最中なのさ。」
「そうでしたか。でもマナスさんが生きてるってわかってよかったです。ソフィーさん、マナスさんの事、皆に聞いて回っていたですから。生きてるってわかったら、泣いて喜ぶと思うです。」
泣いて喜ぶ、か。ちょっと大袈裟すぎやしないか?と思った所でコルネリアの部下から報告が来た。
「ボス!点検終わりやした!いつでもだせますぜ!」
「了解です。それではマナスさん、話の続きは馬車に乗りながらするです。」
「おう、りょうかいだ。」
コルネリアの後に続いて馬車に乗り込む。しかしまぁ、まさか偶然に助けた人がソフィーの知り合いだっとはな。いつか会えるだろうとは思ってたけど、こんな出会いになるとは思わなんだ。
「それじゃ、出発するです!」
「あらほらさっさー!」
部下の人達の準備が終わったところで、コルネリアの合図で動きだす馬車。目指す街まで、じっくりソフィーの話でもしましょうか。