五等分の運命   作:電波少年

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完全にノリと勢いで書いてしまったため、登場キャラのテンションが少しばかりおかしくなっていますがご了承ください。

ですが書いていてとても楽しい回でした。

そして五等分の花嫁 74話読みました。正直言うとこういう展開を待ってました。やっぱドロドロは必要ですね...


第19.5話:戦士の『再誕』

「行くか」

 

勇也は適当に荷物をまとめるとそれらをシートの内側にある収納部分にいれて閉じると、スクーターに跨る。

 

「っとその前に」

 

彼は自分の息子、『風太郎』に今日は仕事で帰れない旨をメールで伝えた。

 

そして彼はアクセルを捻る。彼はある場所を目指していた。それは彼が自宅を置く東町からかなり離れた場所にある。高速道路を使おうかと思ったが上杉家の家計簿事情を考えて、彼は仕方なく一般道路を使ってその場所を目指す。

 

そしてかなり深い森にさしかかる。

勇也は相変わらず嫌な道だと思った。そこに行く時には必ずこの森を通らなくてはならない。薄暗く、自然と体温が下がる気がするこの道は彼は嫌いだった。

 

そして彼はある建造物にたどり着く。それは古びた小さな木造の小屋だった。彼はその小屋に入る。小屋の床には汚くなった絨毯が敷かれ、テーブルや椅子、止まった時計などがあり、かつて人が住んでいた後がある。だが彼は慣れたように止まった時計を外す。

 

時計のが掛けられていた壁には1から10までの数字が書かれたボタンがあり、彼はそれに6ケタの数字を打ち込む。すると外で何かものが動くような音がする。小屋の外に出て、裏手に回るとそこには地下に続く階段があった。

 

彼はそれを下る。最後の1段を下り、ドアを開ける。そこには多くの機械が設置されており、さなが秘密基地のようだった。そして数名の研究員、そして自分自身が探していた五つ子の義父『中野マルオ』とその執事、江端の姿があった。

 

「よぉマルオ」

 

と勇也は軽い感じで声をかける。

 

「私のことを名前で呼ぶなと言ったはずだ」

 

と抑揚のない声で返すマルオ。

 

「そうかい。にしても昔からなんでお前はそこまでして『人間』としての名前で呼ばれることに関わる?』

 

「君には関係の無いことだ」

 

「まだ__さんのこと引きずってんのかよ...もし彼女が生きていたなら今のお前のことを...」

 

「口を慎め、勇也。誰のために私がわざわざここに来たと思っている」

 

「っとそうだったな。悪ぃわりぃ。俺はただ...『人間』でなくとも『人間』以上に優しかったお前に、戻って欲しいだけだよ」

 

「........バックルの調整は済んでいる。只今の君に使えるとは思えないが」

 

それを聞くと勇也の目は鋭くなる。

 

「侮るな、マルオ。俺は『あの時』の俺とは違う。大切なものを守る決意はできている」

 

「そうか。やはりお互いに過去を引きずっているところだけは変わらないようだね」

 

と相変わらず冷淡な目で答えるマルオ。

 

 

そして勇也は広い空間に出る。

 

そして研究員の一人から『ギャレンバックル』とカテゴリーAを受け取る。

彼は慣れた手つきでギャレンバックルにカテゴリーAを装填する。

 

バックルは勇也の腰に自動で巻き付く。

勇也は思い出すように叫ぶ。

 

 

「...変身!」

TURN UP

 

青白くクワガタの意匠を施した光の壁-オリハルコンエレメントが現れる。

勇也はゆっくりとその壁に近づく。そしてスルリとその壁を通り抜けた。

 

 

 

彼は、『仮面ライダーギャレン』へと変身した。

 

 

「やった、やったぞ。これで俺はまた戦える...!」

 

 

だがマルオは冷たい目でモニターを見つめる。そこにはギャレンの融合係数が表示されている。数値は529。まだ予想値ではあるが一度も変身していない三玖を下回るその数値に彼は思わずため息を吐く。

 

だが三玖のことは決して口には出さない。勇也に聞かれれば、きっと彼はその場でマルオに戦いを仕掛けようとするだろう。

 

 

「勇也、君の現融合係数は529だ。」

 

「529!?なんでそんな低い数値が...」

 

「だから君には無理だと言っただろう」

 

「やってみなきゃわかんねぇだろ!

