「三玖、これは...?」
剣崎の目の前の皿には、おはぎのような真っ黒な物体が載せられていた。
「コロッケ」
「石じゃないよね?」
「味は自信ある。フータローも四葉も食べてみて」
剣崎と四葉は恐る恐るこのコロッケ?を口にする。
「んぐっ...ま、まぁまぁかな」
「あんまり美味しくない!」
「どっち?」
剣崎は気を遣い、四葉は正直な感想を口にした。
「ま、まぁ料理はこれくらいにしてさっさとテストの復習を...」
「待って。
絶対にフータローに美味しいって言わせてみせる。だから食べて」
そして数十分後。
剣崎は床の上でお腹をおさえながら仰向けになっていた。彼のお腹は常にぐるるるると音を立てる。
「上杉さん、大丈夫ですか?三玖がすぐにお薬を買ってきますからね」
「め、面目ない」
結局あのあと剣崎は三玖の作るコロッケを食べさせられ続けたのだ。剣崎は「おいしい」と嘘をついたが、純粋な剣崎の下手くそな嘘は、三玖には見破られてしまった。
そしてこのザマである。
「何してんのよ。ひとん家で優雅にお昼寝とはいい度胸ね」
「これが優雅に見えるか?」
と剣崎は嫌味を言う二乃に返す。
「まったく何してたんだが。まぁいいわ、五月!早くランチに行くわ......」
と二乃が言いかけたところで剣崎の携帯が鳴る。そこにはアンデッドサーチャーが出現したアンデッドを表示する。
「嘘だろ...こんな時に...」
と剣崎はフラフラと立ち上がる。
「上杉さん!何してるんですか?」
「ちょっと急用だ。家庭教師の仕事は帰ってからだな...あと四葉、次の試験までに少しの時間も無駄にしたくない。すぐに帰るから二乃と五月を引き止めて置いてくれないか?」
「りょ、了解です!」
と彼はお腹を抑えながら玄関へと向かう。
だがそこで、
「ただいま...ってフータローどこ行くの?」
と帰ってきた三玖に鉢合わせる。
そこで剣崎は三玖以外に聞こえないように話す。
「悪い三玖。怪物が出た。すぐに帰るから少しだけ待っててくれ」
「で、でもフータローお腹は大丈夫なの?そんな状態で行ったら...」
「大丈夫だ。心配するな、三玖」
と笑う剣崎。すると三玖は手に持っていたビニール袋からあるものを取り出す。
「これ飲んでって」
それは胃腸薬とミネラルウォーターだった。
それを受け取った剣崎は薬を口に入れると、ミネラルウォーターで流し込んだ。
「ありがとう。すぐ戻ってくるからな」
と剣崎は三玖の頭を撫でる。三玖は顔を赤らめて安心したような顔つきになると「行ってらっしゃい、フータロー」と剣崎を見送った。
剣崎はマンションの駐車場に停めておいたブルースペイダーに跨ると、急いでアンデッドが現れた場所に急ぐ。
そして剣崎はバイクに乗ったまま、バックルを装着する。
「変身!」
TURN UP
オリハルコンエレメントは剣崎を仮面ライダーブレイドに変身させると、彼はブルースペイダーの簡易ラウザー-『モビルラウザー』にカードをラウズする。
MACH
『マッハ』のカードをラウズしたブルースペイダーは、一気にスピードを上げる。
そしてブレイドはアンデッドが出現した場所、街のはずれにある工場にたどり着く。
そして地面には何人かの工場の職員が倒れている。その工場の奥には、♠︎8バッファローアンデッドがまさに人の首を絞めあげ殺害しようとしていた。ブレイドはすぐさまアンデッドに体当たりをしかけ、職員を解放させる。
そして「早く逃げろ!」と促し、工場から逃がすとアンデッドと戦闘を開始した。
ブレイドはまず袈裟懸けに剣を振るう。
だがブレイドの剣を振るった腕は途中で止まってしまい、動かすことが出来ない。
そして不可思議なことが起こる。ブレイドの体がアンデッドの方へと引き寄せられたのだ。
「な、何!」
アンデッドは自分の方へ引き寄せられたブレイドに左肩に刺さっている槍を突き立てて、攻撃を仕掛けた。
「ウェア!」
と吹き飛ぶブレイド。体制を立て直すもまた再び磁力のようなものに引っ張られる。そして次にアンデッドは自慢の腕力でブレイドを拘束すると工場の壁面に叩きつけた。
「グワァ!」
と壁に押さえつけられるブレイド。アンデッドは左腕でブレイドの右手を、右腕でその首を締め上げる。ブレイドは自由に動く左手でアンデッドを殴るも効果はない。
『まずい、このままだと絞め落とされる...
