それと、私はソフィーとフィリスはプレイ済みではあるのですが、DLCに関してはやっていないので、もしかしたら設定に齟齬が起きるかもしれませんが、目をつぶっていただけるとありがたいです。
では、続きをご覧くださいませ。
「へぇ、生き別れになった親父さんを探すためか。すげぇな。俺には真似できねぇわ。」
馬車に揺られながら、キルヘン.ベルでのソフィーの話を聞いていた際に、店を立ち上げた理由が気になったのでちょっと聞いてみたんだが、俺の想像の遥か上、というか斜め上の内容だった。
「そんなことはないです。マナスさんだって、ソフィーさんを探して旅をしてるです。方法は違えど、同じことをしてると思います。」
「同じこと、ね。お互いに生き別れた人を探してる辺り、その通りなのかもしれないな。」
俺はソフィーを、コルネリアは親父さんを。幼なじみと家族の違いはあれど、どっちも大事な人には違いない。
「マナスさんは私と似たような服装の人を見かけたことはありますか?」
「...いや、ないな。今まで巡った中じゃ、その服装を見るのはコルネリアが初めてだ。」
「そうですか...。」
目に見えて肩を落とすコルネリア。うーん、どうにかしたいのはやまやまなんだがなぁ。
「ごめんな、力になれなくて。」
「いいのです。お気になさらず。これからもコルネリア商会を有名にしていけばいいだけのことですから。」
健気というかなんというか、強いんだなぁ。うん、ほんの少ししか協力はできないけど、出来る限りのことはしてみよう。
「俺も旅先でコルネリアの一族の人の事、聞いて回ってみるよ。」
「ありがとうございます。そういえば、マナスさんは、ソフィーさんから聞いた話ですと行方不明になったと聞きましたが、その間どんなことをしてたですか?」
「ん、そうさなぁ...。」
おっと、今度は俺の話しか。コルネリアに聞くだけ聞いて自分は話さない、なんてわけにはいかないので簡単にだけど説明した。魔物に追い詰められて川ぽちゃして記憶喪失になって村が無くなってて、それも全てが偶然の産物によって起きたこと。話してて改めて思うけど、作り話と疑われてもおかしくない内容だよなぁ。
「ま、こんな感じよ。」
ざっと話してみてコルネリアの顔を伺うと、何とも言えない顔をしていた。まぁそういう顔するよなぁ。俺だって、こんな話聞かされりゃあ、そういう顔をするだろうし。
「えーと、その...。」
「無理にコメントしなくていい。こんな内容、話されても困るだけなのはわかってるしな。」
「すいません...ここまでの内容だとは思ってませんでした。」
「謝らなくていいって。ま、あれだ。お互い探し人が見つかるように頑張ろうってことで。はいこの話題しゅーりょー!」
これ以上この話を続けても暗くなる一方なので強制的に打ち切った。ちょうどそこに部下の人からの報告がやってきた。
「ボス!街が見えきましたぜ!」
「あれが『ウィーレン』ですか。随分と大きい街です。」
「おぉ、此処からでもよく見えるなぁ。さすが音楽の街というだけあって文化が進んでるっぽい。」
俺達の目的地である音楽の街『ウィーレン』。はっきり言って街というか都市レベルの規模を誇る。前に行ったライゼンベルグよりも広く、建物も背の高い建物がずらりと並んでいるのが遠くからでも見て取れた。俺の生まれ故郷の村なんて木造建築一階建てが主体だったのに。
街に近づいていくにつれて大きく見えてくる街。けれど、それと同時に俺の中の違和感もまた大きくなっていく。
「...コルネリア。」
「はい、私も感じていますです。」
どうやらコルネリアも同じように違和感を感じているようだ。街の門が見えてきた所で、俺は感じた違和感の答えがでた。
「いくらなんでも人の往来が少なすぎやしないか?」
「同感です。音楽の街なんて言われるぐらいですから、もっと人が多くないとおかしいぐらいです。」