早くアンデッドを出せ!」

 

マルオはいいだろうというと、リモートの力を利用して造ったアンデッド解放装置に

♢8 バットアンデッドが封印されたラウズカードを入れる。するとその装置を通して勇也がいる空間にラウズカードが落ちる。そのラウズカードからアンデッドが出現した。

 

アンデッドを視認したギャレンはホルスターから銃型のラウザー-『ギャレンラウザー』を抜くと、アンデッドを捉え引き金を引く。

銃口から弾が発射されるが、一発もアンデッドには当たらない。

 

「チッ、かなり感覚が鈍ってやがる!」

 

とギャレンは飛び回るアンデッドを追いかける。だがアンデッドは旋回するといきなりギャレンに体当たりを仕掛ける。

 

「ガっ!」

 

とギャレンは避けることも出来ず、もろに攻撃を食らってしまう。立ち上がり、地上に降りたアンデッドに格闘を仕掛けるギャレンだったが、全てアンデッドにいなされてしまう。

 

するとアンデッドは得意の飛行能力を活かし、急上昇する。ギャレンは再び、発砲するも当たらない。

 

「なんで当たらねぇんだよ!」

 

 

その様子をマルオは強化ガラス越しに眺めながら研究員に尋ねる。

 

「ギャレンの融合係数は?」

 

「514...502...493...下がり続けています」

 

「やはり彼にはもう無理か。元々期待などしてもいなかったが」

 

とマルオはマイクを通して、ギャレンに変身する勇也に呼びかける。

 

「訓練は中止だ、勇也。君ではもう無理だ」

 

「無理だと?!ふざけんじゃねぇ!俺はまだやれる!」

 

「無理だ。今の君の融合係数は400台だ。これ以上の数値が出るとは思えない」

 

「うるせぇ!黙って見てろ!」

 

と勇也は叫ぶ。そしてギャレンラウザーのカードホルダーを展開し、2枚のカードをラウズする。

 

 

BULLET

ROCK

 

 

ギャレンはアンデッドの飛行ルートを予測して弾丸を打ち込む。アンデッドはそれを翼を使ってガードする。だがそれが命取りとなった。

 

弾丸が命中したアンデッドの翼が石化したのだ。ギャレンが放った弾丸はROCKのカードの力で石化の効果が付与されていた。

 

アンデッドは真っ逆さまに落下する。そしてギャレンはアンデッドの落ちる場所に素早く移動すると、

 

 

UPPER

FIRE

 

 

の二枚のカードをラウズし、炎を纏った拳でアンデッドの腹にアッパーカットを叩き込んだ。

 

「グギャア!!」

 

とアンデッドは苦悶の声を上げ、爆発する。そして地面に横たわるとアンデッドバックルが割れる。ギャレンはそこに封印のカードを投げ、アンデッドを封印した。カードにはSCORPEと刻まれた。

 

ギャレンは変身を解除するとその場に座り込む。

 

「ハァハァ...どうだ、俺でもまだやれる」

 

「確かにアンデッドは倒せたようだね」

 

の声とともにマルオが現れる。

 

「だがたかが下級アンデッドにこれだけ苦戦するとは少々期待外れだな」

 

「何ぃ?」

 

「君はやはり弱くなったようだ。それに風太郎君はラウズカード無しでもアンデッドを倒せている。それに比べて君はこれだけボロボロになりながらようやく下級アンデッドを一体倒せた程度だ」

 

「うるせぇな...俺はやる、やると言ったらやるんだよ」

 

と勇也は大の字に寝転がりながら、そうマルオに言い返す。そして勇也はさらに続ける。

 

「本当にあの時のお前はどこに行っちまったんだよ...『アンデッド』でありながら、人間を、最愛の人を守ろうとしていたあの時のお前は...」

 

「...言っただろう、私は悪魔になった。人間でもなく、アンデッドでもない。私は世界の敵だ。妻を奪ったこの世界そのものの敵だ」

 