なら!!』
と次にブレイドは意外な行動に出た。なんとバックルのレバーを引っ張り変身を解除したのだ。アンデッドの腕力が生身の剣崎の首を襲う。だが剣崎は間髪入れずにもう一度バックルのレバーを引っ張り、首を締められながらも叫ぶ。
「変身!」
TURN UP
すると電子音とともに現れた青い光の壁-オリハルコンエレメントは剣崎を拘束するアンデッドを吹き飛ばした。そして剣崎はそれをくぐると再度ブレイドに変身した。
だが吹き飛ばされたアンデッドだったが直ぐに受け身を取ると、再び磁力を発生させてブレイドを引き寄せようとする。だがブレイドはそれを読んでいた。
ブレイドはその磁力に引っ張られる力をプラスして右手のブレイラウザーを力いっぱいアンデッドに投げつけた。投げつけられた剣に気付き磁力を弱めるアンデッド。だが間に合わなかった。
ブレイラウザーはアンデッドの右角を破壊した。片方の角が折れてしまったことにより、アンデッドは磁力を発生させることが出来なくなってしまった。
アンデッドは諦めまいと左肩の槍をブレイド目掛けて射出する。
だがブレイドは咄嗟にMETALのカードをラウズし、それによって鋼鉄化されたブレイドの体は槍をはじき飛ばした。
ブレイドは三枚のラウズカードを取り出しラウズする
KICK
THUNDER
MACH
《ライトニングソニック》
「ウェェェア!!!」
ブレイドは雄叫びを上げながらアンデッド目掛けて走る。そしてジャンプし空中一回転を決めると、雷のエネルギーが凝縮された足をアンデッドに叩きつけた。
「グォォォ!!」
アンデッドは吹き飛び爆発すると、腰につけていたバックルが割れた。そしてブレイドは倒れるアンデッドにカードを投げ封印した。
カードには『MUGNET』と刻まれた。
変身を解除した剣崎。
そして剣崎はいつの間にか腹痛が止まっていたことに気づき、すぐさまブルースペイダーに跨ると、マンションへ向かった。
そしてマンションに到着した剣崎。既に慣れたと言わんばかりの手つきでオートロックを解除すると五つ子達の住む部屋へと戻った。
「ハァハァ...た、ただいま」
と剣崎は息を荒くしながら部屋に入る。するとリビングからこっちに向かってくる足音がした。その足音の持ち主は三玖だった。彼女は特に大事のないような剣崎を見て安心した顔になる。
「おかえり、フータロー。大丈夫だった?」
「あぁ、全然大丈夫さ。三玖のくれた薬のおかげだ、ありがとう」
と礼を言う剣崎。三玖はとてもうれしそうな顔をすると、小走りでリビングに向かっていってしまった。
剣崎もリビングに行く。
「あら?またおサボりかしら?」
と二乃は意地の悪い顔で剣崎に問いかける。
「す、すまん、二乃。急な用事が入っちゃって」
「...まぁいいわ。なら早く始めなさいよ」
「え?」
「何が『え?』よ!とっとと勉強を教えろって言ってんのよ!あんた何しに来たわけ?」
「そ、そうか、そりゃそうだよな!よしじゃあ早速だけどみんなテスト直しを始めるぞー」