コルネリアの言うとおり、どう考えても人がいなさすぎる。街の門が見えているのに、全然人の声も聞こえてこない、栄えてるようにはまったく思えないのだ。
「とりあえず門番の人に話を聞きましょう。積み荷とかも纏めて置いておける場所も探さないとです。」
コルネリアの言葉に頷く。とにかく一旦、腰を落ち着けてから、現状を把握しよう。
「そこの馬車ぁ!止まってくれぇ!」
「止まるです。」
街の門番さんらしきおっさんが制止を呼び掛けたので馬車を一度止めるコルネリア。
「止まってもらってすまんな。一応積み荷のチェックはしないといけなくてな。見ても大丈夫か?」
「大丈夫です。皆さんもチェックが終わるまで待機するです。」
「了解ですボス!」
コルネリアの言葉に部下の方々は各々散らばって休憩し始めた。
「慕われてんだねぇ。」
「頼もしい限りです。」
純粋にコルネリアに協力してるやつもいればロリコン疑惑の残る人も何人かいそうな気がするなぁ。いや考えすぎか。さっきからコルネリアに視線がチラチラと向いてる輩がいるのも気のせいだということにしておこう。
「はいおっけー、積み荷のチェックは終わりなんだが...此所には長居しない方がいいぞ。」
積み荷のチェックが終わった所で門番の人から、いきなりの忠告。やっぱり何かが起きているようだ。
「というと、街に何か起きてるのか?」
「ああ、最近になって大人子供問わず、街全体で体の調子が悪くなるやつが増えてきてるんだ。体の丈夫なやつはまだいいんだが、弱い奴の何人かは既にベッドの上さ。」
うーん、これ今はまだ大丈夫そうだけど、ほうっておいたら結構やばい状況になるんじゃないか?最悪、死人がでるんじゃ?
「何が原因なのかは、わかってないんです?」
「調べてはいるんだが、さっぱりでな。その辺は町長代理に聞いてくれ。」
今度はコルネリアが質問するが、俺達が望む返答は返ってこなかった。そしてまた気になる点が増えたので聞くとしよう。
「代理?町長は不在なのか?」
「いや、町長が最初に倒れちまったんでな。今は娘さんが街を仕切ってるんだ。詳しいことは町長の家で聞いてみるといい。」
「わかった。教えてくれてありがとうよ。」
町長の家と宿屋の場所を教えてもらった後、俺達は街の中に入っていく。
「なぁ、コルネリアはこれからどうするんだ?この街での商売はやめた方がいいと思うんだが。」
謎の病が流行っている以上、ここで商売をするというコルネリアがちょっと心配になったので今後どうするのか聞いてみることにした。
「私の方針は、もう決めてありますです。マナスさんこそ、ソフィーさんを探しに次の街に移動してしまうべきではないですか?」
「まぁそうなんだが...。」
そこで一度視線を外に向ける。そこには服の洗濯をしている人や、買い物をしてる人などなど、街の人達の生活が見えるが、その誰もが、どこか調子が悪い、顔色が悪い印象を受ける。
「こんな光景見せられて、見なかった振りなんてできねぇよ。それに、錬金術は皆に笑顔をあげるもの。今使わずして、いつ錬金術を使うのか、ってな感じよ。」
「あ...ふふっ。それなら一緒に事件の解決を目指しましょうです。」
「お、おう?よろしく頼むぜ。」
ちょっとクサい台詞だったかもしれないが、今、何で笑われたんだろうか?まぁ気にしないでいこう。
錬金術は皆に笑顔をあげるもの、ですか。
マナスさんの口から、その言葉が出た時に、前に同じような台詞を聞いたことがあったので思わず笑ってしまいました。
『あたしはね、錬金術で皆を幸せにしたいんだ。』
ふふっ。似た者同士という言葉は私ではなく、ソフィーさんの方が似合ってるかもしれませんね。
「はっくしゅん!」
「おや、ソフィー?風邪でも引きましたか?」
「それは無いと思うけど...何処かであたしの噂をしてる人がいるのかも?」
「かもしれませんね。とりあえず今日は暖かくしてお休みするんですよ?」
「はーい。」