とマルオは静かに、ただいつもよりほんの少しだけ感情を込めて言う。

 

「そうかよ...正直今のお前が何を目的にしてるのかは知らねぇ。だけどな、俺はお前の中の『中野マルオ』という父親を信じてる」

 

「そんなもの...もう私には存在していない」

 

「どうだろうな...ならマルオ、変身しろ。俺と戦え。俺がお前を封印する」

 

「何を言っているのかわかっているのか、君は。今の君は下級アンデッドに手を焼く程度の実力しかない。そんな君が私を封印するだと?」

 

「元はと言えば俺の責任だ。お前の近くにいながらお前を止められなかった俺が悪い。

 

だから今ここで、『ケジメ』をつけようぜ」

 

と勇也は立ち上がり、マルオを挑発する。

 

 

そしてマルオは地面を見つめていた目を勇也に向けると

 

 

 

「いいだろう」

 

 

と胸ポケットからレンゲルバックルとカテゴリーAを取り出す。

 

 

「おいおい、変身ってそっちかよ」

 

 

「これは私が今できる最大限のハンデだよ。仮に私がアンデッドの力を使えば、

 

 

君は本当に死ぬだろうね」

 

 

 

「どうだかな...」

 

 

と勇也はギャレンバックルを腰に巻きながら返す。

 

マルオもバックルにカテゴリーAを装填し、腰に装着する。

 

 

 

そして互いにあの言葉を口にする。

 

 

かつての友を、その目に見据えながら。

 

 

 

「変身!!」

TURN UP

 

「変身...」

OPEN UP

 

 

 

勇也はギャレンに、マルオはレンゲルに変身する。

 

変身すると即座にギャレンはレンゲルに向かって弾丸を発射する。その弾丸をレンゲルは錫杖をグルグルと回しながら弾く。

 

そしてギャレンに一気に接近すると、斬撃を加えようとする。

 

「おおっと!」

 

とギャレンは横に回りながら避ける。

だが回りながらもレンゲルに銃撃を加え続ける。

 

それらをすべてレンゲルは弾き飛ばす。

 

 

江端はモニターを見ながら驚愕していた。

 

マルオの融合係数は相変わらず1000台だったが、勇也の融合係数は先程400台にまで落ち込んだのにも関わらず、今は511...547...569と少しずつ上がり続けている。

 

「ギャレンの融合係数が尚も上がり続けています!」

 

「これが...上杉勇也の力か...」

 

と江端は尚も驚愕する。そして二人の戦いを見つめる江端。

 

 

「ハッ!」

 

とギャレンは錫杖で鋭い連続突きを放ち続ける。それらをギャレンは全て回避する。そして放たれた突きを回避しつつ、錫杖を掴み、上に持ち上げる。

それによりレンゲルの胴がガラ空きとなる。そこにギャレンは銃撃を加える。

 

「グッ!」

 

「どうした、マルオ!あれだけ偉そうなこと言っといてこんなもんか?!」

 

とギャレンはレンゲルを煽る。

 

「舐めるな、勇也」

 

とレンゲルはカードをラウズする。

 

 

REFLECT

 

 

ギャレンはレンゲルを殴りつけた。

だがその攻撃のダメージは『リフレクト』のカードにより全てギャレンに反射された。

 

 

「カハッ!」

 

と予想せぬダメージにギャレンは怯む。レンゲルはギャレンの隙を見逃さなかった。

錫杖を横薙ぎし、渾身の威力の威力の一撃をギャレンの右脇腹に叩き込んだ。

 

ギャレンは声も出さず、吹き飛ぶ。

 

「終わりだ、勇也」

 

とレンゲルはギャレンに歩み寄る。ヨロヨロと立ち上がるギャレンだが、足腰が折れ倒れ込みそうになる。そこにレンゲルはギャレンに向けて錫杖を叩きつけようとする。

 

だがギャレンはレンゲルの胴にタックルを仕掛けた。倒れ込む振りをしてレンゲルの隙を伺っていた。

 

唐突のことに反応できないレンゲルをギャレンは押し飛ばすと、一定の距離を開け、そこに銃撃を連射し怯ませる。

 