と剣崎は切り替える。
そして2時間ほどだった休憩時間。剣崎はベランダに出て外の空気を吸っていると、そこに四葉が現れた。
「お疲れ様です、上杉さん」
「ん?あぁ、四葉こそお疲れ。わからない所とかなかったか?」
「もっちろんですとも!上杉さんの教えにわからない所などひとつもありません!」
「そうか。なら次のテストは全科目100点満点だな!」
「えっ!そ、それはちょっとな〜...」
と下らないやり取りをして笑い合う剣崎と四葉。すると四葉は少し落ち着いた様子で言う。
「上杉さんが初めて来た時に比べて、私達は大きく変わりました」
「え、そうなのか?」
「気付いてないんですか?」
「いやまぁ、みんなよく笑うようにはなったかな〜ってことぐらいかな」
「本当にどれだけ笑顔が大好きなんですか、上杉さんは...」
と呆れる四葉。
「でも他に変わったって例えば?」
「色々ですよ。さっき上杉さんが急用で席を外した時、私にランチに行く二乃と五月を止めるように言ってましたよね。ですが実際に止めてみたらびっくり仰天、本当に二人とも家に残ったんですよ」
「あ、確かに」
と剣崎は頷く。今までの二乃だったらそんな制止は聞かずに、ランチに行っていただろう。それがまさか二乃も五月も残り、剣崎が来るまで自分で出来る限りのテスト直しをしていたのだから驚きである。
「それに二乃や五月だけじゃありません。一花も三玖もみんな良い方に変わっているのが私にはわかります。成長できてないのなんて、私ぐらいですよ」
と「えへへ」と笑う四葉。
「それは違うな」
「え?」
意外そうな顔をする四葉。剣崎は続ける。
「四葉だけが変わっていないなんてことは無い。なら四葉はあの時、なんで泣いたんだ?」
「...!」
「悔しかったからだろ。きっと前までの四葉なら勉強に関してそんな感情は抱かなかったはずだ。そしてそれは四葉も変われていたからこそ生まれた感情のはずだ」
「上杉さん...」
「それにみんなが変わってくれているなら俺も嬉しい。加えてそうやってお前達五つ子の笑顔が増えたことが、俺にとって成績が上がることより、何よりも幸せなことなんだ」
と剣崎はニッコリと笑う。四葉はその笑顔に思わずドキリとしてしまう。彼女は自分の胸が熱くなっていくのを感じた。
そして小声で
「そういう所ですよ...上杉さん」
と呟いた。
「え?なんか言った?」
「いえ、何も!ささ、早くテスト直しの続きをやっちゃいましょう!」
と剣崎の背中を押す四葉。
そして三玖はその様子を見つめていた。
だが剣崎と四葉の様子を見つめる三玖のことを、小さな『蜘蛛』がさらに見つめていたことをこの時は誰も知る由もなかった。
その後テスト直しを続け、バイトから帰ってきた一花を加えると、9時まで家庭教師を続けた剣崎は家路についた。
そして次の日。
授業が終わり放課後、四葉はスキップしながら図書館へ向かった。
「上杉さん、もうすぐ林間学校ですよ!
って、うわぁぁぁぁぁぁ!!」
と四葉は驚いて腰を抜かす。目の前には恐ろしい形相をしたピエロがいたのだ。
「四葉か。驚かせちゃったな」
と剣崎は金髪のカツラとお面をとる。
「なんだ、上杉さんだったんですか。こんなもの付けてどうしたんです?」
「肝試しの実行委員になったんだって」
と対面の三玖が答える。
「肝試しって林間学校のですよね?」
「そうだよ。誰もやる人がいないし、みんなが楽しんでくれるならと思って俺が引き受けたんだ。それに...俺、一度でいいからこういうのやってみたかったんだ」
と子供のように笑う剣崎。
そんな剣崎を三玖と四葉は「かわいいなぁ」なんて思いながら見つめる。
「そうだ!上杉さん、林間学校の伝説を知っていますか?」
「伝説?なんだそれ」
剣崎は聞き返す。
「それはですね...最終日に行われるキャンプファイヤーのダンス。そのフィナーレの瞬間に踊っていたペアは、生涯添いとげる縁で結ばれると云うのです」
「へー、そんなロマンチックな話もあるんだな」
「フータローはこういうの信じてるの?」
「いや別に信じてるってわけじゃないけどさ、こういう伝説ってなんか面白いじゃん」
と三玖に答える剣崎。三玖はそんな剣崎の瞳を見つめる。純粋で、優しげで、でもどこか危うさをもつそんな瞳をマジマジと見つめる。
「なんで好きな人と付き合うんだろ」
と三玖は呟く。
「え、うーん...なんでだろう...」
と剣崎は考え込む。彼はそういった恋愛沙汰にはからっきしである。
だがそこに
「その人のことが好きで好きで堪らないからだよ。三玖も心当たりがあるんじゃない?」
と胸に手を当て劇っぽく答える一花。
そう言われた三玖は再び剣崎を見つめる。
目が合う二人。
剣崎は「ん?」といった視線を向ける。三玖は顔を赤くして俯いてしまう。
「ってそうだ。一花、もう始めるぞ」
「ごめんね、フータロー君。今日も撮影が入ってるんだ。もう行かなきゃ。
今は何よりお仕事優先。寂しい思いをさせてごめんね」
と手を合わせる一花。
剣崎は困ったように笑うと
「頑張れよ、一花。応援してるぞ」
と一花に微笑む。一花は少しドキッとすると、「ありがと、フータロー君」と言い、図書館をあとにしようとした。
だがそこで一花の携帯が鳴った。
画面を見た一花は「あー、やば...」と呟く。
そして三玖に向き直る。
「林間学校でまだきめてないことがあったらしくてクラスの子たちに呼び出されちゃった。悪いけど三玖、いつもの頼める?」
「わかった。フータロー、ウィッグ借りるね」
「いつもの?」
と剣崎は不思議そうに三玖を見つめる。すると三玖はトイレに入り、ウィッグを付けてでてきた。さながらその姿は一花そっくりだった。
『影武者作戦か...嫌な予感しかしないが...』
と思った剣崎は三玖のあとをつけることにした。
三玖は指定された教室に着く。そこには目つきの悪い男子生徒が1人だけいた。
「な...中野さん、来てくれてありがとう」
「あれ?クラスのみんなは?」
「悪い。君に来てもらうために嘘ついた」
「それで一...私に用って?」
すると男子生徒は一息吸うと口を開いた。
「俺とキャンプファイヤーで一緒に踊ってください!」
「え、私と?なんで?」
「それは...好き...だからです」
三玖は困ったような顔をした。
そこで三玖は適当に返事を誤魔化そうとした、その時だった。
『お願いしますって、言っちゃいなよ』
.........え?
「あの...中野さん?どうかしましたか?」
男子生徒は急に固まってしまった一花に尋ねる。
「え?あ、いや大丈夫だよ。返事なんだけどまた今度で...」
「今答えが聞きたい!」
「えっ、でもまだ悩んでるから」
「ということは可能性あるんですね」
三玖は男子生徒にしつこく絡まれる。
「というか中野さん...雰囲気変わりました?
髪かな...ん、なんだろ...
確か中野さんって五つ子でしたよね。もしかして...」
男子生徒が入れ替わりを疑い始めたその時、
「一花、こんな所にいたのか。姉妹の四人が呼んでたぞ」
「フータロー...」
「何勝手に登場してんだコラ。誰だよお前コラ。気安く中野さんをしたの名前で呼ぶんじゃねぇよコラ。お、俺も名前で呼んでいいのかなコラ」
「一花がいいって言うならそれはお前らの勝手だ。少しは人の返事を聞いたらどうだ?