二人は変身した時のように向き直る。

 

 

「次で終わりにすっか?」

 

「あぁ、そうしよう」

 

と二人は確認をとると、互いにカードをラウズする。

 

 

DROP

FIRE

《バーニングスマッシュ》

 

 

SCREW

BLLIZARD

《ブリザードゲイル》

 

 

ギャレンは前転宙返りをしながら炎を纏った足を、

レンゲルは冷気を纏ったコークスクリューパンチを繰り出す。

 

 

炎と冷気がぶつかり合い、大きな爆発を引き起こした。

 

煙が空間を包み、ガラス越しには二人の姿を目視できなくなる。

 

「旦那様...!」

 

と江端は静かに言う。

 

 

 

そして煙が晴れる。

 

 

そこには片膝をつき変身が解除されたマルオと、先程のように地面に大の字に倒れ、同じように変身が解除され、ゼェゼェと荒く呼吸をする勇也の姿があった。

 

 

「...参った。俺の負けだ、マルオ」

 

「私を...名前で呼ぶなと言っただろう」

 

とマルオは立ち上がる。そして彼は勇也に背を向け、歩きだす。

 

「おいおい、的に背を向けていいのかよ」

 

「君如きに背中を見せた所でどうどういうことは無い。あと今日から4日間の間だけ、君にギャレンバックルを貸し与える。バックルには発信機を付けさせてもらったがね」

 

「...!そりゃどうも」

 

短いやり取りを終えると、マルオはモニタールームに戻る。

 

「旦那様!お怪我は...」

 

「平気だ。アンデッドの治癒力なら、これくらいの傷は数時間程度で治る。では私は風太郎くんの所に行く。勇也には余計なことを言わないでくれ」

 

「心得ております」

 

と江端は恭しくお辞儀をすると主人を送りだす。

 

 

 

『勇也、私を許せ。私は君のようにはなれない。君のように過去を振り切って前だけを見て歩くことは出来ない。

 

そして私は君を、妻が愛した娘を、人間を、私を含めたアンデッドを、全ての生命をこの世から消し去る。

 

 

この偽りのバトルファイトの勝利者は最初から...

 

 

《ジョーカー》と決まっている』

 

 

そして彼は歩き出す。

 

 

勇也は傷だらけの体で立ち上がると地上に出た。辺りはすっかり暗くなっており日を回っていた。そしてスクーターの収納にいれておいたリュックサックにギャレンバックルとカテゴリーAをしまい込む。

 

風太郎とらいはに久しぶりなにか美味いものでも買って行ってやろうか。だが勇也は自分の携帯に留守番電話が来ていたことに気づく。その番号はらいはの通う小学校からだった。

 

そしてその内容を聞いて驚愕する。らいはが高熱を出して倒れたと言うのだ。

 

「クソっ!待ってろ、らいは。すぐ帰るぞ!」

 

と勇也はスクーターに跨りアクセルを全開で捻り自宅を目指した。

 

だが彼の心はらいはを心配すると共に、自身が『仮面ライダー』に戻りまた人を守れることに喜びを感じていた。

 

そして彼は決意する。

 

『俺はもう、あの時とは違う...

 

 

 

愛する人を見殺しにした、あの時とは...!』

 

勇也はさらにスクーターのスピードをあげ、帰宅を急いだ。




♢8 バットアンデッド
夜行性である為に太陽の光を極端に嫌っており、普段は暗い下水道や洞窟の奥深くにその身を潜ませている。

活動時間となる夜間での行動の際は暗視スコープの役割を果たす眼と全長が8mにも及ぶ巨大な翼を使って獲物となる人間の生き血を求めて暗躍し、上空から獲物目掛けて襲いかかる習性を持つ。

また、超音波で暗闇でも的確に相手の位置を把握する能力も有するほか、無数の蝙蝠を操って敵に襲いかからせる事もできる。
そのほか、滑空しながらの体当たり攻撃で敵を粉砕する戦法を得意としている。

22時くらいに日間ランキングを見たら、72位にランクインしてしました。嬉しい限りです。これからも頑張ります。
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