行くぞ、一花」
「待てコラ!」
「俺は一...中野さんと踊りてぇだけだ。お前関係ないだろ」
「少なくとも初対面のアンタよりは何倍も深い関係だよ」
といつもと違い、強気に返す剣崎。
「んだとテメェ....一、中野さん。邪魔者を片付けるんでしばしお待ちください。オラ出てけ!」
と男子生徒は剣崎を教室から力ずくで出そうとする。剣崎が仕方ないと男子生徒の腕をとり、投げの姿勢に入ろうとしたその時、
「この人と踊る約束してるから」
と三玖が剣崎の腕を抱き寄せ、男子生徒から引き離した。
「へ?」
「あ」
と咄嗟のことに二人して固まってしまう。
「うそだ...こんな奴中野さんには釣り合わねぇ!」
「そ、そんなことないよ!フータローはかっこいいし...私の、『ヒーロー』だから...」
と恥ずかしそうに答える三玖。
「つ、付き合ってるんですか?」
と恐る恐る尋ねる男子生徒。
「も、もちろんラブラブだよ」
と言うと三玖は剣崎の腕をつかみ、教室を去ろうとする。
だがその二人に男子生徒は尚も噛み付く。
「ちょっと待て!恋人同士なら、手を繋いで帰れるだろ」
「別にしてもしなくてもいいだろ」
「なんだ?出来ないのか?やっぱり怪しいな」
三玖は覚悟を決めて剣崎の手を握ろうとした。
だがそれより早く
「ほら、これで満足か?」
と剣崎は三玖の手を取った。しかも指同士を絡めて繋ぐ、恋人繋ぎというやつだ。ちなみに剣崎は恋人繋ぎなどもちろん知るはずもなくただこの場を収めるために三玖の手を握っただけだったが。
「ご、ごめんね。とにかく私たち、初めてじゃないから」
と三玖は飛び上がりたいくらいの嬉しさと恥ずかしさを必死に堪えて、そう告げた。
すると男子生徒は諦めたように
「くそーっ!林間学校までに彼女を作りたかったってのに、結局このまま独り身かーっ!」
と叫んだ。
そこで三玖は男子生徒に訪ねた。
「なんで...なんで好きな人に告白しようと思ったの?」
「中野さんがそれを言うか...そーだなぁ...とどのつまり、相手を『独り占め』にしたい。これに尽きる。」
「!!」
三玖は何かに気付いたような顔つきになった。
「ったく中野さんを困らせるんじゃねーぞ」
「わかってるよ、任せろ」
と返す剣崎。そんな剣崎に男子生徒は「任せた」とだけ言うと、教室を去った。
「ほ、ほら。フータロー行くよ」
「そ、そんなくっつかなくてもいいだろ」
と困り果てる剣崎。
「今は一花だもん。これくらいするよ」
と答えた三玖。
だが三玖の意識は全く違う所にあった。
『独り占めしちゃえばいいんだよ。他の誰にも渡さず、私だけのフータローにしちゃえばいいんだよ』
......違う。そんなのダメ...私に、話しかけないで!
「三玖、三玖!」
「...!!フ、フータロー?どうしたの?」
「いや、なんかぼうっとしてたからさ」
と笑う剣崎。
そうだ。この笑顔はみんなのものだ。私だけが『独り占め』していいものじゃない。三玖はそう思うと、剣崎と一緒に歩き出す。
この時は剣崎も三玖自身も気づかなかった。
一瞬、ほんの一瞬だけ、三玖の青い双眸が、
妖しい『紫』色に変わっていたことに。
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「らいはちゃん。何作ってるの?」
「えっと、プレゼント...かな」
そういったあと顔を赤くしていたらいはいきなりパタンと倒れた。
〜病院〜
「江端、やっとだ...やっと現れた」
「...!旦那様、まさか」
「あぁ、そのまさかだ。とうとう私以外にレンゲルに適合できる者が現れた。やはり私の見立ては正しかった。上杉風太郎君を家庭教師にしたのは正解だった。
まだまだ初期段階だが、もしかしたらいずれは、あの現象を...」
とマルオはパソコンを見つめる。
そこには予測融合係数 882
最適合者 『中野三玖』
と記されていた。
♠︎8 バッファローアンデッド
左右の角にプラスとマイナスの強力な磁力をもち、獲物を引き寄せることができる。それに加え驚異的な腕力も持つ。
また、左肩に突き刺さっている多数の槍を用いて遠方の対手を串刺しにする遠距離攻撃方法も持つとされる。